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2012.03.10

今冬の寒波は地球温暖化がもたらした。

 運命の日、3月11日前に冷たい雨が降っている。今年は震災のために雪かき後の雪を搬送するトラックが足りないほどの大雪に見舞われた日本各地だが、この寒い冬は「地球温暖化」がもたらしたという。3月2日のナショナルジオグラフィックニュースによれば、

地球の温暖化によって北極域の海氷が少なくなると、北極で発生した低気圧の進路が変わり、シベリア地方に寒気が入りやすくなる・・・日本の今冬の厳寒や大雪も、こうしたことが一因と・・・JAMSTECの研究チームは過去の気象データを解析し、欧州の北にあるバレンツ海を発生源とする冬の低気圧が通常ならばシベリア沿岸を東向きに進むのに対して、海氷が少ない冬は北極点方向に北向きに進む特徴を見つけた。そのために北極地方の気圧配置も変わり、シベリア地方に寒気が入り込みやすくなっていた。寒気は数日後には日本に到達し、厳しい寒さをもたらす。豪雪となった2005~6年冬も、同様な気象条件だった・・・日本の気象の長期予報では、数値モデルにエルニーニョやラニーニャなどの低緯度地方の現象の影響や、北極など高緯度地方の影響を組み合わせている。しかし、バレンツ海などの海氷分布は平年値を利用しており、各年の海氷の多少はデータに加味されていなかった。今回の研究は、北極域での海氷の減少が中緯度地方の気候変動と密接に関連することを示したもの・・・

ということだ。2009年の10月16日のナショナルジオグラフィックの記事には、すでに北極海の氷が減少していることに対する警鐘が鳴らされている。

・・・北極圏の広い範囲で10年以内に氷が消える可能性を指摘する研究が10月15日に発表された。そうして北極の氷が消えた際の影響は、ただ単に海の上から何もなくなるということにとどまらない。まず、氷が溶けることで北極周辺の海と天候が荒れやすくなる可能性のがあることが、最近発表された・・・ヒギンズ氏は次のように話す。「北極圏、特にアラスカを中心に、気候システムに大きな変化が生じ、気圧が低く嵐の多い気候システムに移行してゆく。北極圏の海氷の変化によって、嵐は数だけでなく激しさも増すだろう」。 さらに同氏は、「氷が溶けて海水面の面積が増えると、水蒸気が氷に妨げられずに海面から大気中に放出される」とも指摘する。北極圏の大気に含まれる水蒸気の量が増せば、嵐は大型化し、雨やみぞれ、雪が増える・・・北極圏の氷冠の面積はここ数年連続で最小記録を更新しており、多くの研究者が夏季の海氷は10年ごとに約10%ずつ縮小すると算出している。ヒギンズ氏によれば、雨は海氷の溶解を進ませるため、降水量と嵐の増加が海氷の減少に拍車をかける可能性も・・・今回の嵐の研究は、現在から70~90年後の海氷量の予測に基づいて行われたものだが、最近の海氷の減少の状況とともに、さらに大幅に海氷量が減少するとの予測もあることから、北極圏での嵐の増加はもっと早まる可能性もある。・・・

しかも、2月15日のナショナルジオグラフィックは、海水温の上昇が続いていることを次のように伝えている。

地球温暖化に伴って、水深700メートルまでの海水温が、世界全体平均で10年あたり0.02度のペースで上昇していることが、気象庁の解析で明らかとなった。海面水温についてはこれまでも解析しているが、海の深い部分まで対象としたのは初めて。・・・1950年から2011年までの、水深700メートルまでの海水温のデータを解析した。その結果、年ごとに上昇・下降を繰り返しつつも長期的に上昇傾向にあり、そのペースは10年あたり0.020±0.003度の上昇率だった。特に90年代半ばから2000年代初めにかけての昇温が大きく、その後も水温の高い傾向は続いている・・・こうした現象は、地球温暖化の進行に伴って増加した地球全体の熱量の半分以上が海洋内部に蓄えられ、そのために水温が上昇していると考えられる。ちなみに海面での水温は10年間で約0.07度の上昇率だ。また地球温暖化に伴い、海面水位も上昇している。人工衛星の観測によると、1993年から2010年までに1年あたり2.95ミリの割合で水位が上昇している。この上昇量の約1/3にあたる0.88ミリが、水深700メートルまでの海水温の上昇に伴う熱膨張によるものと考えられ・・・

地球温暖化が呼ぶ気候変動が我々の暮らしに密接に関係していることが分かる。

 そういえば、冬に起こらないはずの竜巻が2月から3月にかけてアメリカで相次いで発生し、多くの人的物的犠牲が出たことも温暖化に関わっている。3月3日のCNN.co.jpによれば、

(CNN) 米国中西部で2日に多数の竜巻が発生し、インディアナ州で15人、ケンタッキー州で12人、オハイオ州で1人の計28人が死亡した。国立測候所(NWS)の気象学者、ジョン・ゴードン氏は2日午後、「現在、6つの竜巻が発生している」とし、「甚大な被害が出ている」と発表。その後、ケンタッキーとインディアナで最大規模の竜巻が報告された。ゴードン氏はケンタッキー州や南部の州で竜巻が大量発生しており「尋常な状況ではない」と語った。・・・特に被害が大きかったのはインディアナ州南部で、ジェファーソン郡とスコット郡でそれぞれ3人が死亡し、さらにクラーク郡でも2人が死亡している。また、ケンタッキー州のスティーブ・ベシア知事は2日、州全体の非常事態を宣言した。知事は、今後同州で複数の死者が出る恐れがあると語っていた。同州では、2日に発生した竜巻で少なくとも5人が死亡したと先の報道では伝えられていた。同州東部のウェストリバティーでは、竜巻で破壊された建物内に住民が閉じ込められているが、今のところ負傷者は報告されていないという。またオハイオ州ベスルでは、トレーラーハウス内で50代の男性が遺体で発見された。テネシー州では、激しい嵐の影響で8人が重傷を負った。同州では計9郡で竜巻が発生したと見られ、州全体で少なくとも29人が負傷したという。またアラバマ州のロバート・ベントレー知事は、2日朝に同州で2つの竜巻が発生し、これまでに7人の負傷者と40件の家屋倒壊が報告されているが、死者は出ていないと語って・・・

恐ろしいことだが、手をこまねいてはいられない。

2011.10.20

気候変動が人々を襲う

 地球温暖化による気候変動が、人々の暮らしに大きな影響を持つといわれて久しい。今年を振り返ってみても、異常な動きをする台風の猛威に多くの人的物的被害が出た。9月7日のSANKEIEXPRESSによれば、

    ・・・ 台風12号による紀伊半島豪雨で9月6日、死者は48人、行方不明者は56人となり、計104人に達した。台風被害としては、98人だった2004(平成16)年の台風23号を超え、平成に入って以降、最悪・・・世界で異常気象が相次いでおり、紀伊半島豪雨も地球温暖化による台風の大型化と関係が・・・大型ハリケーン「アイリーン」が猛威を振るったばかりの米国を再び災害が襲った。メキシコ湾沿岸上にあった熱帯低気圧「リー」が4日、米南部ルイジアナ州に上陸し、ルイジアナ、ミシシッピ両州の沿岸地域に豪雨や水害をもたらし・・・さらに、リーによる強風や昨秋からの干魃(かんばつ)の影響で、テキサス州で山火事が広がり、5日までに約1万ヘクタールが焼け、476棟の住宅が焼失した。テキサス州の山火事による住宅への被害としては過去最悪規模・・・干魃や内戦の影響で飢饉(ききん)に見舞われている東アフリカのソマリアについて、国連食糧農業機関FAO)は5日、新たに南部ベイ地域に飢饉が広がったと発表・・・約75万人が今後4カ月の間に餓死する恐れがある・・・ソマリア国内で飢饉が認定されるのはベイ地域が6カ所目。ソマリアでは今年、穀物収穫量が過去17年間で最低になる見込みで、穀物価格が昨年に比べ300%も高騰。ベイ地域では5歳以下の乳幼児の8%が急性栄養失調・・・日本では今年、記録的な大雨が目立っている。7月の台風6号で、高知県馬路(うまじ)村の総雨量は1190.0ミリ(月間雨量平年値の約2倍)。7月末の新潟・福島豪雨では、福島県只見町が711.5ミリ(約2.5倍)を記録。8月26日に首都圏を襲ったゲリラ豪雨は東京・練馬で1時間に90.5ミリと観測史上2番目・・・気象庁は、1時間に80ミリ以上の「猛烈な雨」の発生頻度を全国の地域気象観測システムアメダス)で調査。観測点1000カ所当たりの回数は1976(昭和51)~86年は年平均10.7回だったが、87~98年は13.6回、99~2011年は17.0回に増えた。地球温暖化による大気中の水蒸気量増加が一因・・・台風は海面に立ち上る水蒸気を燃料とする大気の巨大なエンジンだ。地球温暖化が進むと発生個数は増えずに、個々が大型化するという予測がある。近年の台風は、そうした傾向を示し・・・人間は自然界の一部である以上、地球にやさしいライフスタイルを確立した上で、被害を未然に防ぐ避難態勢を充実するしかない・・・

という悲惨な状況だ。まさに、現在タイで進行し、日系を含む多くの企業が損害を被っている洪水も今までの人間の営みが遠因になっていることは、もはや疑いの余地がない所まで来ている。9月10日のCNN.co.jpによれば、

・・・米海洋大気局(NOAA)は10日までに、今年6~8月期の夏季の気温は過去75年間で最高の暑さを記録し、米国史上では2番目の高温・・・ルイジアナ、ニューメキシコ、オクラホマとテキサス各州では最高記録となり、一部の州では30度以上の平均気温が観測・・・米国家気象局によると、夏季初期に発生した熱波被害では全米で少なくとも22人が死亡・・・暑さが特にひどかったのは南部のテキサス州で、平均気温は約30.4度。同州ダラスの市民は約37.7度以上の高温に40日間連続で襲われていた。テキサス州に隣接するオクラホマ州では約30.2度の最高気温を観測、1934年に記録した約29.5度を塗り替え・・・8月に限って言えば、アリゾナ、コロラド、ルイジアナ、ニューメキシコ、オクラホマとテキサス各州で史上最高の高温を記録。・・・NOAAによると、今夏の熱波被害でエネルギー需要も平年より22%以上伸びた。エネルギー需要量の統計開始は1世紀以上前となるが、今夏の伸び幅は過去最大だった。南部諸州での干ばつも記録的・・・太平洋南部で起きているラニーニャ現象は強まると予想しており、テキサス、ニューメキシコやオクラホマ各州の干ばつは今後も続くとみている。ラニーニャ現象は海面の水温が低くなり、地球温暖化との関連も指摘され・・・極端な干ばつは山林火災の多発も招き、テキサス州では過去7日間で約180件の出火が報告され・・・鎮火時期の見通しも立っていない。

という有様で、まさに阿鼻叫喚といった状況だ。

 台風同様、日本の各地でも温暖化の兆候は各所で見られている。9月11日の毎日新聞によれば、


 ・・・下関市沖で先月30日、主に鹿児島県など南日本からオーストラリア西岸にかけて分布する南方系の魚「カタボシイワシ」が確認されたと発表した。山口県では2例目の確認で、同センターは「地球温暖化の影響で、下関市沖が日本海におけるカタボシイワシの分布の北限になっている可能性がある」として・・・カタボシイワシはニシン目ニシン科サッパ属の魚で、約30センチまで成長する。山口県では08年9月に下関市蓋井島沖で行われたまき網で初めて確認された・・・

というし、9月13日の京都新聞は、
 京都市西京区大原野の小塩山(標高642メートル)などで見られ、国の絶滅危惧II類に指定されているギフチョウが、近年激減している。地元の環境保護団体によると、観察できた成虫の個体数は調査を開始した2008年以降、毎年半減している。産卵する植物が動物の食害や日照不足で減少している・・・ ギフチョウはアゲハチョウ科のチョウで、成虫は4月に見られ、5月中旬ごろに産卵する。地元住民らでつくる「西山自然保護ネットワーク」によると、本州に分布し、京都市内では東山などでも見られたが、近年は小塩山など西山地域で見られる程度・・・原因はよく分かっていないが、地球温暖化など気候変化のほか、産卵し幼虫のエサとなるミヤコアオイなどの植物が、動物に食べられたり、周囲の常緑樹が生い茂り、日当たりが悪化し育たなくなったことなどが原因・・・
との記事を掲載している。
 この様な状況下で生物は、生き残るために自らを変えていくか適応できずに滅びるかの道を歩むことになる。10月18日のCNN.co.jpによれば、
・・・地球温暖化の影響で多くの動植物の小型化が進み、いずれ人間の栄養源にも影響が及ぶかもしれない・・・温暖化と降雨不順の影響は、海中の微生物から地上の肉食動物に至るまで生態系の隅々にまで及んでいるという。同大学のデービッド・ビックフォード氏は、特に温度変化の影響を受けやすいカエル、カメ、ヘビなどの外温動物は、水中でも地上でも既にかなりの小型化が進んでいると指摘・・・化石の調査では、約5500万年前に温暖化が起きた時期に甲虫やハチ、アリなどの昆虫が最大で75%も縮小していたことが判明。別の化石調査でも、ホリネズミ、モリネズミ、カリフォルニアのリスなどの動物が温暖化期に小型化していた・・・大気中の二酸化炭素濃度上昇によって発生する海の酸性化を再現した実験では、サンゴ、ホタテガイ、カキといった海洋生物の小型化が確認された。温暖化が1度進むごとに、海洋無脊椎生物は最大で4%、サンショウウオは14%、魚類は22%小型化するという結果が出た。酸性化の影響で植物性プランクトンも成長しにくくなり、影響はプランクトンを餌とする海洋生物全体に及ぶ・・・植物にも温暖化による小型化の傾向が見られたといい、その主な原因として、水の減少や土壌養分の減少を挙げ・・・研究チームはさらに、人間への影響についても言及している。魚を主なタンパク源とする人口は世界で10億人近くに上ると指摘。将来的には降雨不順のために多くの地域で耕作が難しくなると予想・・・

としている。洪水などによる災害と食糧不足の両方によって人間はその生存を危うくされることになる。そしてこれは、人々の間の富の不均衡を生み、戦争などの紛争の引き金となるに違いない。平和で物や人が交流し、流通し合う平和な時代から色々な物を争奪する時代が来る訳だ。平和なグローバル経済を前提としたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定(かんたいへいようせんりゃくてきけいざいれんけいきょうてい)によって日本が食糧の自給を放棄したとしたら、将来に大きな禍根を残すことになるかもしれない。孫子のなく顔を予想すると悲しくなってくる。

2011.10.04

温暖化でミカンも

 静岡の山にはミカンが実り出している。店頭に早生ミカンも並ぶようになった。ところで、9月1日の時事通信によれば、今年の夏も昨夏に続いて暑い夏だったようだ。

気象庁は1日、今年の夏(6~8月)の天候まとめを発表した。都市化の影響が少ない全国17地点の平均気温は新平年値(昨年までの30年間平均)より0.88度高く、統計が残る1898年以降の114年間で4番目に高かった。・・・太平洋高気圧の勢力が約2週間周期で大きく変動し、梅雨入り・明けが平年より1~2週間早い地方が多かったのが主因。6月24日に埼玉県熊谷市で最高気温39.8度を観測し、国内観測史上初めて6月に39度台となるなど、夏の前半に東日本を中心に記録的猛暑となった。・・・梅雨入りは近畿が5月22日ごろで1951年以降では56年の最速記録と並び、梅雨明けは沖縄が6月9日ごろで過去最速だった。

それは、日本だけのことではないようで、8月27日のサーチナは、四川の高温被害の模様を伝えている。

・・・四川省濾州市で最近、50年ぶりとなる異常気象の高温が続いており、100万人近い市民の飲料水が足りない状況が続いている。中国中央政府の関連部門は26日、最も深刻な古藺県と叙永県に人員を派遣、干ばつ被害・・・

ということだ。この冬の電力不足に対して天然ガスを使った火力発電の話も取りざたされるが、やはり、企業や各家庭での節電が大切だ。暖房は冷房よりも電力を必要とするが、寒さのピークは、企業の操業ピークとは重ならないから、夏のような対策は必要ないかもしれないが、各自コートを着用し、一枚重ね着することで過剰な暖房をやめることができる。いや、やめなければならない。なぜならば、温暖化は一層深刻になっているからだ。8月25日の紀伊民報によれば、温州ミカンも高温が続くと栽培が困難になると言う。

「地球温暖化がこのまま進むと和歌山県の主要産品である温州ミカンの栽培が困難になる」。そんな可能性を県果樹試験場(有田川町)が調査研究で示した。すでに発芽と開花時期の早まりや実と表皮が離れる浮皮現象の増加など温暖化による影響を確認しており、生産者に警鐘を鳴らしている・・・これに伴い地温(地下10センチ)も上昇し、夏場には木にストレスを与える30度を超える日が増え、さらに秋以降15度以下に低下する時期が遅れている。雨量は1980年以降干ばつが頻繁に現れるようになり、特に7、8月は顕著だ・・・ 県内の温州ミカンの発芽は4月上旬、開花は5月上旬ごろに始まり、その後1週間ほどで満開を迎える。興津早生の発芽は1971~1980年には平均4月14日だったのが、1990~2008年には平均4月6日と1週間以上早まった。開花時期も7日間早まっており、林温州でも同様の傾向が見られた。発芽は2、3月、開花は4月の気温と地温に関係があり、気象データの推移とも一致・・・秋以降の気温と地温の低下の遅れから、実の成長が止まった後も皮だけが成長を続け浮皮現象を発生する危険性が高くなっているという。また、発芽期以降の気温上昇によって、特に裏年での生理落果を増加させ、隔年結果を助長している・・・萩平淳也主査研究員は「気温上昇だけで産地が移動するとは言い難いが、近年多発する異常気象が栽培を難しくしているのは事実。今後、温暖化に対応した新品種の育成など対策を考えたい」と話して・・・

紀伊半島は、今年やってきた異常な動きをする台風に散々痛めつけられた経緯がある。少しでも温暖化による気候変動を和らげるため、ウォームビズに励むべきだろう。

2011.08.08

荒れる空・飢える民

 極端に歩みの遅い台風に不安定な天候。先の新潟豪雨をはじめ、気候がますます荒れ狂うようになっている。8月5日の産経新聞によれば、

関東や東北地方では7月下旬以降、「梅雨末期に似た不安定な気圧配置」(気象庁)となり、太平洋高気圧の勢力が弱まっている。同庁は週明けに天候は回復するが、その後も大気が不安定な状態が続くと予測。民間気象会社「ウェザーニューズ」は、局地的に突発的な大雨をもたらすゲリラ豪雨が昨年と比べ、全国的に3割以上増加するとの見方・・・ ゲリラ豪雨は大気の状態が不安定となった場合、地面付近の暖かく湿った空気が上昇し、積乱雲が急速に発達するため発生する。 同社は昨年の発生回数を計測し、識者による今夏の気象予測から、発生回数を分析。今夏は東京で約120回(昨年88回)、宮城で約240回(同189回)、千葉で約210回(同155回)などと見込んでいる。 気象庁は関東や東北地方では、週末はぐずついた天気になると予測。同庁担当者は「週明けから本格的な夏が戻るが、今夏は太平洋高気圧の勢力は安定せず、昨年のように連日晴天とはならないだろう」として・・・

こういった不安定な気象は、もちろん日本ばかりではない。8月2日のRecord Chinaによれば、

・・・中国気象局によると、7月から中国の平均降水量が過去11年で最も少なくなっており、大規模な干ばつはまだ発生していないものの、一部地域で少雨高温の天候が続き、干ばつが深刻になりつつある。・・・観測によれば、7月以降の中国の平均降水量は105.8mmで、平年と比べ8.7%少なく、過去11年で最も少ない。新疆ウイグル自治区北部や内モンゴル自治区東部、チベット自治区、中国北西部の東部などでは降水量が平年と比べて3割増から倍以上となっている一方、その他の地域では平年と同水準かそれ以下の降水量となって・・・特に中国北西部の中西部や内モンゴル自治区中西部、湖南省、広西チワン族自治区、貴州省、雲南省、重慶市など中国西南部を中心に降水量が平年と比べて3~8割減少し、局地的にはそれ以上の状況となっている。中でも貴州省と湖南省は観測が始まった1951年以来最も降水量が少なくなっている。・・・

というし、CNN.co.jpの伝えるところでは、

・・・米国南部で記録的な干ばつが広がっている。当局が1日に発表した統計によると、7月は米国土の約12%が異常干ばつに見舞われ、12年前に統計を取り始めて以来、最悪となった。異常乾燥や干ばつは40%以上の州に及んでいる・・・米干ばつ対策当局は、気象状況を観測して「異常乾燥」から「異常干ばつ」までの段階に分けて乾燥の程度を分類。通常のリスク管理で想定できる範囲を超えた状況を「異常干ばつ」と定義している。異常気象は南部全域に広がり、特にテキサス州では深刻な状況に見舞われている。・・・州当局によると、テキサス州の干ばつは同州史上3番目の深刻な水準で、80万ヘクタール以上の農地で異常乾燥のため作物が収穫できない状況だという。特に綿花、トウモロコシ、穀物が大きな打撃を受けている。また、ニューメキシコ、ルイジアナ、オクラホマ、サウスカロライナ、ジョージア、アーカンソー、フロリダの7州も85%以上が異常乾燥・・・

ということだ。同じくCNN.co.jpは、7月29日付でケニアの悲惨な状況も伝えている。

・・・記録的な干ばつに見舞われているアフリカ東部のケニアで、給食を無料で提供して住民の命綱となっていた小学校の夏休みが迫り、援助団体が危機感を募らせている。援助団体の関係者は「もし学校が閉まれば、子どもたちが絶望的な危険にさらされる。弱い存在である子どもたちにとって、死の危険が現実のものになる」と訴える。隣国ソマリアでは国連が「飢饉」を宣言し、ケニアでは政府が非常事態を宣言した。援助団体によれば、同国では現在、約350万人が食料不足に見舞われ、その約3分の1を5歳以下の子供が占める・・・特にひどい干ばつに見舞われている北部のトゥルカナでは、既に多くの小学校で食料が入手できなくなり、給食を打ち切った。ケニア政府は国連世界食糧計画(WFP)の協力を得て、国内全土の学校に給食のための資金を供給してきた。本来は教育の向上を目指す措置だったが、現在ではこれが唯一の生存の糧になっている家庭も多い・・・ユニセフの現地スタッフは、給食が中止になればただでさえ深刻な食糧難の一層の悪化は避けられないとして、継続のためにあらゆる措置を講じる・・・ケニア政府は現在、8月の夏季休暇の間も学校を開けるかどうかを検討中。国際援助を受けて無料給食を提供している学校には入学希望者が殺到・・・「人々が大量に死んでいくのを見捨てずに済むよう、国際社会に支援を呼び掛けたい」と援助団体は訴えて・・・

という。世界中が異常な気象によって混乱の度合いを増しているのだ。政局・経済も混乱の度合いを歩調を合わせたように増している。「環境の世紀」は、「混迷の世紀」に変わりつつあるのかもしれない。

2011.07.31

劣化する米

 今年は各地で豪雨や変則的な動きをする台風が猛威を振るっている。これらは、温暖化による気候変動がもたらしたものだと言われている。台風の接近は、伸びて穂をつけつつある水田の水稲にも影響するので今後の台風の発生や動きは気になるところだ。現在発生している台風9号は、すでに中心気圧が930ヘクトパスカル台にあり、北西に進んでいるが、高気圧の配置を見ると沖縄を越えた所から東に転進して日本本土に接近する可能性がある。気になるところだ。

 ところで、こうした気候変動を伴う地球温暖化は、我々の食糧の質や量に大きな影響を与えると言われている。6月24日の毎日新聞によれば、温暖化が進むことで米の劣化が大幅に進むらしい。

・・・温暖化で二酸化炭素(CO2)濃度が1.5倍になると想定される50年後には、コメの高温障害が進み、品質が劇的に劣化することが、農業環境技術研究所(茨城県つくば市)の実験で分かった。・・・50年後のCO2濃度は現在より200ppm(1ppmは100万分の1)高い584ppmになると想定されている。研究チームは、この条件下でコシヒカリを栽培した。隣接する通常の水田(対照区)と収量や、品質の指標となる整粒率(透明度が高く、形が整った米粒の比率)を調べた。 その結果、10アール当たりの収量は対照区の550キロに対し640キロと16%増えたが、整粒率は対照区の44%に対し27%と17ポイント下がることが分かった。 CO2濃度の上昇で光合成が活発化し収量は増える一方、栄養分の窒素が不足し、たんぱく質の含有率が低下して整粒率が落ちたとみられる。整粒率が低下すると、コメの等級が下がる。 同研究所の長谷川利拡(としひろ)上席研究員は「CO2濃度が高い条件に応じた肥料のやり方を工夫することが必要・・・

先を見越した対応が農産物・特に主食の米においては大切な問題になる。品種改良による「つや姫」など、高温対策に本腰を入れているところを見ると、さすがに生き物を相手にしている組織は、地球温暖化を現実の脅威として認識し、対応しているのだなと感心するばかりだ。願わくば、気候変動が人知の及ぶ範囲内で起こってほしいものだ。

2011.02.14

地球温暖化が招いたムバラク退陣

 このごろ何かと「地球温暖化」のためとする評論が多すぎる。何でもかんでも地球温暖化のせいにするのはどうか!!と私も思うのだが、これまで地球温暖化とそれに伴う気候変動を追ってきた経験からすると、やはり、チュニジアやエジプトでの政変の主因は「地球温暖化」に伴う気候変動であると結論付けねばなるまい。

 というのは、地球温暖化が国家秩序を揺るがし、国家そのものの安全を揺るがす原因になっているからだ。4年前、2007年のちょうど今頃「気候変動から気候安保へ」という記事を書いたことがあった。この中で、当時イギリスのブレア首相が推進したClimate Security(気候安保)という概念に触れたのだが、ここで書いたことが、中東の雄であるエジプトのムバラク政権を崩壊させた現実と重なって見えてならないのだ。エジプトの政権崩壊など予想もできなかった当時、ブレア首相以下イギリス政府は、地球温暖化が国家の安全保障に影響することを予見し大胆な脱炭素社会の構築に向かった手を打ち出した。そして英政府は、「気候変動」に代わって「Climate Security」(気候安保)という新語を盛んに口にするようになった。異常気象が増えれば、自然災害によって国家の安全が脅かされることをいち早く想定したことは、今考えるとイギリスの先見性を示すものであり、人類にいち早く警鐘を鳴らしたという意味で賞賛に当たるものだと思う。

 確かに、ムバラク退陣をICTを活用した若者たちによるものと結論付ける向きもある。確かにそれは一つの要因であると言えるかもしれないが、それだけで人々は行動を共にして強権に対峙することはない。ネットによる情報は単なる政変のきっかけに過ぎないのだ。人々の心を強く動かしたのは、昨今の気候変動による作物の極端な不作に金持ちたちの私利を肥やす「投機」といった動きが重なって食すら奪われるのではないかという危機感だ。一斉に「NO!」を唱えたのは、貧しい人々が生きることができるか不安になるような食糧事情であり、その根元に「地球温暖化による気候変動」があるというのが今回の出来事の本質である。2月5日の産経新聞によってもそのことは明らかだ。 

・・・国連食糧農業機関(FAO)が3日発表した1月の世界の主要食料価格指数が統計を始めた1990年以来、最高を記録した。食料価格の高騰が政権への不満をあおり、チュニジア政変やエジプトの反政府デモを後押しした・・・政情が不安定な中東や中南米諸国は穀物を緊急輸入したり食料価格を凍結するなど対策に躍起になっている。・・・中国など新興国で肉や砂糖の需要が増え、ロシアの猛暑や米国の大雪、オーストラリアの洪水など異常気象が供給に影響した。夏の収穫がわかるまで食料価格は高止まりし、インフレなど不安定要因がさらに価格を押し上げる・・・1月前半に暴動が起きた中東のアルジェリアでは政府が計175万トンの小麦を緊急輸入する一方で、野党の求めに応じ約19年間続いた国家非常事態宣言を解除することを約束・・・ 中南米のホンジュラスでは食料価格を凍結。エルサルバドルでは貧困対策費を30%増やし、グアテマラでは食料にかかる関税を引き下げた。アジアではインドネシアがコメ82万トンを緊急輸入・・・ 2007~08年の食料危機ではエジプトを含む30カ国以上の途上国で暴動が起きた。世界銀行やFAOは「食料の輸出制限や買いだめが一段の価格高騰を招きかねない」として国際社会に協調行動を求め・・・

今後、世界の食糧事情は益々逼迫してくる。中国やアジア・中南米の国々の経済発展による食の欧米化が進めば、定まった量しかない優れた食材は投機の対象となるだけでなく、実際の供給も需要に追い付かなくなるに違いない。経済発展に遅れ、一部の王族がぜいたくの限りを尽くす中東の国々は、食糧を国民に行き渡らせることが難しくなるのだから、国としての存続が危うくなるのは自明の理と言える。国民総生産で中国に抜かれ、政治的にも混迷の度合いを深める日本もやがて供給が需要に追い付かなくなる日が来る。そうなれば、日本ですら「国家の安全が危ぶまれる事態」を迎えることになるに違いない。エジプトのムバラク退陣は対岸の火事ではなく、日本でも起こりうることなのだ。その後の混乱は、全ての人々の上に不幸をもたらすに違いない。2月9日の毎日新聞によれば、

昨年1年間に世界で発生し、死傷者が出たり経済的損害をもたらした自然災害は950件だったことが、独ミュンヘン再保険のまとめで分かった。・・・同社によると、7月から9月にかけて熱波に見舞われたロシアでは少なくとも5万6000人が死亡し、ロシアにとって史上最も致命的な自然災害となった。パキスタンでは同時期、洪水で国土の4分の1が浸水した。大きな被害をもたらす危険があるハリケーンや強い熱帯低気圧は19個発生。・・・ 同社は地震や火山噴火、洪水など自然災害による被害を補償する保険システム構築のため、西暦79年のイタリア・ベスビオ火山噴火以降、3万件近い災害情報の記録を保存・・・ 昨年発生した自然災害の約9割は、大雨や洪水などの異常気象が原因という。担当者は「近年は気象災害が増えており、地球温暖化の影響を無視できない」と分析・・・

というように、地球温暖化は、気候変動を伴って悪化の一途を辿り、国家の安全をも揺るがすレベルになって来ている。 

 さて、当時のブレア首相以下、イギリス政府は次に来るのは「エネルギー危機」だと言っていた。確かに、私たちの周りでもガソリンスタンドが続々と潰れている。灯油すらはるか何十キロも先のガソリンスタンドに出向かなければならない地域が日本でも増えているのだ。それまでに風力発電を含む日本のエネルギー事情は、この危機を乗り越えるまでに成長できるのだろうか。いよいよ「環境の世紀」は猛威をふるう気候変動との国家や世界秩序との戦いという新たな舞台へと進んだようだ。2月12日の産経新聞によれば、

日立製作所は、日立事業所山手工場(日立市白銀町)で、風力発電用の発電機の製造能力を、2年後の平成25年までに現状比7割増の年産2400台規模に引き上げると発表した。世界的な需要が高まっている風力などの環境エネルギー関連事業を強化していく・・・ 太陽光発電など環境エネルギーに対する注目度が高まる中、風力発電も欧州を中心に世界的な需要が拡大していく・・・

という。イギリス政府の予想が正しければ、エネルギー危機は間近に迫っているはずだ。日立のような取り組みが、私たちの身に降りかかる危機に対して間に合えばいいのだが・・・。

2010.12.31

2010年を振り返って・・・地球温暖化

 2010年は、環境を語る上で非常に厳しい年だったと言わざるを得ない。環境意識は、経済の低迷もあって低くなる一方だった。地球温暖化論に対する攻撃も勢いを増し、IPCCのデータねつ造問題から、温暖化はまやかしであるとの声も上がった。しかし、気候変動は止まるところを知らず、大晦日の今日も鹿児島や関西・東北といったところで大雪であったり暴風雪であったりといった大荒れの状態が続いている。鳥取では、スキー場で雪崩が起こり、4名の人命が失われた。こういった異変は、地球上ありとあらゆるところで起こっている。気温は、10度以上の幅で乱高下するのも今年多くみられた特徴だろう。記録的な黄砂や現在オーストラリアで起こっているドイツとフランスを合わせた程の広大な土地での洪水被害やその反対の干ばつなども記憶に新しいところだ。

 気候変動によって過酷な運命を余儀なくされるのは、弱者であったりシロクマのように特殊な環境に適応しすぎた種だったりする。また、サンゴマングースといった種は、その北限を上げて、在来種を脅かすようになっている。そして、その原因と結果が、温室効果ガスの増加世界気温の最高値更新である。このままの状態が続けば、近い将来に待っているのは、食糧問題水問題という破局だ。そんな中で、温暖化と気候変動が避けられないならば、変化に順応していこうという取り組みが始まっていることは心強い。気候変動を防ぐ取り組みと並行して気候変動を予測して生産の在り方や対策を練るという危機管理は今後ますます重要になっていくことだろう。

 今や途上国をしても、一国のエゴを貫き通すことは危険だとの考えが出てきている。インドの動きも中国やアメリカに比べて前向きだ。ぜひ、日本も今一度何が必要なのかを考えて一歩を踏み出してほしいものだ。

2010.12.25

高まる水の価値・・・レアアースの教訓は生かされるか

 地球温暖化による極端な気象が随所で現れるようになって久しい。これまでも、気象が極端に推移していることを危惧し、最近では、極端から凶暴化していることに心を痛めてきた。そして、懸念していたことがいろいろな形で顕在化することに恐ろしくもなった。今年のレアアースをめぐる騒動もその一つだった。そんな懸念材料の中には、レアアースだけでなく食糧問題水問題がある。そして、その水問題がいよいよ表に出てこようとしている。12月10日の産経新聞によれば、

・・・高まる「一滴の価値」(4 「水はいずれ石油よりも投資価値が出てくる」。・・・もう「いずれ」ではない。水はすでに投機の対象になり、石油に流れていた資金が一気に注ぎ込まれている。水メジャー企業の業績は好調で、過去20年間で株価は30倍にもなった。証券会社などは、水に関する企業をまとめ、ファンド(金融商品)として売り出し・・・日本では5年ほど前から、ファンドの設定が相次いだ。いずれの商品も、世界的な水不足の危機を訴え、水関連企業の株価が高くなると予測・・・資産運用会社「野村アセットマネジメント」(東京)が平成16年3月、「ワールド・ウォーター・ファンド」を販売したところ、あっという間に1千億円が集まった。購入希望が急増したため、19年から一時販売停止措置をとる・・・経済産業省は、大手の証券会社や商社などに働きかけ、海外の水道事業に集中投資する水ファンドを23年にも設立することを決めた。・・・一方、深刻な水不足に対する抜本的な対策も急務だ。危機的な現状を訴え、国際社会を動かそうとする取り組みが進んでいる。・・・地球環境問題に提言を続ける米シンクタンク「ワールドウォッチ研究所」のサンドラ・ポスタ氏は1999年7月、報告書の中で「青の革命」を提唱した。・・・国際資源学会の理事としてポスタ氏と親交があった高知工科大の村上雅博教授(環境理工学)は「簡単にいえば、水を大切にし、一滴の水を生かせというのが青の革命の本質だ」と解説。その上で「水をめぐって紛争が起こるという意識が、日本人には特に薄い」と警鐘を・・・「地球温暖化が叫ばれているが、『温暖化になると蒸発量が増えるから降水量が増える』と勘違いする人がいて困る」 村上教授は、日本列島の過去100年間の降水量の変化と気温の推移を調べ上げた。すると、極端に雨の多い年も増えているが、平均すると降水量は徐々に減っているという結果に・・・温暖化の進展で「数億人が水不足に直面する」と指摘され・・・気温が1度上がれば、空気中の水蒸発量は6%増加する。村上教授は「ダムや湖がある場所なら、降った水をためることができるが、雨はゲリラ的に移動するため、降る場所が予測できない」・・・

という状況だ。古来瑞穂の国として、豊かな水による稲作を行ってきた日本人には、「水戦争」などと言っても理解できないのかもしれないが、世界的に見ても事態は深刻だ。しかし、こうした混乱は、ビジネスチャンスととる投資家も多い。よく「中国は抜け目ない」と言われるが、こうした点でも実に周到に動いていることに感心してしまう。現在、オイルから水の供給の源をいかに握るかといった争奪戦が世界各国で進められていることは、前にも述べたが、日本人が気づかぬ間に日本の打ち捨てられた森林が、水の工場であると目を付けた中国人によって買いあさられているというのだ。この状況は、今年のレアアース問題と酷似している。12月12日のMONEYzineによれば、

 

・・・「水の惑星」といわれる地球。だが、地球温暖化とあいまって、その称号も危うくなっている。 ・・・外国人が日本の森林の買収を進めている。この数年、日本の森林の価格は下落を続けており、今が底値と判断した海外投資家が購入するケースが多い。また、水源として利用しようと考える海外企業もある・・・世界の水の需要状況では、先進国では健康や美容などへの関心の高まりから、良質な水へのニーズが旺盛になりつつある。一方で、発展途上国では人口増加や経済発展によって、生活用水が不足・・・通商白書によると、安全な水の供給を欠いている人口は、世界で11億人とされ、安全な水が無いために、毎日4500人以上の児童が亡くなっているという。水不足は今後更に深刻化するとみられており、2025年には世界で55億人の人間が水不足に陥ると予想・・・日本の森林を買収する外国人の中でも、特に中国人の動きが目立っている。中国には長江や黄河などの大河があり、豊富な水を有する国のイメージがある。しかし、中国の年間平均降水量はおよそ660ミリで、1700ミリ近い日本の半分にも満たない。さらに、長江や黄河にはそれにつながる支流が少ないため、大地に水が行き渡りにくいといった欠点もある。そのため、慢性的に水不足の問題を抱えている。また、中国の国土は平地が多いため、河川の水の流れが遅く、汚れた水が滞留しやすい。河川の汚染が進む中国では、汚染が水不足に拍車をかけているといっていい。中国人が日本の森林の買収に動く背景・・・ 日本は資源のない国だといわれているが、実は森林と水に恵まれた有数の資源国である。そのことに気付いた外国人は、今後も日本の森林の買収を続ける・・・

ということだ。あまりに身近な資源だけに見過ごしてきたが、今後、いかにしてこの良質な資源を保全していくかが大きな問題となるに違いない。環境問題は、水問題であり、水問題は食糧問題でもある。現在の混乱した農政を含め、もう一度未来を展望してみる必要がありそうだ。2010年が「レアアース」で目を覚まさせられた年と考えるならば、来る2011年は、「水」が鍵を握る年になるかもしれない。果たして、日本企業や政府は「レアアース」の教訓を今後に生かすことができるだろうか。

2010.12.19

温室効果ガス濃度も更新中・・・北方捕鯨民族の嘆き

 今年の気温が過去最高となるらしいことは、先にも述べたが、とかく因果関係を疑われることが多い「温室効果ガス」の濃度も過去最高となるらしい。温室効果ガス濃度と地球温暖化の関係を裏付ける状況証拠のひとつだろう。12月3日の時事通信によれば、

今年の平均気温、史上最高に=温暖化対策急務・・・世界気象機関(WMO)は2日、今年1月から10月までの世界の平均気温が観測史上最高となる公算が大きいと発表した。また、過去10年間の平均気温も最高となり、早急な地球温暖化対策の必要性を訴えて・・・それによると、10月末までの平均気温は14.55度で、これまで最も高かった98年の14.53度を上回っており、今年11、12月の平均気温が大幅に下がらなければ、観測史上最高となる可能性が高い・・・

とあり、11月24日の産経新聞には、

温室効果ガス濃度 過去最高を更新・・・気象庁は24日、世界気象機関(WMO)の調査で、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの2009年の世界平均濃度が過去最高値を更新したと発表した。昨年の大気中の二酸化炭素(CO2)の平均濃度は386・8ppmで過去最高だった08年を1・6ppm上回った・・・温室効果がCO2の25倍とされるメタンはここ3年で急増。北極地方の凍土が溶けたことや、雨量増加に伴う湿地面積の拡大で微生物の活動が活発化したことが原因とみられる。産業革命以前の1750年と比較すると、CO2は38%、メタンは158%増・・・

というように、温室効果ガス濃度の上昇が、増え続けていることが掲載された。

 このような状況下で最も辛い立場に立たされるのは、温室効果ガスを出す量の少ない経済的な弱者であることは、これまでも述べてきた。産経新聞の11月27日の記事には、北極に住む先住民の置かれる状況が次のように表現されている。

・・・「探地球温暖化の影が、極北に住む先住民、イヌピアットの伝統捕鯨にじわりと忍び寄っている。北極海の氷が解けることでクジラの回遊ルートが変わったり、海底油田の開発が容易になったりして、少なからぬ影響が出ているという。イヌピアットにとって捕鯨は食料を得るだけでなく、先住民としてのアイデンティティーの源泉であるだけに、彼らの社会に危機感が広がって・・・イヌピアットは米アラスカ州北西部に住む「クジラの民」。・・・彼らが追うのはホッキョククジラ。平均で全長約15メートル、体重は50~60トンにもなる大型のヒゲクジラの一種だ。夏には北極海のボーフォート海で、冬にはベーリング海で過ごすため、バロー村沖を通り過ぎる春と秋が捕鯨の季節となる。春の漁では陸から2、3キロ沖までが凍っており、その先の海域でボートに乗ってクジラを追い求める。 捕鯨は千年に及ぶ歴史を刻んできた。1年のサイクルは捕鯨と一体化し、生活の中心にあり続けている。が、この伝統文化が反捕鯨運動と並び、地球温暖化にも揺さぶられている。・・・クジラは海面に浮き上がって呼吸するため、海氷がない開水域が広がるほど移動ルートが拡散し、それだけ捕捉しにくくなる もう一つは人為的な要因。海底で眠っている膨大な石油・天然ガスの採掘を困難にしていた海氷が温暖化で減少した分、資源開発が活発化しており、人工地震を利用した油田探索の音波調査が、音に敏感なクジラをこの海域から遠ざけている・・・イヌピアットはクジラと特別な関係を築き、独自の世界観を持っている。それはクジラが人間の会話を理解し、よい人間と悪い人間を識別することができる、と信じていることだ。霊を天に送り返すアイヌの「熊送り」にも似て、肉などすべてを取り去ったあとに、霊魂が宿るという頭骨を海に返す習わしもある。そもそも肉は売買せず村内で分配するだけで捕鯨の経済的なメリットはない。捕鯨は食料の確保という目的を超えた文化的な色彩を帯びる。先住民であるという証しであり、彼らの生き方そのものというのだ・・・「彼らのエコとはクジラがくれた命を無駄にせず、最後まで使い切ることです。しかも独り占めせずにみんなで分け合う。・・・

食物連鎖の頂点に立つ「ヒト」は、自然に対して畏敬の念を持ち、生命に対しても敬意を払ってきた。日本でも食べた魚に対する供養の儀式を営むところが多かった。命は、他の命を犠牲にして成り立っていくだけに、その命を大切にしていくこと。無駄にしないこと。連鎖を断ち切らぬことを守ってきた。それが、共生と言われる生き方だった。

 現在、近代化を成し遂げた「ヒト」は自然をないがしろにし、「市場経済」という強欲でもって多くの命を踏みにじっている。12月18日の読売新聞によれば、その強欲な「ヒト」が、温暖化阻止の理想から、「現実的」との名の下に環境対策を後退させようとしているらしい。

民主党は17日、地球温暖化対策についての提言をまとめ・・・経済界にも配慮した現実路線に転換した内容となり、・・・2009年の民主党マニフェスト(政権公約)が掲げた、温室効果ガスを2020年に1990年比25%削減する目標は手付かずで、環境政策の迷走が続き・・・提言は「温暖化対策3点セット」と言われる〈1〉排出量取引制度〈2〉地球温暖化対策税(環境税)〈3〉再生可能エネルギー電力の全量買い取り制度――について、基本姿勢を示した・・・〈1〉は、企業ごとの温室効果ガスの排出上限を国が定めた上で、過不足分を売買する制度だ。提言は、「国際的な枠組みの成否を見極め、慎重に検討を行う」として、マニフェストの「創設する」から後退・・・閉幕した国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が実質的な議論を先送りしたことも影響・・・産業界には、民主党の環境政策に対し「コスト増につながる」と反発の声が強く、労働規制の強化などと並ぶ「企業いじめ」との批判すらあった。それだけに今回、制度の検討凍結を打ち出したことには、「民主党が現実に目覚めた」(日本経団連幹部)との評価・・・環境税は、16日閣議決定した2011年度税制改正大綱で来年10月から導入することが決まった。政府は全量買い取り制度を12年度に始める方針・・・ 国内では、25%の削減目標や「3点セット」を盛り込んだ地球温暖化対策基本法案が継続審議のまま、成立の見通しが立っていない。家計や企業の負担を抑えつつ、成長と環境対策を両立させるには、「25%削減目標」そのものの撤回も検討課題・・・

片や隣国では、最大の環境破壊といわれる戦争への危惧が叫ばれている。命に対する尊厳と自然に対する畏敬の念は、あらゆる形でその存続を危うくされているようだ。

2010.12.13

2010年の世界気温は過去最高・・・COP16に見る誠意なき道理

 COP16における日本の「米中が参加しない議定書では、温暖化を阻止できない」という「道理」は理解できないではない。最大の温暖化ガス排出国のアメリカや中国が加わらない議定書は確かに目立った効果が期待できないに違いない。しかし、いくら「道理」を説いてもその裏に誠意がなければ、人々の心には落ちない。日本の一貫した態度は、経団連の強い圧力に迎合したものであって、「地球を守る」という理想とは遠いものだ。12月12日の毎日新聞によれば、

・・・COP16 経済界は評価 議定書延長見送り" 京都議定書延長反対の真意について、外国メディアに囲まれる日本政府団・・・ 国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は11日朝、京都議定書に定めのない13年以降の地球温暖化対策について、今後の交渉の基礎となる「カンクン合意」を採択、閉幕した。議定書延長に強く反対していた経済界からは「最悪の事態はひとまず回避できた」(鉄鋼大手)と一定の評価が目立った。ただし、主要排出国の米中や新興国は依然、削減義務を拒否しており、「日本企業だけが過大な負担を強いられる」との不満は根強い・・・政府が温暖化対策をどう推進していくのかも問われ・・・地球温暖化対策基本法案に明記した「20年に90年比25%削減」は、ポスト京都で米中などの主要排出国の参加が前提となる。今回の合意では主要排出国の参加が確約されておらず、前提条件は満たされないままだ。さらに、継続審議となる来年の通常国会でも「ねじれ」のあおりで成立の見通しが立たない・・・

というのだから、各国の不信感はぬぐえる訳がない。もっともこのことは、環境相も覚悟の上での会議参加だったようだ。12月3日の毎日新聞によれば、出発前から弱音を吐いていたのだから・・・。

 ・・・臨時国会の閉会で地球温暖化対策基本法案が継続審議となったことが進行中の温暖化交渉に与える影響について、松本龍環境相は3日の会見で「(他国などから)指摘されると思う。・・・立場が不利になる恐れがあるとの見方を示した・・・メキシコ・カンクンで開催中の国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)では、京都議定書の単純延長に反対する日本に批判が集まっている。法案は「90年比25%減」の温室効果ガス削減目標を掲げ、成立すれば日本の温暖化対策への熱意を示す材料になると期待されていた。松本環境相は「COP16を成功に導くため建設的な努力をする。日本は、議定書脱退をまったく考えておらず、京都を一番愛しているのは私たちだ」と理解を求め・・・

「議定書は延長できないとしながら、議定書を愛している。」という発言については、これを二枚舌と言わず、何と言えばよいのだろうか。このような外交の場では、往々にして自国の利害を前面にした攻防が繰り返されることは分かる。しかし、経団連に褒められることが正しいとは限らない。そのことで日本は益々誠意を欠いた国と見なされることは明白であり、残念と言わざるをえない。

 人間界の醜い政争や外交上の綱引きを知ってか知らずか、2010年は過去最高気温だったということだ。12月3日の毎日新聞によれば、

・・・2010年の地球の平均気温は観測開始以来、最も高くなる可能性があると、世界気象機関(WMO)が2日、発表した。カンクンで開かれている国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で、WMOは「温室効果ガスの排出増がなければこのような上昇はない」と語り、各国に早急に地球温暖化対策に取り組むよう呼びかけた。・・・WMOは年間の気温も「1850年に温度計による記録が始まって以来、少なくとも3位以内に入る」としている。地域別では、特に北極圏のグリーンランドとカナダが突出し、一部で平年より3度以上高い。熱波に襲われたモスクワの7月の気温は平年より7.6度高く、同月29日に38.2度を記録してから30度超の日が1カ月続いた。アルジェリア北部では2月に36度を記録するなど世界各地で最高気温を更新・・・現在の気温上昇傾向が続くと、大雨や干ばつなど極端な現象が増えると予測している。今年はアジアのモンスーン地域を中心に大雨による洪水が発生し、南米アマゾンは干ばつになった・・・

というのだ。「米中が参加しなくても、日本は温暖化阻止の旗手となるべく努力を惜しまない」と語れば、経団連からでなく各国の心ある人々からの賛辞を受けたに違いないが、日本の態度は頑なだった。12月10日の産経新聞に掲載された会議録によれば、イギリスの説得にも応じようとしない、これまでの日本にない強硬な態度が際立っていたことが分かる。

 英国「今週をどう切り抜けるかが問題で、(最終日の)金曜の段階で決裂したら世界中の人々を暗黒に突き落とすことになる」・・・ 日本「今週をしのぐために今後10年間の問題をなおざりにはできない。誰も議定書の問題で他の重要な問題が人質になることを望んでいない。しかし、他の主要排出国が入る枠組みが法的拘束力を持つか否か曖昧な状況は、われわれにとってフェアでないばかりか、地球温暖化問題に対処する上で効果的でない」 英国「何か解決方法を見つけるべきだ。これで会議が終わったら人々が日本について何を言うかは明らか。交渉が決裂したら日本が新聞のヘッドライン(見出し)になる。われわれは日本を助けようとしているのだ」 日本「日本のレッドライン(最後の一線)は明らかだ。いかに批判されようとも日本全体として受け入れられる限界がある。誰もレッドラインまで追い詰めず、現実的な解決策を見いだすべきだ」・・・

国際会議でこれほど「NOと言える日本」を見たことはない。しかし、いくら「道理」が通っているからと言って、多くの国々が納得することはないだろう。日本の都合を隠し持って「道理」を説いてもその裏に誠意がなければ通るわけがないからだ。環境相の「京都議定書を最も愛しているのは私たちだ」という響きが空しく聞こえるのは、私だけではない。ボリビアのモラレス大統領が語った 「議定書を台無しにするようなことがあれば、それは(環境破壊の)エコサイドでありジェノサイド(虐殺)に他ならない」という言葉を我々は重く受け止め、次回の会議に向けた準備をすべきだろう。

2010.10.31

嗚呼COP10・・・君を泣く

 COP10が終わった。危機にひんした生物の多様性を守るべく、その実態を把握し、危機感を共有し、未来の世界に豊かな生態系を残すための前向きで建設的な話し合いが世界規模でなされるのだと思っていた。しかし、そうした思いから努力する多くの人たちのがんばり以上に伝わるのは人間のエゴや国家利益追求という偏狭なナショナリズムだったような気がしてしまうのが悲しい。私だけかもしれないが・・・。そこに損なわれる生命たちの視点が最優先されていただろうか。「いやいや、そんな夢モノ語のような理想論で現実は変えられないよ。」と言われるかもしれない。「外交というのは、国家利益を前面に出した戦争だ。」と言われるかもしれない。しかし、COP10に私が期待していたのは、ヒトのエゴや国家の利益分配交渉ではなかった。それが現実であり、カネがなければ事は動かないと言われるかもしれないが・・・。

 NHKの龍馬伝というドラマ中で、政商が「混乱はビジネスチャンス」として歓迎し、「日本は幕府を倒した後のビジョンは何もない」と嘲笑うシーンがあった。それに対して弱い民をも政治に参加させる「船中八策」と言われる大政奉還後の龍馬の新国家構想を取り上げ、日本には「憂国の士」と未来を展望できる人材がいたことを強調していたように思う。COP10会議でも、「野心的でいて現実的な形ある愛知ターゲット」が採択されたということだが、ぜひ、奪い合うのではなく譲り合うことで、また、自国に帰って具体的な行動を起こすことで「この2週間が日本への観光旅行ではなく、子どもたちの未来を守るためのハードワークであった」ことを証明してほしいものだ。帰国する彼らに、日本には「奪い合えば足らず、譲り合えば余る」という言葉があることをプレゼントしたい。

 最後に、COP10に向けて尽力した方々に感謝をしたい。報道では混乱と利益配分を巡ったエゴが強調されることが多く残念だったが、随所に未来を守ろうという誠実な取り組みがあることも垣間見ることができた。それにしても未曾有の気候変動や生物の大量絶滅に瀕している地球に対する思いは先進国と途上国といった「現実」という壁の前では、臍を噛むようなことが多くあるということを思い知らされた2週間でもあった。

 事業仕分けでは、太陽光発電助成金スーパー堤防にもメスが入れられた。その両者とも環境産業振興や首都圏を壊滅的な洪水から救うという重大目標が評価されなかった。もちろん、よりよい形での修正はあってしかるべきだろうが、この仕分けによって失うものは少なくないと思われる。アメリカでも環境産業へのシフトを目指すオバマ政権が窮地に立たされている。「環境の世紀」は10年目にして早くも最大の危機を迎えているようだ。

 

2010.10.10

最強米「つや姫」誕生に見る危機管理

 10月1日の産経ニュースによれば、今年のコメの作柄が秋田は6年ぶりの「不良だった」そうだ。今夏の高温による障害でとれたコメのほとんどが2等米となって買いたたかれた農家も多かったと聞く。全体的な作柄は「平年並み」と伝え聞くが、農家にとって厳しい夏であったことは間違いない。我が家のコメの収量も前年を下回っている。「北冷西暑」の予想は、あながち外れてはいなかったようだ。

・・・東北農政局は30日、東北6県の平成22年産米の作柄(9月15日現在)は「平年並み」(作況指数100)だったと発表した。ただ、日照不足にたたられた秋田県は作況指数94で6年ぶりの「不良」に。東北6県のコメの作付面積は戸別所得補償の導入に伴う転作の増加で前年を7200ヘクタール上回る・・・秋田94「不良」-となった。6年ぶりの不良だった秋田は初期生育期の5~6月の断続的な低温と日照不足が響いた 逆に5~6月に低温と日照不足に見舞われた岩手は8月以降の高温で登熟が良好に推移、都道府県別の作況指数で最も高い数字と・・・ ただ、作柄は主に収穫量が目安。各地のコメの検査で夏の記録的な猛暑による高温障害やカメムシの被害も報告され、品質低下が懸念・・・ 戸別所得補償制度の導入で増加した作付面積は主に加工用米や新規需要米など・・・食用米の作付面積の減少幅が県別で最も大きかったのは、加工用米や新規需要米へのシフトに積極的に取り組んでいる秋田の3300ヘクタールで、全体の6割以上・・・

ところが、この危機的な状況下で「希望の星」とも言える新品種のコメが話題を呼んでいる。「つや姫」だ。危機管理とは、「最悪を想定してそれに備えること」によって成し遂げられる。場当たり的で対症療法のような施策では、危機を乗り越えることはできない。新品種「つや姫」は、いまだ巷では地球温暖化懐疑論が散見される中で「地球温暖化による高温障害」と闘える新品種として企画開発されてきた経緯がある。過去に「農林1号」という新品種の改良で日本のおいしいコメのとれる北限が上がったことがあった。この長年にわたる地道で根気のいる作業は道徳の教科書にも掲載された。また、栽培するのが難しい「コシヒカリ」を商品化するためのこれまた気の遠くなるような努力の話も有名だ。10月2日の河北新報によれば、

・・・全農山形県本部は1日、山形県酒田市の山居倉庫で新米の出荷式を開き、3日に発売が迫った山形県産のコメの新品種「つや姫」の販路拡大を願った。・・・県本部運営委員会の今田正夫会長は「ここまでの検査でつや姫は全量が1等米。異常気象の暑さに耐えてきたこのコメを、自信を持って送り出せる。日本一への挑戦の始まりだ」とあいさつ。高橋節山形県副知事は「ブランド化は容易ではないが、関係者の一つ一つの努力が足掛かりになる」と話した。・・・ここまでの刈り取り状況は全体の数%だが、全量1等米と格付けされ・・・ 全国農業協同組合連合会(全農)が農家に支払う2010年産米の概算金で、つや姫は先行販売した昨年を1500円下回る1万1500円となった。コメ余りの状況で東北の銘柄米の1万円割れが相次ぐ中、大台を確保・・・

という。この新品種「つや姫」の素晴らしさや関係者の「つや姫」にかける思いが伺える記事だ。この「つや姫」のすごさについては別の記事でもよくわかる。9月18日の毎日新聞によれば、

・・・「つや姫」の新米の品質検査が17日、県内のトップを切って鶴岡市下山添であり、138袋(約4・1トン)の全量が1等米と判定された。猛暑による高温障害は少なく、生産者や検査員から「異常気象が影響しない品種」と絶賛の声が・・・粒の色や大きさなどを調べたが、懸念されていた「胴割れ」などがほとんどなかった。佐藤敏検査員は「春先の低温や梅雨明け後の高温など今年のような異常気象にも耐える品種だと証明された」と話した。4日に収穫した「ひとめぼれ」約1トンが高温障害で全量2等米になるなど、猛暑の影響に痛手を負っていた菅原さん。この日は新品種全国デビュー直前の初検査とあって、前日から出来を心配する県関係者からの電話が鳴りっ放しだったという。検査結果を聞き重圧から解放されると「大雨でも倒れにくいなど、栽培しやすく異常気象も心配ない。つや姫ってすごい」と笑顔を見せ・・・

また、9月29日の毎日新聞でも、各地で進む品種改良の動きが活発化していることがわかる。過去に現場をよく知る者ほど地球温暖化の実態に直面し、対策を実施していることを聞いたことがある。災害被害による人々の救済に尽力している赤十字という団体がその例だった。保険会社も同様だ。この「現場の声」によりそれまで疑っていた地球温暖化の進行を私は確信することになったのだが、こういった取り組みが全国同一歩調で官民問わず行われることを切に望んでいる。

・・・ 地球温暖化で夏の最高気温が年々上がる中、5万種類の稲を栽培する県農業技術振興センター(近江八幡市)が、猛暑にも耐えられる米の新品種開発を進めている。関西唯一の取り組みで、選抜した200種の高温への耐性を調べるガラス製の高温ハウスでは、今月から黄金色の稲穂の収穫も始まった。センターは13年度を目標に新品種の開発を目指して・・・かつて大きな粒がそろった「1等米」の比率が9割を超え、全国有数の品質を誇っていた。だが98年以降は平均67%に落ち込み、全国平均を超えたのは03年度だけ。全国的にも不作だった99、02年度の比率は半分にも満たなかった。価格は5%ほどの違いだが、農家1軒あたりでは数百万円もの差になるという。
 不振の原因は気温の上昇といい、彦根地方気象台によると、98~08年の県内の平均最高気温は76~97年と比べて8月で1・3度、9月は1・8度高くなった。気温より2度高くなるように調節しているハウスでも、白く変色して粒が小さくなる高温障害を起こした米が目立っており、センターで品種改良を担当する中川淳也主査は「猛暑だった今年は屋外でもこうした米が増える可能性が高い」と話す。全国的にも1等米比率は涼しい北海道や東北で高く、暑い九州で低い傾向が出て・・・
 センターは昨年度から、猛暑に耐える米の開発に着手。通常、新しい品種は5万種から10年以上選抜を繰り返して作るが、今回は専用の高温ハウスを使って急ピッチで選抜を進めている。来年度にも、今回収穫した米の中から高温障害に強く、収量も多い種類を県内の農家で試験栽培してもらう・・・「9月上旬に刈り取る早稲品種が主体の県内では温度の影響が大きい。高温は虫と違って防除できず、対策は品種改良にかかっている」・・・

 現在の日本の農業は瀕死の状態だ。現場の努力だけではど_20101002_41miniうしようもない状況に陥っている。戸別所得補償制度の導入により、農家の収入改善が図られようとしているが、米価の下落がそれを上回り、農家は頑張れば頑張るほど疲弊していく状況にある。高齢化も甚だしく、近隣では実動の農民の平均年齢は70歳を超えていると思われる。そこでここ数年目立ってきたのが、耕作放棄地と雑草の「ヒエ」に覆われた上の写真のような田だ。足を取られるぬかるんだ田に入るのは、老人はもちろん若人にも辛い仕事だ。したがって、田に手間はかけられなくなる。昔だったらこんなヒエや雑草に覆われた田を持つことは「恥」でしかなかったのだが、疲弊した農家には田に入る元気はない。

 また、下の写真のような病虫害による立ち枯れも目立つようになってきた。丹精しても米価は低く、格付けによって買いたたかれ、販路のないまま農家に眠る古米も膨大なものになる。ムッとして息も詰まるような田に入っても、それによって増える収量は知れている。したがってこういった雑草に覆われたり、病虫害で「土俵」ができてし_20101002_42miniまった田が目立つようになっているのだ。

 日本の食糧自由率は3割程度だ。これまで世界有数の経済力で世界中の食糧を買いあさってきたが、日本の食は早晩破たんするに違いない。外から食糧を買うだけの経済力は失われ、内の農業人口は減り続けている。環境問題と同様、いや切っても切れない関係にある農業政策はまさに外交問題にも匹敵する重大問題であるといえる。国は、ようやくレアアースの重要性に気付き、予算をつけてきた。何かあってから慌てて動くのは危機管理がなっていないからに他ならない。それでは遅きに失する。私のような凡人でもずっと前からわかっていたレアアースを一国に頼る危険性について何の危機感も持っていなかったことが露呈された昨今の出来事を見るにつけ、ここ10年で食が破たんした時の政府や国民の狼狽ぶりが目に見えるようだ。最前線で奮闘する人々の努力を無にすることなく、ぜひ「そんなことは先刻承知で手は打ってある。」と思えるような目に見える政策が待たれる。「食い物の恨みは恐ろしい」よ。

2010.08.26

今夏の異常気象が招く食卓の危機2

 今夏の猛暑はまだまだ終わりそうにない。聞くところによれば、9月も熱暑の毎日となるらしい。そんな中、8月23日のCNN.co.jpは、パキスタンの惨状と熱帯低気圧の発生が相次いでいることを危惧している記事を掲載している。今日の予報では、奄美に熱帯低気圧が発生したということなので気になるところだ。

・・・世界的な異常気象が続く中、洪水で深刻な被害が出ているパキスタンは熱波に見舞われ、各地で相次ぎ熱帯低気圧が発生・・・パキスタンは22日、南部と中部で再びセ氏50度台半ばの熱波に見舞われた。過去数日の降雨はほとんどなく、異常な高温と多湿により、被災者は一層厳しい状況に陥っている。少なくともあと数日は、40度を超す気温と50度台前半の熱波が続く・・・欧州では23日、低気圧が英国とスカンジナビア半島上空に移動し、ロンドンなどイングランド南部は大荒れの警報が出ている。強風と大雨により鉄砲水が発生する恐れもある。フランスからポーランドにかけては大気の状態が不安定になり、暴風雨や竜巻が・・・世界各地で熱帯低気圧の動きも活発に・・・南シナ海で22日に発生した熱帯低気圧は週半ばまでにベトナム北部に移動して大雨を降らせる見通しで、洪水の発生が警戒され・・・太平洋東部の熱帯低気圧「フランク」は22日現在、メキシコのプエルトアンヘルから約200キロ南部にあり、23日午後には勢力を強めてハリケーンに・・・大西洋では22日に4番目の熱帯低気圧「ダニエル」が発生した。週半ばまでにはハリケーンに・・・

世界が狂っている・・・という様相だが、こういった異常気象は、私たちの生活をあらゆる側面から突くことになる。特に農作物への影響は深刻だ。ロシアでは、猛暑の直後に初雪が降るといったとんでもない状態らしいが、小麦の輸出を制限・・・ではなく禁止するという強い姿勢を打ち出さねばならぬほど事態は切迫している。自国内での消費量を確保できないのではと懸念されるからだ。16日の産経新聞によれば、

・・・ロシアの干魃(かんばつ)被害による穀物輸出禁止措置は、急騰する小麦価格をはじめ世界の食糧事情に大きな動揺を与えそうだ。 2007年から08年に起こった食糧危機の再来を警告する声は、現時点では少数ではある。しかし、洪水などをもたらしている異常気象のなかで、当時と同じように商品相場への投機資金流入が加速している。主要生産国が国内の需要を優先させ、相次ぎ輸出制限に走れば、連鎖的な食糧インフレにつながる危険・・・ 世界は小麦の供給元として近年、黒海沿岸地域への依存を強めており、ロシアの干魃被害が深刻化した6月以降、国際小麦価格は70%も高騰・・・ただ、米国の輸出は上向き、世界の小麦在庫も07~08年の水準を4割上回っている。このため農務省も「今後、小麦価格が食糧危機当時の記録的レベルに達する証拠はない」と、「危機の再来」という懸念の沈静化に躍起だ。・・・ しかし、今日の状況は食糧危機当時と類似する点が多いのも事実・・・ 前回の食糧危機は、主要生産国が輸出制限に走ったことに加え、米サブプライムローン問題を引き金にした金融市場の緊張を背景に過剰な投機資金が商品相場に逃避した結果・・・ 今回も、人口が多い中国やインドは、国内需要向けに収穫穀物の備蓄に動き出している。欧州の債務危機や米景気の減速で、大量の資金が株式市場から商品相場へシフトしてもいる。世界最大の小麦輸入国のエジプトをはじめ中東や、北アフリカでは、食糧価格が急騰・・・

という。幸いアメリカ小麦は豊作なので、全体としての供給量に大きな問題はなさそうだが、現在の株安が続けば、過去のように投機資金が食物市場に流れ込み、価格の乱高下や高騰を生む恐れは、高まっていると言えるだろう。まさに食卓の危機が迫っているのだ。ぜひ、世界的な投機への抑制策が望まれるところだ。

 ところで、こういった農作物の不作は、他山の石である。日本においても出穂期以降に猛暑が続いているため、玄米のでんぷんが白濁して白未熟粒となり、1等米比率が下がっているようだ。加えて、害虫のカメムシの異常発生も報告されている。8月20日の毎日新聞によれば、

8月20日15時17分配信 毎日新聞

 猛暑の影響で、水稲に被害を及ぼす「斑点米カメムシ類」が平年の倍以上発生し、福島県病害虫防除所(郡山市)が注意を呼び掛けている。出穂期の稲穂の養分を吸い取る虫で、コメに黒い斑点が発生する。商品価値が下がったり、出荷できなくなる恐れが・・・ 斑点米カメムシ類はアカヒゲホソミドリカスミカメやアカスジカスミカメなどの種類がいる。水田周辺の雑草などに生息し稲の穂が出るころに水田に侵入。高温少雨の年に活動が活発になる・・・発生地点率は、会津でアカヒゲが60%(平年22%)、アカスジが20%(同2%)に達した。浜通りでも、それぞれ30%(同14%)と40%(同22%)で、平年のほぼ倍。・・・  同所は、出穂後の薬剤散布などを呼び掛けている。周辺の草刈りも効果的だが、虫を水田に追い込む事になるため、薬剤散布を同時に行う・・・
ということだ。カメムシのために屑米となったものを食べても害はないということだが、日本の食糧流通の特殊性から、屑米に商品価値を見出すのは難しいだろう。
  これらの事態は、人間のエゴによる自業自得だという記事が12日のRecord Chinaに掲載されている。

・・・中国広播網によると、ロシア西部の森林・泥炭火災やパキスタン、中欧での豪雨・洪水、アルゼンチンなど南米での記録的な大寒波など、今年は世界中で異常気象による災害が多発している。・・・国連環境計画(UNEP)北京事務所の専門家・蒋南青(ジアン・ナンチン)氏は「気候変動と地球温暖化は同時に語られることが多いが、気候変動によって引き起こされるのは温暖化ばかりではない」と指摘し、ほかにも局地的な豪雨など多くの極端な気候変化を引き起こすことがわかっていると話す。また、国連国際防災戦略(ISDR)の専門家は、災害の発生件数が増加しているだけでなく、災害の種類や発生する範囲も急速に拡がっているとした。「自然災害とは言っても、その背景には人類によってもたらされた影響が色濃い」とし、「自業自得だということもできる」と指摘し、人類が自然環境や生態系を破壊したことが原因と見られる自然災害の件数が増加・・・災害の及ぼす範囲・被災人数・経済的被害は規模を大きくしており、これらを防止するためにはまずは教育による意識改革が重要、次に行政による土地管理など事前準備が必要で・・・

自業自得で済むのは人間だろう。巻き添えになっていく野生の動植物にとっては迷惑な話だ。世界各地で起こっている食糧危機は、日本のようにその多くを輸入に頼っている国にとっては、死活問題となりかねない。食糧だけでなく水も大量に輸入している日本は、今や「瑞穂の国」と称された過去の日本とは程遠い状況下にあるのだ。世界を飢えさせてまで輸入した食糧を大量に廃棄しているのもまた日本である。8月23日の毎日新聞は、食と密接に絡み合う水問題について次のように警鐘を鳴らしている。

・・・◇「食べ物=水」牛丼1杯で1890リットル 水。身近にある最も大切な命の源だが、その素顔は意外に知られていない。身の回りにある水を追いながら、日本のこれからを考える。・・・ ◇本来必要な農業用水、食料通じ海外依存 日本の食料自給率(カロリーベース)は09年度で約40%。フランスや米国は100%を超えており、先進国で際立って低い。農林水産省は20年度までに50%までに増やす計画だが、仮に農地や人手があったとしても、もうひとつ重要なものが必要になる。 「水」だ。・・・日本が米国、カナダ、豪州などから輸入している仮想水(英語でバーチャル・ウオーター)の量・・・ 仮想水とは、輸入食料を国内で生産したと仮定した場合に必要な水の量だ。英国の学者が、各国の水資源算出のため考えた。 日本は世界各国から小麦、大豆、トウモロコシ、牛肉、豚肉などの食料を年3000万トン以上も輸入している。沖教授の計算によると、その生産に要した水は約640億トン。これは、国内で使われている農業用水の約550億トン(07年、国土交通省調べ)をはるかに上回る。「農地不足の方が大きいが、640億トンもの水を新たに調達するのは容易ではない」。沖教授は語る。 食料自給率を10%引き上げようとすると、「いま日本国内で使っている生活用水約160億トンに匹敵する水が必要になる」(独立行政法人・建築研究所)。一方、農水省は自給率アップにどの程度の水が必要で、確保できるのか試算していない。・・・街で牛丼を1杯食べたとしよう。沖さんの計算では、使われた水は約1890リットル(1・89トン)になる。わずか牛丼1杯になぜ、10リットルバケツで189杯分もの水がいるのか。牛丼の材料となる米、タマネギ、牛肉などの生産に水がいるからだ。牛はトウモロコシなどのえさを食べるので、そのえさに要した水も計算すると、牛肉1キログラムの生産に約20トン(約2万リットル)の水がいる。飼育期間の短い家畜はそこまでの水は必要なく、豚は約6トン、鶏は約4・5トン、卵は約3・2トン。水をモノサシにすると、牛肉がいかにぜいたくな食べ物かが分かる。 沖さんは「食べ物=水という自覚をもつことが大事だ」と仮想水の裏側にあるメッセージを語る。 一方、日本国内では約2000万トンの食品廃棄(環境省調べ)が家庭や外食産業、食品工場で発生している。仮想水に換算すると約240億トンにもなる。「食べものを捨てるのは水を捨てるのと同じだ。食べ残しをしないことが水を大切にすることになる」・・・輸入された食料に感謝の気持ちも必要だ。・・・ ◇異常気象、人口増加…世界の需給予測、厳しく 世界を見ると、水の将来は不安が多い。日本の食料を左右する米国中西部の穀倉地帯では地下水が減るなど水資源は深刻度を増している。中国でも水不足は深刻で、ロシアは今月、猛暑で穀物輸出を禁止。気候変動による洪水や干ばつも頻発し、干ばつに悩む豪州では乾燥に強い遺伝子組み換え小麦の研究まで・・・ さらに、国連の予測では、世界の人口は現在の約68億人から、2050年には約90億人に増える。人口が増えれば水の需要も増え・・・環境審議官として途上国の水基盤整備を指導していた吉村和就・グローバルウォータ・ジャパン代表=写真=は「過去の世界史を見ると、戦争の約半分は水争いが原因だったことを知る必要がある」と強調する。そして「いまの日本には水の安全保障体制がない」と警告・・・ アフリカやアジアなど途上国では約8億人が水不足や不衛生な水に苦しむ。「途上国での水道施設の建設など、日本が世界の水問題で主導権を発揮すれば、紛争解決や食料の安定確保など、世界的な水の安全保障の充実につながる」と吉村さんは訴える。 石油よりも水が価値をもつ時代がやってくる

経済力の凋落や異常気象が日本の食卓をますます危ういものとしているのがよくわかる。10年後の日本が今のような食を享受できるかは今何をするかで大きく変わってくるに違いない。[今!日本がしなければならないこと]とは国内においては「食を含む環境教育」と国外においては育ててきた「環境技術」「水道技術などの水関連技術」の販路を求め輸出することだろう。そこでも日本の官民一体となった外交努力が必要になることは言うまでもない。政争よりも政策が必要であり、そこに力を傾注できるような風土が今の日本には望まれる。食糧についても今は戦争前夜なのだから・・・。

2010.08.16

クマゼミ探しをしてみませんか。

 夏休みも終盤に入り、理科の自由研究に頭を悩ませているPhoto子供も多いのでは?もしよかったら、地球温暖化の証と見られるクマゼミについて調べてみたらどうでしょう。 私の近所でも、昨年は南側の緑地がクマゼミのエリアだったのに、今年は西側もクマゼミに侵されてきています。アブラゼミは追われるように数を減らしています。今年、北限はどこまで上がるのか・・・。昨年8月にも、クマゼミの北上を取り上げたこともありましたが、8月11日のカナロコは、藤沢市辻堂西海岸までクマゼミの勢力が北上しているとして、次のような記事を掲載しています。

・・・温暖な地域に生息するクマゼミの抜け殻が今夏、県立辻堂海浜公園(藤沢市辻堂西海岸)で大量に見つかった。地球温暖化に伴い北上・東進を続けていることは知られているが、同市内で生息が確認されたのは初めて。繁殖力が強いため、“先住民”のアブラゼミなどを駆逐する可能性もあるとして、研究者は注意深く観察・・・ 日本自然保護協会自然観察指導員の大谷房江さん(藤沢市辻堂)が、7月末から8月初旬にかけて120~130匹の抜け殻を採取した。「2004年ごろに茅ケ崎市立茅ケ崎中央公園(同市茅ケ崎)で大量の抜け殻が見つかった時から、市境を接する藤沢市への侵入は時間の問題と考えられていた」と大谷さん。<マゼミは西日本から東海地方にかけて生息し、北上・東進の最前線はこれまで平塚、茅ケ崎両市、横須賀市南部、北陸地方の金沢市あたりとされてきた。大谷さんの元同僚の菊池久登・藤沢市立藤沢小学校教頭によると、平塚市には1990年代に“侵入”したが、相模川を越えるのに時間を要したという。 茅ケ崎市への“侵入”後、藤沢市でも雄の鳴き声は聞けたが、雄は飛(ひ)翔(しょう)力があるので一時的に越境した可能性も考えられ、生息のPhoto_2確認には至らなかった。「今夏の大量の抜け殻の発見により、雌が卵を産んで生息したことが証明された」と大谷さん 2人によると、藤沢市にはアブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシなど5種が生息している。体も鳴き声も大きなクマゼミの方が繁殖力が強い・・・

我が家では、昨日からヒグラシ(ツクツクボウシ)が泣き出しています。 生息には、卵から生まれたことを証明するために抜け殻を確認する必要がありますが、もし、藤沢より北で発見したら、ぜひ教えてください。蛇足ですが、セミ探しに林に入る場合は、蚊やスズメバチには十分に注意し、できれば長そで長ズボンを着用することをお勧めします。なお、黒い帽子や服はスズメバチの標的になるので避けた方がよいでしょう。

 さて、少し前まで近所の秘密の場所で群がっていたカブトムシも姿を消し、家のスズムシが元気に声を出すようになりました。各所で猛暑を記録しているようですが、動物界では秋が近づいているようです。

2010.08.12

温暖化の影響か?各地に異変が

 地球温暖化が遠因となるとみられる異常気象が続いているが、それを証明するかもしれない異変が各地で散見されている。8月9日のロイターによれば、

・・・ 北極圏のグリーンランドにある氷河から、米ニューヨークのマンハッタン島4個分に相当する巨大な「氷の島」が海上に崩落したことが分かった。・・・それによると、この氷の塊は5日にペテアマン氷河から分離、崩落した。「氷の島」は現在、北極点の南方約1000キロのグリーンランドとカナダの間の海峡上にあり、広さは260平方キロ、厚さがエンパイアステートビルの半分に相当する。これほどの規模の氷塊が崩落したのは、約50年ぶり・・・ミュンホウ教授は、同氷河周辺の海水については2003年以降の記録しかないため、今回の崩落が地球温暖化の影響かどうかを判断することは困難・・・

ということだが、溶けなければ崩落はないわけであり、グリーンランドの温暖化が進んでいることは確かなのだろう。そういえば、北極の氷も過去最低の面積を更新し続けているらしい。8月10日の毎日新聞によれば、

今夏の北極海の海氷面積が急減し、観測史上2番目に小さくなっていることが、民間気象会社ウェザーニューズ(東京)の観測で分かった。温暖化で厚い氷が減り、解けやすくなっていることに加え、5~6月に海氷が大西洋に押し出されやすい気圧配置だったのが理由という。北極圏では猛暑のロシアなど異常気象が発生しているが、異変ぶりを示す現象として注目・・・人工衛星のデータを使って分析。8月5日現在の海氷面積は約600万平方キロで、同時期に過去最小だった07年の560万平方キロに次ぐ小ささだという。10年前の00年は880万平方キロだった。08、09年も今年より数%大きいだけで、ここ数年の縮小傾向が目立・・・ 北極圏での異変は大気循環を通して、日本のある中緯度にも影響が及ぶとされる。 同社は「日本付近の猛暑など今年の異常気象との関係を探りたい」として・・・

ということだ。温暖化なくして北極海の氷は溶けない。そして北極海の氷が大洋に流れ出ることで起こされるアンバランスな状態は大気をこれまでと違う形で循環させ、大災害を招くことになる。そういえば、先にマングースの生息域の北進について触れたが、今度は猛毒を持つ生物の北進も報道されている。8月4日の毎日新聞によると、

・・・ フグと同じ猛毒を持つ亜熱帯性の「ヒョウモンダコ」が、北部九州で相次いで発見されている。体長は約10センチと小さいが、かまれたら生命に危険を及ぼす可能性も。磯場での目撃例が多く、福岡県水産海洋技術センターは「海水浴などで見つけても、絶対に素手で触らないように」と注意を呼びかけ・・・ 同センターなどによると、ヒョウモンダコは西太平洋の亜熱帯・熱帯に分布し、浅い海のサンゴ礁や岩礁、砂や小石まじりの海底に生息。薄茶色だが、興奮すると全身が赤みを帯び、青いリング模様が現れる。唾液(だえき)の中にフグと同じ神経性の猛毒「テトロドトキシン」を持ち、かまれると嘔吐(おうと)やしびれなどの症状を引き起こす。海外では死亡例もある・・・ 日本での生息は沖縄・鹿児島両県のみとみられていたが、昨年11月、福岡市西区の博多湾で同センターの職員が発見。同市東区の志賀島や福岡県糸島市の沖合などでも、2年ほど前から漁師らが発見している。今年6月には長崎県壱岐市、7月には佐賀県唐津市の加唐島周辺の海でも・・・同県沖の玄界灘は、地球温暖化の影響で過去30年間で水温が2・1度上昇しており、それにつれてヒョウモンダコの生息域が北部九州に拡大している可能性がある・・・「海にはほかにも、クラゲやオコゼなどの有毒生物が生息している。こうした生き物への知識を持ち、触らないように注意して、海水浴や磯遊びを楽しんでほしい」と・・・

ということだ。自分の身を守るために正しい知識でこれらの異変に対応することが今後求められていくことになる。そのためには、原因と対策を見極めることが大切となる。起こってしまったことを嘆いてもしかたないのだから。

2010.07.30

暑い!でも辛いのは人間だけではない

 今夏の暑さには、まったく辟易してしまう。まったく「ほどほど」ということを気候は忘れてしまったようだ。昨夜の豪雨が明けた途端に蒸し暑い空気が周囲に充満してしまった。この暑さに熱中症で亡くなる人たちもうなぎ昇りだという。7月31日の時事通信によれば、

・・・全国でほぼ一斉に梅雨明けした17日から29日までの約半月間に、熱中症による死者が全国で200人を超えたことが31日、時事通信社の集計で分かった。約9割が65歳以上の高齢者で、自宅など屋内での死亡例も・・・猛暑は大雨の影響で弱まったが、8月上旬にかけ再び強まる恐れがある。気象庁や各地の消防などは、こまめな水分補給などの対策を・・・

という惨状だ。水分補給が必要なことはわかるが、飲料や水からの補給は限界がある。内臓の機能が弱っている老人では、点滴による水分補給の道しかないことも考えられる。それができなければ・・・。しかも、この暑さは9月まで続くというのだから参ってしまう。7月26日の読売新聞によれば、

関東などが梅雨明けした17日以降、連日の猛暑に見舞われている日本列島。 一方で、上空に寒気が流れ込み、局地的な激しい雨も観測された。・・・気象庁は関東甲信と東海地方では、7月末までの気温は平年より高く、最高気温が35度以上の地点もあると注意を呼びかけている。8月23日までの1か月予報では、全国的に暑くなる可能性が高いと予想し、同庁気候情報課の竹川元章予報官は、「9月に入っても暑い日が続く」と話す。・・・ 例年、梅雨明け後の列島は太平洋高気圧に覆われ晴天が続く。今年の猛暑は太平洋高気圧の勢力が強いのが原因だが、山形教授はフィリピン近海の高水温の影響を指摘する。 「7月上旬まではフィリピン近海の上昇気流が少なかったが、中旬に入って海面からの上昇気流が強くなった。この傾向は当面続くだろう」と話す。 太平洋高気圧は、赤道付近で暖められて上昇した空気が上空で行き場を失い、日本の南東の北緯30度付近で下降して作られる。空気の塊は下降しながら、圧縮されて暖まる。今はさらに、フィリピン近海で上昇した空気による下降気流も加わり、太平洋高気圧の勢力が強まっているという・・・ロシアの熱波など世界的な異常気象の原因となった偏西風の蛇行も、日本の猛暑に関係している。日本付近では北に蛇行しており、高気圧が本州を覆う気圧配置となって・・・

という。ところが、北海道は記録的な日照不足が続いているというのだから驚きを隠せない。どうやら、このブログでも触れた北冷西暑の傾向は、その境目を若干北に移したものの依然として続いていると言えるようだ。そのため、農作物の成長への懸念が出てきている。28日の毎日新聞によれば、

7月の道内はぐずついた天気の影響で日照不足となっている。札幌管区気象台によると、1日から26日までの道内の平均日照時間は平年の65%にとどまり、札幌市では65・4時間と平年の44%。今後1週間は日照時間が少ない状況が続くとみられ、同気象台では農作物の管理などに注意を呼び掛け・・・◆日本海側が深刻 札幌市以外の主な市の日照時間は、稚内60・5時間(平年比48%)▽北見69・6時間(同62%)▽旭川94・1時間(同66%)▽函館102・2時間(同81%)--・・・同気象台によると、気圧の谷が北海道上空に居座っていることが原因。オホーツク海高気圧の勢力が弱く、南からの湿った暖かい空気が流れ込んだ影響で高温多雨となり、気温は平年比で1・8度高く、降水量は約1・6倍だった。8月1日から1週間は、南の太平洋高気圧が強まる影響で、さらに気温が平年より3度以上高くなる可能性が・・・小樽市銭函の銭函海水浴場では、夏休みにもかかわらず海水浴客は昨年の8割程度に減った・・・ 農業にも影響が出ている。道が発表した15日現在の作況によると、ほとんどの作物は高温のため平年並みか早く生育しているが、リンゴは体積が平年より7・5立方センチ小さく、作業も4日ほどの遅れ。JAよいちでは「サクランボやハウスもののブドウは、春先の悪天候で生育も平年より5日ほど遅れ、6~7月は日照不足で実の色づきが遅れた」という。昼夜の気温の差が開くと色づきが進むが、日照不足に加えて夜も気温が高い日が続いたことが影響・・・◆クマ目撃増も? ヒグマの目撃情報も急増している。・・・道警によると、低温傾向が続いた春先までの目撃件数は前年を下回っていたが、今年は5月以降に急増。特に7月は全体の約3割に当たる131件(同32件増)に上った。のぼりべつクマ牧場(登別市)によると、日照不足になるとエサを求めてクマは活発に動き回ることが多いという。前田菜穂子学芸員は「春先は寒暖の差が激しくエサが十分でなかった可能性もある。気候変動で雨や台風が多くなるとクマの動きも予測不可能になる」と指摘。・・・

ということだから、熊にとっても今年の気候は辛いものになっているのだろう。駆除される危険を冒してまで人里に出てこざるを得なくなっているのだから。

 こういった今夏の異常な天候を生みだしている元に海水温の上昇があると言われているが、次のレポートによれば、海水温の上昇は、生物バランスに悪影響を及ぼすらしい。7月29日のウォールストリートジャーナルによれば、

海の温度上昇は海洋の食物連鎖の基礎となっている微小な植物プランクトンに悪影響を及ぼし、ひいては海洋の生物多様性にも影響する可能性が大きい・・・多くの科学者は、海の温度上昇は地球温暖化と関連があるとみているが、温度上昇が及ぼす影響はあまり知られていない。地球の海水温は過去1世紀で0.5℃近く上昇したと推定され・・・海洋学者たちは長年、海洋の植物プランクトンが増えているのか、あるいは減っているのか議論してきた。植物プランクトンは、甲殻類から魚類にいたるまで、ひいてはヒトをも含む海洋食物連鎖の基礎となるものだ。多くの沿岸水域では藻類が増加した。これは河川からの流出物が栄養となって藻が繁殖するからだ。繁殖は有害な場合もある。一部の藻は毒性物質を放出して海洋生物に被害をもたらすからだ。しかし世界全体の海洋で長期的な植物プランクトンの増減を測定した研究者はこれまで皆無だった。人工衛星を使った一貫性のある測定が始まったのは1997年になってからだ。 カナダ・ノバスコシア州のダルフージー大学の科学者チームはセッキ円盤(海水の透明度を測定するための白い不透明の円盤)と呼ばれる単純な機器で得たデータを使って長期的な変化を調べた。・・・ダルフ―ジー大学チームは、海藻の繁殖を直接測定したほか、このセッキ円盤の長年にわたる観察記録約50万件を分析した。その結果、世界全体の植物プランクトンは1899年以降、毎年平均で約1%ずつ減少していると推定した。より周到で信頼できる最近数十年間のデータによると、1950年以降、40%もの減少になっている・・・ 減少が事実とすれば、憂慮される。植物プランクトンはすべての有機物のほぼ半分を生み出しているからだ。同大学チームは風の強さ、気象変動、海の表面の温度上昇など、減少の原因となると考えられ得るものを調査した。その結果、「海藻の減少を説明する最も有力な原因は海の温度」(同大学の海洋生物学者ボリス・ワーム博士)との結論に達した。 海藻は海洋の上層に浮遊しているが、低層から浮上する栄養物に依存している。温度が上昇すると、水中での回流が少なくなり、栄養物が海藻のいる上層に浮上しにくくなる。・・・ワーム博士を含むもう一つの研究チームは、海洋生物の多様性を表す分布図を広範囲にわたって作成した。驚くべき発見の一つは、沿岸海洋生物は赤道でより大きな多様性を示しているのに対し、海洋生物の多様性は中緯度水域でピークとなっていることだ。これは地上の生物の多様性がおおむね熱帯でピークとなっているのと対照的だ。 また1万1000種の海洋生物の分布が温度、酸素レベルなどからどのような影響を受けるかを調査したところ、唯一、海洋生物の多様性と相関関係があったのが温度だった。・・・水温が上がると一部の生物はその地域から移動し、そこの多様性が下がる。移動できない生物は死滅することによって生態系が変化する。 一方、酸素レベルの低下の海洋生物への影響を調査している研究者もいる。これまで酸素不足によって「死の海域」とされたのは400カ所。ほとんどは人間の多い地域の周辺だ。その面積を合わせると9万6500平方マイル(約25万平方キロメートル)に・・・

ということだ。 上記記事中の「死の海域」が大きく広がっているという記述にも、戦慄を覚える。それが種の大量絶滅の序章と受け取れなくもないからだ。食物連鎖の大三角形が、底辺から崩れようとしているのだから、現在、デボン紀や白亜紀に起こった以上の種の大絶滅が起こっているとする説にも頷けるというものだ。まさに辛いのは人間だけではない!!という悲鳴が至る所から聞こえてきそうだ。

2010.07.02

冷める環境意識 進む気候変動

 今日も、関東甲信越から東北にかけて、局所的に激しい雨が降っているらしい。こういった気候の異常な変動は、地球温暖化のためと言われ、待ったなしの対応が迫られている。ところが、ここのところ、環境問題に対する冷めたニュースが続いているのだ。これまでも、地球温暖化懐疑派と社会情勢から取り組みが大きく揺れることが度々あった。しかし、こういった揺れは、無いに越したことはない。それどころか、環境を主軸に据えた経済構造の構築を世界に先駆けて進めなければ、過酷な未来が待っていることは間違いない。

 例としてふさわしいかわからないが、ワールドカップでの日本代表の活躍は、己を知り、できることを総員が尽くした結果であると思うが、もうひとつ、大きな要因がそこにはあったと考える。私見だが、それは、「世界を驚かす強い日本」ではなく、「逆境でも負けない日本」へとチームのコンセプトを変えるという現実的な路線変更であった。

 先日、楽天やユニクロが、社員の公用語をすべて英語として世界進出を図ろうとしているという経営戦略についてNHKが報道していた。同様に、ゲームキャプテンの長谷部選手をはじめ日本代表の多くも、日本語以外の言語を駆使して外国人審判に抗議することができるまでに国際感覚を磨くといった点でも日本はW杯に向けた準備を進めていたのだ。これは、サッカー協会の強化策が妥当であったことを示している。世界を相手としていくためには、こういった一見無意味で地道な準備すら積み上げていくことが大切であるということだ。それは、日本の政治経済であっても同様だと思う。先を見越した地道な準備があってこそ好結果をもたらすのだ。ところが、先日カナダで行われていたG8での話し合いについて6月25日付の毎日新聞は、次のようにまとめている。

・・・カナダで25~27日に開かれる主要8カ国(G8)、主要20カ国・地域(G20)首脳会議。欧州の信用不安が焦点となる一方で、昨年のイタリア・ラクイラサミットで主要テーマだった貿易自由化交渉と地球温暖化対策への熱気は冷め切っている。先進国と途上国の対立が解消しないほか、各国とも足元の経済環境への対応で手いっぱいなためだ。・・・温暖化対策の進展は期待できそうもない。・・・オオカミ少年と言われたくないから、新たな期限を設けることもないだろう。11月のソウルG20に向け、今後の進め方に触れる程度ではないか」とあきらめたよう・・・地球温暖化対策も、昨年7月のラクイラサミットG8首脳宣言で「50年までに世界全体で温室効果ガスの排出量50%削減を前提に、先進国全体で80%以上削減」などの長期目標が盛り込まれた。同年末にコペンハーゲンでの国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)開催を控え、踏み込んだ内容となった。 しかし、COP15では排出抑制・削減の目標設定に反発する中国やインドなど新興国が強硬に抵抗。決裂寸前で何とか数値目標を盛り込まないコペンハーゲン合意を取り付けるにとどまった。オバマ米大統領は就任当初、温暖化対策に積極的姿勢を示していたが、新興国の抵抗の強さを目の当たりにし、その後はトーンダウン。国内では、中間選挙を控えた議会で温暖化対策についての議論は進まず、「国際会議で協議できる状況ではない」(米メディア)。また、積極姿勢だった欧州も、足元の金融不安や財政危機の影響で議論はストップしている。温暖化問題をG20で議題に取り上げること自体に中国など新興国は反発しており、身の回りの火消しに追われる先進国が議論を挑める状況ではなくなっている。鳩山政権で「2020年までに温室効果ガスを90年比で25%削減」と提唱した日本でも、その内容を中期目標に盛り込んだ温暖化対策基本法案が通常国会で廃案になり、議論は停滞・・・米ホワイトハウス高官の一人は「今年1月以降、大統領の演説原稿から自由貿易と(温室効果ガスの排出量取引の方式の一つである)キャップアンドトレードの文字が消えた」と打ち明ける。また、カナダ首相府のリーダス報道官は、トロントで23日に開かれた記者会見で、「貿易自由化や地球温暖化の問題は主要議題にはならない」と明言。・・・・

つまり、温暖化阻止に対する各国間の意識は完全に冷めきった状況だというのだ。「オオカミ少年」というならば、ビッグマウスで知られる本田選手や「ベスト4」を目標とした岡田ジャパンは、まさにオオカミ少年の群れだと言えなくもない。しかし、そういったビッグマウスを現実化する高い意識が、日本をベスト16まで推し進めたと言えないだろうか。それなのに日本の温暖化対策は、批判を恐れて大幅な後退をするのではないかという懸念が見え隠れするので、残念でならない。

 折も折、温暖化による国家の存亡を訴えていたツバルの報道に異議を唱える記事が出てきた。こういった時期にネガティブキャンペーンのようなこういった記事を載せるのは、温暖化対策推進派に大きなダメージとなるだろう。6月18日のBusiness Media 誠によれば、

・・・米国とカナダのPETプラスチックの業界団体であるNAPCORが、長い間求められていたリサイクルPETレジンのライフサイクルインベントリー(LCI:製品の製造、輸送、使用、廃棄といったライフサイクルの各段階でどれだけの環境負荷を掛けているかの明細)データについての新しい調査結果を発表・・・ちょうど、この環境負荷削減において正しい意思決定ができるよう、科学的に地道にデータを積み上げるニュースが飛び込んできた時、それと対をなすかのようにまったく別の情報が入って・・・ 「ツバルの面積が増えている」ツバルは温暖化による海面上昇の影響で沈みゆく国とされ、政治家や芸能人が大挙して押し寄せ、「ツバルを救え!」と大号令がかかっています。そのツバルの面積が、欧州からの援助機関で運営されている研究機関SOPACの中心的研究者アーサー・ウェッブ氏によると、1984年から2003年までの20年間で17島の面積は、海岸線の移動などによりヘクタール近く(2.8%)増えているとのこと(出所:「私がツバルで見た真実」イースクエア会長木内孝氏、オルタナ18号)。 環境省職員から地球環境戦略研究機関(IGES)に出向している岡山俊直氏によると、2009年時点までのツバルの海岸侵食や内陸浸水は、地球温暖化による海面上昇以外の要因がほとんどという。ツバルにおける海岸侵食は、砂浜の砂が波によって流される自然現象であったり、第2次大戦時に米軍が埋め立てた土地が削られているだけとのこと。特に、波の作用による砂浜の侵食は、一方で島の別の場所では砂を堆積し、砂浜を広げている。つまり、海岸が侵食されているのではなく、波の作用によって、島の形が変わっているということです(面積としては上記から増えていることがうかがえる)。ツバルにおける内陸浸水は、100年前から観察されている事実。現在、浸水がひどい場所はかつて湿地だったところに、人口増加によって、そこに人が住まざるを得なくなったことが要因とのことです。 環境省もこれらの事実を把握しており、2009年にまとめられた報告書では、「問題は、決して『海面上昇による水没』という単純なものではない」「環礁州島(ツバル)の危機はグローバル・ローカル両方の環境ストレスが複合したものであり、現在発生している問題は主にローカルな要因によるものである。ローカルな要因によって、今世紀予測されている地球規模変動に対して脆弱性の高い州島になってしまっている」とまとめています(環境省地球環境研究総合推進費終了研究成果報告書:環礁州島からなる島嶼国の持続可能な国土の維持に関する研究;平成15年度~19年度、出所:「ツバル写真集・地球温暖化でツバルは沈むか?」) 簡単に言うと、ツバルの現状は決して海面上昇という「グローバルな要因」によるものではなく、人口増加やそれに伴う生活排水やゴミの投棄などの環境汚染という「ローカルな要因」が、有孔虫やサンゴなどのツバルの砂浜を形成する生物を殺してしまい、砂が生成されなくなり、海岸浸食が進みやすくなっており、将来海面上昇が進んだ場合には、その影響を受けやすくなっているということです。 つまり、ツバルの現状は、人為的な環境汚染が自らの生活を脅かす警鐘ではありますが、海面上昇による社会への影響ではないということ・・・ いくら人々の関心をひきやすいからといっても、問題を歪曲して誘導してしまうと、問題の原因や課題を誤解し、誤った解決策に右往左往するということになります。もう手遅れかもしれませんが、排水やゴミ処理の適正化や教育による人口抑制など、ローカルな要因に直接取り組むことで、より少ないコストで確実に問題を解決できていたかも・・・環境負荷の削減には異なるアプローチが提唱され、どれが本当に正しいのかなかなか判断がつきません。それどころか、環境負荷削減に対する根拠のない全面的な懐疑論までさまざまな識者から飛び出す始末です。 環境経営は個々の意思決定レベルでみると、あまりにも考えなければならない要素が多く、分からないことだらけです。 私たちは問題が大きすぎたり、難しすぎたりすると、思考停止して問題がなかったことにしてしまいますが、それで問題が消え去ることは決してありません。こうした事態から抜け出すには、誇張することなく、問題は問題と真摯(しんし)に受け止め、冷徹にその原因や課題を分析し、そこでできる最善の意思決定をしていくことと考えます。そのためには、人々が受け入れやすいよう作られた感動的なストーリーよりも、果てしない道のりですが、LCIのような環境負荷削減についての地道な科学的根拠の積み重ねの方が、環境経営やエコを進めていくには必要と考えます。事実を積み上げること、その時その時の意思決定で最善を尽くすこと。遠回りなようですが、これらが困難な問題を解決するための唯一の近道ではないでしょうか。(中ノ森清訓)・・・

事実がどこにあるかは大切なことであり、今後も議論が必要だ。しかし、あらゆる事例が温暖化とそれに伴う気候変動が始まっていることを示唆していることは紛れもない事実なのだ。たとえば、6月26日の時事通信も、パンダすら地球温暖化の影響下にあることを伝えている。

・・・中国英字紙チャイナ・デーリーは26日、地球温暖化の影響でパンダの生息地が北にシフトする可能性があるという専門家の見解を伝えた。今は四川省や陝西省に生息するパンダだが、その北の甘粛省などに移ると予測している同紙によると、中国のパンダ生息数は2004年の調査で1600頭を数え、その多くは野生。森林伐採や土地開発で生息地は次第に狭まり、四川省などの230万ヘクタールとなっている。
 生息地では過去50年間、平均気温が上がり、降水量が減少している。気温の上昇や乾燥した気候は、パンダの成長だけでなく、餌となるササの生育にも打撃・・・

また、「ツバルの国土が沈むという事実はない」と報じたBusiness Media 誠は、6月22日の記事で、次のような記事も掲載している。

 ・・・「氷の河」と書いて氷河となるが、間近で見るそれはまさしく大雪原である。紺碧(こんぺき)の空、白い雪、切り立った黒い岩肌のコントラストはこの世のものとは思えぬ美しさだ しかしながらアルプスの景観を象徴するこの光景も地球温暖化によって、いつの日か消えてしまうかもしれない。ユングフラウ地方にある欧州最大の「アレッチ氷河」を題材として、氷河後退と温暖化の様子を追ってみよう●140年間で「-3000メートル」 スイス南部に位置するアレッチ氷河は長さ23.6キロメートル、総面積約120平方キロメートル、最も深い部分の氷厚は900メートル、水の総重量は270億トン。欧州のみならずユーラシア大陸西部においても最大の氷河である。 氷河を監視している研究組織「スイス・氷河計測ネットワーク」のデータによれば、スイスにある多くの氷河で縮小(後退)がはっきり現れておりアレッチ氷河も例外ではない。・・・年によって縮小量はバラついているものの、10~30年に一度大きな縮小が起き(例えば1880年代)、その発生が年代を追うごとに頻発するようになってきたことが分かる。とにかく減少傾向は一目瞭然で、線グラフが示す通りこの140年間縮小が止まったことはない。1870年代に比べ、アレッチ氷河はおよそ3000メートル縮小している。・・・IPCCは2007年に発表した第4次評価報告書の中で「気候システムの温暖化には疑いの余地がない」とし、「20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高い」と結論付けている。 地球はこれまで大規模な気候変動を何度も繰り返してきた。古代気候の研究によれば最後の間氷期(約12万5000年前)における世界の平均海面水位は20世紀に比べて4~6メートル高かったとされる。地球公転軌道の違いにより極域の平均気温は現在より3~5度高かったようだが、人為的な影響によって20世紀ほど大きく気温が変化したことは今だかつてない。●ないとは言えない「科学情報のウソ」 それでも、温暖化の人為影響説に異を唱える研究者は少なくない。氷河の縮小にしても「本当に人間が原因なのか?」というわけだ。 そういえば2010年初頭、メディア上でICPP第4次評価報告書のミスが報じられ話題になった。「国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2007年に出した第4次評価報告書で、ヒマラヤの氷河が『このまま地球温暖化が続くと、2035年までに消失する可能性が非常に高い』とした記述について科学的根拠がなかったと、英紙サンデー・タイムズが17日付で報じた」(朝日新聞、2010年1月19日付) このことだけで報告書の信頼性が崩れるわけではないが、憶測に基づいた不確かな内容が世界に大きな影響を与えたことに、筆者は極めて大きな危険を感じる。単なるミスならまだしも、「英紙テレグラフは、ICPPのパチャウリ議長が、温室効果ガスの排出量取引などでもうけている銀行の顧問なども務め、その報酬はパチャウリ氏が理事長を務める団体に振り込まれていると報じている」とのオマケ付き。その真相は明らかにされていないが、「科学的データ」という権威を用いた情報操作が常に起こり得ることを心に留めておくべきだろう。いずれにしろ地球温暖化の脅威が一昔前に考えられていたより遥かに早い速度で増しているのは確かだ。21世紀の最重要課題に、われわれはどう向き合えばよいのか。たとえ温暖化の原因が自然起源か人為的なものか100%の答えが出ていなくとも、人為的の可能性が大きい限り、常にグローバルな視点を抱きながら自分のできることを1つずつ実行してゆく姿勢が大切・・・

信念が揺らぎ、批判の矢面で心が折れそうになることは、誰しもある。そんな時、「志」を貫き、信じた道を力を合わせて進むことの大切さを今回のW杯日本代表は教えてくれた。監督を務めた岡田氏は、戦前は北海道で農業をして暮らす? と語っていたが、帰国後の記者会見では、まだ先のことは未定だとお茶を濁した。先のことは誰にもわからないが、目標に向かって努力することで道が開けることを教えてくれた今回の戦いぶりは、久しぶりに、まじめにハードワークする「日本人のよさ」を思い出させてくれたような気がした。「批判したサポーターもサポーターだ。」としてそれをバネにした若者たちに、私は大きく勇気づけられたものである。日本の環境に携わる人々には、こういった逆境でこそ力を合わせ、信じた道を貫いていってほしいと願わずにはいられない。岡田ジャパンのように・・・。

2010.05.18

環境意識?大規模植林の拡大で森林消失が鈍化

 なかなか良いことばかりはないのだが、 中には、うれしくなるようなニュースもある。アメリカで環境問題と言えば、日本とは違って「熱帯雨林の消失」と答えることが多いのだそうだが、その森林消失にブレーキがかかったようだ。4月4日の毎日新聞によれば、

 00年代に世界で消失した森林面積は東京都の約24倍の年間520万ヘクタールだったことが、国連食糧農業機関(FAO)のまとめで分かった。90年代の年間830万ヘクタールに比べて大幅に減り、消失率が初めて減少に転じた。中国やインドで大規模な植林が実施され、新興国の環境意識が変化していることを示唆している。・・・世界の森林は全土地面積の約3割に相当する約40億ヘクタール。90年代には、農地への転換や火災などで毎年1600万ヘクタールのペースで減少していたが、00年代は年間約1300万ヘクタールに鈍化。さらに中国などで植林が進み、森林が年間700万ヘクタール以上増え、増加分を差し引いた00年代の純減少面積は年間520万ヘクタールだった。特に中国やインド、ベトナムでは植林計画が進み、この5年間で年間400万ヘクタールも拡大・・・一方で、南米やアフリカでは過去最悪の消失率を記録している。FAOの担当者は「中国などの植林計画も20年までに終了する。地球温暖化防止の視点からも森林減少が加速しないよう、各国は森林の保全と管理を強化しなければならない」と警告・・・

中国・インド・ベトナムといえば、経済発展が著しいアジアの国々だ。衣食足りて環境の大切さを知るということなのだろう。また、これらの国々は経済発展に伴う公害や気候変動による災害が数多く報告されている国でもある。なんとかしなくてはという思いが形になってきたと言えよう。できれば、南米やアフリカでもこういった意識の高揚が見られるようになってほしいものだ。

 ところで、植林については、日本のメーカーなども貢献しているところがあるが、世界では、個人で行っているケースもあるようだ。4月4日のBARKSによれば、

・・・地球温暖化を懸念し、問題を認識させるためのキャンペーンやイベントに参加するミュージシャンは数多くいるが、パール・ジャムは、2009年のツアーで排出された二酸化酸素を吸収するため植林という直接行動を起こすという。彼らはこれをパール・ジャムの“ビジネス”とも考えている・・・ギタリストのストーン・ゴッサードはロイター通信にこう話した。「パール・ジャムはバンドだ。だが、ビジネスでもある。自分たちのことをワシントンの事業だと考えている。二酸化炭素排出量を考慮する社団法人だとね」有名人が地球温暖化のキャンペーンやイベントに参加するのは素晴らしいことだが「1日や1週間、関心を集めるだけ」で「長期的に一貫したビジネス方針が必要だ」と・・・パール・ジャムが2009年に行なった32公演のツアーでは、移動(飛行機、トラック等)で消費された燃料、ホテルでの宿泊、観客48万人の会場までの往来などにより7,000トンの二酸化炭素が排出されたと考えられている。バンドはこれをカバーするため21万ドル(約2,000万円)を費やしワシントン州に木を植える予定だ・・・彼らはこれまでにもアルバムの製造や流通過程で排出した二酸化炭素を考慮し、15万ドル(約1,400万円)を投資している。そしてこの先、植林によりシアトルやケントにある33エーカーの森林を再建したいと考えている・・・パール・ジャム関連ニュースとして、フロントマンのエディ・ヴェダーは今週、ロンドンで開かれたチャリティ・イベント<Teenage Canser Trust>のザ・フーのステージにゲスト出演。『Quadrophenia』の完全パフォーマンスで「The Punk And The Godfather」をロジャー・ダルトリーとデュエットしたという・・・

という。なかなかどうして、今の若いもんはすごいねぇ。問題の本質を捉え、果断に行動している。こういった、打ち上げ花火でない活動が多く立ち昇ってくれば、世界も明るくなるのだろう。昨年のアメリカ発の経済恐慌に続いて、今はギリシャ問題が世界の先行きを暗くしているが、いま大切なのは何なのか、そして何をすればよいのかを考えてみると、やるべきことは見えてくるのかもしれない。残念ながら日本ではまだ、「温暖化ガス25パーセント削減は、経済的に負担が多すぎる」と吠えている経済人がいる。パール・ジャムに学ぶことがとても多くありそうだ。

2010.05.16

気候変動に対応できぬ野鳥が大量死

 ここのところ、気温の乱高下が続いている。それも寒暖の差が20度近いDsc_0047_10549miniのだから驚きを隠せない。富士の朝霧高原や川根本町で自然体験をしていた子供たちは、時ならぬ寒さに震えたという。お茶農家の人たちは、遅霜に備えて慌てて茶摘みを行っていた。 中には、摘むのをあきらめて、機械で刈ることを選択した農家もいたようだ。写真は、川根本町で機械による茶の刈り取りを行っている方だが、遅霜による被害を嘆き、これからの被害も懸念されていた。老齢化は、茶産業でも例外でなく、手間のかかる手摘みの茶の方が、多少高価で引き取られることはわかっていても、機械での刈り取りを急がざるを得ないようだ。

 さて、気温の乱高下で被害を受けているのは、人間だけではない。5月13日の毎日新聞によれば、翼のあるはずの鳥が、気象の急変で大量死したことを報じていた。暖かい場所へ避難する間もなかったようだ・・・

 ・・・山形・秋田県境の鳥海山(2236メートル)に登山中、雪面で野鳥の死骸(しがい)が転々と転がっているのを見つけた。確認しただけでも30羽近くで、ほとんどが夏鳥だった。写真を専門家に見てもらったところ、4月下旬から5月上旬にかけての寒暖差に、渡りの季節を迎えた夏鳥たちが対応できず死んだのではと・・・死骸は5日、山頂から西側の日本海側に派生する尾根筋の斜面で見つけた。山形側の大平登山口と秋田側の鉾立登山口が交差するあたりの愛宕坂から7合目の御浜にかけての範囲。ルート沿いのあちこちに落ちていた。コマドリ、アオジ、ヤブサメ、ノゴマ、ウグイスの仲間といった夏鳥がほとんどで、冬鳥のアトリも数羽交じっていた。 写真を鑑定した酒田市の環境省・猛禽類(もうきんるい)保護センターの村田野人・自然保護専門員は「陸鳥が鳥インフルエンザにかかるとは考えづらい。例えばノゴマは北海道に渡る途中だったのではないか」。酒田市のNPO猛禽類保護ネットワークの伊藤智樹事務局長や八幡山岳会の佐藤巧朗会員も「上昇気流で上空に運ばれ激しい温度差に耐えられなかったのだろう」と推測。日本海から突き上げる独立峰の鳥海山は気象変化が激しく、野鳥の死骸が落ちていることはこれまでもあった。伊藤事務局長も山頂付近で10年以上前に20羽ほどカモの死骸を見たというが、やはり大量の死骸は珍しいと驚く。 山形地方気象台は4月下旬から5月上旬にかけての庄内地方は「寒暖の変動が顕著だった」と説明しており、小さな夏鳥には厳しい・・・
鳥に貴賎はないであろうが、猛禽類のような希少な野鳥に比べて上記の鳥たちの悲劇は、大きく報じられることが少ない。しかし、自由に空を闊歩できる鳥にとっても、このところの気象は常軌を逸したもので、想定外だったのであろう。風力や太陽光といった化石燃料の消費を伴わないエネルギー資源の利用は、こういった気候変動を抑止する効果があると考えられているので、自然界の弱者を守るためにもぜひとも推進しなければならない課題だと私は信じている。
 しかしながら、風力発電は、バードストライクを反対理由に挙げる人も少なからずいて、難しい対応が必要なようだ。上記のような野鳥すら生存が危ぶまれる環境になれば、食物連鎖の頂点で、究極の進化を遂げている猛禽類の生存できる環境はますます減っていくに違いない。ぜひ、地域の野鳥の生態に詳しい識者による「希少種に影響の少ない風車設置推奨地域」の選定を進め、少しでも多くの風車を設置し、温暖化の阻止に動いてほしいと私はとしては熱望している。
 もちろんこれは、野鳥だけの話ではない。5月15日の毎日新聞によれば、地球温暖化に伴う気候変動により、今後影響を受けるだろうという生物が他にもあることがわかる。
このままの勢いで気温が上昇すると、今世紀後半にはイグアナやヤモリなどトカゲの仲間の2割が絶滅するとの試算を、米国やメキシコなどの研究チームがまとめた。変温動物のトカゲは、気温上昇を避けようと行動が制限され餌探しができなくなるのが理由という。生態系全体に深刻な影響を与える恐れがある。14日付の米科学誌サイエンスに発表・・・75~95年にハリトカゲ48種が生息していたメキシコ国内の200カ所を調べた。その結果、気温上昇率が高い場所ほど生息数の減少が目立ち、約1割の24カ所で絶滅していた・・・ 暑さを避けて高地に移動して絶滅を回避したトカゲもいるが、そこに生息していた別のトカゲを絶滅に追いやる現象も・・・ また、繁殖期の3~4月に気温上昇で行動が制限される時間が1日3.85時間を超えると絶滅しやすくなることが判明。高温時では涼しい場所に避難する時間が長くなる分、餌探しの時間が不足し、成長や繁殖に影響を及ぼす・・・今後各地で予測される気温上昇率から、2050年までに世界のトカゲの6%、80年までに20%がそれぞれ絶滅すると分析。「トカゲが食べる生物、食べられる生物は多い。地球温暖化は連鎖的に生態系に悪影響をもたらす」と警告・・・
連鎖的に生態系が崩れていくとなれば、その頂点にいる猛禽類同様、人間も影響を受けないはずがない。こういったリスクを回避するためにも、性急な環境対策技術の推進や拡大が望まれるのだ。

2010.04.28

4月の北極に雨・共食いするホッキョクグマの写真は何を物語るのか

 まったくどうかしている!春を迎えた田は、まるで水田のように水浸しで、乾く間もない。大きなトラクターなど入れようものなら泥にタイヤをとられてスタックしてしまうだろう。5月になろうとしているのに田起こしすらままならない農家の嘆きも聞こえてくるようになった。乾いた田の土を粉砕して空気を中に入れることで健康な土ができる。しかし、このままでは、それも望めないだろう。延期延期で春の遠足もままならないといった学校や幼稚園も多いと聞く。今朝の雨は、東京の4月としては記録的な大雨だったようだ。4月28日の時事通信によれば

関東地方では28日午前、局地的に強い雨や風が観測された。気象庁によると、1時間の降水量は神奈川・辻堂(藤沢市)で午前7時までに40ミリ、東京・大手町で午前8時40分までに26ミリとなり、いずれも4月の観測史上最大を記録・・・この大雨は、日本列島の東側に高気圧、西側にいくつかの低気圧があり、気圧の傾きが大きくなったのが原因。・・・辻堂と大手町では、3時間降水量も4月の観測史上最大となった。・・・ 

 しかも、こともあろうに4月の北極に雪ではなく雨が降ったというニュースすら流れている。真夏である 7月の日中に降れば雨の可能性もあるだろうが、北緯66度33分39秒以北の北極圏では、雨は降らず、雪となるのがほとんどだとされている。ましてや、4月の北極である。4月28日のロイターは、オタワ発として次のような記事を掲げた。

 カナダ極北の北極圏で先週末、雪ではなく降雨が記録されていたことが分かった。・・・雨が観測されたのは、首都オタワから北方約3900キロにあるエルフリングネース島の補給基地周辺。基地に滞在するペン・ハドー氏によると、雨は約3分間降り続き、同じころに約145キロ離れたカナダのキャンプ周辺でも雨が・・・極寒の地での降雨に、ハドー氏は「本当に驚いた。4月にこの場所で雨が降るのは異常な現象だと思う」とコメント。北極圏の気温上昇で、こうした体験が増えるとみる科学者もいるだろうと語った北極圏の気温上昇は、ほかの地域に比べて3倍のスピードで進んでいるとされ、専門家は地球温暖化の原因といわれる温室効果ガスとの関連が指摘されて・・・  

 そういえば2009年12月に、氷原の喪失により、餌を得られなくなったホッキョクグマが子熊を捕食するという陰惨な共食いの写真http://jp.reuters.com/news/pictures/rpSlideshows?articleId=JPRTXRLWU#a=5がロイター電で掲載されたことがあった。ホッキョクグマの母は、子どもを産むために内陸の氷原へ向かい、巣穴にこもって100日間以上何も食べずに子育てを行うという。生まれた子熊を連れて海まで戻った母熊の目の前でオス熊に我が子を食い殺される母熊の心情を思うと切ない限りだ。

 もちろん、ライオンなども他のオスの子などを食い殺すといったことはある。より強い個体を残すための淘汰であるとの見方もある。ホッキョクグマのオスも、子熊を捕食するケースがあることは知られていた。しかし、氷原が健全であり、オットセイなどの餌が潤沢であれば、子熊が襲われる確率は減るだろう。2009年12月20日のロイター電によれば、

・・・米国が率いる国際的な科学調査によると、気候変動の影響でホッキョクグマが狩りをする北極圏の氷原が溶け、共食いをするクマが現れたことなどにより、ホッキョクグマの生息数が減少している 11月20日には、カナダのマニトバ州チャーチルから300キロほど北で、オスのホッキョクグマが共食いした子グマの頭部を運ぶ写真も撮影されて・・・

地球温暖化は、全世界一律でなく局所的にバランスを欠いた形で今も進んでいる。愚かな私たちには、それを止めることはできないのだろうか。現在の世界は、まさに、持てる国の住人が持てぬ国の住人の生命を脅かして生きているようで悲しい。これは、形を変えた共食いと言えるのかもしれない。

2010.04.26

私たちは愚か者か・・・映画「THE AGE OF STUPID」に思う

 だれに聞いても「今年の天候は変だな。」と応える。人とはいい加減なもので、慣れによって変化を見過ごしたり、目先の寒暖にとらわれて間違えた結論を出したりする。4月23日の時事通信によれば、この破天荒な状況もじきに解消されるというのだが・・・。

3月以降、気温や天気の変化しやすい状態が続いていることについて、気象庁は23日、日本の北の寒気と南の暖気がともに平年より強く、偏西風の蛇行も大きいことが原因とする分析結果を発表した。5月上旬には解消する見通し・・・東京で17日、41年ぶりの遅さで雪が降り、その4日後に25度以上の夏日となるなど、3月からほぼ全国的に寒暖の変動が激しく・・・今冬以降、気圧が北極圏で高く中緯度で低い傾向が続き、偏西風の蛇行によって強い寒気が北東アジア方面に南下しやすい状況という。また南側の暖気もエルニーニョ現象の影響で平年より強く、大気の不安定な状態が継続。日本付近を移動性の高気圧・低気圧が次々と通過し、天候不順をもたらし・・・4月中は偏西風の蛇行が持続し寒気が入りやすいが、5月上旬には解消し、南の暖気の影響を受け暖かくなると・・・

ところが、長期予報では、特に関東・東北を中心に農作物への異常が懸念されるような状況がありそうな気配だ。23日の毎日JPによれば、

4月に入り低温や日照不足が続き、農作物の生育への影響が懸念されている。県生産技術課によると、スイカやメロンの苗が畑に植えられないため苗の品質が低下したり、畑が乾かず作業できないなどの遅れが出・・・山形地方気象台によると、1~20日の平均気温は、山形市で平年より1・3度低い7・3度。日照時間も75・3時間で平年の約3分の2にとどまっている。低温と日照不足は県内全域で同様の傾向にある・・・「ここ数年天候不順が続いているが、雪が降るなど今年は特にひどい。技術者に畑を巡回指導させるなど、早めの対応を心がけ・・・

であるとか、24日の毎日新聞によれば、

天候不順が続く4月。例年よりも気温が低く、桜の開花が遅れたり、農作物への影響が懸念されたり・・・不作で価格が高騰している野菜のセールには、多くの市民が詰めかけ・・・県は、低温による霜や気温の高低差が、水稲や野菜、果樹の生育に影響するとし、備えや対策を呼びかけ・・・別の主婦(67)は「農家もない野菜は出せないので仕方がない。消費者としては賢く店を選んでいくしかない」・・・

という話が出ている。3が月予報によれば、太平洋高気圧の北への張り出し方が弱いため、北日本では寒気の影響を受けやすくなり、平年と比べ気温が低くなる地域が多い見込みだという。今から20年ほど前の冷害時には、お米の需給がひっ迫し、外米を急きょ輸入したりお米を巡って争奪戦が起こったりといった混乱が起きた。そんなことが今年起きなければよいのだが・・・。一点、アイスランドの火山爆発による火山灰は、その量が気象に大きな影響を与えるほどでないこととのことだ。19日のYONHAP NEWSによれば、

・・・アイスランド・エイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山噴火で放出された火山灰が、20日前後に中国・満州や北朝鮮など東アジア上空を通過すると予想・・・火山灰は6キロメートル以上上空のジェット気流に乗り、北半球全域に広がっている。・・・到達しても、濃度は低く粒子もごく小さいため、天候や航空便の運航などに影響はない見通し・・・

という。確かに飛行機を落とすような濃度はないかもしれないが、完全に影響がないとは言えまい。ただただ、今夏の気象が平穏であることを願ってやまない。

 ところで、3月29日のMovie Walkerで「THE AGE OF STUPID」という映画が紹介された。

さまざまな機会に“エコ”が叫ばれるようになった現代。だが、本当にその意味を分かっている人はどれだけいるのだろうか? そんなことを突き付けられる『THE AGE OF STUPID』(公開中)は、地球温暖化をテーマにしたドキュメンタリー。・・・本作は、ただのドキュメンタリーではない。なにしろ主人公は“人類最後の男”。まるでSF映画にありそうな設定だ。舞台となるのは、荒廃した2055年の地球。“最後の男”は、地球温暖化ですっかり氷が溶けた北極の地下施設で暮らしている。・・・地球がダメになった理由が、エイリアンでも怪獣でもないことを知っている。悪いのは、“THE AGE OF STUPID=愚か者の時代”に生きる、私たち・・・劇中、“現代”はアーカイブ映像として紹介される。ここで語られるのは、風力発電の開発を進める男性や、石油汚染除去活動をサポートする古生物学者、イラク戦争で家を失った幼き少女ら6人のリアルな姿。・・・地球が滅びた理由を、分かりやすく、けれどもリアルに浮かび上がらせていく。では、“人類最後の男”が教えてくれるのは一体何なのか? それは、自分だけが生き延びるための手段などではなく、現代の生活を続けていった人類の未来。あとに残るのは「人類はなぜチャンスがあるうちに、自分たちは何もしなかったのか?」というメッセージ。これこそが、現代のホラーといえるだろう。“エコ”を声高に叫ぶ前にぜひ、見ておきたい作品だ!・・・
なんとも耳の痛くなるようなコメントだ。温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減する中期目標を盛り込んだ地球温暖化対策基本法案が、国会審議に入ったが、鉄鋼業界を始め、25パーセントを非現実的だと揶揄する意見に泥沼化しそうな雰囲気だ。「THE AGE OF STUPID」の人々、つまり私たちは、未来に顔向けができるのだろうか?

2010.04.22

世界的な食糧不安の予感

 アイスランドの火山爆発による影響もどうやらひと段落をしたようだ。ゴールデンウィークを控えてヨーロッパの各空港も稼働を始めた。観光業者は、ホッとしていることだろう。ところで、さして多くはないであろうと思われた航空機による食糧や原材料・部品等の輸入が途絶えたことで様々な部分で大きな影響が出たことに私は、驚きを隠せないでいる。たしかに、予想されたことではあったが、ここまで日本の物流が脆弱なことを思い知らされるとは思ってもみなかったからだ。

 輸入に頼る日本の台所や産業形態がいかにもろいものかが現実問題として分かった訳だが、生鮮食品など、1週間分の備蓄すらないもあったことを知り、今後の日本の在り方を考えさせられた。日本がこれまで進めてきた効率化は、過去、トヨタのカンバン方式やジャストインタイム(英語的にはON TIME)という必要な物を必要な時に必要なだけ用意し、ストックを生まないことでコストを下げる方式だった。余分なストックがないから保管する場所がいらなく、作り過ぎなどの無駄もなかった。かつては世界中がこれに倣っていた。一方で、これが異常時にいかに弱いかは、過去にも地震や工場火災による操業ストップといった事例から、予想はしていた。しかし、全面ストップに近い今回の天災は、想像の域を超えて日本の安全保障すら考えなければならないようなインパクトであった。

 ところで、「核の冬」という言葉がある。核兵器による全面戦争が巻き起こした膨大な粉塵が成層圏まで広がり、長い間落ちてこないことにより気候が寒冷化するという理論だ。6500万年まえに地球に落ちた隕石による大絶滅は、隕石落下に伴って起きた大津波と数年間に及ぶこの「核の冬」によるものだという説もある。陽光が地上に降り注がないことにより、植物が枯れ、草食恐竜が飢え死にし、それを捕食していた肉食恐竜が滅んだというのだ。

 今回は、氷河の下の火山が爆発することで、氷河が解けた水がマグマに触れて大爆発をするという「マグマ水蒸気爆発」が発生し、膨大な火山灰を大気中にまき散らしたと言われている。これは、温暖化した地球を冷却する作用を生むかもしれないが、逆に気候のバランスをさらに崩すことで異常気象を頻発させるかもしれない。地球の気候は膨大なファクターの上にあってバランスされるもので単一の要因が何を呼ぶかはわからないが、過去の事例からすれば世界各地に冷害等を発生させ、食糧生産の滞りを招くことが想像される。したがって、今回のミニ「核の冬」により人為的行為にバランスを崩された地球の気候が、安定する方向に進むとは思えない。心配の種は尽きない。

 そんな折、上海万博に向けて急激な成長を遂げる中国経済が、世界に流通する食糧の買い漁りを始めるかもしれないと懸念されるような記事を見つけた。3月17日の産経新聞によれば、

・・・13億人超の人口を抱える中国で干魃被害が各地に広がり、長期的な食糧供給への影響が懸念されている。被害を受けた耕地は600万ヘクタールを超え、2千万人近い住民が飲料水不足に直面・・・昨年秋から顕在化した干魃は、雲南省や貴州省、四川省など南西部から北京に隣接する河北省まで15省・自治区・直轄市に広がっている。特に雲南省の被害は深刻で・・・全国政治協商会議(政協)委員を務める秦大河・元中国気象局局長は6日、「西南3省(雲南、貴州、四川)の平均年間降水量は180ミリと以前の約40%で、1952年以来最低値となっている。このような干魃は60年に一度あるかないかだ」と、事態の重大さを訴え・・・中国政府は、国内の穀物生産量を2020年までに5千万トン増やし、5億5千万トンとする目標を掲げている。しかし、15日に開かれた研究会では、気温の上昇や耕地の減少、水不足、異常気象などの影響で、目標達成が困難になると指摘・・・「気候変動が続けば、2030年には食糧供給不足に陥り、50年には中国国内の総食糧生産量は23%減少する」との統計もあり、被害予測と対策構築が急務・・・

という。同様な記事が3月15日のサーチナにも掲載された。

・・・■中国の異常気象は2009年の冬から 中国南西部の干ばつを除いて、華北地域では頻繁に雪が降った。初雪は例年よりも早く、回数も雪の量も多かった。寒い日が続き、3月中旬にも強い雪を観測。また長江や淮河流域、長江以南では冬に入ってからも降水量が多く、南方では低温が続き、多くの地域の最低気温が過去の同時期の記録を更新した・・・こうした異常気象は北半球の広い範囲の異常気象によるものだと話す。昨年の秋から北極域の寒気が南へ張り出し、勢力は強く活動も頻繁で南下した。ユーラシア大陸の寒気は東に張り出し、非常に冷たい空気がシベリアに留まり、絶えず南下して中国に影響。また今年は以上に発達した南方の暖かく湿った空気と交じり合い、華北、江南、華南などの地域で低温と雨、雪の天候が頻発・・・

また、1月1日のSANKEI EXPRESSには、

・・・中国が今、エネルギー、鉱物、食糧、安全保障と、ありとあらゆる「資源」を求めて世界中に触手を伸ばしている。その活動は、日本を抜いて世界第2位の経済大国になることが確実な今年、一段と激化し、特異な手法ゆえの進出先での軋轢(あつれき)も増すだろう・・・
とある。膨大な数の人民を抱える中国が、その優秀な人材を駆使して世界を席巻しようとしている。中国が世界に流通する食糧を買い占めれば、当然食糧自給率の低い日本は、深刻な影響を受けることになる。日本の経済力が衰えれば、今回アイスランドで起こった火山爆発のように、海外からの物流が止まることだろう。地球温暖化による気候変動は、環境関連産業に乗り遅れた国を容赦なく鞭打つことになる。そう遠くない将来、国内に流通する食料品は質も量も減るに違いない。風力発電などの自前のエネルギーを開発しないならば、光熱といった部分の生活水準を維持することは不可能だ。私たちの子どもの時代はいったいどうなるのだろうか・・・。
 そんな折も折、3か月予想は、明るい材料を提供してはいない。4月2日の時事通信によれば、
気象庁は22日、5~7月の3カ月予報を発表した。今春は寒暖の差が大きく、今月も23日からほぼ全国的に気温が低くなる見通しだが、5月は北日本(北海道と東北)を除いてほぼ平年並み・・・北日本は5月も寒気の影響を受けやすく、その後も冷夏の可能性がある。これは太平洋高気圧の北への張り出しが弱いと予想されるため。気象庁は農作物の管理に注意を呼び掛け・・・
子どもたちどころか、自分たちの世代においても食糧問題が現実味を帯びようとしている。困ったことだ。何とかしなくては・・・。

2010.04.16

気温の乱高下・・・気象はますます過激に、極端に

 日較差が10度を超えるような気温の乱高下が続いている。異常気象に慣れっこになったメディアにもインパクトがあったと見えて、その異常さを伝える記事が並んでいる。宮崎の100年ぶりという低温や今日の関東での雪などで地球温暖化懐疑論がまた頭をもたげてきそうな気配すらあるが、局地的で極端な気象変化が続いている半面で、地球温暖化は着々と進んでいるという観測結果が出ている。4月14日の読売新聞によれば、

 3月の世界の平均気温が統計を取り始めた1891年以降、最も高かったことが分かった。・・・世界の平均気温は、陸海上約1300の観測点の気温データを基に算出され、今年3月の気温は、平均で平年より0・44度高く、過去最高だった2002年(プラス0・43度)を上回・・・地球温暖化や、昨年から南米ペルー沖の赤道付近で発生しているエルニーニョ現象の影響とみられ、陸上では北アメリカ大陸北部や西アジアで、海上では赤道域を中心とする広い範囲で気温が平年を上回・・・3月の平均気温を長期的に分析すると、100年あたり0・8度のペースで気温が上昇している・・・

という。この観測結果の信ぴょう性は高いと考えられるが、実際、氷河崩落による被害が出たとのニュースもあったことを考えればその影響が現実のものとなっていることは明らかだ。13日の産経新聞によれば、 

 ペルー北部のアンデス山脈のふもとに位置するアンカシュ州ワラス近郊で11日、同山脈の氷河が解け出して、大きな塊が地元カルワスの町にある湖に崩落した。これに伴い湖の水位が20メートル以上も上昇し、水が町にあふれるなどして数人が行方不明、約50世帯が浸水・・・

ということだ。被害にあった町に住む彼らが排出する温暖化効果ガスは希少だったろう。被害にあった彼らは、先進国のエゴによる犠牲者と言えなくもない。

 こういった地球温暖化は、地域的に極端な気象を生みだす気候変動を呼ぶと言われている。そうなると、天候不順による食糧問題が頭をもたげ、我々の食卓を襲うことになる。4月14日の産経新聞によれば、すでに野菜価格が高騰し、我々の台所を直撃しているという。

・・・日照不足など最近の天候不順で、野菜の価格が上がっている。・・・約3、4割値上がりした。「価格が例年並みに戻るかは天気次第」と関係者はため息まじり・・・生産者は出荷できるキャベツを探して歩く状態・・・10日から2週間ほど生育が遅れているという。・・・価格を抑えるため小分けにして販売・・・気象庁によると、東日本の太平洋側で3月、同月としては観測史上最大の月降水量を記録。日照時間も平年に比べ81%だった。全国的に気温の変動も激しく、東京の平均気温は、上旬は平年並み、中旬は平年より3度高かったが、下旬は、平年を2度下回る8・1度だ・・・
現時点で起こっている異常な気象について14日の毎日新聞は、気象庁の見解を次のように掲載している。
ゴールデンウイークごろの陽気になったと思ったら、冬の寒さに逆戻り--。4月に入ってから、ジェットコースターのように寒暖の差が激しい天候が続いている。気象庁によると、平年より強めの寒気と暖気が日本列島付近でせめぎ合っているのが原因だ。強い冬型の気圧配置となった14日は、東北の日本海側に暴風雪警報が出されるなど、北日本を中心に大荒れの天気となり、けが人も出ている。日照不足も深刻で野菜の価格が高騰し、家計への影響・・・東京の11日の最高気温は23.2度で、5月中~下旬並みの暖かさとなった。一方、翌12日は3月下旬並みの14.3度までしか上がらないなど、日ごとの気温差が大きい。・・・気象庁気候情報課によると、寒暖の差が激しい原因は、寒気と暖気双方の勢力が平年より強いことだ。北極付近の気圧が高く、日本など中緯度付近の気圧が低い状態が続いているため、北極付近の寒気が中緯度帯に流れ込みやすくなっている。一方で、太平洋赤道域東部の海面水温が高くなるエルニーニョ現象の影響などで暖気も強い。こうした状況は通常、「菜種梅雨」のころにみられるが、例年より長期間せめぎ合いを続けているのが今年の特徴・・・寒気と暖気に挟まれた地域は前線の通り道になりやすく、天候不順になる。東京では今月、13日までに日照時間が10時間を超えた日は1日だけで、昨年の7日に比べ大幅に少ない。日照時間ゼロの日が4日もあり、各地も同様・・・気象庁気候情報課は今後について、「来週以降、強い寒気による低温の傾向は弱まる。だが、再び寒気が入ってくる可能性もあり、このような状況が終わるかどうかはまだ分からない」・・・
桜の花が長持ちしたと喜んでばかりはいられないというわけだ。昨年から活況を呈している太陽光発電にも影響は大きい。例年ならば、稼ぎ時のこの時期に日照がとても少ないため、思うように発電ができていないのだ。弱り目に祟り目とはこういうことなのだろう。
 しかも折から、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル氷河が大噴火をしたというニュースが流れている。ヨーロッパでは、空港が閉鎖され、多くの旅客の足が奪われている。もう少しすれば、その火山灰はアジアにも到達し、地球を何周も回ることになるだろう。この火山噴火による降灰が気になる。なぜならば、現在の不順な天候を後押しするようにその火山灰は日照をさえぎり、気温のバランスを崩すに違いないからだ。過去にも大きな噴火後の数年間は、世界的に天候不順による作物の不作や飢饉が続くことが何度もあった。地球上で寒冷化する部位と高温化する部位の差が開けば気象はますます苛烈になっていくに違いない。その先は、世界的な食糧不足につながることになる。なんとも先行きが思いやられるこのごろの天気だ。

2010.03.31

白熱電球の歴史に幕・・・世界を照らし続けた光の世代交代に思う

 新しく改訂されたエコポイント制度では、LED電球を優遇するという。その昔、「冷たく光る蛍の光を作り出せたら、ノーベル賞ものだ。」と言われていた。それまで人類が手にした光は、炭素と酸素による燃焼をベースにしたもので、光と同時に熱も出すため、エネルギーは相当量熱エネルギーとして捨てられていた。発光ダイオードの発明は、まさに人類史に残る、エネルギーを光だけに変換することに成功した画期的なものだった。

 これから生まれる子どもたちは、光と熱をリンクして意識できず、燃え上がる炎を恐れなかったり、真っ赤に焼けた金属に触れてしまったりということもあるかもしれない。そういえば、これから新しく生まれるトンネルは、照明を左右のどちらか片側だけに設置して、電気代を節約するとの話もある。これまで無尽蔵に使われてきたエネルギーのうちの光熱費は、IHクッキングヒーターやエコキュートなどの発達に伴って、減少していくのだろう。まさに今、人類史の中で、光と熱に関する革命が起こっており、現代に生きる私たちは、その生き証人となる運命にあるのだろう。あと数十年かすると孫を横にして、「昔はね、光って温かなものだったんだよ。」と昔を語る日が来るのだろう。きっと孫たちは、「なんでそんな無駄なことしていたの?光と熱をいっしょに出す意味があるの?無駄じゃない。」と応えるに違いない。そんな時、どのようにして説明したらいいのだろうか・・・・。

 3月17日の毎日新聞によれば、エジソンが発明し、世界を暗闇から解き放った白熱電球が生産を終了するという。

・・・照明メーカー大手「東芝ライテック」(本社・神奈川県横須賀市)は17日、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するため、一般向け白熱電球の製造ラインを停止した。生産拠点である栃木県鹿沼市の鹿沼工場で製造中止式典があり、東芝の発祥事業の一つである白熱電球の製造開始から120年でその歴史に幕を閉じた。・・・08年実績で年間2000万個を製造していた。今後、その分は消費電力の少ない電球型蛍光ランプや発光ダイオード(LED)電球に置き換えられることから、年間約43万トンのCO2削減につながる・・・ 式典には東芝の佐々木則夫社長ら約120人が出席。東芝ライテックの恒川真一社長は「今日は終わりではなく、新しい東芝のあかりの歴史をスタートさせるものです」と述べ・・・

環境の世紀にあって、またひとつ旧世代の象徴がその役割を終え、次の世代にバトンタッチすることになった。さようなら・・・白熱電球。

2010.03.25

北上するサンゴ・・・温暖化で進む磯焼け

 先日は、マングースの生息域が北上していることに触れたが、熱帯の象徴、珊瑚がその生息域を地球温暖化によって北へと伸ばしているという。白化現象など熱帯での生息が危うくなっているというのに皮肉なことだ。折から、「磯焼け」を引き起こしている原因のひとつと言われるアイゴという魚の異常発生も同じく地球温暖化が原因と見られている。これまで、アイゴは、海草を好んで食べるものの、冬になって水温が下がると食欲が落ちてしまうため、藻場の芽を食べ尽くすことはなかった。しかし、地球温暖化や黒潮の蛇行などによって太平洋岸の海水温が上昇したため、冬になっても食欲は落ちず、海藻を食べ尽くして沿岸を砂漠化しているらしい。3月16日のYOMIURIONLINEは、先に触れた珊瑚の北上について次のように報じている。

・・・和歌山県串本町や奄美諸島(鹿児島県)などで生息する熱帯性のサンゴ4種類が約100~500キロ離れた千葉県館山市や長崎県・五島列島の周辺海域に北上していることが、国立環境研究所の山野博哉主任研究員と杉原薫・福岡大助教らの調査でわかった。 地球温暖化による海水温の上昇が原因とみられる。近年、本州の海域で熱帯性のサンゴの確認が相次ぐことから、同研究所は長期の定点観測を行う計画で、サンゴ北上の実態解明を目指す・・・昨年まで約3年間の調査で、館山市ではこれまで串本町や静岡県・伊豆半島の海域で見られたエンタクミドリイシとミドリイシ属の一種を確認。五島列島では奄美諸島や熊本県天草市周辺海域のスギノキミドリイシやクシハダミドリイシが見つかった。 山野主任研究員によると、館山市の周辺海域では2月の水温が1985年と比べ約1・5度上昇。冬でもエンタクミドリイシなどが生息できる水温13度を保っている。また五島列島周辺では、気象庁の観測で過去100年の平均海面水温が約1・2度上昇して・・・ 海水温が上昇すると、熱帯のサンゴの流入が増えるとともに、海藻や海藻を好む魚が減るなど、生態系や漁業に影響を与える可能性があるという。串本町でも90年代以降、黒潮に乗って運ばれた熱帯のサンゴ約20種類が定着している・・・主任研究員は「海の生態系の異変を感じる。温暖化が原因なのか、生態系への影響などを含め調査する必要が・・・

串本町は、本州最南端で黒潮に洗われ、熱帯性の魚が群れることでダイビングスポットとしても知られている。串本海中公園周辺は、世界最北のテーブル珊瑚群生地であるが、今後、日本の沿岸は、磯焼けが進むと同時に珊瑚礁が覆われ、古来の生態系が破壊されてしまうことになるのかもしれない。つまり、多くの日本でなじみの深い魚が住めない環境になっていくのだろう。したがって、クロマグロだけでなく、絶滅を危惧しなければならない生物が増え、日本の沿岸漁業も徐々に廃れていくに違いない。海中生物のバランスを保つために保護だけでなく、駆除も含めて検討し、海中の生命活動のバランスを保つような手立てが必要なのではないだろうか。

2010.03.21

記録的な黄砂!干ばつと温暖化

2  暴風と雷の一夜が明け、あたりは黄砂によって夕暮れ時のような薄暗さとなった。昨日から黄砂によって視界が著しく低下していた東名高速道路は時速50KMの速度規制が敷かれていたが、今日になっても状況は好転していない。黄砂は、黄河流域の表土が砂塵となって風に乗り、中国からやって来るといわれている。春は、ことのほかよく見られる現象だが、今日のような状態は、過去にもほとんど記憶がない。3月20日の毎日新聞の記事も、この黄砂が尋常でないことを伝えている。

・・・中国中北部の広い地域で20日、大規模な黄砂が観測された。中国中央気象台によると、昨年1月以来、範囲などで「最強の黄砂」という。北京の天安門広場では砂を含んだ風を避け、うつむいて歩く人々の姿が・・・黄砂は19日に内モンゴル自治区など内陸部で発生し、強い風に運ばれて北京や天津など沿海部に20日未明に到来・・・

この黄砂による被害は、近年その激しさを増しているが、ここにも地球温暖化の影が見られる。2月24日のRECORD CHINAによれば、

雲南や広西など南部で厳しい干ばつ、地球温暖化が主な原因・・・雲南や広西など南部で厳しい干ばつ、地球温暖化が主な原因・・・地球温暖化などが原因で広西チワン族自治区や雲南省などで厳しい干ばつが発生し、数百万人の被害者が出ている。・・・2009年8月以降、広西チワン族自治区北西部や貴州省、雲南省で50年ぶりと言われる厳しい干ばつが発生し、数百万人もの被害者が出ているが、これは地球温暖化が主な原因だと広西チワン族自治区気象部門の専門家が指摘した2月に入り、中国各地で降雨が期待される時季となったが、前述の地域は2009年8月以降、まとまった雨がほとんど降っていない。広西チワン族自治区気象部門の統計では、2010年2月上旬の同自治区各地の降水量は0.0~23.5mmで、例年の0~4割程度。平均すると、例年より2割ほど少なくなっているこうした状況について、広西チワン族自治区気象部門の専門家は、地球温暖化により太平洋地域のエルニーニョ現象が加速し、大気構造が破壊されたことで、継続的に雨が降らなくなっており、秋から冬にかけて少雨だったことにより気温の上昇が加速していると指摘。温暖化やCO2の排出により海上と陸地の気温差が少なくなり、海上の季節風が上陸しにくくなっているという

黄砂の発生する内陸部と雲南では場所が違うが、近年の中国の天候異常は取り上げたら枚挙に暇がなく、ここでも何度も取り上げてきた。中国は、世界一の人口を抱えて経済成長が著しい。昨今話題となったクロマグロの争奪でも日本を急追している。その中国の食糧事情が悪化していることは、世界で生産されている食糧の多くを輸入している日本にとって必ず脅威となる。経済力にものを言わせて、世界で生産される食糧を中国が輸入し始めれば、穀物価格を含めた食料の単価が上昇し、国力の衰えた日本は、海外からの食糧輸入が難しくなるに違いない。地球温暖化については、日本人とアメリカ人の意識の低さが揶揄されるが、アメリカは自国に巨大な資源がある。日本はないだけに、中国によるレアメタルのような食糧買占めが始まれば、日本の食糧はたちまち底をつくことになる。崩壊した日本の農政・後継ぎのいない農家など、日本には今や食糧を生産する能力はない。海外から食料を買いあさることで凌いできた現状が、立ち行かなくなれば、明日の食すら危うくなる。食糧危機水危機は、すぐそこに迫った問題だと言える。どうする?!日本!

2010.03.20

巨大氷山、衝突で分離

 史上最大規模の衝突として、東京都の1.5倍の大きさの南極の超巨大氷山B15Aが大陸に衝突したという事件を知ったのはちょうど5年前だ。その後も、巨大な氷山の流出・北上という事態は続いている。ここに来て、また巨大氷山の漂流が確認された。3月7日の時事通信によれば、

・・・南極大陸の氷河から舌のように海に張り出していた巨大な氷が、長さ97キロの巨大氷山の衝突で分離、長さ78キロ、面積にして神奈川県を上回る2500平方キロの新たな氷山となって漂流し始めたことがこのほど、オーストラリアとフランスの研究者らの観測で・・・氷は、東経146度、南緯67度付近で「メルツ氷河」から2月中旬に分離した。氷河とつながっていた部分では、約20年前から亀裂が拡大。研究者らは長年、その様子を観測していた。分離した部分の氷は約70年かかって形成されたもの・・・

映画「デイ・アフター・トゥモロー」の冒頭で、地球の異常を知らせたとされるのがこの氷山の動きだった。映画では、ドラマティックに見せるために変化の時間軸を短縮して見せていたが、長年かけて形成された氷がそれよりも短時間で溶けているという事実を我々は、看過してはならない。このところの気温の乱高下にも驚かされるし、桜の開花が早まっていることも地球の異常が続いていることを我々に知らせているのかもしれない。 

2010.03.11

都市鉱山の開発を急げ!

 先日のチリ大地震では、東京から静岡に帰ろうとしていた私も大変な目にあった。東名高速道路と国道一号線という大動脈が10時間以上も完全に遮断されたためだ。あらかじめ交通規制があることは知っていたので、午後3時に東京を出て、中央高速から国道52号を通って迂回するつもりだったが、渋滞に巻き込まれてしまい、静岡の我が家に帰宅できたのは深夜12時を回っていた。疲労困憊した対向車のドライバーたちの表情が痛々しかっただけでなく、コンビニまで何キロも歩いてトイレを借りにいく子どもや老人、女性もいて、それはそれは惨憺たる有様だった。マスコミも津波が何十センチという報道はしても、渋滞情報がほとんどなく、まったく辟易してしまった。

 ところで、地球の裏で起こったこの地震は、日本の動脈を止めただけでなく、銅、レアメタル調達に影響も影響を及ぼしそうだ。2月28日の産経新聞によれば、

・・・レアメタルの一つであるモリブデンの調達先として知られ・・・チリは世界最大の銅の産出国日本貿易振興機構(ジェトロ)などによると、2008年時点でチリから日本への輸入品のうち金額ベースで4割強を銅が占める。子会社を通じ4鉱山に投資する日鉱金属は駐在員16人全員の無事を確認。三井金属や住友金属鉱山、三菱なども駐在員らの安全を確認した銅鉱山の多くは震源地から遠く、地震による操業自体への影響は少ないとみられるが、港湾などの被災で出荷が長期に止まる可能性がある。「2カ月も入ってこなくなれば銅製品の生産に影響が出る」(三菱マテリアルとの声も・・・

持てない国日本にとって、油断や物流の遮断は本当に死活問題になる。特に、レアアースは完全に海外に依存しているだけに事は深刻だ。先にも取り上げたが、携帯電話の回収により、レアメタルを入手しようという取り組みは、一定の成果を収めているようだ。3月5日のフジサンケイビジネスアイによれば、

使用済み携帯57万台回収、金7千万円分「発掘」・・・経済産業省は5日、昨年11月から全国で実施した使用済み携帯電話の回収キャンペーンの結果、約56万7000台を回収したと発表した貴金属やレアメタル(希少金属)が含まれていることから、未回収の携帯電話は「都市鉱山」と呼ばれており、回収した携帯電話から「発掘」された金は合計22キロ(約7000万円相当)に達した。銀79キロ、銅5670キロ、パラジウム2キロなども回収され、いずれも精錬業者に販売されて再利用・・・家庭などに眠っている使用済みの未回収携帯電話は国内に2億台程度あるとされ、使わなくなった後もカメラや電話帳代わりにとっておく人が多い。今回のキャンペーンでは回収に応じた人の中から抽選で最高5万円の商品券が当たる特典を設け、全国の家電量販店など約1800店舗で昨年11月下旬から今年2月末まで実施した。1店舗当たりの回収台数を見ると、前年同期と比べて36・5倍に急増した家電量販店も・・・

この成果に勇気づけられたのか、回収事業が本格化するらしい。日本の自動車産業の将来をも揺るがしかねないレアアース・レアメタルの問題だけに、ぜひ成功を収めてほしいと思う。3月8日のフジサンケイビジネスアイによれば、

・・・非鉄金属大手が「都市鉱山」と呼ばれる廃家電などに含まれるレアメタル(希少金属)を回収・再利用するリサイクル事業を強化・・・三菱マテリアルがレアメタルの一種であるレアアース(希土類)回収事業への参入を目指すほか、三井金属やDOWAホールディングスなどもレアメタル回収を増強。各社とも“発掘”に懸命だ。省エネ家電やハイブリッド車(HV)に欠かせないレアメタルは世界的に争奪戦の激化が確実視される一方で、日本の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵する埋蔵量を持つだけに、「宝の山」を生かし切れるかが日本の産業競争力の鍵を握る・・・三菱マテはパナソニックとの合弁会社「パナソニックエコテクノロジー関東」(茨城県稲敷市)で、使用済みエアコンの圧縮機からレアアースを取り出す実証試験を始め、2014年までに事業化したい考えだ。レアアースはHVや電気自動車(EV)のモーター用磁石などに使われる。レアアースの産出は中国が世界の9割以上を握るが、中国は輸出抑制に傾いており、将来的に需給逼迫(ひっぱく)の懸念も・・・三井金属はHV用などのニッケル水素電池からレアメタルを回収・再利用する事業を増強する。電池処理量を現在の月数十キログラムから4~5年後には10トン規模まで引き上げる方針だ。11年度をめどに使用済みリチウムイオン電池からリチウムなどを取り出す事業を始めるのが日鉱金属。子会社の日鉱敦賀リサイクル(福井県敦賀市)内に実証プラントを建設中だ。リチウムイオン電池は現在の携帯電話やノートパソコン向けだけでなく、HVやEV用途も増える見通し。DOWAホールディングスも傘下の小坂製錬が運営する小坂製錬所(秋田県小坂町)で使用済み家電や携帯電話から金、銅、レアメタルなど約20種類の金属を回収しており、その対象を増やすことも検討・・・レアメタルは産出国がロシアや中国、アフリカなどに偏り、日本はほぼ全量を輸入に頼る。その調達には産出国の政情や資源政策に左右される不安はぬぐえないため、日本企業は海外鉱山の開発や権益確保などを加速。政府も石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と企業が鉱山に共同出資できるよう法改正し企業を後押しする構えだ。ただ、資源の「爆食国」中国などライバルも多く、権益取得は簡単ではない、物質・材料研究機構によると、国内都市鉱山のレアメタル埋蔵量はインジウムが世界埋蔵量の61%、リチウムは世界の年間消費量の7倍以上に相当する。レアメタルは日本のハイテク製品に不可欠な原料だけに、都市鉱山の活用は待ったなし・・・

まだまだ日本国内には莫大な量のレアアースが眠っている。こうして見ると、バブル以降に湯水のように携帯電話を製造販売し、通信料で新規購入を廉価にしていた日本の使い捨て戦略は、レアメタル確保において怪我の功名だったと言えるかもしれない。今後、急速な伸びを期待できるという点では、電池産業に匹敵する分野かもしれない。

2010.03.04

北上するマングースの脅威

 沖縄にハブ退治の使命を帯びて1910年にインドから導入されたマングースは、生態系のバランスの大切さを教訓として我々に教えてくれている。沖縄の餌の豊富な場所では、好んでハブという毒蛇を捕食しなくてもアマミノクロウサギやヤンバルクイナなどを食べればよかったので、それらを駆逐してしまったのだ。生態系とは、長い時間かけてその地域で培われてきたバランスであり、外部から人為的な力が加われば、そのバランスは簡単にくずれてしまう。この貪欲な小動物は、日本の在来種を駆逐するだけの力がある。しかし、温暖な気候を好むマングースの北限は、奄美諸島だとこれまで考えられていたため、本土での繁殖は想定されていなかった。日本の大半の地域では越冬が難しいと考えられていたからだ。ところがそのマングースが、鹿児島で生息していることが確認された。2月23日の西日本新聞によれば、

・・・生態系に悪影響を及ぼす「特定外来生物」のマングースが、本土で初めて鹿児島市喜入地区に繁殖しているのが判明し、22日で8カ月が過ぎた。繁殖力が旺盛なのに同地区以外では捕獲されず、本土侵入の経緯も不明。一方で本土の環境に適応し、「進化」した形跡が確認された。専門家は「今のうちに根絶しないと、生息域が九州全域に広がってしまう」と警告・・・「現段階で喜入は北限なのかも」・・・
 原産は南アジア。猛毒を持ったハブの「天敵」とされ、ハブの駆除を目的に1910年に沖縄本島、70年代末に奄美大島に持ち込まれた。県は昨年6月、喜入地区での生息を確認。その後、79年に捕獲したはく製があることも分かり、少なくとも30年前から本土で繁殖していた・・・鹿児島県は昨年7月に捕獲を開始。これまで約70匹がわなにかかった。捕らえたのはすべて同地区の中名(なかみょう)を中心とした南北12キロのエリア。・・・沖縄と奄美では、生息域が年に1キロ四方ずつ広がったとみられている。阿部補佐は「本土は寒さが拡大を阻んでいる可能性がある」と分析・・・「警戒心が強いのに、自ら船に乗るとは思えない。人が持ち込んだと考える方が自然」・・・舩越教授が、本土の個体は沖縄に比べ、寒さに耐えるよう体重が大きく、体長は小さく「進化」しているとの研究結果を報告・・・食欲旺盛で天敵は皆無。・・・沖縄と奄美では作物を食い荒らし、固有種のヤンバルクイナやアマミノクロウサギを絶滅の危機に追いやった。・・・「地球温暖化も重なり、やがては『北限の壁』を突破する」。舩越教授は危機感を訴え・・・

ということだ。地球温暖化により、この小さなプレデターは、北上が可能になり、旺盛な繁殖力で日本の生態系を破壊し続けることが予想できる。迷惑なのは、異郷に連れてこられたマングース自身かもしれないが、クマゼミ同様北限は徐々に破られ、日本の在来の生態系を崩す脅威となる日は遠くないのだろう。そういえば、ハクビシンやアライグマ、カミツキガメなど多くの小動物がすでに日本に入り込み、セアカゴケグモ(セアカドクグモと誤表記される場合もある)のように繁殖をしているものも多い。地球温暖化は、私たちの目に見えないところで着実に進行している。そのことをマングースは警告してくれているのかもしれない。 

2010.02.28

進む!?スマートグリッド実証試験と事業展開

 アメリカのクリーンエネルギー産業の伸びは、すごいらしい。2月23日のウォールストリートジャーナルによれば、次の如くとなる。

米国のクリーンエネルギー産業は記録的な成長を示す見込みだ。大企業は、政府の温室効果ガス排出制限の法整備失敗にもかかわらず、数十億ドルを投資する方針・・・世界的原子力プラント企業であるフランスのアレバは今月、カリフォルニア州の太陽熱発電装置メーカー、オースラを買収して米国市場に参入すると発表した。アレバは、今後10年の太陽光発電装置への需要は年間20%ずつ拡大するとし、同社はこの「魅力的な成長市場」のトップ企業になる計画だとしている。・・・実際は、同制度がなくてもクリーンエネルギー産業は活況を呈している。既存の政府プログラムに加え、議会がエネルギーと雇用に関した法案を可決するとみられていることから、多くのアナリストは2010年が同産業にとって目覚ましい年になると予測・・・FPLグループの子会社で、発電能力では米最大の風力発電業者であるネクステラは最近、バブコック・アンド・ブラウン・インフラストラクチャー・グループから同発電関連企業3社を買収した。新たな買収先を探している同社は今年、発電能力を1ギガワット増強する予定。これはおおよそ一つの原子力発電所の出力に相当・・・世界最大の再生可能エネルギー会社であるスペインのイベルドローラは昨年、米政府から5億7000万ドル(約520億円)のクリーンエネルギー補助金を受け取り、最大の補助金受領者となった。同社は今年は風力発電面で4億ドルの受領を見込んでいる。・・・クリーンエネルギー部門は昨年、金融危機とリセッションで企業の投資が広範囲に打撃を受けたあと、困難な状況を覚悟していた。しかし、クリーンエネルギー・プロジェクトへの現金補助などが含まれた米政府の刺激策のおかげで昨年は記録を更新・・・例えば、米国の風力発電業界では昨年、10ギガワット近い風力タービンが設置され、米国は発電能力で世界一の地位を維持・・・クリーンエネルギー・コンサルティングのブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると、世界のクリーンエネルギー投資は今年2000億ドルに達し、08年に達成したこれまでの記録1550億ドルを大きく上回ると予想されている。トップを走っているのは米国・・・エネルギー省には今年の補助資金として300億ドル近くがまだ残っている・・・

 何でも一番になりたいアメリカの本気度は、すさまじい。次世代電力網として脚光を浴びるスマートグリッドにおいても日本をはるかに先行している。したがって、新エネルギーの効率的な運用を支えるスマートグリッドの構築によって現在の劇的な展開がさらに加速されてもおかしくないだろう。

 一方で、残念ながらアメリカ・ヨーロッパなどに比べて新エネルギーの分野は、日本では太陽光発電以外は、冷遇されてきた様な気がする。スマートグリッドの開発にしてもしかりだ。日本版ニューディールは、他国の後塵を拝する状態が続いていたのだ。しかし、ここにきて少しずつだが動きが見られるようになってきた。1月13日の毎日新聞によれば、

 経済産業省は13日、電力や自動車、電機、住宅など国内主要企業が次世代送電網(スマートグリッド)を活用した新しい社会インフラのあり方を検討する「スマートコミュニティ関連システムフォーラム」の初会合を開いた。鳩山政権が掲げる温室効果ガスの90年比25%削減の目標に向け、各社が持つ環境技術を融合した社会システムの構築や国際標準化について議論・・・ スマートグリッドは、IT(情報技術)を活用して電力の需要と供給を調整し、太陽光発電などの再生可能エネルギーの安定供給や家庭の省エネを実現するしくみ。オバマ米大統領が整備に34億ドル(約3100億円)の投資を表明するなど、世界的にシステム開発や国際標準化を狙う動きが加速・・・近藤洋介経産政務官が「この分野で新産業を興し、世界をリードしたい」と述べ・・・
という。世界をリードする多面には、物的・経済的支援も必要だろう。事業仕訳によって削るだけでは次の展開は見えてこない。ただ、ここにきて少しずつだが、動きが見えるようになってきた。1月9日のフジサンケイビジネスアイでは、電力会社と経済産業省の連係が報道されている。
 経済産業省と東京電力、関西電力は今春、家庭の電力使用を抑える効果が期待できる次世代型電力計「スマートメーター」導入の実証事業に乗り出す。参加する家庭を対象に、季節や時間帯に応じて電気料金を高くしたり、安くしたりする仮想のプランを設定。各家庭に設置したスマートメーターから受信した実際の電力使用量データで電気代を算出、仮想の料金プランに沿って節約がうまくできた世帯にはより多くの協力金を支払う。・・・ スマートメーターは、双方向のデータ通信機能を備えている。将来はメーターからのデータに基づいて発電量を調整したり、家庭のエアコンの設定温度をコントロールしたりすることが想定されている。今回の実証事業では、家庭の電力使用の実態をきめ細かく調べるとともに、節約を促すのにどのような料金プランが効果的かを探る・・・【用語解説】スマートメーター 双方向の通信機能を備える次世代型の電力計で、きめ細かな電力供給を可能にする。地球温暖化対策のため、出力が不安定な太陽光や風力発電を大量に導入していくのに設置が不可欠とされる。次世代型送電網「スマートグリッド」(賢い送電網)構築の要となる。
という。こうした動きは、国だけでなく地方自治体にも広がりを見せている。鳥インフルエンザへの取り組みや環境関連の積極的な取り組みが見られる神奈川県横浜市は、1月14日のカナロコによれば、次のような取り組みを始めたという。
 横浜市は環境モデル都市(内閣府認定)の基幹プロジェクトの一環として、金沢臨海部を拠点に環境と経済の両立を図る「横浜グリーンバレー構想」の具体化に乗り出した。太陽光など再生可能エネルギーやEV(電気自動車)カーシェアリングの導入、環境・エネルギー産業の育成支援などに取り組み、低炭素型のモデル地域形成を目指す・・・2050年までの長期構想として、(1)低炭素化を図るエネルギー施策の展開(2)世界に求められる環境・エネルギー産業の育成(3)既存施設や自然環境を利用した環境啓発拠点の創出―を3本柱に施策展開していく。・・・林文子市長は「金沢臨海部をモデルに低炭素社会への移行を進めるとともに、環境との調和を図ることで、地域経済の持続可能な発展を実現したい」と話した。

こうした環境を主軸に据えた取り組みはもはや珍しくなく、日本の成長にとって必須なのだろう。日本の技術力は、製品以上に魅力的なのだから、それを見捨てておくのはもったいない。それだけに、今や世界一の経済成長を誇る中国への売り込みに意欲を見せる次のような展開が見られるようになったことは、喜ばしいといえるだろう。1月18日のフジサンケイビジネスアイによれば、

 日本政府は、中国で5月に開幕する「上海万博」で先進環境技術をアピールする。その役割を担うのが、企業や業界団体が協力し万博に出展するパビリオン「日本館」だ。太陽電池シートを外装に使った“発電膜”に加え、太陽光や雨、空気の恩恵を自然に取り込んで省エネ効果を発揮する新システムなどを詰め込んだ建築物で、技術力や自然と共生する文化を伝える“ショーウインドー”として機能させる。地球温暖化防止や水資源不足の解決に向けた関連ビジネスの国際展開に弾みをつける・・・建物の特徴は、江戸時代から伝わる「打ち水」など日本の伝統的な知恵と、最先端の技術・素材を巧みに組み合わせた点だ。具体的には、太陽電池を内包した「光を通す軽量の発電膜」で表面を覆い、屋根の穴から雨水を集めて再利用し全体を冷やす仕組みなどを取り入れた。 さらに、自然に空気を入れ替える機能も活用。まるで、生き物が呼吸するような構造体を採用しているため、「エコチューブ」と名付けた。省資源にも役立ち、通常の建築手法で日本館を作る際の鉄骨使用量との比較で、4割削減できるという。・・・技術に焦点を当てた展示の目玉は、二酸化炭素(CO2)など環境負荷物質の低減を徹底追求した2020年の未来都市「ゼロエミッションタウン」を立体的に見える写真や実機などを駆使して再現する企画だ。 これを通じて、次世代送電網「スマートグリッド」や燃料電池車に燃料を供給する施設「水素ステーション」を体感してもらう。・・・

現在、企業の業績が持ち直しているのは、日本国内の需要ではなく、中国や新興国への輸出だといわれている。今後日本が生き残っていくには、日本の得意分野としての「環境関連技術」をいかに売り込んでいくかが大切なのだ。それによって、日本は地球温暖化阻止に貢献することになる。そのためにも、アメリカに負けない経済支援とスマートグリッド構築の姿勢を官民一体となってとっていってほしいものだ。

2010.02.11

映画「ブルーゴールド」に見る迫る水戦争・・・日本の対策は間に合うのか?!

 日本は古来瑞穂の国とされ、その豊富な緑と水資源の恩恵を受けてきた。水道の水をそのまま飲める国としても有名だ。そのため、水に対する意識はあまり高くない。とはいえ、昨今は、海外からエビアン等の水を購入したり、浄水器や浄水の宅配などが商売として成り立っている。私の子供のころには、水をお金を出して買うなど考えもしなかった。F(^_^;

 しかし、目を地球規模に転じてみると、「水」はレアアース並みの貴重な資源となってきている。このことは、OCNエコプラスの『エコな1コマ』「640億の見えない水」でも触れられているが、地球温暖化は、人類が使える水をも蝕んでいるのだ。世界の多くの国では、清潔な水を飲めない人々が増加の一途を辿っている。日本はすでに飽食の時代を過ぎている。世界の食糧事情の逼迫と同時に日本国内の食糧事情の悪化は時間の問題だと思われる。なぜなら、経済力を背景に世界から様々な物を略取する日本のこれまでの姿が問われると同時に日本の経済力自体が斜陽の一途を辿っているからだ。こういった、水問題について、1月23日の毎日新聞は、映画ブールーゴールドのサム・ボッソ監督とのインタビューをもとに伝えている。

・・・「水戦争は生死のかかった問題・・・世界中で起こっているさまざまな「水」にまつわる紛争の実態を映し出したドキュメンタリー映画「ブルー・ゴールド 狙われた水の真実」。来日したサム・ボッゾ監督に製作のきっかけや苦労などを聞いた。
 --この映画を作ったきっかけは?
 ・・・リトビノフが資料として持って来た「『水』戦争の世紀」(モード・バーロウ、トニー・クラーク著)を読み、SF映画を作るよりも今地球で起きていることをすぐにでもドキュメンタリーとして撮らなければという思いにかられた。私はこの映画で、これは生死のかかった問題であることを提起したかったんだ。そこで私は調査をし、三つの驚くべき話を探り出した。一つは、水が資源であることを主張した市民に対する企業の脅しと、他に飲み水がない地域でボトル水で利益を得ていること、私たちの環境、つまりは生存に大打撃を与える大量の水輸送についてだ。それから、淡水化がどうして代替案にならないのかにも突っ込んでみた。また、仮想水として知られる、作物や工業を通して輸出される見えざる水についても・・・
政府は畑を汚水でかんがいしているところを撮影させたくはなかっただろうから、メキシコで番人を買収しなければならなかったし……。ケニアのナイバシャ湖で、貴重な湖の水をヨーロッパのバラ栽培者から守ろうとして殺されたジョアン・ルートというドキュメンタリー作家についても調べなければならなかった。そのため私はアフリカの奥地まで行かなければならなかった。一番の収穫となったのは、私のドキュメンタリー界でのヒーローであるマーク・アクバーに出会えたこと。・・・「ブルー・ゴールド」を自分の最も重要な作品と考えることに間違いはない・・・この問題について全く知らなかった観客の反応は刺激的だった。驚いたまま去っていったり、啓発されたり、水について新たに考える力を与えられたりと言われた。活動家たちからは、映画が私たちの社会で最もパワフルなコミュニケーションツールであり、多くの人の意識を変える可能性を持っていることを知って、主張を広めやすくするツールを作ってくれたと感謝された。でも、私はこれを活動家たちのために作ったのではない。この問題について知らない一般の人たちのために、まだ変える時間があるうちに作ったんだ。私はこれを息子のために作ったんだ。各国でも映画に対するリアクションは非常に大きく、自分の学校やコミュニティーで上映会を開きたいといったメールもたくさんもらった。水は誰にでも必要不可欠なもの、だからこの問題についてもっと知るべきだ、という意識が高まったと思う。・・・私の息子は将来まさに水の危機に直面することになる世代だ。その前にこの映画を作ることによって警鐘を鳴らし、彼らが大きくなった時に危機的状況に陥るのではなく、それが回避され、水がうまく管理される世の中になってほしい。モード・バーロウ(「『水』戦争の世紀」著者の一人)はこの映画の公開後、国連初の「水問題アドバイザー」になった。彼女は「水は基本的人権」であるということを、国連を通じて推進できる立場にある。この点において改善があった・・・五大湖コンパクト法という水の輸出を禁止する法が制定されたが、実態は抜け道を作ってあり、輸出可能な状況にある。ミシガン州の人々にとってはよくない状態が続いている。20世紀は石油を巡る戦争、21世紀は水でいさかいが続いています。  残念ながらその通りだ。資源を独占しようとすると必ず争いが起こり、それをいまだに繰り返している。石油はいつか枯渇するにしても、それは代替エネルギーに移行可能だが、水の問題は解決しないと人類は滅亡することになる。・・・ --日本は水に恵まれた国で一般的に意識は低い。水事業の民営化についても一番少ない国だ。日本人はこの映画をどう見るべきか。 ・・・危機感のない国でこの映画が上映されることは逆にとても大切なことだ。カナダも日本と同様、水が豊富な国の一つでもあるが、この映画に対するリアクションが非常に強かった。水は今、確かにあるが、いずれアメリカに取られるのではないかという恐怖心を持っている。バーロウは、この日本でも管理をしっかりしていかないとすぐ崩れてしまう可能性を指摘している。これから、あらゆる地域で、水の問題で生存をかけて闘うことになるが、一方、日本はうまく稼働している管理ノウハウや最新テクノロジーを使って解決法を生み出す立場にある。世界貿易機関(WTO)での立場、ハイテクで水の問題の解決に向けて大きな貢献ができるはずだ。 --映画を見た個人個人が具体的な行動を起こし、民間企業に影響を与えることは可能だと思うか。 異常気象、地球温暖化の問題が人々の意識に上り、日常的に考えるようになるまで20年かかった。水の問題についても同様だ。最初の一歩は気付くこと。この水がどこから来て廃水がどこへ流れていくかを意識すること、そして、水というのは政治的な問題だというメッセージを広げていくことが、政治家が、自分の選挙キャンペーンで水の問題を語らなければならない状況を作り出すために、圧力をかけていくことが必要だ。そうやって政治は変わっていく。・・・実際に危機に見舞われたボリビアでは人々が立ち上がり、プロセスは早まった。しかし、そこに行く前に、まず気付くことが重要だ。・・・ *……映画は渋谷アップリンク(東京都渋谷区)、ポレポレ東中野(東京都中野区)、ヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区)ほか全国で順次公開。

ということだ。アルゴア氏の「不都合な真実」も人類の未来への警鐘だったが、この「ブルーゴールド」は、生死をかけた水戦争が勃発することを予見しているという点で、「不都合な真実」以上に深刻に受け止めねばならない映画かもしれない。

2010.02.03

IPCCの陰謀?・・・台頭する地球温暖化懐疑論

 1月19日、世界を駆け巡ったニュースは、今や世界の潮流ともなっているIPCCが警告する地球温暖化に対してのアンチテーゼに力を与えるともいえるもので、各界に衝撃をもたらした。折から、予想外の寒波が日本やヨーロッパを襲い、巷では、「温暖化なのにねえ・・・」という声が聞かれていただけに、その耳を疑うようなニュースに私は、驚きを隠せなかった。1月19日のロイター電が伝えるその内容は・・・。

 気象学者で構成する国連の委員会は18日、ヒマラヤの氷河が2035年までに消滅する可能性を指摘した過去の報告書について、再検証を行っていることを明らかにした。・・・「地球温暖化が現在のペースで続いた場合、ヒマラヤに数多く存在する氷河は2035年までに消滅する可能性がある」とした2007年発表の同報告書については、インドのラメシュ環境相が同日、疑問を呈していた・・・

そして、続く22日の産経新聞の記事は、さらに耳を覆いたくなるようなものだった。

・・・国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は20日、2007年に公表した第4次報告書の中で、「ヒマラヤの氷河が35年までに消失する可能性が非常に高い」とした記述は誤りだったとする声明を発表した。・・・IPCCは声明で「明確で確立された基準が厳密に適用されていなかった」と釈明した。 IPCCのパチャウリ議長はインド紙タイムズ・オブ・インディア(21日付)のインタビューで、記述の誤りは報告書全体の正確さを揺るがすものではないと述べたが、地球温暖化に懐疑的な勢力に新たな攻撃材料を提供したといえる。

アメリカや日本は、地球温暖化阻止のために行動しているようで、実は世界的に見て意識がとても低い国だ。この報道を受けて、アメリカでは、ますます地球温暖化懐疑論者が勢いを増しているらしい。1月28日のCNNによれば、

・・・地球が温暖化しているという気候変動を、「現実に起こっていること」と考える米国人が57%に減少していることが、米イェール大学などの調査結果で明らかになった。約2年前の2008年10月の調査では、71%が現実に起こっていると考えていた。・・・その結果、科学者を信頼する割合は83%から74%に低下。ニュースメディアへの信頼は47%から36%に減っていた。また、2008年の調査時には、地球温暖化に対する対応を訴えたアル・ゴア元米副大統領を信頼する回答者が58%と過半数を超えていたが、今回の調査では47%に大きく低下・・・調査を実施した研究者は、気候変動に対する意識の変化の原因として、出口の見えない不況と、温暖化データのねつ造報道の2つを指摘。自分の生活がままならない経済状況では気候変動問題に意識を振り向ける余裕がなく、さらに昨年から地球温暖化データがねつ造されたとの報道から、科学者への信頼度が低下したと分析・・・
さらに、地球温暖化懐疑論者が喜びそうな記事がある。1月29日の毎日新聞によれば、
 今世紀に入って地球の気温上昇が鈍化した原因は上空の水蒸気が減少したためとする分析を、米国とスイスの研究チームがまとめた。地球温暖化の原因と対策を考える上で論議を呼びそうだ。・・・ 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、20世紀後半の気温は10年当たり0.13度上昇した。00年以降も温室効果ガスは増えているが、気温上昇はほぼ横ばい。このため「上昇は人間活動が原因である可能性が90%以上」とするIPCCの分析を疑問視する見解が出ている。 研究チームは二酸化炭素(CO2)と同じように温室効果を持つ水蒸気がかかわっていると考え、人工衛星と気球で上空の水蒸気濃度を調べた。 それによると、成層圏(約10~50キロ)の水蒸気が増え、1980年からの20年間の気温上昇率は30%増だった。だが、その後の10年間は水蒸気が10%減り、気温上昇率も25%減だった。本来0.14度高くなるところを0.10度に鈍化させ・・・分析した米海洋大気局のスーザン・ソロモン博士(IPCC第1作業部会共同議長)は「水蒸気は(太陽光をさえぎる)火山噴火と同様、気温の変化に影響を与える。しかし、CO2などの排出増がなければ気温上昇は説明できず、IPCCの結論は変わらない」と・・・
というのだ。石油や石炭関連の企業にとっては、まさに願ってもないデータだが、アルゴア氏は、石油メジャーほか多くの旧勢力からの抵抗を受けながら地球温暖化阻止を訴えてきた。それは、私たちの周りで起こっている様々な変化をつなぎ合わせてみれば、まさに脅威となる気候変動が地球温暖化を原因としているという強い信念からだった。かくいう私もかつては、地球温暖化懐疑論者だったが、彼の話やいろいろなデータを照合するうちに地球温暖化は本当に起こっているのだと確信するようになった者の一人だ。
 現実に身の回りで起こる幾つもの異変を重ね合わせていくと、まぎれようもない事実としての地球温暖化と気候変動・それに伴う様々な脅威が浮かび上がってくるのだ。例えば、1月22日の毎日新聞によれば、
・・・“南のチョウ”がなぜ? 下関で相次ぎ貴重種発見・・・ 暖かい気候の地域でしか生息しないチョウが、県内で相次いで観察されている。貴重なチョウの発見を喜ぶ一方、地球温暖化を懸念する声も聞かれる。 見つけたのは昆虫の生態などを調査している「山口むしの会」。後藤和夫会長(65)によると、昨夏に下関市で県内初の「クロマダラソテツシジミ」を、また昨年末に同市内で県内4例目の「アオタテハモドキ」を発見。後藤会長は「いずれもマダラ模様の羽根が美しい典型的な南方のチョウ」という・・・ これらは本来、台湾や東南アジアなどの島々に生息。しかし、クロマダラソテツシジミは08年に鹿児島や宮崎で発見されて以来、九州全域や四国、関西地方でも確認されるようになった。アオタテハモドキもここ数年、目撃されている。・・・日本蝶(ちょう)類学会会長の矢田脩・九州大教授は「今まで南方のチョウは偶然風で流れてきた『迷チョウ』と思われていたが、最近の大量発生は地球温暖化で越冬したさなぎが羽化した結果とも考えられる。・・・
他にも、CNNは、NASAの発表として、温暖化傾向が引き続き観測されていることを報じている。
09年は過去2番目の暖かさ、10年平均では最高 NASA ・・・NASAによると、1880年に観測を始めて以来、最も気温が高かったのは2005年。09年はこれをわずかに下回り、07年などと並んで過去2番目となった。10年ごとの平均でみると、2000年1月から09年12月までの10年間の気温は、1880年以降で最も高かった。世界の平均気温は1880年以来、約0.8度上昇。過去30年の比較では、10年ごとに約0.2度ずつ上昇・・・この統計について「地球温暖化は衰えずに続いていることが分かった」と指摘・・・

気温上昇に増減はあるが、温暖化は進んでいるのだ。また、1月29日の Record Chinaは、中国で観測された海面上昇を次のように伝えている。

・・・中国国家海洋局の発表したレポートによると、09年に中国沿海部の海面の高さが過去約30年間で最も高い位置に達していたことが分かった。・・・「2009年中国沿海の海面に関する公式レポート」を発表した。それによると、過去約30年間で中国沿海の海面は上下の波はあるものの上昇トレンドを描いて推移しており、平均して年間2.6ミリメートル上昇し、世界平均の同1.7ミリメートルを大きく超えている。その結果、09年に中国沿海の海面の高さは過去30年間で最も高い位置に達したという。また、同レポートは、今後30年間についても海面の上昇トレンドは続くだろうと予測・・・国際連合人間居住計画(国連ハビタット)は、08年に発表したレポートで「地球温暖化の影響を受け、世界の海面は20世紀中に平均17cm上昇した。また、1990年から2080年までの間に海面は平均22~34cm上昇し、海抜の低い世界各地の3000以上の都市や地区に様々な程度の影響を及ぼすだろう」と予測し、警鐘を発し・・・
これらの事実を積み重ねてみれば、地球温暖化とその脅威は増していることが見えてくる。疑いを持つなどもってのほか、と言えなくもない。
 さて、今回のIPCCの間違い・・・報道について考えてみよう。IPCCの自己批判とも取れるこの表明は、IPCCが健全なチェック機能を有している証と考えられないだろうか。そこに所属する多くの科学者は、自由な立場で起こっていることを検証し、議論を重ねている。私のように、「もってのほか!」などと、異なる意見を寄せ付けないような感情的な態度をとってはいない。もちろん、個々の科学者の中には、感情的な態度をとる者もいるが、集団としてのIPCCは、実に冷静で、確固たる判断基準を有しているのだ。
 今回の不幸な事実誤認についても、彼らは誠実に対応し、それを隠すことなく検証し、間違いは間違いとして認めているのだ。地球温暖化懐疑論を唱える者の多くが、旧勢力である石油や石炭関連の企業と関係を持ち、自己利益に基づいてキャンペーンを張っているのとは大きく違っている。
 オバマ大統領の「アメリカが、2位に転落するなどあってはならないことだ!」と叫ぶ演説に歓声を上げるアメリカは、自由の国でありながら、一方で三菱の風車を特許侵害!などと訴えてみたり、出る杭であるトヨタに的を絞ったかのような攻撃をする国である。私は、この件を通して、さらにIPCCの機関としての誠実さ、健全さを再認識させられることとなった。IPCCとは、本当に大した組織である。それに比べて日本の・・・・F(^_^;

2010.01.11

新たな世界観で温暖化阻止・・・元気印のインド・中国と結ぶ!?

 世界は、中国・インドを中心に動き出した。その裏で、アメリカはその失地回復に懸命になっている。今まで、にらみを利かせるだけで服従してきた日本ですら基地問題などで服従させられなくなっているのだから仕方あるまい。日本の政権が、アメリカの「いらだち」を誘うようなのらりくらりとした対応をとっても、アメリカは、じっと耐えているかのように見える。かつて、「アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪をひく」と揶揄された主従関係は、もはや時代遅れなのであろうか。1月10日の産経新聞の虚勢ともいえるアメリカの主張が空しくさえ聞こえる。

・・・・米大統領は8日、ホワイトハウスで演説し、製造業への投資に対する最大23億ドル(約2100億円)の戻し減税を通じ、1万7千人以上の雇用を創出する考えを示した。ハイブリッド車(HV)用リチウムイオン電池の国産化を急ぎ、先行する日本を追い越すと・・・雇用対策の一環。太陽光や風力発電、次世代型エコカーの技術開発に携わる企業に供与・・・「HVに使われる電池のほとんどは日本かアジアの企業が製造した」と述べたうえで「多くのHV用電池を米国で生産していく」と指摘・・・

オバマ大統領自ら、アメリカの遅れを認めざるを得ないというのが、切ない。

 さて、新車販売で世界一となった中国だが、アメリカの低迷をしり目に世界一を誇るモノは、他にも多くある。レアアース・レアメタルだけではない、実に多くの分野で中国はすでに世界一になっているのだ。1月8日のrecord chinaによれば、

・・・フランスの週刊誌「Le Point」(09年12月24日号)の中国特集で、「中国が世界一を誇る12分野」が紹介された。12分野のうち、ベスト3とされたのは上位から順に、「省エネ電球」「玩具」「風力発電」だった。・・・4、電気自動車用電池中国の役人は自国の石油がほぼ底を尽きかけていることを知っている。そのため、電気自動車の開発に熱心に取り組んでいる。中国は電力革命のリーダーを目指している・・・5、太陽電池パネル―中国は07年から世界の太陽電池パネル生産のリーダー的存在だ。江蘇省無錫市の無錫尚徳公司を始めとする多くの中国企業は、日本の京セラなど海外企業にサービスを提供・・・6、携帯電話・・・7、カラーテレビ・・・8、家電―巨大な国内市場を抱える中国は、冷蔵庫、洗濯機、扇風機、エアコン、掃除機など様々な家電を大量に生産・・・9、紡績品―09年、中国製の生地や衣類の輸出総額は1800億ドルを超える見通し。欧米の紡績業界は早々に中国製との競争に敗れ・・・10、鉄鋼
―09年の中国の鋼材生産量は5億トンを超える見通し。これは世界シェアの40%以上に相当・・・11、コンピューターのハードウェア―中国の著名なPCメーカー・レノボ(聯想)は04年、IBMのPC部門を買収し、一躍その名を世界に轟かせた。現在は世界の4大PCメーカーの1つ。実のところ、海外ブランドPCの多くは中国製だ。12、革製品・・・

という。「中国の役人は自国の石油がほぼ底を尽きかけていることを知っている。そのため、電気自動車の開発に熱心に取り組んでいる。中国は電力革命のリーダーを目指している」という言葉に日本の現状を重ね合わせると悲しくさえなる。少し前までメイドインチャイナは粗悪製品の別称だっただけに隔世の感すらする。そういえば、「バックトゥーザフューチャー」という映画の中で、タイムマシンのデローリアンが壊れた時、部品が「メイドインジャパン」だから、壊れたとする言葉に主人公が「メイドインジャパンは世界一ということなんだ。」と切り返す場面があった。日本もいつまでも上から目線で中国を見、下から目線でアメリカを見続けていると、真実を間違えることになるかもしれない。

 話を元に戻そう。日本では不当な扱いを受けることの多い風力発電も世界トップレベルだということは、日本のめざすべき「環境立国」のお株をすでに中国に奪われていることになる。日本では、企業などの民間のリーダーは、政治のリーダーや官僚よりも優れていると言われている。多くの日本企業がすでにアメリカでなく中国をむいてビジネスを展開しているところを見れば、日本の政治がアメリカの傘下からアジアへ向かったとしても不思議ではないだろう。むしろ、遅きに失しているといえるかもしれない。かつて人類史の長い期間、中国は世界の中心であり続けた。「中華」とは、世界の中心国であるという自負から出た言葉だ。

 とはいっても、日本が中国に対して卑屈になれというのではない。日本の多くの企業がアメリカから軸足を中国に置き、もう一本の足を向けているのは、インドだ。つまり、新しい世界観で将来の日本を見る時が来たのだと言えるだろう。1月4日の産経新聞によれば、インドの経済成長は、中国同様著しいようだ。

不景気の影響はまったく受けていない。特にこの10カ月は生産が間に合わない状態です」 インド北部パンジャブ州ルディアナにある「ヒーロー・サイクルズ」のカプール社長(マーケット・セールス担当)はこう言って、表情をほころばせた。 同社はインド有数の財閥ヒーロー・グループの自転車部門。1986年に世界最大の自転車メーカーとしてギネスブックに認定され、現在もトップに君臨し続けている。ヒーロー・グループが日本のホンダと合弁で設立したインド最大の自動二輪車メーカー「ヒーロー・ホンダ」の大株主でもある。・・・「インドでは年間1300万台の自転車の需要がある」(カプール氏)。その大部分を占めるのがヒーローで、金融危機が世界経済を襲った2008年にも生産台数は前年比で22%増を記録した。特に「景気に影響されない強固な基盤」とカプール氏が呼ぶのが「ロードスターズ」と呼ばれる自転車だ。変速機も飾りもないシンプルな自転車で、価格は2200ルピー(約4400円)~1万8000ルピー(約3万6000円)。「低所得者層にとって、自転車は通勤・通学の足。必需品だから購入せざるをえない」(カプール氏)といい、生産すればするだけ売れる・・・インド人にも広がる健康志向や地球温暖化への配慮などもあり、国内市場の伸びは底堅い。カプール氏は「インド経済は各種指標の数値が良く、健全だ。今後にまったく不安はない」・・・携帯電話、家電、自動車…。あらゆる分野を見ても、12億人市場が持つ消費の強さは明らかだ。また、政府が金融危機後の08年12月から3度にわたって打ち続けてきた景気刺激策も奏功・・・世界的な景気回復が鮮明になれば外需が追い風になり、インド経済はこれまで以上に成長が加速するとの見方が強い。・・・・

インドは、経済成長とあいまって、12月21日のインド新聞を見ると地球温暖化や環境問題についての意識が高まっているという。

 ・・・「環境および気候変動に関する世界意識調査」の結果を発表した。それによると、世界の多くの国々で気候変動に関する関心が低下し、過去2年間で2 ケタ台の落込みを示していることが判明した。インドで気候変動に懸念を抱いている人は50%で調査国のなかでは11位だった。 2009年10月に実施した最新調査結果によると、「気候変動にとても懸念を抱いている」と回答した人は、世界平均で37%(07年度は41%)、地域別ではラテンアメリカ(57%)とアジア太平洋地域(42%)が高い値を示した。一方で、北アメリカは関心が低く25%・・・調査対象54 カ国中35 カ国で気候変動への関心が薄れ、特にポーランド(23 ポイント減)とカナダ(22ポイント減)が最も大きく低下した。世界的な不況で、気候変動の問題は最重要の議題から外れてしまったようだ。 気候変動に最も懸念を抱いている国はフィリピン(78%)。以下、コロンビア(73%)、ベネズエラ(70%)、インドネシア(66%)、タイ(62%)、メキシコ(62%)、ベトナム(57%)。過去2年間で最も懸念が増加したのは、フィリピン(14ポイント増)であり、次にベトナム(9ポイント増)だった。いずれも異常気象や自然災害で、実際に気候変動による被害を被っている。09年9月末に台風16 号(ケッツァーナ)がフィリピンとベトナムを直撃し、インドネシアでは今年2回の地震と津波によって打撃を受けた。 なお、インドとブラジルは50%で11位、日本は38%で23位中国は36%で24位だった。・・・反対に北アメリカでは、気候変動防止に対する政府の介入を最も望んでおらず、個人的レベルで改善すべきであるとの考えが多数を占め、個々で資源の再利用やエネルギー消費量の削減、省エネ仕様の電球や設備の導入などをすべきであると考えている。・・・
地球温暖化に対する対策をインドと中国・途上国が邪魔しているように日本では報道されているが、実は、日本や北アメリカの人々の意識の方が低いという結果は何を意味しているのだろうか。実は、これから栄えるであろう環境技術についての余力を蓄積しているのは日本でもアメリカでもなく、中国であり、やがて、膨大な数の自転車が自動車に代わっていくであろうインドなのだ。日本のもっと前向きで革新的な環境及び外交政策を期待しないではいられない。

12月29日の毎日新聞は、次のように語っている。

 米国離れ、中国寄りの姿勢が指摘される鳩山政権にとり、29日の日印首脳会談は、アジアの民主主義国として「共通の価値観を共有」(共同声明)する日印関係を強調し、対中関係とのバランスをとる狙いがあった。それでも、地球温暖化対策などの懸案ではむしろインドと中国の立場の近さも目立つ・・・ 鳩山由紀夫首相は、自身が掲げる「東アジア共同体構想」の枠組みを明確にしていないが、会談後の記者会見ではインドを「不可欠な大きな役割を果たす国」と位置づけた。日本は日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国、インド、豪州、ニュージーランドが参加する東アジアサミットを重視している。インドが加わる枠組みに重点を置くことで、アジアでの主導権を握りたい中国をけん制する狙い・・・インドへの接近で中国をけん制するという日本の戦略は、必ずしも奏功しておらず、対印外交の見直しも・・・

アメリカ一辺倒だった日本の姿勢をインドや中国寄りに持っていくというのは、現政権でしかなしえないことだろう。「決められない・・・。優柔不断」と揶揄される現政権だが、「押しつけられ、忍従してきた」過去の日本とは一線を画していると言えよう。ただ、手放しでほめてはいられない。スズキ・ホンダ・トヨタといった企業はとうの昔にインド・中国への接近を試み、大きな力をその市場に向けて割いているのだ。1月10日のizaβ版によれば

インドの首都・ニューデリーで11日まで開かれているモーターショー「オートエキスポ」で、トヨタ自動車とホンダが100万円を切る低価格戦略車のコンセプトカーを初公開した。インドでトップシェアのスズキは、3列シートの多目的車(MPV)で迎え撃つ。08年のオートエキスポで20万円カーとして話題をさらったタタ自動車の「ナノ」とは、さすがにひと味もふた味も違う。外観を見た限りでは日本に持ってきても売れそうだ。・・・開発に2千人超 トヨタが世界初公開したのが、インド向け専用車「Etios」(エティオス)のコンセプトカーだ。トヨタ再生のカギとなる新興国市場の開拓を担う戦略車の第1号・・・ 外観は丸みを帯びたデザインで、室内空間を広くしただけでなく、インド人の好みに合わせた・・・日本仕様よりは座り心地が悪そうだが、高級車ではないので十分・・・今後、自動車保有が拡大すると予想されるファミリーユーザーがターゲット。インドの売れ筋価格帯の30万~45万ルピー(約60万~約90万円)より「ワンクラス上級」をテーマに開発・・・現地生産、部品や材料の現地調達に加え、装備の絞り込みなどで100万円を切る価格を目指す一方、トヨタの名に恥じない快適な走りと低燃費を両立させる・・・「4年にわたり、2000人以上のエンジニアが開発に携わり、妥協することなく最善を尽くした」と、開発担当者の則武義典チーフエンジニア・・・■小粒でも5人乗り トヨタの最大のライバル、ホンダは「ホンダ ニュースモール コンセプト」を世界初公開・・・11年にインド、タイで発売するということを公表した・・・フェンダー(泥よけ)を強調した躍動感あるデザインが特長・・・現地工場での生産を検討しており、鋼材など主要な素材や部品の現地調達を増やすことで、「50万ルピー(約100万円)を下回る価格」(近藤広一副社長)が目標・・・二輪車から四輪車へとステップアップするモータリゼーションの波に乗り、シェア拡大を狙う・・・「誰も行かないからチャンスがある」。スズキは1982年にインド政府国営会社と合弁会社を設立して以来、数々の苦難を乗り越え、インドで約5割のシェアを握るトップメーカーとなった。 オートエキスポには、6人乗り3列シート多目的車のコンセプトモデル「R3」を発表し、新たな顧客層開拓を目指す。 インドでは商用タイプの3列シート車の需要が大きいほか、SUV(スポーツ用多目的車)の人気が高まっていることに注目。乗用車タイプで3列シートという「新しい提案」(スズキ)にチャレンジ・・・“純インド製”だ。全長4・3メートルのコンパクトな車体で、価格は「マルチ800」(日本の2代目アルト)の20万ルピー(約40万円)よりは、高くなる・・・インドでの快走に期待・・・
とのことだ。スズキは30年近く前からインドに目をつけ、ホンダ・トヨタも何年も前からインド向け製品を計画していたということが、素晴らしい。日本のメーカーの底力と指導者の優秀さを感じさせる。日本の行くべき道は、アメリカ一辺倒から脱却し、新興国を含めた世界各地と結ぶことだろう。それは、環境立国をめざす日本にはなくてはならない視点だ。地球温暖化阻止を目指すためにも新たな世界観を日本が共有することが求められる。それこそが、今の日本にとっての「坂の上の雲!」なのではないだろうか。

2009.12.24

「ゆくエコ、くるエコvol.3」2009年地球温暖化

 cop15の会議では、残念なことも多くあった。今や巨大国家となった中国とアメリカの思惑に多くの国々が心を乱され、温暖化の影響下にある途上国の多くが行く先を誤った見解をとったと言えるかもしれない。しかし、同時に忘れてならないことは、すでにアメリカも中国も「環境」を前面に置いて巨額の資金を投じて産業構造の再構築を図っているという事実だ。日本は、「みんながやらないなら、ボクもやならなあい。」などと崇高な目標を捨てるべきではない。それは、首相が鳩山氏から誰かに代わったとしてもだ。21日のフジサンケイビジネスアイによれば、多くの人々がこの崇高な目標を支持している。機は熟しているのだ。

鳩山政権の野心的な地球温暖化対策に高い支持-。NTTレゾナントがインターネットを利用して行った環境意識調査で、こんな結果が浮き彫りになった。・・・2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比25%削減する目標を国際公約した政府の姿勢について、回答者(4万2224人)の約60%が支持。なかでも約20%が「強く支持する」と答えた。一方、不支持は約15%だった。また、「イノベーションを起こして新しい経済社会モデルを構築する」という目標の達成手段については、56%が賛同。低炭素革命に対する理解の浸透を示した・・・

19日のロイターによれば、

・・・第15回締約国会議(COP15)は19日、日米欧や中国など20カ国以上の首脳らの協議でまとめた「コペンハーゲン協定」の全会一致での採択を断念し、同協定に「留意する」との文書を採択して閉幕した。一部途上国の反発が根強く、当初期待されていた目標からは程遠い結果となった。 国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は「コペンハーゲン協定は全員が望んでいたものではないかもしれないが、これは重要な始まりだ」と語った。 ・・・積極的な温室効果ガス排出削減目標を掲げ、他国にも追随を求めていた欧州連合(EU)は、今回の法的拘束力を持たない合意を不本意ながら受け入れた格好。 メルケル独首相は「私にとって非常に難しい決断だった。われわれは一歩踏み出したが、もうあと数歩進むことを期待していた」と述べた。 オバマ米大統領はCOP15での協議は「非常に困難かつ複雑だった」とした上で、合意内容は「今後数年の国際的行動のための土台を築いた」と述べた。米国に戻った大統領は「歴史上初めて、世界の主要経済大国すべてが気候変動の脅威に対して行動する責任を引き受けるため集まった」とCOP15の意義を評価した。 COP15での結果を受け、国連主導での地球温暖化対策交渉には限界があり、交渉の主導権を米国と中国に委ねるべきとの意見も・・・

ということだ。しかし、そんな政争の中にあって、地球温暖化による被害は粛々と進んでいる。氷山の流出しかり種の絶滅しかり氷河湖の問題しかり・・・・挙げれば枚挙にいとまがない。。12月21日のrecordchinaは次のような報道をしている。

・・・ユニセフ写真展、ブルキナファソ「気候変動と子どもたち」・・・アグネス・チャンは、日本ユニセフ協会大使として、気候変動の影響で降雨量が激減し、砂漠化が進んでいる西アフリカの最貧国のひとつ、アフリカのブルキナファソに2009年4月、視察に訪れた。・・・ブルキナファソは、西アフリカにあるサハラ砂漠の南にある内陸国。国土面積は27万4200平方キロメートル(日本の約70%)約1500万人が住み、モシ族(全体の約半分を占める部族)、グルンジ族、プル族を中心に約60の部族が住む。公用語のフランス語のほかに、多くの部族語が使われてる。サヘル(サハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域)が広がる地域に位置し、気候変動によって降雨量が激減し、砂漠化が深刻化している地域である。・・・最貧国の子どもたちにとって、地球温暖化は「近い将来」ではなく、「今すぐに」解決されなければならない課題とし、2007年バリ島で開催されたCOP13の会場で、ブックレット『気候変動と子どもたち』を発表。・・・

「最貧国の子どもたちにとって、地球温暖化は「近い将来」ではなく、「今すぐに」解決されなければならない課題」という部分は、すべての人々に届いてほしいメッセージだ。地球温暖化とは、まさに「今そこにある脅威」なのだ。そして、破局への時計は刻一刻と時を刻んでいる。

 2009年初頭にあれだけ議論されたグリーンニューディール政策だったが、このごろあまり聞かなくなっている。それに取り組む余裕がないのか、すでに取り組んでいるから改めて語る必要がないのか・・・。 環境税の懸案もまだまだ、流動的な部分が多い。暫定税率については、これまでの私の主張に沿った形で、環境税へと移行しそうだが、それとて確定はしていないようだ。12月22日の時事通信によれば、

ガソリン税などの暫定税率廃止論議に絡み、導入の是非が焦点となっていた地球温暖化対策税(環境税)は、暫定税率の実質維持により、仕切り直しが決まった。政府税調は大綱に「2011年度実施に向けた成案を得るべく、さらに検討」と明記・・・環境省は11月、暫定税率の廃止と同時に環境税を10年度に導入する案(税収規模2兆円)を発表。財源難に悩む財務省は積極的に後押ししたが、一部の税調幹部からは「拙速だ」との批判が絶えなかった。1年先送り・・・不況の中「経済活動が停滞する」と、難色を示す産業界をどう説得するかがカギだ。 環境税はすべての化石燃料やそれによってもたらされるエネルギーに課税されることから、灯油や電力・ガスなどの家計負担増も・・・

といった状況のようだ。世界中の動向が気になるスマートグリッドの問題も含めて、ぜひ2010年は、総力をあげて地球温暖化阻止に邁進し、COP16で、世界が一致団結する?際には、日本の雄姿を見せてほしいものだ。

2009.12.10

ガラパゴスで進む種の絶滅・・・失楽園

 過去、ガラパゴス諸島は、多くの固有の種を育む楽園と言われてきた。そして、多くの保護の手が差しのべられてきた。人類にとって、まさに宝物のような場所だ。しかし、12月4日の毎日新聞によればそんな楽園にも種の絶滅という事態が及んでいるらしい。

 南米エクアドルの世界遺産、ガラパゴス諸島で地球温暖化や乱獲のため、最近25年以内に9種の生物がほぼ絶滅したことが分かった。・・・同諸島海域で多数生息していたスズメダイの一種と24本の脚を持つヒトデは、82~83年に起きた太平洋赤道域東部の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」の後、25年以上生息が確認できず「ほぼ絶滅」状態とみられる。藻類7種も20年間未確認で絶滅の可能性が高い。ほかにオサガメ、同諸島海域固有種のサンゴ、ガラパゴスペンギンなど36種が国際自然保護連合の絶滅危惧(きぐ)種に相当し、そのうち9種は「ごく近い将来に絶滅の危険が極めて高い種」だという。・・・エルニーニョ現象による多雨や海面水温上昇など温暖化に伴う気候変動と、漁業の乱獲が生息環境を破壊し、急速な絶滅を起こした・・・
多くの固有種が住むということは、長期にわたって安定した気候が保たれていたことを表している。しかし、そんな希少な土地で多くの種が滅び始めているということは、この地球上には、すでに安定した場所などないということを表しているのだろう。もう、地球上にパラダイスなど存在しないのかもしれない。残念なことだ。

2009.12.03

海面上昇2m・・・時間が、迫る温暖化対策

 数年前から、取り返しがつかなくなる「不可逆点」がいつなのかを論じることが多くなった。「今から対策をしなければ、もう破局をまぬかれない。」とする者。中には、「もう、何をしても無駄だ。時すでに遅しだ。」とする者。逆に、「温暖化など嘘だ。」とする者。いろいろな立場で、いろいろな意見が述べられている。先日は、温暖化を警告している有名な研究者が、事態を粉飾していたのではないかという疑惑が流れた。彼は、地球の危機を知ってしまった「マッドサイエンティスト」で、動こうとしない周囲を「馬鹿」呼ばわりしたというような噂も伝え聞く。しかし、次の記事を見ると、もし予測が確かだったとしたら、首都を含めすべての都市機能を内陸部に今すぐ移転させる必要が迫っていることになる。

 11月25日の時事通信によれば、すでに、今世紀末には、多くの都市が海中に没することになるのだから。

・・・英国や米国、オーストラリアなどの環境問題の研究者26人は25日、地球温暖化防止のための対策が講じられなければ、今世紀末には地球の平均気温が最大7度上昇し、南極の氷床の融解などで海面は最大で2メートル上昇する恐れがあるとする報告・・・報告は、グリーンランドや南極の氷床消失が進行しており、2007~09年の北極の夏の海氷融解は気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が07年に公表した第4次報告書の予測を約40%上回ったなどと指摘。温暖化の影響は一部で予測を上回るペースで進んでいる・・・

これを嘘だと笑うこともできる。でまかせだと言うこともできるだろう。しかし仮に事実であったとしたら、2012年には起きないとしても、今世紀半ばには、東京をはじめとする多くの主要都市のかなりな部分が海中に没しはじめ、今世紀半ばには、都市機能が失われ始めることになる。となると、残された猶予は、100年ではなく、数十年しかないことになる。今から都市を守る、または、移転していく行動が必要なのだ。

 地球温暖化による気候変動と海面上昇。世界経済の破綻とまさに、今は世紀末の再現のようだが、「何もしない」という選択よりも「もしも、に備える」選択をするというのが賢明な選択であろう。そして、その「ノアの方舟計画」ともいえる、温暖化阻止の手立ては、事業仕分けで削減の中に入れないでほしい。もっとも、そんな事業は、現時点ではないのだが・・・。

2009.11.29

弱者を苛む地球温暖化・・・誘発される内戦

  11月27日の毎日新聞に、気になる記事があった。これまでも、地球温暖化による気候変動により、水資源が枯渇し、食糧不足が深刻化するとは言われてきた。ロシアで起こった列車テロまでこの中に入れるのは、乱暴すぎるが、けして他山の石ではない。

 ・・・地球温暖化の影響で気温の上昇がこのまま続くと、アフリカでの内戦の発生件数は2030年までに現在より50%以上、犠牲者は約40万人増える恐れがあるとの予測を、米カリフォルニア大などがまとめた。気温上昇が地域の主要産業の農業に打撃を与え、食料をめぐる争いを招くのが理由という。・・・内戦が相次ぐサハラ砂漠以南のアフリカの国を対象に調べた。・・・内戦の件数と気温の関係を分析したところ、気温が1度高い年には、内戦の件数は4.5%、翌年に0.9%それぞれ増えることが分かった。また、2030年までに気温は20世紀末に比べて0.7~1.6度上昇すると予測。内戦の件数は54%、内戦に巻き込まれる犠牲者数は累積で39万3000人増になる・・・かんがい整備が不十分なアフリカでは気温が1度上昇すると、主要穀物の生産量が10~30%落ちるとされる。研究チームは「国際社会は、気温上昇を視野に入れた支援を急ぐべきだ」と指摘・・・
未だに暗黒の大陸と揶揄されるアフリカ。そこへの農業技術や灌漑技術の支援をしていかないと、悲劇が繰り返されるということだ。南アフリカでのワールドカップが、アフリカへ世界中の視線を集めるきっかけとなり、支援が行われるようになってほしいものだ。
 それにしても、通貨の混乱とデフレ宣言は、「底を打った」とされる世界経済を、次なる深遠な渕へと誘うかもしれない。アフリカだけでなく、日本国内においても貧富の差が広がり、治安を悪化させる可能性がある。「衣食足りて礼節を知る」という言葉がある。世界から飢えを無くす活動の大切さを感じる。・・・地球温暖化について語ると、暗い話ばかりになって切ない。しかし、こんな時だからこそ、前向きに具体的な行動をとらなければならないのだと思う。

2009.11.28

弱者を苛む地球温暖化・・・虐げられる女性

 地球温暖化による気候変動や海水面の上昇は、社会的弱者や貧困層をより強く苛むことはこれまでも述べてきた。そんな弱者の中の弱者である、貧困層の女性を地球温暖化は容赦なく打ちすえるという。21日の毎日新聞によれば、

 国連人口基金(UNFPA)は2009年版の世界人口白書を発表した。洪水や干ばつなど気候変動の影響を特に受けやすいのは貧困層の女性だと指摘し、国際社会が女性の立場に立った政策を取るよう強調・・・それによると、厳しい干ばつのために6カ国に1カ国が毎年食糧危機に直面する可能性があり、2075年までに30億~70億人が慢性的な水不足に見舞われると予測。特に途上国の女性は農作業や水くみなどの役割を担っていることから、異常気象はさらなる重労働を女性に強いることになると警告した。また、温暖化が進むと、貧富の差と男女の不平等がいっそう広がる恐れがあると・・・その上で、女性が十分な教育を受けられる体制を整えることで、望まない妊娠や出産を減らし、人口増が食い止められ、温室効果ガスの排出削減につながる・・・

としている。23日の中央日報にも同様な記事が掲載された。

ボリビアのワイナ・ポトシ山脈の急斜面の村に暮らすルカディア・キスペさん(60、女性)はジャガイモとオカ(アンデス山脈で育つ多年生植物)を栽培している。彼女は数時間かけて村から遠く離れた谷へ飲料水と農業用水を汲みに行く。  キスペさんは「かつては村の川に水が流れていたが、氷河がなくなって川も乾いてしまった。飼料用の作物が育たず、多くのラマ(体が小さいラクダ科の動物)とヒツジも飢えて死んだ」と話す。  国連人口基金(UNFPA)は18日発表した「09世界人口現況報告書」で、「地球温暖化で開発途上国の女性が重い病気にかかっている」と明らかにした。  スハシ・グプタ財政局長は「地球温暖化による洪水や干ばつのため食糧・飲料水の供給など家族扶養の責任を負う女性の負担が2倍に増えている」と・・・

20世紀は女性の地位向上に著しい進展を見せた時代であったが、21世紀は、気候変動により、女性や弱者を省みない社会に後戻りするかもしれない。それは、人間の女性や貧困層だけでなく、小さな貝や微生物なども含めた弱者をも苛むことになる。11月20日の時事通信によれば、

大気中の二酸化炭素(CO2)増加による海洋の酸性化や、地球温暖化に伴う氷の融解によって海水中の炭酸イオン濃度が変化し、北極海では炭酸カルシウムの殻を持つプランクトンなどが生息しにくい環境になっていることが、海洋研究開発機構とカナダの海洋科学研究所の共同研究で分かった。実際の影響は未確認だが、プランクトンは海の食物連鎖の根幹を成しており、生態系全体への影響も懸念される。・・・大気中のCO2は年々増加しているが、その一部は海に吸収されるため、海水は酸性化。中和のため海水中の炭酸イオン濃度が低下する。一方、海に住むプランクトンには、炭酸カルシウム(CaCO3)の殻を持つ仲間がおり、水中の炭酸イオン濃度が一定以下になると、海中に殻が溶け出しやすい(未飽和)状態となり、生育に影響が出る・・・分析の結果、海氷の融解が進んだ海域で炭酸イオン濃度の低下が目立ち、炭酸カルシウムが溶け出しやすい状態になっていることが分かった。海洋機構の西野茂人技術研究主任は「『ふた』になっていた海氷が溶けて大気からのCO2吸収が増えた上、海水が希釈されて炭酸イオン濃度を低下させた」と指摘。・・・

という。こういった、食物連鎖の最底辺にある弱い生物の生存が脅かされるということは、食物連鎖の頂点にある人間にも害が及ぶということである。馬鹿げた円高で1ドルが80円半ばとなった今、輸出関連企業は、「環境なんていっていられない。零細企業を切っても自分が生きるのが精いっぱいだ!」と考え、温暖化対策から二の足を踏むようになるかもしれない。世界中が、愚かな投資家のために混乱し、国内も作っても作っても儲からないデフレに陥っていると言われる今とここ数年が本当の正念場。土壇場なのかもしれない。将来のために、子どもたちのために歯を食いしばらねばならない時が続きそうだ。

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北海の妖精、クリオネなども、早晩、姿を消すのではと言われている。写真は、ディスカバリーパーク焼津で特別展示されていたクリオネ。  

2009.11.24

南下する北極氷山・北上する巨大南極氷山

11月23日の時事通信によれば、多くの氷山が南極から流れ出しているという。デイアフタートゥモローという映画の序盤に起きる破局の前触れが、まさに極地からの氷河の流出だった。流れ出した氷河は、海流に乗って北に向かい、水温を低下させるだけでなく、そこの気象を狂わせることになる。

・・・南極海で100以上の氷山がニュージーランドの南島に向かって漂流していることが衛星写真で確認された。同国海事当局は付近を航行する船舶に注意を呼び掛けて・・・ オーストラリア南極局の氷河学者ニール・ヤング氏によると、氷山はニュージーランド領オークランド諸島沖を通過し、北東へ約450キロの南島方向にまとまって移動している。この中には200メートル以上の幅の氷山もある・・・氷山の数は数百に上る可能性もあると指摘。これらの氷山は、地球温暖化で海水温と気温が上昇する中で、南極大陸から分離した巨大な氷の塊が割れてできたと説明・・・ 

14日のNZニューズによれば、大きさが海面上に出ているだけで500mに達するモノもあるらしい。突然現れた巨大な氷河に、驚いた島民もいたという。海上に見えるのは、その十分の一と言われている。まさに驚くべき大きさだ。こういった、巨大氷河の流出については、過去にも何度か触れたことがあるが、まさに大地のきしむ音が断末魔となって聞こえるようだ。

Macquarie島で発見された巨大な氷山は南極大陸とニュージーランドの間を北に移動・・・この巨大氷山は殆どが水面下にあるものの、長さがおよそ500メートルもあると見られ・・・地理学者のNeil Young氏は、この氷山は約10年前に南極大陸から離れた物ではないかと見ている・・氷山は暖かい海へ出ると小さく割れ、ヨットなどにあたってしまう危険性もあり、大きな問題となる・・・

地球の裏にあたる北極海でも、同様な異変が起こっている。すでに両極の異常は、限定されたものではない。23日の中央日報の記事によれば、事態の深刻さがわかる。

・・・アラスカ西海岸のシーワード半島に接するサリセフ島シシマレフ村にはイヌイットが住む。人口は500人余り。しかし住民は故郷を離れなければならない状況に直面している。1990年代初めから自然防波堤の役割をしてきた沿岸の氷が解けたことで暴風と津波の被害が増え、海岸の侵食が深刻だから・・・ 州政府はイヌイットを約1キロ離れた陸地のメタビックに移住させる案を推進している。シシマレフはアラスカの‘ツバル’になったということだ。ツバルは海水面の上昇で被害が生じている南太平洋の島だ。アラスカでは30余りの村がこうした状況・・・国立公園協会アラスカ地域責任者のジム・スクラントン氏は「海氷が減り、アラスカの北極グマがどんどん減っている」と述べ・・・ 北極グマのエサとなるアザラシの子は氷の上で育つ。ところが沿岸の氷が解けているため、北極グマは海に浮かぶ海氷まで行かなければならず、途中で疲れて死んだりする。この夏、北極グマは海氷にたどり着くため10日間泳がなければならなかった。  米航空宇宙局(NASA)と米国雪氷データセンター(NSIDC)は1979年から人工衛星で夏季北極海氷の面積を測定してきたが、先月中旬、536万平方キロメートル(韓国の面積の約54倍)に減った。  アラスカの陸地氷河も毎年8420万トンずつ減っている。アラスカ氷河が解けて海に流れ込み、世界の海水面を毎年0.23ミリずつ押し上げる。地球の海水面は毎年3ミリ上昇しているが、このうち1.5ミリは温度上昇で海水が膨張したのが原因で、残り1.5ミリは陸地氷河が解けて上昇・・・

なんとも、やりきれない思いになる。 

2009.11.11

増える竜巻・・・地球温暖化が原因か?

 つむじ風というものが昔の日本にはあった。「ハリスの旋風」というタイトルの漫画もあった。F(^_^; しかし、トルネードは、大リーグに偉大な足跡を残した野茂投手のトレードマークであり、ツイスターは、パニック映画の題名であって、けして身近なものではなかった。日本では、「竜巻」というものは、長い間問題視されてこなかった。アメリカの学校では、日本の地震防災訓練のように学校で竜巻からの避難訓練を行うと聞いた時も、所詮遠い外国の話と思っていた。最近では、ダウンバーストや竜巻・ドップラーレーダー・竜巻注意報といった言葉が日本でもごく普通に聞かれるようになった。11月8日の毎日新聞によれば、

 国内での竜巻の確認件数が近年、増加傾向をみせている。気象庁によると、現在の統計方法になった91年以降では、08年が最多の29件で、今年も10月末現在で19件と平年の13.7件を上回っている。同庁は「携帯電話などで撮影するケースが増え、竜巻と確認しやすくなったことが主な要因」とみるが、勢力の強い竜巻が目立ってきており、地球温暖化の影響を指摘する・・・竜巻の勢力は、0~5の6段階の「藤田スケール(F)」で示し、国内で確認されるのはF0~1が大半。しかし、今年7月に岡山県美作市でF2、群馬県館林市ではF1~2の竜巻が発生。10月にも秋田県能代市でF1~2の竜巻が起こり、住宅全壊・・・勢力の強い竜巻が相次いでいる原因について、京都大防災研究所の石川裕彦教授(気象災害)は「地球温暖化などの影響で、積乱雲の発達の状況が変わってきた可能性も・・・竜巻は、発達した積乱雲の下で発生する強い上昇気流により引き起こされる。11~12月は日本海側を中心に、寒冷前線通過時に竜巻が発生しやすく、気象庁は注意を呼びかけて・・・

ということだ。なんでも地球温暖化と結びつけることは危険ではあるが、相関関係はありそうだ。10月31日毎日新聞によれば、

・・・被害の出た浅内地区は田に囲まれた住宅地。近くを国道7号が走っている。畑にはトタン屋根や壁の一部が散乱。電柱も倒れ、電線にもトタン屋根の一部が引っかかって・・・自動車が風で飛ばされるなどの被害を受けた同所、自動車販売・修理店社長、芳賀誠一郎さん(46)は「真上で雷が頻繁に鳴り、どこに雷が落ちるかわからない感じ。ビー玉くらいのひょうが降った。耳鳴りもした。竜巻は真ん中の白い柱が5メートルくらい、ごみなどが20メートルくらいの高さまで舞っていた」と恐怖を語った・・・平川キセさん(84)は「家に1人でいた。雷と雨がすごくて、怖くて和室でじっと通り過ぎるのを待っていた」といい、仏壇の前で「助けてください」と手を合わせていた・・・

という状況となるらしい。雷に叩きつける雹。空を舞う破壊された建物や自動車。まさに悪夢としか言えないが、竜巻の本場アメリカでは避難のための地下室があるところも多いようだ。また、バスタブなどに避難することがほぼ常識のように指導されているようだ。それというのも、風速100mを超えるような中心近くで飛び交う小石は、あたかも銃弾のように人々を襲うからだ。日本古来の恐ろしいもの尽くし「地震・雷・火事・オヤジ」のオヤジの権威失意は久しいが、オヤジの代わりに竜巻が名を連ねる日も遠くないのだろう。温暖化効果ガスの削減のための活動が後退することなく進むことを願ってやまない。

2009.11.09

分裂・後退する日本の環境政策

 環境の民主党に警告灯が灯った。官民が一体となって取り組む必要がある温暖化対策だが、ここにきて急ブレーキがかかっていると内外の心ある人々が心配している。拙ブログの先のコメントで「一体となってネガティブキャンペーンに備える必要がある」と綴ったが、凡夫の懸念が現実のものとなりそうな情勢だ。残念ながら、海外からも日本の環境政策の後退が目に見えたらしい。11月7日の時事通信に載った次の記事は、早くも失望の声が上がっていることを伝えている。

 ・・・バルセロナで開かれた国連気候変動枠組み条約作業部会最終日の6日、国際環境保護団体「CANインターナショナル」は、温暖化対策に消極的な発言をした国に授与してきた恒例の「化石賞」の2位に日本を選んだ。・・・日本が作業部会で、各国の事情に配慮し、温室効果ガス削減の基準年を90年だけに限定しないよう求めたことなどから、日本の姿勢に疑問・・・ 

というのも、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)での煮え切らない態度が海外から変心と捉えられたようなのだ。もちろん、各代表はギリギリの戦いをしているのだろうが、アピールが苦手な日本の対応に、「英語が下手で何を言っているのかわからなかった!」といった侮蔑の言葉さえ寄せられたらしい。もし、相手に理解しようという熱意があれば、英語のうまい下手は関係ない。今や世界語となった英語をひとつの「標準」言語としてうまい下手を論ずること自体無意味だ。エジプト人は、英語が堪能だが、PをBと発音する。彼らにとって「ピラミッド」は「ベラメッド」。「ペン」は「ベン」だ。だからと言ってエジプト人は英語が下手だとは言われない。相手を圧倒するような野心的な発言と果断な実行力・企画力で世界をアッと言わせて欲しいものだ。11月7日の毎日JPによれば、

 ・・・京都議定書に定めのない13年以降の地球温暖化対策の枠組みを議論していたスペイン・バルセロナでの国連の特別作業部会は6日、大きな進展がないまま閉幕・・・交渉期限としていた年内の法的な次期枠組み合意は極めて難しい情勢・・・交渉では、日本の「90年比25%減」を含め先進国が公表した20年までの削減目標(中期目標)に対し、途上国が「温暖化問題を招いた先進国の歴史的な責任からみて不十分」と指摘。先進国も途上国に一定の排出抑制に参加するよう主張した。対立が深まる中、アフリカ諸国が交渉を拒否・・・法的拘束力のない政治的な合意文書をまとめることを優先する姿勢・・・COP15に約40カ国・地域の首脳が出席する見通しを明らかにしたうえで、「先進国の中期目標と資金援助を抜きに交渉はありえない」と強調。暗礁に乗り上げた交渉はCOP15での政治レベルでの決着に・・・

「25パーセント削減!」と世界の注目する中でぶち上げた日本の早々の弱腰が目立つ形がありありと見える。世界中からの期待が大きかっただけにこういった言動では、失望も大きくなるというものだ。

 この後退は、菅氏の発言が政府部内で打ち消されるなどの混乱が関連していると言えないだろうか。11月2日の産経新聞によれば、副総理の発言が、即日政務官によって否定されるという異常事態が見て取れる。

経済産業省の近藤洋介政務官は2日、菅直人副総理・国家戦略担当相が民主党都連の会合で、太陽光、風力など再生可能エネルギーによる発電の全量を電力会社に買い取らせる制度を来年度から開始したいとの意向を示したことについて、「軽々に、来年度からということには、今の時点ではなっていない」と否定・・・2年以内に、今月始まった太陽光発電の余剰電力買い取り制度から切り替える方針・・・変えるなら、しっかりした検討が必要だ」としたうえで、「必要ならば会いに行きたい」と述べ、菅副総理に直接真意を確認したいとの考えを・・・

政務官と副総理のどちらがエライのかは分からないが、11月7日のフジサンケイビジネスアイは、菅氏を諌めた政務官のいうところのプロジェクトチームが6日に会合を持ったとある。

経済産業省は6日、太陽光や風力など再生可能エネルギーでつくった電気をすべて電力会社に買い取らせる制度導入に向け、有識者によるプロジェクトチームを発足させた。同制度は、鳩山由紀夫内閣の地球温暖化対策の柱の一つ。プロジェクトチームは、来年3月までに・・・制度内容について複数の選択肢・・・余剰電力を買い取る制度があるが、2年後をめどに制度内容を見直すことが決まっている。この日開かれたプロジェクトチームの会合で、直嶋正行経産相は「2年を待たずに、できるだけ早く見直しをしていきたいと思っている」と述べ、早期の制度改正を目指す考えを強調・・・ プロジェクトチームは、柏木孝夫東工大教授、山地憲治東大教授ら5人。会合では、温暖化対策と産業政策、技術的課題などを踏まえ「複眼的に考える必要がある」、「国民負担をいかに最小化するかが最大の課題」などとする意見が・・・具体的には太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスエネルギーなどのうちどれを買い取り対象にするか▽買い取り価格と期間▽負担のあり方▽再生可能エネルギー導入に対する補助金など他の制度との整合性、などについて、資源エネルギー庁のホームページなどを通じて受け付け・・・

アメリカや中国・フランスと言った諸外国のスピード感に比べてなんとも日本的な優等生の議論へと発展しそうな雰囲気である。海外の多くの国が強いリーダーシップの下に果敢に動いているのに対して、「複眼的に考え・・・、国民負担を最小に・・・」といった美辞が並ぶこのプロジェクトチームの結論は、常識的・消極的かつ現実的なものとなることだろう。菅氏の発言には、私も驚き、耳を疑うほどの先見性とスピード感と国際的に通じるアピール性があっただけに残念だ。

 有識者のプロジェクトチームは、ぜひ「複眼的に考え・・・、国民負担を最小に・・・」しながら、菅氏の「2010年全量買取」導入を実現するための方策を練ってほしいものだ。旧来の常識で検討すれば、革新的かつ野心的な改革は不可能だ。「全種全量買取で負担がさらに増える・・・自然エネルギーは発電量が不安定で、電気を安定させるため、高価な蓄電池や新たな制御システムであるスマートグリッドへの投資も必要となり経済が・・・」というネガティブな報道や意見を抑え込むことはできまい。菅氏の日本人離れした言動を、日本の優秀な頭脳と官僚組織の面々が、具体的・建設的な意見にまとめ、成し遂げるといった構図を望んでやまない。「無理だ。できない。やらない。」では環境の世紀を乗り切れまい。

 日本への批判に対して、一部から「アメリカや中国こそ世界でもっとも多くの二酸化炭素を排出しているのだから、日本に文句を言うな!」という論調が見える。なるほど、中国やアメリカは環境政策に後ろ向きなように見える。しかし、風力発電や電気自動車などの開発に対して、日本では考えられないほどの資金を国家が割いていることを忘れてはならない。世界環境を守ることに消極的に見えて、実は、環境立国を目指して日本より遥かにダイナミックにこの大国は動いているのだ。そこには、「複眼的に考え・・・、国民負担を最小に・・・」などという真面目な態度はない。次の時代に自国が政治的経済的な覇権を手にしようという「野心」がみなぎっており、到底バランスを保っているとは思えない革新的な動きをしているのだ。

10月8日のRecord Chinaによれば、

中国は世界最大の温室効果ガス排出国であるばかりか削減目標すら打ち出さないことから、気候変動問題の“悪役”として見られてきた。しかしその一方で中国がクリーンエネルギー活用で大きな成果を上げていることは見過ごされている。昨年末、中国は4兆元(約52兆円)の景気対策を発表、うち40%は環境保護関連に投じられている。デブア国連気候変動枠組条約事務局長は、景気対策により中国は気候変動対策の先頭に立ったと高く評価した。 2008年、世界で導入された太陽光発電のうち44%は中国で製造されたものだった。また中国の風力発電容量は2008年、1200万キロワットに達した。今後も毎年倍増するペースで拡大していくという。2020年までに全エネルギーに占める再生エネルギーの割合を15%にするという目標も実現される・・・

という。この記事からすれば、世界をリードする大国が、短視眼的・単視眼的に考え、国民負担の増加を省みない、不真面目な国であることは明らかだ。そんな下心を持った国々と対峙する日本の官民が一体となった爆発を期待しないではいられない。このままでは、斜陽・・・しかない。

2009.11.08

破局が迫る!?陸氷の急激な減少!!

 11月4日のRecord Chinaによれば、チベットでの陸氷の減少がスピードを上げ、広範囲な地域に災害を呼び起こす可能性があるという。これまでも氷河湖の拡大などが報道されているだけに、一時的な現象ではないことを裏付けた形となった。

・・・米紙USAトゥデイは「チベット高原の氷河の急減が研究者を悩ませる」と題した記事を掲載し、地球温暖化などの影響によってチベット高原の氷河が融解し、地球規模での災害をもたらす可能性があると指摘・・・ヒマラヤ山脈にある河川の上流氷河の融解によって水面が上昇し、洪水などが発生している。また、チベット高原のある地区では氷河が2001年に比べて3kmも上流へ後退しており、中国科学院では「氷河は過去40年で約7%減少した」と推測・・・一方、中国やインドの政府はこれまで、気温の上昇や氷河の後退などのデータが発表されても、これが原因で災害などが発生する可能性については、「杞憂である」と判断し、取り合わないことが多かった。しかしここ数か月で、政府の態度にも大きな変化が現れ・・・中国気象局の秦大河(チン・ダーホー)元局長は最近、「地球温暖化により、チベット高原や世界各地の氷河がかつて無いスピードで広範囲にわたって溶け出している。これにより、湖面の拡大、洪水、土石流などが発生している。長期的に見ると、アジアの生命線となっている各河川にも重大な危機をもたらす」と指摘・・・「チベット高原の温度は、中国のその他の地区よりも4倍のスピードで上昇している」と語り、「これが中国だけでなく南アジア全体に影響する。チベット高原を覆う植物が減れば太陽の輻射に影響を与え、モンスーンに変化が起き、中国南部の洪水と北部の干害をさらに深刻なものにする・・・

時を同じくして11月4日の毎日新聞が伝えたのは、アフリカのキリマンジャロの事案である。

アフリカの最高峰キリマンジャロ(標高5895メートル)山頂付近の氷河が地球温暖化により、四半世紀内に完全に消滅するとの分析を、米オハイオ州立大がまとめ・・・航空写真や地上からの観測をもとに、20世紀以降の氷河の変化を追跡した。その結果、1912年に12平方キロだった氷河は00年に80%減の2.52平方キロ、07年には1.85平方キロになった。減少率は1953年まで年平均1%だったが、この20年間は2.5%と加速した。この勢いが続くと早ければ22年、遅くても33年に解けてなくなると予測・・・氷河後退を巡っては、気温上昇のほか、干ばつによる大気の乾燥がもたらす昇華(固体が液体を経ずに蒸発する現象)との説がある。研究チームは山頂の氷河を掘削し、約1万1700年間の気候変動を解析。約4200年前ごろに300年続く干ばつがあったが、氷河は存続したことも突き止めた。・・・キリマンジャロの氷河は温暖化現象の象徴として、ゴア元米副大統領が主演した映画「不都合な真実」でも紹介された。しかし、後に英国で保護者が「不正確で政治的に偏りがある」として学校で上映しないよう訴え、英高等法院が「科学的に誤り」と指摘・・・

賛否両論あるキリマンジャロの氷河だが、写真等で見ても減少していることはあきらかだ。上に記事により、干ばつ原因説は、ひとまず主因からはずして考えてもよさそうだ。

 アジアやアフリカだけでなく、日本でも変化は着実に起きている。11月4日の京都新聞によれば、昆虫界の異変が日本で起こっているという。

京都大芦生研究林(南丹市)でハチやチョウ、ガなどの昆虫が大幅に減少していることが、京大農学研究科の藤崎憲治教授(昆虫生態学)らの調査で分かった。シカが背の低い植物を食べ尽くし昆虫が生息できなくなっているためだ。シカの食害の影響は農作物だけでなく、生態系全体に広く及んでいる・・・ハチやチョウなど花粉を求める昆虫は一回の採集で84~87年には平均75匹捕れたが、06年は5分の1の15匹にとどまった。また、誘蛾(ゆうが)灯を使ったガの採集調査では、平均的な自然状態では草を食べるガが全体の34%を占めるのに対し、芦生研究林ではわずか4%だった。・・・「芦生の食害は想像を超えており、背の低い植物ではトリカブトなど毒草ばかりの状態になっている。植生の変化で花粉を媒介するハチやチョウなどの昆虫が減れば農業にもダメージを与える」と警告・・・シカ害の深刻化の背景には▽天敵の不在▽積雪の減少▽スギ、ヒノキなど人工林の増加▽狩猟の減少-の四つの要因がある。中でも近年の積雪の減少で冬を超せる子ジカが増加。生息域も急速に広げている。専門家はこうした事態について「地球温暖化の間接的影響の典型」と指摘・・・昆虫への影響は各地で確認されている。10月に大阪市内で開かれた日本鱗翅(りんし)学会の研究会では、九州や西日本各地でシカ害によってチョウが植物群とともに姿を消したという報告が相次いだ。同学会長の石井実・大阪府立大教授は「これ以上放置すれば絶滅する種類も出てくる」と警告・・・

刻々と加速しながら破局が近づいている。そんな時限爆弾が時を刻む音が聞こえてきそうだ。環境への取り組みを減速してはならない。そんな思いが強くする3つの報道が11月初めにあったことは、我々に何かを暗示しているのだろうか。

2009.10.20

バタフライエフェクトとパンドラの箱。往きつく末は・・・「地球がひとつと感じられるとき」

  少女の頬をつたう涙。乾燥しきった大地を見つめる澄んだ瞳。アフリカを襲う干ばつと飢餓。そんな報道がなされても私はそれを対岸の火事としか見ていなかった。しかし、身近な環境の変化や気象の異常を感じ始め、目に見えて「記録的な・・・」天変地異が増えてきた時、少女の身に起こった悲劇が世界中で同時多発的に起こっていることを知ることになった。アフリカが、アジアが、ヨーロッパが、アメリカが、オセアニアが、洪水と干ばつという極端な天候に苛まれ、多くの人々が命を落とし、住む所を奪われた。「地球が一つだと感じられたとき」だった。私は、この子どもたちの往く末を案じ、この地球上で起こっていることが何なのかを知りたくなった。いろいろな情報から、それを紐解こうと思った。これが、ブログ「環境の世紀」を綴るきっかけだ。

Boy1

 上の写真は、エジプトのデンデラを訪ねた時のもの。小銃で武装した民兵十数人が荷台に乗るトラックの後をついての旅だったが、プレゼントしたうちわを手にした少年の笑顔が忘れられない。今、彼はどうしているのだろうか。 

 昔、竜巻といえばアメリカにはあるが日本にはないものだと思った。それが今の日本にはある。子どものころにはいなかったクマゼミが鳴き、ニイニイゼミが姿を消した。日本列島を覆い尽くすような巨大な台風が、ハリケーンが、サイクロンが人々を襲うようになった。世界中で多くの生き物が絶滅に瀕している。北極では氷が溶け、シロクマをはじめ、多くの生き物がその生息の場を失おうとしている。南極では、広大な氷山が大陸を離れて流れ出している。未知の感染症が、熱帯を抜け出して人々を苛むこととなった。また、陸地を覆う氷河が溶け、巨大な氷河湖が下流の人々を飲み込もうとその牙を研いでいる。10月17日のRecord Chinaはこう伝えている。

 2009年10月17日、英紙ガーディアンの報道によると、ヒマラヤ山脈で地球温暖化による氷河溶解が深刻となり、今年初めにはエベレスト(中国名:チョモランマ)探検隊キャンプ地で大きなハエが飛んでいるのが目撃されたと・・・標高5360mでハエを目撃したのは、ネパール人登山家のダワ・スティーブン・シェルパ氏。ヒマラヤの環境破壊と氷河消失を世界に向けて発信し続けている同氏は、父親も祖父もヒマラヤ登山のスペシャリストで、エベレストのふもとの村で生まれ育った。「ハエを見たのは今年になってすでに2回。昆虫がこの標高で生息できるなんて数年前には考えられなかった」と驚きを隠せない・・・ヒマラヤ山脈のすべての氷河が毎年10~20m溶けて消失している。昔は標高3750mで氷河融解が確認されたが、現在では標高5500mの永久氷河が溶け出している状況だという。地球温暖化は驚異的なスピードでヒマラヤの氷河を溶かしていると指摘する同氏は、「氷河から溶け出した水が巨大な氷河湖を形成し、これが決壊すると洪水で多くの村が流され、多数の人命を失うことになる」と警告・・・「エベレストの頂上でさえ温暖化で形が変わり、昔は50人が立てたが今では18人しか立てない」・・・

また、14日の時事通信は、

・・・地球温暖化の影響で海氷域に異変が見られ、同チームは「10年以内に北極海の氷の大半が消失する」と警告している。 調査は今年3月から約2カ月半にわたり、北極海の海氷域435キロを縦断する形で実施。その結果、海氷の厚さは通常の範囲内だったものの、夏にも解けることのない厚い氷で覆われた地域が、大幅に縮小・・・

  としている。これは、事実なのだ。しかも、この事実は、多くの事実のほんの一部でしかない。

  バタフライ効果という言葉がある。ウィキペディアによれば「通常なら無視してしまうような極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象のこと・・・」と説明されている効果のことだ。最近のテレビドラマ「JIN」とやらの中にもこの例えを引いた場面があった。タイムスリップした主人公の些細な言動が、その後の歴史を大きく変えてしまうという説明に使われていた。もとはと言えば、「ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こす・・・」といった荒唐無稽とも思える理論だが、同じくウィキペディアによれば、「ブラジルでの蝶の羽ばたきというごく小さい要素であっても、テキサスでトルネードが起きるかという気候変動に大きく影響を与える可能性があるという事を表している・・・」ということだそうだ。宇宙に浮かぶ地球は、同じカオスな系の中に封印された世界だ。すべてのものが因果関係を持って動いている。そういう意味で地球上という混沌とした系に住む全てのものは「初期条件のわずかな差が時間とともに拡大して、結果に大きな違いをもたらす。」というバタフライエフェクトの影響下にあるといえる。

 現在地球を蝕んでいる地球温暖化という現象は、多くの些細なエフェクトが重なり合い、影響しあって成り立っている。それは、先進国での化石燃料消費による繁栄の下で営まれるすべての人々の営みという小さなエフェクトが産み重なって産まれてきているのだ。私の行いによって巻き起こった過度の乾燥によって命と住処と夢とを奪われる人々や生き物が地球上のどこかにいると思うと切なくなる。植物も昆虫も、人類も多くの遺伝子を共有している兄弟なのに・・・。人々が欲望によって開けたパンドラの箱から、多くの邪悪なものが外に飛び出し、今まさに世界を破局に向かわせようとしているのだ。

 だが、世界の各地で「地球を救おう」という小さな声が沸き起こっている。強欲な人々の対極で、多くの人々が小さなエコに取り組み、大きな目標を達成しようと様々な行動を起こしているのだ。10月17日の両丹日日新聞が伝えるように、草の根の地道な活動が子どもたちの中に根付こうとしている。

  収益で苗木を購入し、地球温暖化防止のため東南アジアに「成和の森」をつくろうと、福知山市新庄の成和中学校生徒会が、アルミ缶回収運動「グリーンUPプロジェクト」に取り組んでいる。・・・生徒それぞれが持ち寄ったアルミ缶を毎朝、各教室の回収袋に入れて班長、学級長が集計し、昼休みに校庭の集積地に運ぶ。生徒の熱心な呼びかけで取り組みが地域に浸透し、スーパー、商店などの協力もあり、予想を上回る勢いで集まった。・・・1秒間に成和中のグラウンド一つ分の面積の森林が地球上から失われているとされ、地球温暖化、砂漠化、野生生物の減少などさまざまな悪影響が出ているといわれる。芦田会長は「多くの人たちの協力で、1学期の活動で集まった2万3823本を大きく超えました。この取り組みを地球環境に関心を持つきっかけに・・・

また、10月10日のCNNは、飢餓と貧困に喘ぐアフリカの少年の快挙を報じている。

・・・干ばつに苦しむ東アフリカ・マラウイの貧しい村では、何もかもが不足していた。赤土の大地はひび割れ、作物の枯れた畑をただ風だけが吹き抜ける。この風を使って、村に電気を起こせれば――。そう思い立った少年が、たった1人で作業に取り掛かった。それから7年、村では少年の作った風車5台が回り、電動ポンプが水を送り出している。・・・02年の干ばつで、農業を営んでいた父親は収入を失い、当時14歳だったウィリアム君の学費さえ払えなくなった。退学したウィリアム君は図書館で時間を過ごすようになり、そこで風力発電について書かれた本と出会う。「本に写真が載っているのだから、だれかがこの機械を作ったということ。それならぼくにも出来るはずだと思った」・・・材料は、ごみ捨て場から拾ってきた自転車の部品やプラスチックのパイプ、プロペラ、車のバッテリー。タービンを支えるポールには、森で採ったユーカリの木を使った。「風車を作るんだと話すと、だれもがぼくを笑った。あいつは頭がおかしいといううわさが、村中に広がった」 もの珍しげに取り囲む群衆と、溶かした金属から立ち上る熱気で汗だくになりながら、ウィリアム君は黙々と作業を続け、3カ月後には最初の風車を完成させる。タービンが回り、取り付けた電球に明かりがついた時には「これでもう頭がおかしいなんて言われないと思い、ほっとした」・・・7年間で作った風車5台のうち、最も大きいものは高さ11メートル余り。地域の学校でも風車作りを教え、その校庭に1台を設置した。村人たちは「携帯電話を充電したい」「ラジオを聴きたい」と、ウィリアム君の自宅をたびたび訪れる。 ・・・「紛争の取材ばかりが続くなか、かれとの出会いは新鮮だった」と振り返り、「アフリカには、政府や支援団体に頼らずに自分の力でチャンスをつかみ、問題解決の道を切り開く新たな世代が育っている。ウィリアム君はその1人だ」・・・

  パンドラの箱から最後に出てきたのが「希望」だったように、今、世界中に希望の光が灯ろうとしている。それらのひとつひとつは、はっきりとは見えないほどかすかな光ではあるが、けして消え去ることはないと信じたい。多くの人が手を取り合い、未来を見つめる多くの瞳の中に夢と希望を見、互いに思いがつながっていることを感じた時こそ、「地球が一つだと感じられるとき」だと私は思う。私はけっして独りではない。" I am not alone.”そして、あなたもけっして独りではない。" You are not alone!”

以上、OCN・エコプラスから頂いたお題 「地球が一つだと感じられるとき」 についての私なりのお応え・・・。今、同時多発的に起こる災厄の対極で、多くの光明が見えてきた。

V(=∩_∩=)

2009.09.22

日本で、温暖化対策税(炭素税?環境税?)は市民権を得られるか

 地球温暖化対策にアメリカなどのいくつかの国は多額の資金をつぎ込んでいる。なぜなら、環境産業の育成は、次の世代での経済覇権の動向を握っているからだ。まさにビジネスチャンスである訳だが、今、財政的にゆとりのある国はない。そこで、炭素税を新設しようとする動きが世界中で議論され、本格化してきた。

 フィンランドで始まり、北欧では市民権を得られた同法だが、前途は多難なようだ。炭素税を負担と考える旧勢力に属する企業や人々も多いからだ。目的を絞るなどして、納税者に理解を得られるようにしていかないと、一気に支持を失う可能性があるだけに、慎重かつ大胆な取り組みを行う必要があるだろう。ことによると新政権のアキレス腱ともなりかねない同法だが、ぜひ国民全体の理解を得られるよう経済産業省と協力して企業に理解を促すことができるよう努力してほしい。さて、22日のYOMIURIONLINEによれば、

・・・地球温暖化対策の有力手段とされる「炭素税」をめぐり、フランスのサルコジ政権が導入方針を打ち出し、欧州連合(EU)で議論が盛んになっている。 炭素税は、鳩山政権が導入方針を掲げる「地球温暖化対策税(環境税)」と基本的に同一。EUでは、議長国スウェーデンが域内全体での導入に前向きだが、家計や景気への影響に対する懸念も広がっている。 「我々は財政赤字に直面しており、斬新な財源を見つける必要がある」。サルコジ仏大統領は17日、ブリュッセルで・・・仏政府は炭素税を2010年から導入する方針。二酸化炭素(CO2)1トンの排出に対して17ユーロ(約2300円)の炭素税を課す計画で、ガソリン1リットルあたり約4セント(約5円)になる。・・・炭素税は、エネルギーを使えば使うほど負担が大きくなるため、企業や消費者にエネルギー消費抑制を促す効果がある。欧州では、1990年にフィンランド、91年にスウェーデンが導入に踏み切り、ノルウェーとデンマークも追随・・・スウェーデンのラインフェルト首相は「市場経済に排出削減を促す効果が実証されている」として、EU全体への炭素税導入に意欲を見せる。 ただ、スウェーデンの場合、電力の6割以上が原子力や再生可能エネルギーでまかなわれている。フランスでは8割が原子力だ。ポーランドをはじめ石炭などを燃やす火力発電の比率が高い国では、炭素税は電力料金の上昇に直結・・・ガソリン代も跳ね上がるため、自動車社会のドイツは慎重だ。産業の競争力低下、国外流出につながる懸念も指摘・・・温暖化対策のもう一つの有効手段「排出量取引」がEU全体で受け入れられたのに対し、炭素税に二の足を踏む国が多いのは、一般消費者が拒んでいるからだ。 フランスが導入に動き出した背景には、世界的な景気低迷に伴う税収減を補う必要に迫られている事情もある。そのフランスでも、農耕機器や漁船の燃料費上昇を警戒する農業・漁業団体が反発を強めている。 仏政府は所得税を減税して打撃を和らげる方針だが、野党社会党は、炭素税は「低所得層の家計を直撃し、景気回復を遅らせる」として、抵抗する構えだ。フランスも日本も「痛み」を伴う温暖化対策が、どこまで産業界や消費者の理解を得られるのか、試されることに・・・◆炭素税=二酸化炭素(CO2)の排出量に応じて、エネルギーや燃料価格に上乗せして徴収する。ガソリンや電力を消費する世帯や企業は、応分の負担を迫られる。排出量取引に比べ、制度の分かりやすさが長所とされる。

 トヨタとGMを比べれば明白だが、環境を意識したビジネスを展開することは、もはや「負担」ではなく、生き残る上での必須課題となっている。そこで新設される環境税を有効に用いることによって、新たな産業を育て、雇用も創出できるに違いない。もし温暖化対策税が成立しなかったり、本来の目的から外れた使い方をされたりすれば、日本の未来に光はない。唯一、「温暖化対策基本法案」を「温暖化法案」と略記する(紛らわしいF(^_^; )21日のフジサンケイビジネスアイによれば、同法に対する環境大臣の強い意志が感じられる。

小沢鋭仁(さきひと)環境相は・・・鳩山由紀夫内閣が掲げる2020年までの温室効果ガスの削減目標である「1990年比25%削減」を盛り込んだ「地球温暖化対策基本法案」を来年の通常国会に提出する考えを明らかにした。・・・この削減目標が国民生活や産業に与える影響について、新たな試算をまとめる方針も示した。・・・現行の地球温暖化対策推進法や関連法の要素も新法に盛り込む・・・ 90年比25%削減のうち国内での削減努力による「真水」分と海外からの排出枠購入分の配分については「決まっていないが、できるだけ真水を多くすることが大前提だ」と強調した。そのうえで25%削減の目標達成に向け、具体的な国民負担について「試算することを検討したい」と述べた。・・・新政権として新たな試算に取り組む考えを示した。

 マニフェストでは、減税や補助金を満載していた民主党が、新たな税を課すとなると、それを容認する民意を創出することが必要だろう。私は、排出権取引よりも実効性が高い炭素税の仕組みを導入すべきだと考えているが、国民の反発を凌ぐだけの理論武装ができるかどうかは自信がない。炭素税を国に先駆けて検討している神奈川県について20日のカナロコは次のようなアンケート調査を掲載している。

二酸化炭素(CO2)排出量を削減させる地球温暖化対策として、県が全国初の導入を検討する「炭素税」について、県民の5割弱、県内の各種産業団体の6割弱が反対していることが、今夏実施した県のアンケートで分かった。全国一律で導入しなければCO2の削減効果が期待できないとの指摘に加え、景気回復が進まない中での家計の負担増を懸念する声も根強い。県は、民主党政権で国の温暖化対策がどう変わるかを注視しながら、慎重に検討を進める・・・県地方税制等研究会が3月、化石燃料の使用量抑制や、環境に配慮した事業に充てる財源として、県独自で炭素税を導入するよう答申。石油などで製造されるガソリンや電気・ガス料金に、新税を上乗せするほか、重油などを使う工場や大規模ビルなどの事業者には申告納付を義務づけることを提案した。・・・松沢成文知事は当初から「景気が厳しいときに増税できるか、県民の意見をよく聴いて判断する」としており・・・県独自の炭素税導入への賛否では、「どちらかといえば」を含めた反対が47・7%に上り、同様の賛成は34・0%。団体では反対(57・3%)と賛成(32・4%)の差がさらに大きかった。・・・県独自導入への反対理由は県民、団体とも「全国一律で導入すべきだ」が最多で、「家計の負担が増える」「規制などで取り組むべきだ」などが続いた。賛成理由は「一地域からでも取り組みを進める必要がある」「温暖化防止の県民意識が高まる」などが多かった。・・・

エネルギーを化石燃料から自然エネルギーへ転換するという視点や気候変動から人類を守るといった話は、多くの人にとって抽象的に過ぎるきらいがある。わかってはいるけれど、危機感が持ちづらいのだ。そんな訳で、ガソリンの暫定税率をそのままこの温暖化対策税にすり替えるべきだと私は、主張したことがあった。それは、新税としてではなく既存の税の使用目的を変えるだけとした方が抵抗が少ないだろうと考えたからだった。姑息ではあったが・・・・。

 そうこうしているうちに、海水温は上昇を続けているらしい。20日の琉球新報によれば、

福岡管区気象台と長崎海洋気象台、沖縄気象台は19日までに、沖縄地方の異常気象や地球温暖化などの気候変動、周辺の海洋環境の変化実態を明らかにした「異常気象レポート九州・山口県・沖縄版2009」をインターネット上に公表した。同レポートで、九州・沖縄周辺海域の2007年までの100年当たりの海面水温上昇率が、沖縄本島周辺の東シナ海南部で1・13度と、全世界の海面水温上昇率0・5度の2倍以上になることが・・・大気の温暖化を進めるなど互いに影響を及ぼし合うと考察。関係者や専門家は台風の勢力やサンゴの白化が進むなど気象や環境への影響を指摘・・・「(上昇率は)高緯度ほど高い値になっており、大陸側の気温上昇による影響が考えられる。地球温暖化による二酸化炭素(CO2)増加と(太陽の活動など)自然変動の影響もある」と分析・・・高水温の状態が長期間持続すると、逆に海面が大気に影響し、地球温暖化の進行につながる・・・海面水温上昇は台風の勢力にも影響するといわれ、同気象台によると、低緯度の暖かい海域で発生する台風が、高緯度に北上しても海水温が高いままだと勢力が弱りにくくなる・・・ また、サンゴの白化現象の原因にもなり、日本サンゴ礁学会保全委員長の鹿熊信一郎さんは「上昇傾向が続くとサンゴ白化が頻繁に起こるとの調査結果が多数ある。水温上昇の速度にサンゴの適応が追い付かない状況になる」・・・5地点で観測した100年当たり(1897年~07年)年平均気温も約1・1度上昇したことも示され、地球温暖化の傾向が浮き彫りに・・・

という。日本が巨大台風に蹂躙される危険性も増している。縄文期のような海進で、現在の都市部はすべて海に沈むかもしれない。ぜひ温暖化対策税が市民権を得られるよう、人心を掴みながら努力してほしいものだ。

2009.06.28

スマートグリッドは、世界を救えるか

5月18日のbusiness iに、太陽光発電や風力発電の普及に貢献する技術としてとりあげられることが多くなった「スマートグリッド」に関する記事がある。

 資源エネルギー庁は27日、太陽光や風力などで発電した電力を送る次世代送電網「スマートグリッド」の構築に向け、宮古島や与那国島など九州・沖縄地方を中心とする10カ所程度の離島で実証実験を今秋から始める方針を固めた。離島の独立した送電網を使うことで、自然エネルギーが送電線に与える負荷などの影響を調べる。また、自然エネルギーによる電力をためる蓄電池も設置し、最適な送電方法なども調査する。次世代送電網をめぐっては、米政府が実用化に向けて動き始めており、日本も早期整備を目指す。・・・今回の実証実験は、大規模発電所のある地域と送電線がつながっていない離島を対象とし、主にディーゼル発電設備を中心とする既存の送電網に太陽光や風力などによって発電した電力を流す。 気象条件による発電量の変化を把握し、安定して電力を送電するために大型の蓄電池も設置する。発電量の変化が送電線に与える影響や電力供給の仕組みのほか、最適な蓄電池の容量なども検証する。資源エネルギー庁では「離島はエネルギーの大部分を海外からの輸入に依存する日本の縮図」とみており・・・電力会社にもメリットが大きい。海底ケーブルが敷設されていない離島では、電力会社はディーゼル発電機で電力を発電しており、燃料となる重油の輸送コストがかかるが、他地域と同じ電気料金に設定しなければならないうえ、発電量あたりのCO2排出量が多い。今回、補助金を使った実験でディーゼル離れが進めば、コストだけでなく、CO2排出量の削減にもつながる。資源エネルギー庁では、このほかにも次世代送電網の実用化に向け、IT(情報技術)を活用した発電や送電、電力消費を制御する仕組みなどのシステム開発も検討・・・【用語解説】スマートグリッド(賢い送電網)  二酸化炭素(CO2)排出の少ない太陽光や風力など自然エネルギーによる発電などを大量に組み入れた次世代の送電網。発電量は天候などの気象条件に左右されるため、IT(情報技術)や大型蓄電池、家庭の電力消費を制御する「スマートメーター」を使って安定的で効率性の高い電力供給を実現する。・・・

新エネルギーの導入にあたって、電力の品質という問題がある。新エネルギーの多くは自然を相手にするために不安定なのだ。だが、電力には、テレビや医療機器のように時々止まっては困るものと冷蔵庫のように短時間だったら止まっても大きな問題がおこらないものがある。日照や風により瞬間的に電力が落ちた時にこれらだけを一時的に止める等で安定した電力が供給できるかもしれない。これが、スマートグリッドの発想だ。また、風力発電や太陽光発電にしても数が少ない場合は変動幅が大きくなるが広範囲にたくさんの風車や太陽光発電パネルが存在するようになれば、この変動は平均化され小さくなるという報告もある。実際、今現在でも雨が降っているところもあれば晴れているところもあるからだ。この二つは、今後の日本のエネルギーを守るために必須の技術と言えよう。この実験による結果を早く知りたいと同時に、早くスマートグリッド構築に向けて国が動いてほしいと考える。それが、化石エネルギー資源を持たない日本が今後とも安定した生活を送るために必要だからだ。

それにしても・・・このごろガソリン代がじりじりと上がっている。石油価格によって翻弄される日本経済のひ弱さは、明日を担う子どもたちにとって大きな問題になるに違いない。なんとかしなくては!

2009.06.27

「日本の、これから」総括

 先週から、放送から早いもので一週間が経った。討論は、それぞれの立場を代弁した参加者により、あたかもパネルディスカッションを見るような、お手本のような展開を辿った。しかし、大臣や「有識者」の発言が長かったり、司会がそちらに振る場面が多かったと思うのは、私だけではなかったようだ。参加者どうしは、互いに相容れないことを主張しながらも、互いに惹きあうものを感じた2時間だった。 エコポイントのように経済産業省が主体となったものについては、経済活性化8割・環境2割となり、「地球環境を守る」という側面からは納得のできない物もある。これらは、環境省が主体となって他の省庁を動かすという構図になっていない日本の「環境行政」の現状が原因である。そして、経済産業省の思いが、中小企業優先でないために、「環境」という言葉に対しても不満を感じてしまう人々が多いことも分かった。個人的にいえば、反対論者7割・賛成論者3割かなと思っていたので、視聴者からの反応も含め5分5分というのは、明るい兆しだと考える。もし、環境省・経済産業省・エネルギー庁の各代表を呼び、今回の参加者が3者にモノ申すという企画ならば、もっともっと白熱し、有意義であったかもしれない。この点は、NHKでなくても、どこかのメディアで企画してもらいたいものだ。 さて、参加者が共通して言っていたのは、言いたいことを言い尽くせなかったということだ。私も、名札の呪縛から、ここで述べていることがほとんど言えなかったF(^_^; ので、番組直前のアンケートに対する私見を次にあげておく。

◆CO2削減の中期目標が-15%と発表されました。 達成可能と思いますか?また、その理由は?

① 達成は可能だと思います。「なせばなる、なさねばならぬ何事もなさぬは人のなさぬなりけり」と上杉 鷹山は言っていますので、達成は可能だと思います。ただ、それには、「なそうとする思い」が必要だと思います。 それは、その「思い」を産むのは地球温暖化が産みだした東京都を直撃するようなカテゴリー5の巨大台風の襲来によるものかもしれません。また、「エコ」は「cool」だとみんなが考えるような「教育(広義での教育・学校教育ではない)」の成果かもしれません。 経済界は、「厳しい」と言いました。これは、「不可能」ではないということでしょう。また、この数字自体には何の意味もありません。基準年の取り方でそれは、大きくも小さくもなるからです。そういう数字のマジックには意味がないのです。各自が各部署で「野心的」な目標を設定し、実行にむけて取り組むことで、経済的にも環境的にも明るい未来が待っています。 トヨタのプリウスという車のコンセプトを決定する際に、あきれるほど不可能と思われるような数値を設定し、日本人の勤勉さでそれを実現していったという経緯があります。15パーセントという数字は、「野心的」とは言えませんが、政府発表をとやかく言うのでなく各自が「野心的な」努力目標を持てるような意識(環境=cool)を世界全体で育てていくことが達成の早道となるでしょう。 第2次世界大戦時に開発された零式戦闘機(通称ゼロ戦)は、スプリントが大切な戦闘機でありながら、マラソン選手のような航続距離を実現しました。相反する目標を高次元で実現するのは、日本人の得意なところだと思います。みんなが、ファッションのようにエコに走る社会が今後現れるかもしれません。そうすると15パーセントどころか30パーセントも可能かもしれませんね。

◆温暖化防止のために、暮らしや仕事を大きく変えられますか?(太陽光20倍、新車の半分がエコカー、石油・鉄鋼など低迷、失業率も低下と予測) ①大きく変えられる ②大きくは変えられない その理由は?  

 ①変えられるというよりも変わってしまうというのが正解でしょう。化石燃料を持たない日本ほか多くの国々が石油メジャーや産油国からの呪縛を解き放つ時が迫っているからです。それは、石油の枯渇だけでなく化石燃料を使用することによる環境面のデメリットに多くの人々が目覚めたからです。今や自動車はもちろん家電製品などの製品は、環境性能を謳わない限り売れません。石油の輸入が滞り、依存が難しくなれば、日本には太陽光や地熱等の自然エネルギーを利用するしか術がありません。過去の不幸な戦争のように「石油を断たれたら戦争によって略奪する」といった過ちを犯すべきではありません。早くに石油を使わない交通網や自動車に乗り換えておくことによって危機は避けられます。  終戦直後に府中の航空機製造会社立川飛行機のスタッフが選んだのは、統制下で石油が自由に買えないために「電気自動車」(名称は『たま』http://www.jsae.or.jp/autotech/data/1-12.html)でした。昨年のガソリン代の高騰によって、人々は、ガソリンに依存する自動車に危険を感じました。今、トヨタのプリウスが18万台のバックオーダーを抱えているのは、その余韻でしょう。石油産業は早晩滅びることは明らかです。もし、石油関連企業が石油以外の産業にかかわらなければ、消滅を意味します。ウルトラマンの宣伝で有名なエネオスは、風力発電他の環境産業にいち早く乗り出しています。諸性能を高めるためには、鉄鋼ではなく軽量で強度の高いカーボンやチタンなどの新素材をふんだんに使った製品が必要になりますから、鉄鋼業の衰退はコスト競争からもやむをえないことです。自転車を例にとれば、そのフレームは、20年前はクロモリと呼ばれる日本刀やタイガー戦車の装甲板に使われていたクロームモリブデン鋼でした。しかし、アルミにその座を奪われ、現在は炭素繊維のカーボンやチタニウムを用いて作られるものにとってかわられています。もちろん、懐古趣味者や粗悪で廉価な自転車にはまだまだ鉄が使われていますが、ツールドフランスやジャパンを走る自転車には鉄製のフレームはありません。飛行機産業でも同等です。 結論、太陽光発電は、今の20倍ではなく(100パーセント自給するためには1000倍にすべきです)もっと増えていくでしょう。国家戦略としても最重要課題となるでしょう。エコカーは、昨年の同時期では考えられないほどの勢いで普及してきています。想像を超えたスピードでハイブリッド化が進むでしょう。 石油鉄鋼は、すでに関連企業は生き残りをかけて動いています。動いていない企業は、消えるだけです。環境分野は、新しいので、技術者や開発に多くのマンパワーを要します。現在、風力発電に携わる技術者が足りず、修理の遅延等の弊害が起きています。企業も技術者を育成しようとしています。これは、すなわち雇用の創出となります。もし、暮らしや仕事を変えなければ、温暖化防止という目標の前に自己破産してしまい、生きていくことが難しくなるでしょう。

◆ 環境にやさしい商品を積極的に購入しますか ① 購入する②購入したくないその理由は?  

①必要ならば環境に優しい商品を購入の条件に加えます。もし、必要のないものであれば、無理して「エコ替え」をすることはないでしょう。また、趣味性の強いものであれば、購入しないというものもあります。たとえば、趣味でビンテージカーを持っている人がそれを捨ててプリウスを買うことはあり得ません。ファーストカーとして買い足すことはあるでしょう。しかし、彼らは、それを「負担」とは思わないはずです。  1年に1度しか稼働しないエアコンであれば、替える必要はありません。しかし、居間で常時稼働することが予想されるものであれば、替えることがメリットとなります。稼働率の高いそのエアコンを電気代を大幅に節約できるエアコンに替えることは、先行投資であり、将来的にメリットが大きいのですから買い替えでは、絶対に環境性能の優劣を選考基準に選ぶはずです。

◆環境対策に必要となる負担をあなたは引き受けますか(一世帯当り光熱費・可処分所得で7万円の負担増、企業・国民負担52兆円の試算も) ①引き受ける②引き受けは難しいその理由は? 

①引き受けます。現在、我が家の屋根に載っているのは400万円を超える太陽光発電の装置ですから。しかし、それを「負担」とは考えません。先行投資です。台風などの天変地異や不安定な政治経済といった不安要因はありますが、少なくとも15年後には投資した資金が償還できることが分かっているからです。そのために、より効率的な配置やメーカー間の製品の比較を行ってきました。我が家の太陽光発電パネルは、最高性能のものではありません。狭い範囲で高効率に発電できるタイプではありません。安くて低効率だが廉価なものを設置条件(十分に広い屋根・周囲に高い建造物がない等)から選びました。こういった投資は、見かけでは「負担」に見えるかもしれませんが、温暖化効果ガスの排出を減らし、経済的にも月々の利子(例えです。もし400万円を銀行に預けたとしたら、その利子が1ヶ月2万円になることはないでしょう。しかし、太陽光発電の装置を設置するという先行投資(負担ではない)によって、月々2万円という高利回りが現実のものとなっている)によって得られるものは大きいのです。  ただ、「設置できるのは金持ちで、その金持ちにお金を送るようなことはいやだ」と主張される方がいます。それは、一面的な見方です。なぜならば、月に缶ジュース一本の負担で、温暖化による気候変動とその後の予想される破局から自分や家族を守る手助けとなるからです。金持ちは、100万円単位で負担(先行投資)します。残念ながら経済的に余裕のない方は、その10,000分の1の負担で将来襲うであろうカタストロフィーを低減できると考えてはいかがでしょう。もし、現在のまま温暖化が進めば、100年を待たずして東京の3分の2は海に沈んでしまいます。子どもたちが50歳になる頃には、多くの平地が海に沈み、命を含めてすべてを失うのです。52兆円は、災害予測からすれば、ずいぶんバーゲンプライスではないでしょうか。企業の多くは臨海部にあります。それらが、アトランティスのように水没してしまえば、その損失は52兆円では購えないものです。

◆環境分野の投資で景気回復を図るグリーン・ニューディール政策。新エネルギー産業が生まれるとともに、石油・鉄鋼などマイナス影響をうける企業も。CO2削減によって生じる社会の痛み・変化をどう思いますか ①やむを得ない②できるだけ最小限にその理由は?

 ①やむをえないものです。なぜならあと10年後には、化石燃料や「鉄」がメジャーな時代は終わるからです。それらは、趣味の世界などの小さな分野で残るかもしれません。40年前に石炭の時代が終わり、夕張ほかの炭鉱の町はその看板を下ろしました。もし、下ろさなかったとしたら「痛み」を感じることのない死体となっていたかもしれません。今、インターネットの普及でテレビ産業自体も「変化」を求められていますね。それはある人にとっては痛みであることでしょう。しかし、閉塞した状況を打破して次の可能性を産む「変化」であり「産みの苦しみ」かもしれません。否、「産みの苦しみ」でなければなりません。そういう意味で、国を含め、私たちはきちんと将来を見据え、前進しなければならないのだと考えています。

  願わくば、次の世代を担う人々が、環境にかかわる仕事に就くことを誇りとし、社会もそれを支えるべく、相応の経済的恩恵を彼らに与えるような仕組みを作っていってほしいと思う。環境でお金を儲けることに抵抗を持つ方も多くいる。実際、太陽光発電や風力発電を巡っては理念でなく「金」だけを目的に参入する者も多いようだ。私は、「太陽光発電」=「金儲け」という図式のみが先行することを危惧しているが、子どもたちが将来なりたいと思えないような職種に「環境ビジネス」を置くことは反対である。

PS.

 今後、天変地異や国の破たんのような破局がない限りにおいて「太陽光発電」は、貯金よりも遥かに利益に結びつくものになっていく。もちろん、大儲けはできないが、環境と自分の経済に優しい太陽光発電は、一刻も早く始めた方がいいと思っている。

 しかし、現時点において、ETCやプリウスと同様、太陽光発電の機器は品薄で、発注しても数か月待つことを余儀なくされるらしい。迷っているならば、急いだ方がよい。しかし、くれぐれも自分の屋根に十分な日が当たるか検討すべきだ。風の吹かない所に設置した筑波の風車が破たんしたように、日の当たらない所に設置された太陽光発電のパネルほど無意味なものは、ない。NHKの番組内で検討していたお宅のように、すぐ隣に隣家が迫っていたり、屋根が南に向いていない(玄関は、日中にもかかわらず影になっていた。)場合には、設置は意味がないので、お金がよほど余っているのでなければ止めた方が良い。また、売るだけの家電量販店や悪徳業者に気を付けてほしい。パソコン上のシミュレーションではなく、実際に一日の日の当たり方を設置場所でチェックする用心深さが必要だ。 「環境商品の購入」は、「地球に優しく・自分の懐にも優しい」ものであって本当の価値がある。悪徳業者は、地球に優しくない商品を、自分の儲けのために売りに来る。要注意!

2009.06.03

忍び寄る大量絶滅時代

 最近、地球温暖化の話題を聞くことが少なくなってきたような気がする。高速道路を車で埋めて、温暖化ガスを増やしても非難の声も上がらないというのも、困ったものだ。水を張った田で、田植えをしていても例年になくカエルの姿が少ない。温暖化の影響なのかカエルツボカビ症の影響なのかは分からないが、その静かな水田に恐怖を感じてしまった。気の小さい私だけかもしれないが、どうも、日本の人は「地球温暖化」を旬の話題ととらえなくなったらしい。しかし、生物界は着実に大量絶滅時代を迎えようとしているようだ。

 たとえば、今年の5月の天候も異常だったが、異常気象という言葉も鮮度を失い、人々の口に登らなくなってきている。異常の常態化が進んでいるのだろう。6月1日の毎日新聞によれば

 気象庁は1日、5月の天候まとめを発表した。東日本の太平洋側以外は全国的に降水量が少なく、特に西日本太平洋側は平年の41%で観測史上最少となった。一方、月平均気温は沖縄・奄美を除いて高く、北日本は平年比プラス1.5度で、観測史上最高タイを記録した。・・・10地点で観測史上最少。西日本は今後も2週間程度は少雨が続くとして、水や農作物の管理に注意を呼びかけた。・・・地点別月平均気温は、岩手県大船渡市が15.3度(平年比プラス1.7度)で最高値を更新。仙台市16.5度(同1.6度)も最高タイ・・・

なのだそうだ。しかし、こんな異常なことを声高に取り上げることもなくなり、注意を呼びかける声すら聞こえてこない。4月22日のRecordChinaによれば、

2009年4月20日、中国で、今まで観察されなかった種類の渡り鳥が越冬するなどの異変が起きている。はっきりとした原因は不明なものの、関係者は地球温暖化や環境悪化が原因の可能性・・・ヨーロッパ原産のマヒワ(スズメ目アトリ科)は、00年に新疆ウイグル自治区西部に位置するイリ市で観察されたものの、同地区内では越冬していなかった。しかし9年後の現在、マヒワは同地区内で越冬しているだけでなく、同自治区省都のウルムチ市からさらに東約へ100kmに位置するジムサル県でも発見されるようになっており、わずか10年足らずの間に居住地区を800kmも東へ拡大・・・馬氏によると、「渡り鳥は通常、冬を暖かい南方で過ごし、春に繁殖のため北に戻るというように、季節によって南北の移動を行う。しかし、近年、マヒワだけでなく、オオカワラヒワやキオアジなど以前は中国で観察されなかった多くの鳥が東へ移動してきており、鳥のこれまでの習性からは考えられない現象が起きている」と語った。こうした状況について、「地球温暖化や環境破壊が原因」と指摘する専門家もいる。・・・「外来種の大幅な繁殖は現地の生態系を破壊するだけでなく、農作物などへの影響も大きい」と・・・

ということだから、注意深く周囲を見渡してみれば、何か今までと違うものが見えてくるのだろう。5月7日のYONHAP NEWSによれば、

・・・南海水産研究所が7日に明らかにしたところによると、2007年から南海西部海域のプランクトン(浮遊生物)を分析した結果、貝類が食べる植物プランクトンの分布密度が減少し、種類も減ったことがわかった。地球温暖化でここ40年間に南海岸の水温が1.2度上昇し、動物プランクトンと貝類のエサとなり海洋生態系の安定的維持にも重要な役割を果たす植物プランクトンの量が減少し、種類の多様性も低下していると分析された。・・・

というように、国境を越え、海陸の区別なく静かに異常事態が進行している。5月21日のロイターによれば、

・・・米マサチューセッツ工科大学(MIT)の科学者らは19日、地球温暖化による気温上昇が、6年前の予想に比べ2倍となる可能性があるとの研究結果を発表した。 同研究では、2100年までに地球の平均表面温度は5.2度上昇する可能性があると指摘。・・・経済モデルの改善と最新の経済データを反映したためだとしている

とのことだから、事態は、一層深刻になってきているのだ。5月24日の毎日新聞によれば

 ・・・温暖化による高山帯減少も懸念・・・地球温暖化も拍車をかけると懸念される。 気温が上昇すれば、標高の高いところまで森林が広がるようになり、ライチョウの生息地である高山帯が狭くなる。中村教授の試算では、年平均気温が1度上昇すると森林限界は約154メートル上昇し、3度上昇すれば、日本に生息するライチョウの80%が行き場を失うという。・・・

らしい。もちろん、ニホンカモシカの生息数増加による食害も大きいらしいが、そういった生態系の乱れがそこかしこで起こっているのだ。5月24日の産経新聞によれば

15~17世紀の大航海時代の船乗りの間には「サンゴ礁に船が乗り上げると魚が毒を持つようになる」という言い伝えがあった。 探検家のキャプテン・クックも「船が座礁したサンゴ礁で捕れた、無毒のはずの魚を食べて、船員が奇妙な中毒を起こした」と航海記に記している。 シガテラ中毒である。今も世界で年間2万~6万人の患者が発生している最大規模の食中毒だ。 死亡率は低いが、激しい下痢や吐き気、筋肉痛、かゆみなどに襲われる。温度感覚の異常が特徴だ。アイスクリームを熱いと感じたり、水に触れると異常な冷たさを感じるドライアイスセンセーションを起こしたりする人もいる。日本では、サンゴ礁が広がる南西諸島特有の食中毒として知られていた。しかし、1998(平成10)年に宮崎県で釣れたイシガキダイを食べた人が中毒したのを皮切りに、和歌山、三重、神奈川、千葉の各県で相次ぎ発生。発生域は北上し、拡大する一方だ。 シガテラ中毒の発生メカニズムはこうだ。サンゴが死ぬと、残った骨格の表面に石灰藻というサンゴ藻の仲間が生える。そこに毒素を持った渦鞭毛藻(うずべんもうそう)というプランクトンが繁殖し、小型草食魚が食べる。それを大型肉食魚が食べて毒素を体内で濃縮、それを食べた人間が中毒する。 だから、大航海時代の言い伝えのように、船の座礁でサンゴが死んだ海域では、シガテラ中毒が発生するわけだ。 沖縄県衛生環境研究所衛生科学班の大城直雅主任研究員によると、シガテラ中毒の原因となる神経毒、シガトキシンは、フグ毒の70倍もの毒性を持つ。ただ、魚体に蓄積される分量が少ないため、重篤になることはほとんどない。 毒魚となるのは、イッテンフエダイやバラフエダイ、バラハタといったトロピカルな魚が中心で、沖縄県では毎年、2~3人の中毒者が出ている。「自分で捕った魚で当たるケースが多い。おいしい魚なので、可能性を承知の上で食べる人もいる」という。・・・「地球温暖化が一因となっていることは間違いないでしょう」。シガトキシンの発見者でシガテラ中毒研究の第一人者である安元健・東北大学名誉教授は、中毒の発生域の北上現象についてそう語る。 シガテラ魚の発生にはサンゴが不可欠。そのサンゴは温暖化の影響で分布が拡大し、太平洋側は千葉県館山市まで北上している。これに伴い被害も北上しているのだという。確かに、これらはピタリと一致する。それだけではない。海水温の極端な上昇でサンゴが死滅する白化現象も多発している。「石灰藻の生える面積が増え、発生拡大に拍車をかけている可能性もある」というのだ。 さらに、渦鞭毛藻は温暖化で増殖しやすくなっている上に、無毒種の有毒化も推定されている。安元さんは「温暖化が進めば、ますますシガテラ中毒の拡大が懸念される・・・

という話もある。見えざる危機が、着実に身の回りに押し寄せているのだ。5月28日の毎日新聞によれば

地球温暖化に伴う水温上昇で、21世紀末にはサンゴの生息域が青森・岩手沿岸まで北上する一方、南西諸島ではサンゴの大量死を招きかねない水温上昇が毎年のように起こる可能性があることが、北海道大と環境省の解析で分かった。・・・サンゴ生息の北限は現在、新潟県佐渡島や千葉県沿岸だが、約100年後の今世紀末には青森・岩手沿岸に北上する可能性が示された。 また、現在サンゴ礁が存在する沖縄県など南西諸島では、大量死につながる白化を引き起こす水温上昇は今世紀前半まではそれほど起こらないが、今世紀後半から毎年続くことが示唆された。・・・藤井賢彦・北大特任准教授(海洋学)は「サンゴが北上すると、沿岸の生態系が変わる可能性がある。白化や大量死を招くストレス要因は、低塩分、強光など他にもある。・・・

ということだから、すでに不可逆点に近づいているのかもしれない。気がついたときには、人類は食も水も住居も失う・・・・。そんなシナリオが浮かび上がってくる。5月30日の産経新聞によれば

 世界中で地球温暖化対策をまったく取らなければ、21世紀末の日本では豪雨の増加や台風の強大化、熱中症による死者などで年間17兆円にも及ぶ追加的な被害が生じるおそれがあるとする予測結果を、環境省が29日発表した。・・・予測では21世紀末までに(1)温暖化対策を取らず成り行き任せにして1990年比で気温が3・3度上昇(2)一定の対策を取って2・2度上昇(3)厳しい対策で1・6度上昇-の3ケースを想定した。 気温が上昇すると豪雨が頻繁に起こり、台風も強大化して洪水や高潮、土砂崩れによる被害が増大する。 洪水被害は現在は年間約1兆円だが、今世紀末にはケース(1)で約8兆7000億円、(3)でも6兆4000億円の追加的な被害が生じる。高潮による浸水被害でもケース(1)では西日本全体で7・4兆円増える。 土砂崩れ被害も今世紀末には現在の約3000億円に比べ、対策の程度によって発生の確率が4~6%増加し、9400億~7700億円が新たに生じる。 また、ブナ林の面積は、今世紀末にはケース(1)でブナ林の約7割が消失し、被害額は2324億円に達する。人への影響でも熱中症のリスクが3・7倍になり、社会的被害が約1200億円増えると予測した。・・・

ということだ。こういった試算は、日本だけで行われているのではない。6月2日の読売新聞によると

来年10月に名古屋市で開かれる生物多様性条約に関する国際会議(COP10)を前に、政府は2日、初の生物多様性白書をまとめた。 熱帯雨林の伐採や地球温暖化などの影響で、地球上の生物約160万種の多様性が急速に失われつつある「大量絶滅時代」と位置づけ、生物種保護への地球規模での取り組みを訴えている。・・・COP10で議長国を務める日本が、絶滅のスピードを食い止めるための世界共通の目標作りに貢献すべきだとした。・・・

とのことだ。大量絶滅時代とは、人間も含めてその生命が危機に直面することを示している。6月2日のRecordChinaによれば、実際に被害をまとめてみると、とんでもないことが起こっていることがわかる。

・・・シンクタンク「グローバル・ヒューマニタリアン・フォーラム」の報告によると、気候の変動により全世界で毎年30万人以上が死亡しており、2030年にはその数は50万人を超える可能性があるという。30日付で人民日報(電子版)が伝えた。報告によれば、地球温暖化の影響を受ける人口は3億2500万人といわれ、この数字が倍増して世界人口(約67億人)の10%に達する可能性もあるという。加えて経済損失も甚大で、現在は1250億ドル(約12兆円)を超えており、2030年までに3000億ドル(約28兆6000億円)になる・・・アナン前国連事務総長は、この問題が温暖化について歴史的責任のない貧困国に影響を与えると指摘する。発展途上国は地球温暖化による経済面・人口面での悪影響の90%を受けるが、彼らが排出する温室効果ガスは全体のわずか1%であるという。だからこそ今年12月に開催されるコペンハーゲン会議(気候変動枠組条約締約国会議)で、京都議定書に代わる効果的で公正な協議を成立させる必要があると述べ、協議が不成立となった場合、飢餓・病気などを多発させる道を選択したことになると強調・・・地球温暖化抑制に関する投資は100か国の発展途上国で倍増する必要があるという。現在は毎年4億ドル(約380億円)の拠出だが、試算では実際のコストは毎年320億ドル(約3兆円)にも上る・・・

地球温暖化は、世界大戦規模の破壊をもたらしていく。そのことを忘れてはならない。そして「地球温暖化」を阻止することは、単なるファッションで終わらせてはならない。ブームが去ったら取り上げないというのでは、困るのだ。

 新型インフルエンザを嵐のように取り上げたマスコミは、現在沈黙してしまっている。エジプトでH5N1型が多く発生していることを取り上げることもない。そういえば、アフリカについては、何とも情報が出てこない。人類発祥の地は、砂漠化によってかつての豊かな大地から過酷な暗黒の大地に変貌し、人類の北進を招いたとされている。そこで今、何が起こっているのかほとんど分からないというのも困ったものだ。

2009.03.22

環境省とJCBのエコアクションポイント

 新型プリウスが5月にプラグインハイブリッドで登場するという話が舞い込んだ。真偽のほどはわからないが、本当だとすれば、驚きだ。リチウムイオンバッテリーを搭載してはいないが、それでも30kmほどはモーター走行ができるとか・・・。楽しみになってきた。
 さて、環境省とJCBの進めている「エコアクションポイント」を紹介してほしいとの依頼があった。そのエコ・アクション・ポイントというのは、環境省の推奨する省エネ商品・サービスの購入・利用または省エネ行動を実践することに伴いポイントがたまり、商品等に交換できるというモデル事業だという。とりあえずは、このブログの趣旨と離れてもいないので登録してみた。廃油のリサイクル他、いくつかのアクションが登録されている。自分にできる活動に参加することでポイントが貯まるという。自分の利益と地球温暖化阻止が同じアクションで達成できればたしかにお得かもしれない。もっともっと協賛の参加企業が増えることを期待している。

2009.01.17

拝啓、環境相どの(^◇^)

 環境相の言葉に感銘を受けたことは先の記事で述べたが、1月16日の産経新聞によれば、

斉藤鉄夫環境相は・・・地球温暖化対策と雇用創出を両立させた「日本版グリーン・ニューディール」構想についての意見を広く国民から募集すると発表・・・「社会の構造をかえていくようなアイデアや地域からの思いも寄らない形でのアイデアをいただきたい」と期待を述べた。同日から同省ホームページに掲載、2月16日まで意見募集する。・・・日本版。素案では、省エネ家電や、電気自動車などの次世代エコカーの開発・普及のほか、太陽光発電や風力発電などの新エネルギー活用への集中投資促進などを打ち出・・・

ということだ。総花的な投資ではなく、投資家も興味を注ぎ、資金を集中してもいいという気にさせるような太陽光発電や風力発電に対する集中投資を可能にするような企画がぜひほしいものだ。シャープのCMのようなインパクトのある・・・。

 たとえば、日本の東名や中国自動車道、鉄道路線はその法面を南に向けている部分が多い。土地を新たに購入するのでなくその数100キロメートル以上に及ぶ南向きで日当たりのよい部分を太陽光発電のパネルで覆い尽くすというのはどうだろうか。交通の大動脈がエネルギーを産む大動脈に変身するというわけだ。そして、そこで得られた電気をサービスエリアに設置した給電装置から安価にプラグインハイブリッドや電気自動車に充電させる。自然エネルギーは、保存が難しく、充電装置は非常に高額だ。しかし、その道路上を走り回る動く蓄電池であるEV(電気自動車)に充電すれば、得られたエネルギーを新たな充電施設を設置することなく有効利用できることになる。これによって運送にかかわるコストは低減し、物流が回復する。もちろん、広い範囲で設置にかかわる雇用を生むことも魅力だ。高速道路での充電をタダに近くすれば、高速道路の利用は増え、電気自動車やプラグインハイブリッドの購入にも拍車がかかるかもしれない。まぁ、急速充電の技術が必要かもしれないが、全車同一規格の取り外し可能なエネルギーセルを搭載することを義務付ければ、高速道路のサービスエリアで満充電したセルと交換するだけでよくなるので、現行技術の延長上で劇的な効果が期待できる。

 同様に、家庭用の太陽光発電施設には補助金だけでは不十分だ。新築の南向きで日当たりのよいと判断された屋根には、国費で無料設置をする。家庭内で使用した電気を差し引いて電力会社に売った金額は、国庫に入れて、新たな補助金に充て、家庭内で消費した電気は、屋根の借用料として徴収しないとする。これによって、新築時における太陽光発電導入と新築数が倍増することになる。ついでに、電力会社には高値で新エネルギーを買い取る制度を認めさせれば、完璧だ。需要の増大により設置コストは量産効果で下がり、日本の強力な輸出産業を育成することになる。等々・・・

 残念ながら、与野党のつまらないメンツのために2兆円を定額給付金として捨てることを決定してしまったが、参議院で否決された後で、再度審議しなおし、上の形で使えたら、電力を海外からの輸入燃料や原子力発電で賄う比率がどっと減り、原油の禁輸などといった第2次世界大戦前夜のようなブロック経済下に世界情勢が流れたとしても過去のような過ちをしなくて済むかもしれない。

 上記2点はとっさの思いつきにすぎないが、ぜひよい意見に耳を貸し、集中投資によって事態を打開してほしいものだ。それには、何より施策のスピードが必要なことは言うまでもない。一刻の猶予もならない。がんばれ環境省!V(=∩_∩=)

2009.01.08

日本版グリーン・ニューディールに未来はあるか

 国会は、定額給付金についての議論で白熱していた。景気刺激策として具体的に何にどれだけ資本を注入し、雇用と内需・外需を呼び覚ますかという実りのある議論ではない。環境相の「社会の変革と景気対策を一緒にやる。同じ財政出動をするなら、あるべき社会を構築することに使うべきだ。各省庁と連携して、市場規模のさらなる拡大を図りたい」としたコメントが具体として浮かび上がるような議論のない国政では、実りはあるまい。日本型グリーン・ニューディールには、未来はない。スタートすらできないのだから。F(^_^;

 1月6日のレスポンスは、ホンダの社長の次のようなコメントを掲載した。国会を空転させ、不毛な論議に時間を費やしている人に聞かせてあげたい。

ホンダの福井威夫社長は、従業員向けの年頭挨拶で、「創業以来の大変厳しい状況にあり、ほんのわずかな経営判断の遅れが、企業存続の命取りになるほど緊迫していると認識・・・」と強い危機感を示した。・・・クルマの在り方、価値観そのものを問われる時代へと急速に移行しつつある。このような時代だからこそ、顧客や世の中の期待に応えられるように、ホンダならではの先進創造を際立たせた商品づくりをさらにスピードを高めて積極的に進めていきたい」との決意を示し・・・それぞれの現場の中で、職制や部門にとらわれることなく、原点に立ち返って徹底したコミュニケーションを通じて、考え行動することをお願いします。この試練を全員で乗り越えていきたい」と結束力の強化を訴え・・・

この年頭挨拶を国政になぞらえることは有効だろう。つまり

「わずかな国政判断の遅れが、国家存続の命取りになる・・・先進創造性を際立てた政策作りをさらにスピードを高めて積極的に進め・・・職制や党利党略・省庁や部門にとらわれることなく、国民を守り育てるという原点に立ち返って、徹底したコミュニケーションを通じて、考え行動すべきだ。この試練を国民全員で乗り越えていきたい」

と・・・。しかし、実際は、頼みの綱の日本型グリーン・ニューディール政策は、3月にならなければ日の目を見ない。環境相がいかに正論を述べたとしても、その時点で現内閣がどのような状態になっているかわからない。日本型グリーン・ニューディールに未来どころか明日もないと言えるだろう。

 しかし、それではあまりに悲しすぎる。では、どうすればよいのだろうか。ひとつは株式市場に答がある。1月7日のテクノバーンによれば、

・・・シャープ が値幅制限の上限となる前日比100円(12.55%)高の897円まで上昇して、ストップ高で引けた。年明け以降、市場で太陽光発電関連銘柄を物色する動きが強まってきており、TVCMでも盛んに太陽光発電に関してアピールを続ける同社に対して、市場の人気が集中する結果となっていることが、同銘柄の連日の大幅高につながった・・・ランキングでは首位となる大商いともなった。

ここ連日のシャープの太陽光発電に対するイメージ作りの新聞広告やテレビCMは、すさまじいインパクトがあった。ソーラーカンパニーを目指すシャープには、暗いトンネルに入った人々に対して一縷の希を与えるかのような光明があった。また、1月6日のフジサンケイビジネスアイが伝えるところの

東芝は5日、電力・産業用の太陽光発電システム事業に本格参入すると発表した。同事業を統括する専門組織を新設し、2015年度に約2000億円の売上高を目指す。 地球温暖化防止に向け、大規模な太陽光発電システムの普及が見込まれている。・・・ 同社は高効率インバーターや、独自開発の新型リチウムイオン充電池「SCiB」など太陽光発電システムに不可欠な製品を生産しているほか、電力系統のシステム技術も保有している。・・・東芝は海外の拠点も活用し、グローバルな供給を目指す。同システムの心臓部にあたるパネルは外部調達する方針。また、住宅向け太陽光発電システムは手がける考えはないという。 東芝によると、電力・産業用の太陽光発電システムの世界市場規模は08年度が約1兆2000億円だったのに対し、15年度は1兆円増の2兆2000億円に膨らむと予想・・・

という記事にも注目したい。なぜなら、東芝も株価を挙げているというからだ。路頭に迷った人々が縋ってきたのがこれら新エネルギーを技術の中核に持つ企業というわけだ。当然、日本としても定額給付金に使う100分の1ほどの金額を補助金として用意している。1月7日の産経新聞によれば、

太陽光発電を自宅に設置する際の国の補助制度が3年ぶりに復活し、13日から申請の受け付けが始まる。補助額は設置費の1割、20万円強にとどまるが、来年度の税制改正で設置費の一部が所得税から控除されるうえ、補助制度を実施する自治体も増えている。居住地域によっては実質負担額が設置費の半分強にとどまる見込みで、太陽光発電の設置に弾みがつきそうだ。 国の制度では出力1キロワット当たり7万円を補助する。設置費用を含めて1キロワット当たり70万円以下の製品が対象だが、一般的な戸建て住宅に導入される3キロワットのケースだと、最大21万円が補助される計算になる。 東京都は4月から1キロワット当たり10万円の補助制度を導入する方針。すでに東京都墨田区では昨年7月から全国最高水準の制度を新設し、50万円を上限に費用の30%まで補助している。平成21年度の税制改正によって、太陽光発電などの省エネ改修工事費の10%が所得税額から控除されるため、墨田区の住民は100万円ほどの負担軽減が見込めることになる。・・・このため、政府は補助制度の復活を決めた。平成20年度1次補正予算と21年度の当初予算案で計290億円が計上・・・

という。もし、2兆円をここにスポットとして注入すれば、一気に太陽光関連を突破口に住宅関連、半導体関連の事業に資金が流れ、景気回復は加速するに違いない。しかも、これら、日本企業が培ってきたお家芸は、世界的に競争力が強い。もし、今、給付金を出す、出さないといった議論をする暇があったら、何をすべきかだれでもわかるだろう。アメリカも、オバマ氏に対する期待感から環境関連株を中心に買われているというが、1月8日のcomputerworld.jpによれば、

・・・有識者がこの分野における米国政府の対応の遅れに警鐘を鳴らした。証言を行ったジャーナリストのトーマス・フリードマン(Thomas Friedman)氏とベンチャー・キャピタリストのジョン・デール(John Doerr)氏は、次の産業革命はITではなく“ET(Energy Technology、エネルギー技術)”であり、米国はその波に乗り遅れる危険があると指摘した。両氏によると、米国政府は環境分野の技術革新を進めるのに必要な開発資金をわずかしか投入しておらず、また、企業や住民に代替エネルギーの導入を促すための施策も十分には講じていないという。 デール氏は、ET分野の新興企業に研究開発資金を提供するための大規模な投資プログラムや、代替エネルギー関連企業への融資制度を整備するよう米国政府に求めた。また、石油やガスから代替エネルギー源への移行を促す手段として、炭素燃料の利用に対する課税の必要性も強調した。・・・ 複数のIT企業に出資する米国のベンチャー・キャピタル、Kleiner Perkins Caufield & Byersの共同経営者であるデール氏は、「環境技術分野で米国のリーダーシップを確立するためには、政府による対策が不可欠である。これまでの施策では不十分であり、より迅速かつ大規模な対策が必要だ」とし、さらに世界の有力な代替エネルギー企業30社の中に米国企業が6社しか入っていないことを付け加えた。 一方、「フラット化する世界(原題:The World is Flat)」などの経済分野を中心とする著書で知られるフリードマン氏は、米国が環境技術分野で主導権を発揮できていないと指摘し、代替エネルギー産業の分野で他国との厳しい競争が続いているとの認識を示した。 同氏は、「“石油の独裁支配”を終わらせ、気候変動やエネルギー危機を緩和し、生物の多様性が失われている状況を劇的に転換するようなエネルギー革新を主導するチャンスは、どの国にもある。これからは、こうした技術を持っている国こそが、国土やエネルギー、気象、経済面での安全を手に入れ、さらに世界中の敬意を一身に集めることができるだろう」と語り、最も革新的なエネルギー技術企業が米国に育たなければ、子孫たちに良好な生活環境を残すことができなくなると警告・・・環境エネルギー開発計画を推進するよう米国政府に求める声もあるという。・・・

ということだ。アメリカは、オバマ氏の思いはあっても環境技術においては後進国なのだ。地の利時の利は、まさに日本のものといえよう。日本がフリードマン氏のいう「世界中の敬意を一身に集めることのできる国家」となるチャンスは、他のどの国よりも高いのだ。問題は、国政を動かす者の見識だといえよう。最後に繰り返して言おう。日本は、つまらない政争に明け暮れる暇などない。IT革命の次にくるET(エネルギー技術)革命を主導すべく、集中的に資金を投入すべく動き出してほしい。


2009.01.07

グリーン・ニューディール政策に未来はあるか。

 国連の潘基文(パン・キムン)事務総長が訴えていた標語である「グリーン・ニューディール」政策が、人々の言葉に上るようになってきた。 「グリーン・ニューディール」というのは、大恐慌時にフランクリン・ルーズベルト大統領が実施した景気対策であるニューディールからとった名称で、環境産業を活性化し世界経済を再建しようとするものだ。12月15日のRecord Chinaによると、パン事務総長は、下のように訴えたという。

・・・ポーランド・ポズナニで開催された国連気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)の閣僚級会合で、冒頭演説に立った潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は・・・国連公式ウェブサイトによると、潘事務総長は、中国が打ち出した経済対策のうち4分の1が再生可能エネルギーや環境保護、エネルギー節約の促進であったと指摘、中国の気候変動問題における積極的な姿勢を歓迎した。・・・このほか、気候変動問題は人類の未来に直結する問題だとして、厳しい経済危機の中にあっても「各国は最重要課題とするべき」と強調。環境事業に投資を行い、新たな雇用を創出する「グリーン・ニューディール」政策の必要性を各国に訴え・・・

たとされる。これを受けて策定された韓国版のグリーンニューディール政策が次のように報道されている。12月22日のYONHAP NEWSによれば、

・・・危機の早期克服に向け、国土海洋部が内需景気の浮揚効果が高い10大事業分野を「韓国型ニューディール」の対象とし、分野別に作業チームを組み事業を推進していく方針を打ち出した。10大プロジェクトには、道路や鉄道、4大河川開発、京仁運河などの社会資本整備分野と、低所得者向け住宅事業、国土空間情報事業、産業団地開発などが含まれる。・・・13兆9000億ウォン(約9712億円)が投入される4大河川整備事業については、特定地域に偏っておらず全国に景気浮揚効果を及ぼすという点で、代表的な「グリーンニューディール事業」と位置付けた。・・・ 国土海洋部では、総額45兆ウォン(うち国庫14兆8000億ウォン)を早期に投資すれば、79兆4000億ウォンの生産誘発効果と65万2000人の雇用創出効果が得られると見込む。・・・

すでにオバマ氏が、提唱したエネルギー自立政策が、今後の米国経済の不況を脱するためのアメリカ版「グリーン・ニューディール」政策である。それによれば500万の新しい雇用を創出。そのために10年間に1500億ドルを投資していくことを約束している。これらに続いて出されたのが日本版のグリーンニューディール政策だ。1月6日の産経新聞によれば、

 麻生太郎首相は6日、斉藤鉄夫環境相と官邸で会談し、オバマ次期米大統領が提唱している地球温暖化対策と景気刺激を両立させた「グリーン・ニューディール」構想の日本版を策定するよう指示した。省エネ技術や製品の開発・普及などへの投資を促進し、二酸化炭素(CO2)排出量の抑制を図ると同時に、環境関連産業の振興を通じ雇用を創出する。今後5年程度で市場規模を現状の70兆円から100兆円以上に拡大し新たに80万人以上の雇用を創出することを目標に掲げ、3月末までに具体的な計画を策定する。・・・麻生首相は「国民にわかりやすく、大胆に各省庁と連携してもっと拡大するように」と指示した。会談後に会見した斉藤環境相は「社会の変革と景気対策を一緒にやる。同じ財政出動をするなら、あるべき社会を構築することに使うべきだ。各省庁と連携して、市場規模のさらなる拡大を図りたい」と狙いを説明した。 素案では、省エネ家電や電気自動車などの次世代エコカーの開発・普及のほか、太陽光発電や風力発電など新エネルギーの有効活用への集中投資の促進を打ち出した。 具体的には、企業の環境投資に対する無利子融資制度の創設のほか、省エネ家電などの購入者に「エコ・ポイント」を付与するといった商店街などの環境活動や複数の人が1台の車を共有する「カーシェアリング」への支援策が盛り込まれている。・・・太陽光発電が普及すれば、CO2排出量の削減と同時に、太陽光パネルの生産が誘発され、雇用も増える。政府は日本版の構想策定により、こうした“一石三鳥”の効果をさらに広げたい考えだ。・・・
3月末・・・というのが妥当か分からないが、定額給付金につぎ込むお金があったら、「社会の変革と景気対策を一緒にやる。同じ財政出動をするなら、あるべき社会を構築することに使うべきだ。」との言葉を真摯に受け止めて政府主導の景気回復を強力に推進してほしいものだ。麻生首相がルーズベルト大統領に並ぶかどうか・・・・。これは、速やかに必要な対策をリーダーシップを持って果敢に執り行えるかにかかっている。そのためにも優先順位を見間違えないようにしてほしい。日本発のグリーンニューディール政策が、世界を救うという夢を実現してほしいと願っている。

2008.12.30

2008年を振り返って 地球温暖化

 7月の洞爺湖サミットがずっと昔のように感じられるのは、変化にとんだ社会情勢のせいかもしれない。日本を含め、まがりなりにも世界各国が気候変動や地球温暖化阻止のために数値目標を立てて行動を起こそうとしたことは前進であったが、事態は一刻も猶予ならない状況に変わりはない。12月17日のロイター電によれば、危惧されている北極海の氷の状況は深刻である。

・・・世界気象機関(WMO)は16日、北極地域周辺の氷の量が観測史上最小の規模に縮小したと発表した。また、2008年の世界の平均気温は14.3度と21世紀に入って最も低かったものの、温暖化の傾向は変わらないとしている。・・・報告書では、北極海の氷はことしの夏、衛星観測を開始した1979年以降で2番目に小さい面積になった。 さらに報告書は「氷は2008年にさらに薄くなったので、全体的な氷の量は過去のどの年よりも少ない」と指摘。北極海の氷は30年来の縮小傾向に拍車がかかっている・・・

加えて波高が上がるという現象も報告されている。温暖化に原因を求めることはできないが、気がかりな異変といえる。25日のWIRED VISIONによれば、

・・・北米の太平洋岸北西部では、[暴風時に記録される]大波の高さが年間に最大7センチメートルずつ増大しており、沿岸地域への被害が懸念されている。・・・波浪の巨大化が同地域に被害をもたらす危険性は、今後数十年の間、地球温暖化による海面上昇の影響を上回るものになる・・・地球の海は深刻な混乱状態にある。世界各地で漁場が崩壊(日本語版記事)しているほか、研究者たちは世界的な――とくに両極付近の――気温上昇が極地の氷冠を溶かし、海面上昇を引き起こすと予測している。しかし、大波の高さが一部地域で増大しているという証拠はこれまであまり注目されてこなかった。・・・波高の増大が最初に検知されたのはわずか数年前のことだ。・・・[リリースによると、暴風時に記録される大波の高さが年間に最大7センチメートルずつ増大しているほか、平均的な波の高さも30年間に40センチメートル以上増大しているという]・・・地球の気候変動が関連しているとすれば、海面上昇が波の巨大化とあいまって、波高の影響を最も受けると思われる中緯度の沿岸地域に大惨事を引き起こす可能性もある。・・・地球温暖化によって風力が強まっていることが波高の変化と関係しているならば、この研究は世界的な影響力を持つだろうと指摘した。・・・「もはや伝説ではない、船舶を襲う30メートルの高波」では、これまでは非常に稀だと考えられていた高波が、実際にはかなり頻繁に発生しており、船の転覆や石油掘削装置の破壊の原因となる可能性・・・

日本でも、海のプロである漁船が急激な気象変化と大波により何隻も遭難している。オレゴンだけの問題ではあるまい。16日の産経新聞は、オバマ氏の閣僚の発表を受けて、アメリカが地球温暖化に向けて劇的な方向転換を行うとの予想をしている。

・・・次期政権の環境・エネルギー閣僚を正式発表した。エネルギー長官にローレンス・バークリー国立研究所長のスティーブン・チュー氏(60)を、ホワイトハウスに新設するエネルギー・気候変動担当調整官には、クリントン政権時代に環境保護局(EPA)長官を務めたキャロル・ブラウナー氏(52)をそれぞれ起用する。 環境保護局(EPA)長官には、ニュージャージー州環境保護局長を務めたリサ・ジャクソン氏(46)、環境問題の大統領顧問の環境評議会議長に、ロサンゼルス市助役のナンシー・サトリー氏(46)の起用も発表。オバマ氏は、代替エネルギーの普及促進と温室効果ガス削減努力を主導することで、「石油依存体質から脱却し、新しいハイブリッド経済を創造する」と宣言した。オバマ氏は、1997年にノーベル物理学賞を受賞したチュー氏の登用を「次期政権が科学を重視し、事実に基づいて政策判断することを示すもの」と強調。・・・ブッシュ政権からの方向転換を訴えた。 ブラウナー氏は、「ポスト京都議定書」の次期枠組み交渉を担当する見通し。温暖化問題の啓発でノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア元副大統領とも近く、国際交渉で米国のリーダーシップを取り戻す考え・・・

もちろん、日本でも同様な方向を目指そうとする姿勢はあるのだが、十分とは言えない。これまでのブッシュ政権追随と言われた環境問題に後ろ向き、ないしは消極的な姿勢が見え隠れしている。30日の読売新聞によると、

政府は29日、太陽光や風力などの利用拡大を目指して来月発足する国際再生可能エネルギー機関(IRENA)に参加しない方針を固めた。日本が事務局長を出している国際エネルギー機関(IEA)との機能重複などを理由にしての不参加だが、国際社会から環境問題に後ろ向きとの批判を受けかねないと懸念する指摘も出ている。 IRENAはドイツが中心となって設立される。地球温暖化や化石燃料の枯渇に対応するため、参加国間で再生可能エネルギーに関する技術移転や資金調達、情報交換などを進める。
・・・「再生可能エネルギーの利用拡大は既にIEAで取り組んでおり、新機関は不要」(外務省幹部)との判断から、当面は参加を見送ることにした。毎年数億円の資金拠出を求められる可能性があることも、厳しい財政事情の中で二の足を踏む要因・・・ただ、IEAは先進国中心の28か国で構成しているのに対し、IRENAには途上国を含め数十か国が参加する見通しだ。・・・「IRENAに参加すれば、太陽光発電などの分野で日本の技術の普及に役立つ」(政府関係者)と、日本の産業への利点があるという指摘も・・・

だそうだ。日本が環境立国として車に代わる新たな産品を輸出する上で、途上国に販路を広げることは必須なはずだ。ドイツでなくアメリカに追随する姿勢を捨てられない日本は、相変わらず「アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪をひく」と形容されたようなアメリカ経済に頼りきった政策から抜け出せないのだろう。それが、この世界同時不況のの元凶であり、日本の自動車産業が大きく業績を下方修正せざるを得なくなった原因でもあるというのに・・・。もし、IRENAに参加すれば、途上国にパイプを持つことになる。みすみす日本は、将来の経済復興の道を遠ざけたと言えるだろう。もし、オバマ氏の率いるアメリカが、参加を表明したら、日本も追随するのだろうか。だとしたら、日本国民として寂しいとしか言いようがない。

2008.07.10

洞爺湖サミットとは一体何だったのか

 洞爺湖サミットが閉幕した。警備に当たった関係諸氏は、大きな混乱もなく終わったことに胸をなでおろしていることだろう。この期間、各紙が第1面を当て、いろいろな企業からも環境活動をアピールする広告が舞った。注意深く目を通していたつもりだが、なんともよくわからない・・・・。というのが私の印象だ。「何もなかった、無事に終わったサミットだった。」というのが結論だろうか。主催者は、このサミットを成功と捉えているらしい。7月9日の毎日JPによると

 ・・・内閣支持率の低迷にあえぐ首相にとっては「巻き返しの見せ場」であり、周辺や与党幹部は高く評価する。しかし、野党が厳しい見方を示していることに加え、与党からも「期待したほど国民に存在感をアピールできなかった」(自民党幹部)といった声が上がる。・・・ 「支持率がまだまだ低い水準であることは間違いない。議長としての活躍を国民に評価していただければ、一定のプラス効果があっていいのではないか 町村信孝官房長官は9日の記者会見で、サミットが支持率アップに寄与することに期待を示した。自民党の伊吹文明幹事長は記者団に「議長として積極的に動いた」と強調。公明党の太田昭宏代表も「首相がリーダーシップを示したことは国民に大変評価されるのではないか」と語った。・・・参院自民党幹部は「これで支持率が下がることはないとは思うが、どの程度まで回復するのか」と懐疑的。古賀派幹部も「そもそもサミットで劇的に支持率がアップすることなどあり得ない」と指摘する。 こういった見方に予防線を張るかのように首相に近い町村派幹部が「首相は政権浮揚のためにサミットに取り組んだわけではない」とわざわざ強調するのも、むしろ政権浮揚効果に疑問符がつくことを裏付けている。 一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は「地球環境サミットと言われたが、あいまいな結論で、何のメッセージもない。首相にリーダーシップがあったとは誰一人認められなかった」と指摘。共産党の市田忠義書記局長は「どの課題も先進国の責任を果たせない結果となった。議長国としてイニシアチブをとれなかった日本の責任は重大だ」との談話を発表・・・

ということだそうだ。議長として、ホンダのアシモの後ろをアシモを真似て欽チャン走り?で積極的に走る首相の姿は目に焼き付いているし、長期目標の合意を得られたことは評価に値するかもしれない。しかし、現実が長期目標を設定するだけでは収まらない事態に瀕していることを思えば、具体策と中期目標がなかったのは、なんとも痛い。同じく9日の毎日新聞の別の記事によれば、

・・・焦点の温室効果ガス排出量削減について「世界全体の長期目標のビジョン共有を支持する」との首脳会合宣言を採択した。ただ、主要8カ国(G8)は「2050年までに排出量半減」の長期目標の中身も各国で共有するよう新興国に求めたが、数値目標は合意できなかった。・・・「長期目標のビジョン共有」を求めた8日のG8首脳宣言について新興国に説明し理解を求めた。これに対し、南アフリカ、メキシコなどは「先進国が率先して大幅削減すべきだ」と反対を表明。・・・その結果、MEM首脳会合宣言は「国連条約の下で世界全体の長期目標を採択することが望ましい」との表現で合意した。・・・目標の具体的数値は「50年までに半減」を含む「野心的な複数のシナリオ」について「真剣に考慮する」とのあいまいな表現にとどまった。 日本や欧州連合(EU)が提案していた温室効果ガス排出量の増加を頭打ちにし、減少に転じさせる「ピークアウト」の時期には触れなかった。・・・

ということになる。各分野に対する具体的な内容も毎日新聞の記事からすると次のようになる。

・・・日本にとって、環境技術は得意分野。日本に期待する声も出ているが、削減目標の達成に向け、新エネルギー開発など、官民の取り組み強化が迫られることになりそうだ。・・・ 太陽光発電など再生可能エネルギーや、稲わらなど食料以外の材料を使ったバイオ燃料はG8会合で議論された。首脳宣言でも「クリーン技術の開発を推進する」と技術開発を進める方針が明記され、この取り組みが「経済成長や雇用増にも寄与する」と新たな産業の成長に期待を表明した。・・・原油価格の急騰で環境技術への関心が高まった。・・・

◆自動車

 政府は、水素で動き「究極のエコカー」とされる燃料電池車を10年代をめどに本格普及させる計画だ。・・・「相当な技術革新が必要」(大手メーカー)。水素の供給施設整備も課題だ。一方、電気自動車は比較的安く、来年以降、市販化が始まる。ただ1回の充電で走れる距離はガソリン車の半分以下。性能向上に新型電池開発も必要になる。

◆太陽光発電

 環境にやさしいエネルギーの代表格、太陽光発電は高いコストが課題。現状は1キロワット時当たり原発の約7倍の46円かかる。政府は20年に14円に引き下げ、30年には原子力発電並みの7円にする目標だ。発電コストのうち太陽電池の製造が6割、設置費用などが4割を占める。・・・コスト削減の見通しは立っていない。

◆原子力発電

 政府が温暖化対策の切り札とするのが、発電過程で二酸化炭素を出さない原子力発電。原発の需要は、原油高などで世界的に増えており、政府は15年をめどに中小型原発の開発技術を確立し、輸出したい考えだ。30年をめどにエネルギーの消費効率が高い次世代型軽水炉の実現も目指す。・・・安全性への疑念は根強く「国民的理解が必要」との指摘も多い。

◆バイオ燃料

 植物を原料とするバイオエタノール燃料について、政府は昨年3月時点で年約30キロリットルの生産量を11年までに5万キロリットルに増やす計画を打ち出している。・・・廃材など木質系原料による生産も実証事業が始まったが、コスト面などで実用化段階にない。

燃料電池車の前途は暗すぎる。日本における太陽光発電や風力発電の衰退は目を覆うばかりだ。これは、失政が原因である。原子力は、あまりに危険すぎる。バイオ燃料は、マケイン氏もオバマ氏も疑念を持っている。政権末期のブッシュ大統領と運命を共にすることになるだろう。世界の飢餓は、先進国のエゴと飽食の下で際立ってきている。

 洞爺湖サミットのさなかにあって、次の記事は衝撃的だった。7月7日のテクノバーンによれば、お祭り騒ぎにも乗れない日本の風力発電の苦境が見て取れる。

・・・日本風力開発 が一時、前日比5000円(1.49%)安の33万0000円まで下落して、反落となった。地球温暖化への対策などを主要テーマとした北海道洞爺湖サミットがきょう7日から開幕となったことを受けて、環境関連銘柄として物色が続いてきた同銘柄に関しても材料の出尽くし感などから改めて利益確定の売り注文が膨らむ形となったようだ。・・・

世界的には、太陽光と風力発電は、最優良株なのに、日本は技術で売れるものをいっぱい持っているのに・・・・・。7月10日のロイターの伝える世界的な活況の便りとなんと好対照なことか。

・・・今度は、パソコンなどに接続せずに充電できるソーラーパネルを開発、特許を申請し、環境シフトでも業界の先陣を切る。 松坂大輔投手らが在籍する大リーグ「レッドソックス」も、本拠地であるボストンのフェンウェイパークに太陽光を用いた給湯装置を設置した。・・・太陽光の利用が大きな広がりを見せている。同様に、風力発電も3年ほど前から着実に実用化が進んでおり、米グレートプレーンズ地方(ロッキー山脈以東の大平原地帯)では、「異星人」ような風力タービンが林立する。・・・地球温暖化への懸念が広がる中で、かつては夢だった新エネルギーの利用が身近な世界に浸透しつつある。 
 <2010年に太陽電池と半導体設備の投資が並ぶとの試算> 
 ・・アナリストや科学者の間では、化石燃料の価格がこのまま上昇すれば、太陽エネルギーは今後2―5年以内に十分なコスト競争力が得られるとの見方が高まってきた。・・・北米最大の太陽電池メーカー・サンパワー<SPWR.O>のトム・ワーナー最高経営責任者(CEO)は、米国や他の地域で太陽光と火力発電のコストが同じになる「グリッド・パリティー」は「約5年以内、早ければ2010年までに実現する」とみる。 米国では、25の州およびワシントンDCで、今後5―15年以内に、風力や太陽光などクリーンなエネルギー源による発電量を全体の最大30%に引き上げることを義務付ける法律が成立した。・・・ 太陽光発電市場には、民間企業の参入意欲も高まっている。インテル<INTC.O>やIBM<IBM.N>が太陽光発電事業に乗り出す方針を明らかにしたほか、ゼネラル・エレクトリック<GE.N>は太陽光エネルギー事業の年間売上高が今後3年程度で10億ドルに達するとの見通しを示した。米ハイテク調査会社のアイサプライは、全世界の太陽電池の生産設備への投資が増加し、投資額は2010年までに半導体製造設備への投資と並ぶと予測している。 
 <不足する送電インフラ> 
 ただ、太陽光発電や風力発電の普及を阻む要因は、コストの高さよりも送電インフラの不足との指摘が少なくない。・・・ グーグル<GOOG.O>で再生エネルギーの推進責任者を務めるダン・ライチャー氏は「再生可能なエネルギーの比率が2%にとどまるか、あるいは20%に達するかは、新たな送電網の整備がどこまで進むかに左右されるだろう」と述べている。・・・ 
 <気球による太陽エネルギー供給も> 
 発電所を建設するのに必要な土地やインフラが乏しい地域に電力を供給する対策として、巨大な太陽エネルギー気球が役立つとの研究もある。・・・ このアイディアを生み出したピニ・グリフィル氏は、システムができ上がるのは、まだ1年先になるとしながらも、直径3メートルの気球が1キロワットのエネルギーを生み出すことができると説明している。これは25平方メートルの従来型ソーラーパネルが生み出す電力と同じ水準だが、その電力を生み出すコストは従来型ソーラーパネルが約1万ドルかかるのに対し、気球は4000ドル以下で済むという。 グルフィル氏は「気球は二酸化炭素を出さず。環境に全く悪影響を与えない。ヘリウムは自然界にある物質で、環境にやさしい。そればかりか気球は発電所を建設するのに必要な土地や建材などを必要としない」と話す。 
 <存在感増す風力発電> 
 米国ではエタノールが代替エネルギー源として用いられるようになり、特に農村部に大きな影響を与えているが、3年ほど前から風力発電も着実に存在感を増してきた。グレートプレーンズ地方(ロッキー山脈以東の大平原地帯)には、風力タービンがあちらこちらに林立している。 米ミズーリ州の小さな田舎町ポートロックで、265フィート(約80メートル)の高さを持つ風力タービンが4枚の羽を光り輝かせている。のどかな牧草地やトウモロコシ畑の中に異星人が降り立ったかのようだ。だが、この「異星人」は村の人々から暖かく迎えられている。 この風力発電施設を運営するウインド・キャピタル・グループのエリック・シャンバーライン氏は、村人から「風野郎」と呼ばれる、村ではちょっとした有名人だ。「これは環境を汚さないし、税金も納める。人々に仕事すら与えている」と同氏は自慢げだ。実際、多くの人々は喜んでクリーンな電気を使っている。・・・米風力エネルギー協会のエグゼクティブ・ディレクターを務めるランドール・スウィッシャー氏は「今は非常に追い風が吹いている。人々は世界の気候に何が起きているかを示すデータを注目し始めた」と語る。 
 <風力発電施設の建設に弾み> 
 米国では昨年、34州で3100機の風力タービンが建設されたほか、現在も2000機が建設中だ。現在米国内で稼動している風力タービンは2万5000機を上回り、投資額は150億ドルに上っている。・・・目標を達成するためには、2017年までに毎年7000機の風力タービンを建設する必要があるという。 ・・・ネブラスカ州では約2万5000の家庭に供給できる量の電力を生産する同州最大の風力発電施設の建設に着手したほか、アイオワ州では電力会社のウィスコンシン・パブリック・サービス社が2億5100万ドルを投じて風力発電施設を建設する許可を取得・・・ 
 <世界のバッテリー目指すノルウェー> 
 ・・・ノルウェーは世界有数の産油国だが、同時に風力発電の「先進国」でもある。2025年までに最大440億ドルを投じて海上に巨大な風力発電施設を建設し、「欧州のバッテリー」(ハーガ石油エネルギー相)になることを目指している。 ノルウェーの産業界や政府当局者で構成するエネルギー評議会は「グリーン・エネルギー」の輸出により、欧州連合(EU)は、2020年までに風力、太陽光、水力、波力など再生可能エネルギーによる発電の比率を20%に引き上げるという目標を達成できるとしている。 ノルウェーは北海からバレンツ海に至る欧州で最長の海岸線を持っている。ハーガ石油エネルギー相は「わが国は神の加護を受けた幸運な国で、大きなエネルギー源を持っている。風力発電については間違いなく大きな潜在力がある」と述べている。ノルウェーが計画している風力発電施設では、8つの原子力発電所と同じ規模の電力が生産できるという。・・・

サミット主催国で、温暖化阻止をリードした日本で風力発電が株価を落とし、後ろ向きともいえるアメリカなど各国で野心的な政策が展開されている。これから太陽光発電補助金の復活や買い取り価格の見直しなどといった対策がとられるというが、早急にリーダー国日本の「やる気」を内外に示し、次のサミットでは胸を張って他国に日本の自然エネルギー対策を示してほしい。そういえば、シャープの広告は、その方向性を示している。「風も波も太陽光も太陽起源のエネルギー」といった意味の主張だったが、過去日本は、「日出る国」であった。その日出る国から世界に向けて平和と豊かさを生む「太陽起源のエネルギー」活用の術を輸出することによって恩恵をもたらしてほしいものだ。

 さて、サミットは終わった。しかし、「環境の世紀」はこれからも続く。地球を守る活動は端緒についたばかりだ。一般家庭にエコを強いるも悪くはない。しかし、もっと「野心的な」政策を打って出るべきではないだろうか。今、日本自体も豊かな未来に向かえるかどうかの岐路に立っているのだから。

2008.06.10

温暖化阻止を理由の原発推進論台頭を憂う

 ここのところ、テレビ局各社の力の入ったエコ・温暖化対策番組が並んだ。思えば、このブログを始めた時には、温暖化の脅威など虚構に過ぎないといった状態だったから隔世の感すらする。それほど、気候変動が目に見えてきているのだろう。今年の梅雨も13年ぶりの逆転現象が見られ、九州北部よりも関東甲信の方が早く梅雨入りしたのだそうだ。このブログでは、過去何回も同様な警鐘を鳴らしてきたが、5月29日の毎日新聞は、改めて次のような未来予想をしている。

・・・研究チーム「温暖化影響総合予測プロジェクト」(代表=三村信男・茨城大教授)は29日、地球温暖化が及ぼす国内の被害予測結果を発表した。2030年には、豪雨増加による河川のはんらんで被害額が現状より年間1兆円増えるほか、東京、大阪、伊勢湾岸と西日本で高潮による浸水が2万9000ヘクタールに及び、52万人が被害を受けるなど甚大な災害が起きる可能性があると推定している。・・・温室効果ガス削減が進まない最悪のシナリオを基に、平均気温は30年に90年比で1.9度上昇するなどの仮定で試算した。 その結果、「100年に1度」の集中豪雨が30年には「50年に1度」の確率に増え、特に三重、高知県などの太平洋沿岸や北陸、中国地方などの山間部で洪水被害が広がることが判明。東京、大阪など大都市圏も洪水が避けられず、被害額は急増すると試算した。また台風の強大化と海面上昇が進み、高潮による浸水面積が拡大し、浸水被害を受ける人口は00年(29万人)の倍近い52万人に及ぶと推計した。・・・ブナ林が現在の44%と半分以下の面積に減少し、西日本や本州の太平洋側ではほとんど消滅。世界遺産の白神山地(青森、秋田県)のブナ林も、今世紀末ごろにはなくなってしまうと考えられるという。・・・熱中症や光化学スモッグによる死亡リスクの増大も指摘。気温が一層高まる2100年には、感染症のデング熱を媒介するネッタイシマカが、千葉県南部まで北上するとしている。三村教授は「途上国ばかりでなく日本でも非常に大きな被害が予想されると分かった。今後特に弱い地域を洗い出し、対策を講じることが必要だ」と訴えている。・・・

これまで、このブログで繰り返し訴えてきたことが、まさに検証されたといえるだろう。環境についての独り言を綴ってきたこのブログも、官公庁や大学からのアクセスを中心に今や一か月に10000ヒットを数えるまでになったのも、このブログの先見性が認められたからではないかと思う。自画自賛でではあるが、本人としては明るい未来を語れないのが残念でならない。

 さて、地球を守ろうとする活動が経済的な裏付けを得るべきだとの主張もこれまで何度も繰り返してきた。これまでは、エコを語るものは仙人のような何の見返りも期待しないボランティアでなければならないといった通念があった。しかし、地球を守る仕事はウルトラマンのボランティアではなく、立派な仕事として認められ、それに携わる人は尊敬と経済的な後ろ盾を得るべきである。簡単に言えば、「エコで儲ける」のは大賛成というのが私の考えである。そう言う意味で次の記事は、頼もしい。これまで人はモノを作り、売ることで経済活動をおこなってきた。これからは、エコに携わることで経済活動を活発化できるということを次の記事は示唆している。6月3日の毎日新聞によれば

政府は3日の閣議で、08年版の環境・循環型社会白書を了承した。国内の環境ビジネス市場が、00年の30兆円から06年には45兆円に拡大したとの調査結果を報告、環境対策と経済発展の好循環が生まれ、「低炭素社会への転換期を迎えた」ことを強調している。水処理や廃棄物管理を含む環境ビジネスは今後、特にアジア・アフリカ諸国で年率10%前後の高い成長率が見込めると予測。環境問題などに配慮した「社会的責任投資」が米国で07年に2.7兆ドル(約280兆円)に及ぶなど、資金の流れの変化が世界を変えつつあることに触れ、各国の排出量取引制度や環境関連税制を重点的に解説した。 また、太陽光発電の導入伸び率(06年)について、スペインの198%増に対して日本は1%減、風力発電能力では日本は13位など、自然エネルギー分野での立ち遅れを指摘した。家庭1世帯当たりの給湯や料理に使うエネルギー消費量は米や英、独より多いなど、「省エネ大国」のイメージと異なる側面に注意を促し・・・

日本の環境技術の衰退と資本の海外流出は嘆かわしい限りだ。しかし、下品だが「環境は金になる」ことが分かったからには、多くのエネルギーがそこに傾注されるに違いない。ところで、6月7日の産経新聞によれば

平成27年度の地球温暖化防止の関連市場規模は、19年度比5・6倍の約7兆円に拡大する-。民間調査機関の富士経済(東京都)は、今後、日本の環境ビジネスの急拡大を見込む調査結果をまとめた。なかでも、国内外における温室効果ガスの排出量取引に関するサービスの増加のほか、排出抑制技術や機器の普及、太陽光発電などの市場が伸びることで市場が拡大するとみている。・・・特に、排出量取引に関しては、京都議定書の第1約束期間終了後の24年度以降もポスト京都議定書の枠組みのなかでさらに増加すると見込む。・・・CO2の分離や固定化など再利用技術分野も小規模事業所から徐々に導入が進むことで、27年度には800億円規模になる・・・

「福田ビジョン」とやらでも排出権取引のことが触れられているが、このことには私は以前から懐疑的な態度をとっている。環境にかかわる活動にお金が動くのは良いことだ。雇用と利益を生むからだ。しかし、マネーゲームのような排出権取引からは、実効的な活動は生まれない。もちろん、動いた金によって活動が推進されるとする意見もあるが、マネーゲームはマネーゲームだ。原油取引やバイオエタノールによる食料不足の懸念がこの投機筋によるものであることは明らかだ。また、富める国は二酸化炭素の排出量を減らさず、貧しい国を貧しいままに固定する可能性も捨てきれない。金持ち国が、「おれは、贅沢をやめるのは嫌だが、貧乏人のお前は、今までと同じ貧乏暮らしでも慣れているから大丈夫だろう」と言っているようで、腹立たしくさえ覚える。それと同時に危惧しているのは、原発推進論の台頭だ。6月8日の産経新聞によれば、

地球温暖化対策と原油高騰問題を議題とした主要8カ国(G8)と中国、インド、韓国を加えたエネルギー相会合が8日、青森市で開かれ、原子力発電の有効性を指摘した共同声明の「青森宣言」を採択した。宣言には、G8諸国が国別に省エネ推進目標と行動計画を策定、公表することが盛り込まれ、太陽光発電や原子力発電などを推進するため、中韓印を加えた11カ国が場合によっては国別の推進目標や行動計画を策定することで合意した。 原油高騰問題については、11カ国が「現在の原油価格は異常」との認識で一致。前日の日米中韓印5カ国会合で合意した原油の在庫データなどの提供を強化するだけでなく、金融面の実態解明の必要性が指摘された。・・・ 原発について、昨年のドイツのハイリゲンダム・サミット首脳宣言は「原発推進国がエネルギー安全保障の観点から重要性を強調した」と記すにとどまった。しかし、青森宣言では「多くの国が気候変動緩和とエネルギー安全保障の達成手段として、関心を表明している」と、より踏み込んだ表現になった。 共同会見でも、長年にわたって原発から手を引いていたイギリスやイタリアの閣僚が「これから原子力に投資したい」「新しい原子力の時代に入ろうとしている」と指摘。約30年にわたって原発の新規建設から遠ざかっていたカナダも「新しい原発を建設しようとしている」と述べ、「原子力ルネサンス(復興)」を印象づけ・・・二酸化炭素の地下貯留(CCS)について2010年までに20件の大規模プロジェクトに着手する方向・・・

たしかに、現状では自然エネルギーですべてを賄えるわけではない。残念ながら、先のeagledownさんのレポートでも、堅固な意志を持つドイツ人たちが変心しつつあるというから事は深刻だ。

 しかし、原子力は人間にとって両刃の剣である。事故や地震などの災害、テロ行為に対しては、国境を超えた災厄をもたらす。50年以上もたってまだ苦しむ被爆者を持つ日本の国民ならば、大きな疑念を持たずにはいられない技術だということはわかるだろう。技術は進み、日本は原発技術で世界最高峰であることはわかる。日本にとっても大きなビジネスチャンスであり、風車や太陽光発電を上回る利益を日本にもたらすに違いない。しかし・・・。6月9日の毎日新聞が伝えるところによると

・・・スロベニア東部のクルスコ原発で今月4日、冷却水が漏れた事故で、同国の対応に欧州連合(EU)加盟国から批判が集まっている。事故はEUの緊急警報システムで他の加盟26カ国に通報されたが、スロベニア当局は直後にオーストリアなど隣国に「訓練だ」と誤って情報を流したためだ。EU内では、地球温暖化問題で二酸化炭素を出さないエネルギーとして原子力発電を見直す動きがある一方、安全性を問題視する声も根強く、今年前半のEU議長国を務めるスロベニアの失態がEU原発論争に火をつけそうな情勢だ。 AFP通信によると、86年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故を受けて整備されたEUの緊急警報システムで、放射能警報が発令されたのは今回が初めて。4日午後、クルスコ原発内の1次冷却系で冷却水漏れがあり、手動で原子炉を緊急停止。・・・ しかし、隣国のイタリア、オーストリア、ハンガリーには、スロベニア当局から「訓練だった」と情報が伝わった。その後、スロベニア政府は間違いを認め、関係国に「人為的なミス」と陳謝した。・・・非原発保有国オーストリアのプレル環境相は「原発に絶対的な安全はありえない」とスロベニアの失態を批判。・・・クロアチア(EU非加盟)も、当事国でありながら事故の公表が発生から3時間遅れ、国内から批判が高まっている。・・・ クルスコ原発はクロアチアとの国境近くにあり、スロベニアとクロアチア両国に電力を供給している。米国製の加圧水型原子炉を採用し83年から稼働。2013年までに2基目の原子炉建設が計画されている。

といったことも起こりうるのだ。これは常識なのだが、「絶対安全」ということはありえない。そのため原発では、あらゆる事態に対応できるように二重三重どころか十重二十重の安全装置を設置している。しかし、絶対がない原発の「もしも」は、チェルノブイリ同様、国境を超えた核汚染を意味している。22日の産経新聞によれば、アメリカは原発の推進に積極的だ。ヒロシマとナガサキに2つの原爆を落とし、戦争終結のためには止む無しとする国だからだろうか、原子力には寛容である。

米国エネルギー省のデニス・スパージョン次官補(原子力担当)は22日、都内で記者会見し、2050年に米国の温室効果ガス排出量を削減するには、電力需要全体における原子力発電の割合を現状の約20%から30%まで引き上げる必要があるとの認識を示した。・・・原発の新規建設が進みそうだ。
 スパージョン次官補は排出量削減には、「原発の発電量を大幅に引き上げなければならない」と指摘。現在、米政府に申請されている35基前後の原発新設計画を進めるため「環境整備に努める」と強調した。・・・約13年間も運転停止が続く日本の高速増殖炉「もんじゅ」について「再開を期待している」と述べた。・・・

日本も、アメリカと同調しそうなことが次の記事でわかる。22日のフジサンケイビジネスアイによれば

有識者やマスコミ関係者らで構成する「地球を考える会」(座長・有馬朗人元文相)は21日、福田康夫首相と官邸で会談し、地球温暖化対策の提言書を手渡した。提言では「二酸化炭素(CO2)の排出削減と生活の質の維持・向上の両立が不可欠」としたうえで、太陽電池などの開発促進だけでなく、原子力発電の世界的な利用拡大に向けた日本の貢献を求めた。福田首相は「英知の結集ですね」と評価した。
 原発は、発電時にCO2を排出しないことや化石燃料の高騰から世界的に見直しが進んでいるが、提言では原発の課題として安全確保と核不拡散を挙げた。そのうえで、日本として海外の原発の安全確保に協力したり、核兵器の製造につながりかねない使用済み核燃料の国際管理体制の確立に向けた貢献を求めた。・・・「日本など先進国が『2050年までに排出量を半減する』といった高い目標を進んで受け入れるべきだ」と指摘。食糧と競合しないバイオ燃料や太陽電池の開発、発電所などからCO2を回収し、半永久的に地中にためる技術の途上国への供与など、技術移転や経済的支援の必要性を訴えた。 このほか、省エネを推進するための国際的な枠組みの創設や「地球愛確立の国民運動」も提言した。地球を考える会は、・・・昨年7月の新潟県中越沖地震で原発への国民の不安が過度に高まったことを受け、有馬氏が呼びかけて発足・・・ 

各紙で温暖化対策として風力発電と原発推進を平行して推進する意見があることを報じているが、私としては、風力発電や太陽光発電と原発を同値においてほしくない。確かに二酸化炭素を出さないエネルギー源としては同じかもしれないが、潰えて残るものは全く違う。まさに原子力はプロメテウスの火であり、神火である。奢れる人間が使いこなすにはあまりにも危険が大きすぎると私は考える。その原子力で起こされた電気を使って生活している私は罪深き者ではあるのだが・・・・F(^_^;

2008.03.29

野党にも国を思う気持ちのある人はいないのか・・・

揮発油税についての期限が切れようとしている。どちらかといえば、反自民的な姿勢を貫いてきた私だが、今の野党の党利党略のみで日本や世界の将来を顧みないような対応は残念至極だ。民主・社会党等に対する失望感も大きい。3月29日の産経新聞による福田首相の次の発言を私は支持する。

 福田康夫首相は29日、首相官邸で産経新聞などのインタビューに答え、3月末で期限が切れる揮発油(ガソリン)税の暫定税率について「少なくとも今の水準は維持しなければならない」と述べ、廃止や税率引き下げは望ましくないとの考えを示した。首相は「安いガソリンで二酸化炭素の排出を助長していいのか。(7月に)北海道洞爺湖サミット(先進国首脳会議)があるのに、日本が値下げしたと胸を張って言えるのか」と述べ、4月末以降に憲法の規定による衆院再議決で暫定税率維持を含んだ歳入関連法案を成立させる考えをにじませた。・・

支持するというよりも、私と同じ考えを首相が述べているといえる。それにしても私がこれまで支持してきた野党側の短視眼的で地球の、子供たちの未来を考えない反対攻勢には腹立たしささえ覚え始めている。野党ならば、これまで主張してきた「道路特定財源」としないという譲歩に勝利宣言し、その使途を厳しく見張り、これまでのようなとんでもない税の浪費を見張り、医療・福祉・環境といった方面に利用できるよう影響力を行使すべきではないか。もし、この後、衆院の再議決で自民が暫定税率を復活させたら、野党は、その影響力を失うに違いない。野党も含め、今の日本に将来を見ることのできる人物はいないのか。これまで数十年にわたって野党に投じてきた私の票は一体何だったのか・・・。悲しくなってきた。

こんな中、異常な気象や温暖化による異変は、続いている。28日の毎日新聞は、竜巻の発生を次のように報じている。これは、竜巻注意報の最初の成果ともなった。

・・・27日午後5時半ごろ、鹿児島県いちき串木野市で竜巻とみられる突風が発生し、44棟の民家の窓ガラスが割れるなどの被害が出た。また、その約1時間半後に南東に約60キロ離れた、鹿児島県垂水市浜平でも倉庫が1棟倒壊し、民家5棟の屋根瓦が飛ぶなどした。浜平地区で振興会長を務める坂元四郎さん(64)は「午後7時過ぎ、飛行機の爆音みたいなすさまじい音が10秒間ぐらい続いた。外を見ると、瓦が宙を舞っていた。こんなことは初めて」と驚いた様子。その前には小指の先ほどのひょうが降っていたという。 この日は、積乱雲が発生していたことなどから▽熊本で午後3時16分▽鹿児島で午後5時59分▽宮崎で午後6時37分に「竜巻注意報」が全国で初めて出ていた。・・・

27日のRecordChinaは、今年の台風の発生予想を次のように伝えている。

・・・25日に開かれた福建省水害・干ばつ対策水利工作会議によれば、同省の雨季は例年よりも早い4月末~5月初旬に始まり、・・・今年は洪水が発生する可能性が高いことが明らかにされた。また、上陸など大きな影響をもたらす台風や熱帯性低気圧の数が例年よりも多い8回と予測されており、1~2回は台風による深刻な被害が出るのではないかと懸念されている。同省水利庁党書記の楊志英(ヤン・ジーイン)氏によれば、省政府は台風による被害の予測を深刻に受け止めており、農村部も含めた全面的な警戒システムを実施、複雑に変化する気象に対応していくという。・・・

29日の読売新聞によれば、琵琶湖の危機が着実に進行しているらしい。

私たちの身の回りで、魚や花や虫が、環境の異変を告げている。地球温暖化が原因なのか、越境汚染の影響なのか。不気味な変化のリポートを随時掲載する。 朝もやに包まれた琵琶湖の湖面を、イサザ漁の小舟が5隻、滑るように進む。イサザの群れは深さ60メートル前後の湖底に潜む。・・・琵琶湖だけに住む固有種で、つくだ煮やみそ汁の具として地元の食卓を飾る。 昨年12月、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの無人潜水艇の水中カメラが、深さ約90メートルの湖底で多数の魚の死骸(しがい)をとらえた。石川俊之研究員らが映像を分析し、1800匹以上のイサザを確認。湖底観測は7年目だが、大量死が見つかったのは初めてだった。 当時、湖底の溶存酸素濃度(DO)の最低値は1リットルあたり0・6ミリ・グラム。通常、魚が生きられる2ミリ・グラムを大幅に下回った。回収した魚の多くが口を開けて死んでおり、センターは「酸欠死の疑いが強い」と結論づけた。・・・遠藤修一・滋賀大教授(地球環境学)らの観測によると、琵琶湖の平均水温は過去20年間で2度以上も上昇。「冬場の水温が十分下がらず、正常な水循環が妨げられている」と石川研究員はみる。 富栄養化が進んで水質が悪化すると、DOは下がる。県水産試験場によると、DOは1950年に9ミリ・グラムだったが、70年代以降、4~6ミリ・グラムに。下水道整備などにより、DOも下げ止まったが、2002年には一転、2ミリ・グラムと最低記録を更新している。研究者らは、住民や行政が富栄養化対策に取り組む琵琶湖に、温暖化が新たな負荷をかけているのではないか、と考える。 70~80年代、年200~500トンだったイサザの漁獲量は90年代以降に激減。95年は112キロ・グラムしか捕れず、「幻の魚」と呼ばれるまでになった。昨年、環境省は、準絶滅危惧(きぐ)種だったイサザを絶滅危惧種に格上げした。 樋口広芳・東京大教授(保全生物学)は警告する。「環境の悪化がある臨界点を超えると、種の死滅など生態系のありようが劇的に変わる『レジームシフト』(相の移行)が起こる。今、それが琵琶湖で起きつつある」・・・

今、福田首相の譲歩に乗るということは、野党にとっても未来の子供たちにとっても利益となることだ。ぜひ、国の将来を考え、お互いに歩み寄る姿勢を示し、揮発油税を地球の危機に対処するために使えるようにしてほしい。

2008.01.20

世界の温暖化対策と日本

今年は、洞爺湖サミットの年であるというのに、日本の施策としての温暖化対策は、なかなか進まない。ちょっと目立つことを行ってお茶を濁すようなことではだめだと思う。ガソリンの高騰には参ってしまうが、事業所の軽油などはともかくガソリンを安くせず、もう3円ほど税金を上げて温暖化対策(道路ではない)に当てたらどうかとさえ思ってしまう。私のような個人レベルでは、車での外出をできるだけ減らしていこうと真剣に考える値段だからだ。東京都もコモンレールのような環境対策を施したクリーンディーゼルを認めていけば、大きな温暖化対策になるだろうと思うが、みんな?が反対するだろうからやらないでしょうねぇ・・・。(^^ゞ

温暖化による異常気象と言えば、台風の巨大化だけではなく、干ばつに冷害、水害に暴風雨ということになる。1月5日のRECOADE CHAINAの記事がわかりやすい。2007年といえば、次の通りとなる。

2007年12月28日、中国気象局は記者会見を開き、「2007年国内・海外十大気候ニュース」を発表した。・・・
中国国内十大ニュース
1位:新疆ウイグル自治区で強風による列車の転倒脱線事故が発生
2位:台風8号「セーパット」が中国南部を蹂躙
3位:淮河流域で大洪水が発生
4位:1951年の観測開始以来、平均気温が最高を記録
5位:落雷による死亡事故が頻発
6位:豪雪、暴風が遼寧省、山東省を襲った
7位:中国南部で高温による干ばつが発生、数百万人の飲料水が不足
8位:台風16号「ローザ」により浙江省で大きな被害
9位:集中豪雨により冠水など都市での被害が相次ぐ
10位:中国南部で深刻な秋の干ばつが発生

海外十大ニュース
1位:8月にラニーニャ現象が発生
2位:大型サイクロン「シドル」がバングラディシュを襲う。死者は3300人以上に。
3位:オーストラリア南部で5年連続となる干ばつ
4位:夏に欧州南部で熱波が発生
5位:年初、カナダとアメリカを豪雪と嵐が襲う
6位:雨期にアフリカ各国で深刻な洪水被害
7位:大型台風によりカリブ諸国・中米各国に大きな被害
8位:大型サイクロン「ゴヌ」によりアラビア海近隣諸国に被害
9位:日本で記録的な熱波を観測
10位:台風14号「レキマー」によりベトナムで深刻な洪水被害

まさに地獄絵。子どもたちには、食料品が高騰し、パスタやご飯もままならず、マグロも食べられない日本が待っていることになる。世界では、それが当たり前かもしれないが、「もはや日本は経済一流国ではない」という大臣の発言通りの未来が待っているとすれば、戦後派と団塊の世代が作り上げた日本をダメにしたのは何だ!と怒りたくもなる。巷ではすでに「温暖化阻止は不可能・・・・」という声さえ上がっている。しかし、責任を転嫁しても意味はない。ところで、1月8日の毎日新聞によれば、気温は上がり続けるというのが確かなようだ。

地球温暖化の影響により、国内でも今世紀末には気温が最高6度近く上昇するとの予測結果が8日、環境省の専門家委員会で報告された。従来の気象庁予測より最高で約2度高く、より深刻な温暖化を考慮した対策が必要だと指摘している。・・・IPCCの六つの将来シナリオのうち、化石燃料依存が続いて最も温暖化が進むケースなどを除く三つのシナリオを基に分析した。 その結果、2070~99年の国内平均気温は、1961~90年の平年値と比べて1.3~4.7度高くなり、北海道など高緯度地域では最高5.8度上昇すると予測された。同じ3シナリオで、IPCCは2090~99年に1980~99年に比べて世界平均で1.1~5.4度上昇と予測している。・・・ほぼ同程度の温暖化が日本国内でも起きることになる。・・・2081~2100年の気温は1981~2000年の平年値と比べて2~3度(北海道の一部で4度)程度上昇すると予測。この場合、熱帯夜が最大40日増え、真冬日が最大50日減る。また、1日に100ミリ以上の豪雨日数が一部地域を除いて増加する一方、無降水日も北日本の日本海側や南西諸島など多くの地域で増えるとしている。・・・

これまでのシミュレーションは、「大袈裟なことを言って・・・・」という目で見られることが多かったが、昨年の北極海での状況やシベリアの永久凍土の溶解を見れば、ずいぶん控え目で、上記の6度説ですらけして最大値ではないような気さえしてくる。孫子の時代ではなく、私の存命中にも脅威は避けられないかもしれない。1月18日のオーマイニュースによれば、

北海道はここ数日、真冬日にすっぽり覆われている。・・・根室地方は、極寒の日々が続いてはいるものの、全く雪がない。ようやく根雪になる程度の雪が降ったのは、昨年の12月24日と30日である。しかも少量である。道央でたびたび、豪雪警報が出る日でも、根室地方に降雪は全くない。異常気象とは一方的に、暖かくなるわけではなく、地域では歴史的な洪水に見舞われたり、干ばつに見舞われたりすることである。地球温暖化ばかりが、際立ち報道されるが、本質は異常気象なのである。大量のCO2排泄が、最も大きな要因であるかもしれないが、単独の要因とは考えにくい。人間の産業活動全般が吐き出す、様々な要因が異常気象を引き起こしていると、幅を持った見方が必要であろう。こうした気象変化を最も受けるのが、農業である。今の時期、根室地方の農地や牧草地は、厚い雪に覆われていなけらばならない。が、雪は降らない。今年の、牧草の出来が憂慮されるところである。オーストラリアは、現在日本とFTA交渉の最中であるが、干ばつの影響で小麦の収穫が地域によっては5パーセント程度しかなく、しかもこれは2年連続のことである。地球温暖化・異常気象の現在だからこそ、食料の自給率の向上が必要なのである。

二酸化炭素のみを悪人にする人は、アルゴア氏も含め、本当の危機感を持って活動している人には少ない。多くの人は、「二酸化炭素をはじめとする温暖化ガス」というような表現を使う。排出権の売買などの利権を考える人の中に二酸化炭素単独悪人説がまかり通るというのが実際だろう。しかし、現在の日本では、温暖化対策が遅れ、庁舎の屋根に小さな太陽光パネルを載せて、あたかも温暖化対策をしていますといったポーズをとるだけでなく、農業政策も破綻してしまっている。私の家の周りにも荒れた田がここ数年で前にも増して増えている。そこに「太陽光パネルを並べたい・・・」と言ったら、農地にはまかりならぬ。同一住所内でなければ、系統連係はできぬ・・・等々でほとんど不可能なことがわかった。ドイツをはじめヨーロッパのいくつかの国では、自然エネルギーを大切に守り育てようとしているのに・・・。1月15日の産経新聞によれば、ドイツの並々ならぬ驚くべき実態が紹介されている。

一面の平原に管制塔や兵舎が無残な姿をさらしていた。ドイツ東部ブランディスの旧ソ連空軍基地。その跡地で今、世界最大級のソーラーシステム(太陽光発電)の建設が進んでいる。・・・出力40メガワットの55万枚のパネルは、来年末までにすべて設置される予定で、投資額は1億3000万ユーロ(約208億円)にも上る。ドイツ国内ではこのところ、「世界一」のパネル群が登場しては追い抜かれる状況が続く。国際的知名度を上げようという企業の間で「パネル設置競争が起きている」(事情通)のだ。太陽光発電への関心が高いのは、シュレーダー前独政権が8年前に改正した、「再生可能エネルギー法」によるところが大きい。同法は、事業所や家庭が発電した太陽光などの再生可能エネルギーを、電力会社が市場価格より高値で買い取るよう義務付けたものだ。 国立気象所のゲアハット・ベスターマイヤー氏によれば、曇りの日の多さが国民気質に影響を与えているとまでいわれるドイツで、主要都市の「晴れ」の時間は年平均約1500時間。スペインの半分に過ぎない。にもかかわらず、「電力買い取りで容易に稼げるソーラーパネルが『キャッシュ・マシン』(現金引き出し機)と化し」(専門家)、設置家庭が急増している。 あるドイツ人記者は「世の中にカネの成る木はないと父は言っていた。だが、私は今、カネは空から降ってくると実感している。降り注ぐ太陽光を受け止める機器さえあればだけど」と痛烈な皮肉を込めて話す。事業所や家庭の相次ぐパネル設置で、ドイツの累積発電容量は2005年から日本を抜いて世界一となった。独太陽光発電産業協会(BSW)では、全エネルギーに占める太陽光の割合はまだ1%程度で、40年には、それを約20%に引き上げたいとしている。ドイツは世界的に有力なパネル製造企業の約半数が集中、関連産業の急成長ぶりでもずば抜けており、とりわけ旧東独地域の新興企業の活躍ぶりが目立つ。 「ソーラーバレーに行くには右折せよ」。ブランディス北郊の高速道路には、米シリコンバレーをもじって命名された同国一の太陽光発電地帯への道を示す道路標識が掲げられていた。・・・ポーランド国境沿いの東部フランクフルトオーデル一帯もコナジー、オダーサンなど世界的な太陽光関連企業が集中、“太陽の街”と呼ばれたりしている。18年前に東西ドイツがバラ色の夢とともに統一されて以来、経済が低迷してきた旧東独地域が今、復活劇を見せているのはなぜか。統一後に、欧州連合(EU)の復興事業の対象地域となり、補助金で新興企業が立ち上げられたからだ。旧西独地域の8割程度という安価な労働力も起業する側にとっては魅力だった。・・・これらの新興企業の急成長で、両地域を中心に約5万人を雇用する太陽光発電産業が将来、ドイツの基幹工業の自動車産業(約75万人)をしのいで主力になるとの見方も出始めている。ソーラーバレーの優良企業、Qセル社の幹部は「ソーラー産業は(収益、倫理両面で)セクシー(魅力的)。私たちの星(地球)を救うためにも価値ある貢献をしたい」と意気込む。
 ・・・太陽のようにドイツの将来を照らし始めたソーラー産業は、冷戦後に辛酸をなめてきた旧東独地域の「成功物語」でもある・・・

片や日本では、風力発電に携わる人々が自然破壊者のように罵られる状況が続いている。私は、冬の寒風の中や夏の酷暑の時に風車に上って作業をする人々を尊敬している。ぜひ彼らが、地球温暖化に対抗して働いているヒーローとして日本中に認知されるようになってほしいと思っているが、現実は難しいようだ。日本には、ドイツのように多少バランスを欠いても地球の危機に立ち向かうという姿勢が乏しいからだ。洞爺湖サミットでは、きっと世界中からバッシングを受け、「日本は環境後進国で地球温暖化に対して責任感が乏しい世界のリーダーとはなりえない」というイメージを与えてしまうに違いない。そこへいくと日本のトヨタは、プリウスという広告塔のもとに、レクサスの大排気量高出力のとんでもないハイブリッドカーを出しながら、世界一になっている。日本の経済界は日本という行政組織にさほど期待していないのかもしれないが、日本政府はトヨタを研究すべきだろう。1月20日の毎日新聞にはこうある。

太陽光発電の普及を進めるNPO「太陽光発電所ネットワーク」(東京)の都筑建・事務局長が19日、佐賀市で講演した。県地球温暖化防止活動推進センターが開いた推進員の研修会で、約20人が参加した。
 都筑さんは、佐賀が都道府県別普及率トップの太陽光発電を取り巻く最新の状況について説明。「日本は設置者が電力会社に余剰電力を売る仕組みで世界一の普及台数となったが、ドイツが買い取りの価格を電気料金の4~7倍にしたため、06年に追い抜かれてしまった」と述べた。その上で、政府の姿勢について「買い取りを法制化せず、原発などに多くの費用を使っている」と指摘。東京都が2年後にも実施する太陽光発電の普及に向けた取り組みを紹介した。都筑さんは「太陽光発電は料金が高いと言われるが、昼間のピーク時の電力を補っている点で、決して高いとは言えない」と訴えた。・・・

正論である。しかし、たった20人の前での話である。私の家の太陽光発電は、依然として高い水準を保ち、ソーラークリニックに登録している静岡県の太陽光発電所の中で発電の累計がすでに3位になっている。そういう実績を紹介したことで、私の家の周りに3件の新たな太陽光発電所ができている。やはり、エコに対して、「良いことだとは分かっているが、やったら損」だという意識を持たせては、終りである。グリーン電力基金の低迷は、まさに日本という国が太陽光をはじめとする自然エネルギーに対して冷淡であることを示しているのではないだろうか。1月13日の毎日新聞の記事を読むにつけ、腹立たしくさえなってくる。

一般家庭などの電力利用者と電力会社が同じ金額を寄付して、太陽光や風力発電などの自然エネルギーの普及に役立てる「グリーン電力基金」が苦戦している。地球温暖化防止などの環境問題の重要性が増す中、手軽に自然エネルギー普及に参加できる仕組みとして期待されているが、04年から加入者の減少が続き、基金からの助成額も06年度に続き2年連続で前年実績を下回る見通しだ。 グリーン電力基金は00年10月、電力会社主導で発足した。家庭など電力利用者が、毎月の電力料金に1口500円(関西電力は100円)を上乗せした額を各電力会社に支払い、電力会社も集まった金額と同額を積み立て、両者で自然エネルギー事業を助成する仕組みだ。 昨年11月末時点の加入件数は全国10電力会社で3万4107。これまでに風力発電事業者、公共施設の太陽光発電、学校の環境教育用施設などに対し計約30億円を助成した。最近では、自然エネルギーを考える地域の拠点作りへの助成も増えている。ただ、加入者は03年度、助成額は05年度をピークに減少に歯止めがかからない。・・・

任意でお金を寄付してください・・・・では、続くわけがない。と私は思う。

2007.12.31

2007年を振り返って 地球温暖化

2007年の初めにアルゴア氏が日本を訪れた。その時点では、「地球温暖化は本当か?」という議論がまじめになされていた。しかし、アルゴア氏の予想をはるかに上回るスピードで温暖化が進んでいることが次々と明らかになるにつれて、議論は、どう温暖化を食い止めるかに急変した。キッズgooの検索単語でも、「地球温暖化」は第4位となった。子供にとっても地球温暖化は、大変な問題となってきたのだ。12月26日の産経新聞は、海の中からの異変を伝えている。

瀬戸内海西部の海域で暖かいサンゴ礁などに生息する魚類が頻繁に捕獲されている。水温が低下する冬の瀬戸内海ではこれまで、温かい海域の魚類は年間を通しては生息できなかったが、定着性が強い魚類も出現、繁殖の例も認められるという。瀬戸内海では、東部の大阪湾でも亜熱帯海域に生息する魚介類が多数確認されるなど温暖化の影響による生態系の変化の危険性が指摘されており、今後広い範囲での影響が心配されている。・・・山口県上関町沖で今年7月、東インド洋から西太平洋の熱帯域などに生息する有毒魚・サツマカサゴが、瀬戸内海で初めて捕獲が確認された。体長18・7センチのメスの成魚で、産卵直前の卵巣を持っていた。広範囲に回遊する魚種ではないことから、周辺海域に定着、繁殖している可能性が考えられている。・・・特に冬場、広島湾などでは水温が10度を上回る日が多くなり、熱帯や亜熱帯の魚類が年間を通して生息できるようになったとみられている。・・・また、広島湾内の似島沖や宮島沖などで昨年までに、いずれも南方系のソウシハギやミナミイケカツオ、「クロカンパチ」の名で知られるスギなどの捕獲が相次いで確認されている。・・・南方系で成魚が2メートル近くにも育つロウニンアジなどが確認されたほか、通常の倍の大きさのイシダイが釣れるなど、異変が続いている。瀬戸内海は外洋に比べて水深が浅く、気温の影響を受けやすいことから、専門家はこのまま海水温が高い状態が続けば生態系や水産業に大きな影響が出ると指摘する。実際、魚類だけにとどまらず、貝毒をもたらす熱帯性のプランクトンも毎年のように確認されている。・・・広島県や岡山県で盛んなカキの養殖などに影響を与える危険性も考えられている。・・・

24日のRecord chinaによれば、

・・・祁連山脈は平均海抜4000mを超える高い山々が連なる。標高4200mを超えると万年雪が積もっており、各所には2000を超える氷河を有する。これらの雪解け水は石羊河、黒河、疏勒河の三大河川の源流となり、河西回廊を潤してきた。近年、地球温暖化に伴い、氷河が減少している。1970年代と比べ、すでに10億立方mの氷河が失われたと推定される。このペースで消失が進めば、2050年までに小型氷河は全滅すると見られている。氷河だけではなく万年雪の減少も深刻で、積雪線は年2mから6.5mの速度で上昇している。氷河・万年雪の減少は河西回廊を流れる河川の水量減少を意味する。農業生産に深刻な影響が出ているばかりではなく、同地の乾燥が進み今では河西回廊は中国最大の砂嵐発生地となった。・・・

また、12月17日の産経新聞は、北極の緊急事態を伝えている。

世界的に著名なノルウェーの極地冒険家、ボルゲ・オウスラント氏(45)はこのほど、オスロ市内で産経新聞と会見、「このまま地球温暖化が進めば、夏季にスキーやソリで北極点に到達するのはあと20~30年で不可能になる。その代わりカヤックで行けるようになるかもしれないが」と指摘し、北極の氷が急速に解けている現状を証言した。・・・ ノルウェー極地研究所の調査に協力している同氏によると、90年には厚さ約3メートルもあった北極点周辺の氷は今年5月には約2メートルに縮小。「単純に考えると、この17年間に30%以上も氷の融解が進んだことになる」と表情を曇らせた。 北極圏ロシア領のある島はこれまで分厚い氷河に覆われ1つと思われてきたが、この夏の冒険で同氏は2つだったことを発見した。 氷河が解け、島の間を泳ぐセイウチをカメラに収めた同氏は2頭のシロクマに気づいた。シロクマは長距離を泳いで移動できないため、島に取り残されていた。好物のアザラシも捕獲できず、海鳥や海草を食べ飢えをしのいでいた2頭はやせ細っていた。 「このままでは北極圏の多くの生物が絶滅する恐れがある」。氷の融解で北極圏の北西航路が初めて“開通”したこの夏、同氏自身、1日5、6度も特別の防寒・防水スーツで氷と氷の間を泳いで移動しなければならなかった。「薄くなった氷を踏み抜いて海中に転落する危険性も増し、疲労が蓄積しているときは要注意だ」・・・「みんなが解決策を知っているのに産業界の利害や、政治的な理由で問題を先送りしようとする国の態度は理解できない。身近な小さいことでいいから、一人ひとりができることから取り組むべきだ」と訴えた。

今後、温暖化による水不足や穀物を中心とする食糧不足などなどによる世界情勢の悪化や平和の後退などが自然災害以上に問題となってくるに違いない。アルゴア氏のノーベル平和賞の意味が現実のものとなっていく。バイオエタノールなどの生産もその状況を悪化させている。施策は、弱者をもって考えなければならない。しかし、日本政府は08年度にバイオ燃料「ETBE」の輸入関税をゼロにして同燃料を輸入する石油元売り業界の経費負担を軽減することで、植物を原料にしたバイオ燃料の普及を後押ししようとしている。食を奪われた国々の貧しい人々の怒りは、政情不安を増幅するに違いない。日本でも、石油製品や麺などの小麦製品の値上がりも予定される中で、温暖化阻止は、待ったなしの状況だ。アメリカも「エネルギー法」で具体的な方向に動き出した。バイオエタノールの増産は、果たして善なのであろうか。日本は、洞爺湖サミットに向けて様々な動きを出して着てきている。12月30日の毎日新聞が伝えるところによれば、

政府は、地球温暖化対策で温室効果ガス削減の数値目標を設定する方針に転換し、京都議定書後の国際的な枠組み作りに向けた新たな基準を提案する方針を固めた。スイスで来年1月に開かれる世界経済フォーラム年次会合(ダボス会議)で、福田康夫首相が表明する。新基準は、各国を「先進国」「新興国」「発展途上国」に分類し、各グループ別に中長期の温室効果ガス削減の数値目標を算出する。また、発展途上国の温暖化対策事業に、08年から5年間で総額100億ドル規模を支援する「資金メカニズム」の構築も表明する。 今月開かれた気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)で、欧州や発展途上国は温室効果ガスについて「2020年に25~40%」の中期削減目標を先進国に課す案を支持したが、日本は数値目標の設定自体に反発。「後ろ向き」との強い国際的な批判を浴びた。来年7月の北海道洞爺湖サミットを控え、危機感を強めた政府は、数値目標設定を認める姿勢に転換し、さらに新たな基準を自ら提案することで国際的な議論をリードする狙いだ。・・・この新基準に基づく日本独自の中長期的な削減目標数値は、洞爺湖サミットまでに表明する方針だ。・・・

となっている。前途は多難だ。日本の本気を世界にアピールするのに十分な具体策が待たれる。27日のNNAによれば、ヨーロッパの10大ニュースの 【第2位】温室効果ガス削減へ、官民の取り組み加速だそうだ。ヨーロッパもアメリカも本気モードになってきている中で、洞爺湖サミットで「日本の本気」を証明できるのだろうか。

2007.12.18

COP13は、地球を救えるか

 新しく我が家の一員となったダイハツのミラは、エアコンONの状態でリッター17キロほど走っている。カミさんには、「CVTなので、加速後に一度スロットルを放し、その後は速度を維持することで、燃費向上が見込める」と説明したが、省エネ走行を心掛けているとは思えないので、まずますの燃費と考えられる。速度計にある瞬間燃費計を見ると、頻繁にリッター20キロメートルを超えることから、扱いに慣れてエンジンに当たりがついてくれば、もう少し燃費が改善されるかもしれない。ダイハツは、今日新たに発表されたタントと合わせて、ムーブとベストセラー車の三本立てで、軽を自動車トップの座を維持しようと考えているようだ。ダイハツ工業の箕浦輝幸社長は、2008年の世界販売は、07年実績見込み比8%増の105万9000台と、今年に続いて過去最高を更新するとともに初めて大台を突破する計画としているそうだが、妥当な線だろう。しかし、引き続きガソリンが150円台を続けるとなると、若者の自動車離れと合わせて、日本人の自動車離れが加速する可能性がある。二酸化炭素の排出削減には効果的だが、自動車業界としては、先行きに暗雲が立ち込めているといえよう。

 ところで、過日、バングラデシュのサイクロン被害が将来どこの国にも起こりうる災害だと述べたことがあった。同様な見解を示しているのが、12月15日の産経新聞に掲載された次の記事だ。

超大型サイクロンがバングラデシュ南西部を直撃してから15日で1カ月。3500人を超す犠牲者を出すなど、被害が拡大した背景には地球温暖化の影響も指摘されている。バングラデシュの現状は、将来の地球温暖化被害の縮図でもある。「わが国で起きていることが世界の他の地域で起きてもおかしくはないのだ」。ダッカ国立大元教授でバングラデシュ発展協会のカジ・コリクッツァマン会長(64)は、こう警告した。・・・南西部ボギボンドル村は、津波の被災地のような惨状だった。サイクロンが直撃した11月15日深夜、ベンガル湾の河口に近く川幅が広いボレスワル川から約6メートルの高波が押し寄せ、樹木や家屋が流された。・・・「あんなに大きなサイクロンは久しぶりじゃ。いや一番ひどかったかもな。最近、雨期の雨量も増えた…」。別の村の長老、アブドラ・ロティフさん(75)は首をひねった。 「異常気象に地球温暖化が関係しているのは間違いない」。今年、ノーベル平和賞を受賞した国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の主要メンバーでもあるコリクッツァマン会長は断言する。 気温の上昇で、海面からの蒸発も進み大気中の水蒸気量が増えるほか、サイクロンなどの熱帯低気圧は、上空で水蒸気が凝結する際の潜熱をエネルギー源とするからだ。・・・低地ゆえに地球温暖化に伴う海面上昇の影響が深刻なのは南太平洋の島国と同様だ。1メートル上昇すれば国土の18%が失われるとの試算もある。・・・

話は、変わるが、先週行われたホノルルマラソンは、7年ぶりの雨のレースだった。Imgp1395 スタートを待つ約1時間の間に体は、ずぶ濡れとなった。前日までの嵐といい、比較的天候の安定しているはずのこの時期としては、想定外の天候だったといえる。個人記録を計測するためのチップは、この雨の?影響でか、トラブルを起こし、30,000人のランナーのうちの8,000人近くが記録を計測できなかったと言われている。私たちの5人のグループ中でも2人が記録なしとなっている。電子機器は、湿気に弱いという弱点を露呈してしまったようだ。そんな訳で、温暖化による異常気象とは言い切れないが、後味の悪い今大会となってしまった。温暖化といえば、マラリアや熱帯地区に眠っていた未知の細菌による病気の発生が懸念されているが、エイズよりも恐ろしいとされるエボラ出血熱の発生が報告されている。ホノルルからの帰国の時に、成田でも検疫の掲示があったが、12月16日のロイター電によれば、

[ナイロビ 14日 ロイター] ウガンダの保健省は14日、これまでに同国で新種のエボラ出血熱に合計119人が感染し、そのうちの35人が死亡したことを明らかにした。 ・・・ウガンダでは2000年にエボラ出血熱が流行し、当時は425人が感染、その半数以上が死亡していた。

体中から血を噴き出して死亡する魔の伝染病が、これ以上広がらないことを祈らずにはいられない。「新種の・・・」という響きには、戦慄をも覚える。

 バリ島でのCOP13では、目標に「数字は盛り込むべきでない」などと強く反発した米国に「削減内容まで踏み込む必要はない」と同調した日本。長期目標の明記に難色を示し、先進国による削減を強調するよう求めた中国、インドをはじめとする途上国側の姿勢もいかがなものか。国どうしのエゴを前面に出した話し合いには、アルゴア氏も苦言をていしたらしい。会議に参加した国々の間では「世界中で地球温暖化や気候変動に対して一番消極的な対応をしているのが日本」であるのと風評が立っているという。洞爺湖サミットを控えて、前途は多難なようだ。まさか、ウルトラマンが現れて地球を救ってくれると思っているのではないでしょうねぇ。

2007.10.22

今冬も異常気象の可能性は高い

食糧・エネルギー・水・治安などの問題を前に凡夫である私は、つい悲観的なコメントを前回してしまった。「絶望は愚か者の結論なり」と言うのだそうだが、10月18日のCNETJapanの記事を見て、非凡な人間はやはり違うなぁと思った。そういえば、70年代から80年代にかけて、日本は各種の公害に蝕まれ、人類滅亡の時は近いと考えていた。しかし、21世紀になっても人類は滅亡せず、我が家の前の小川では、かつて姿を消したアメリカザリガニやナマズが今は、泳いでいる。あきらめないこと、常に前を向いて歩むことがやはり大切なのだろう。

マサチューセッツ州ケンブリッジ発--インターネット分野における伝説の技術者であるBill Joy氏が、インターネットより良い投資先を見つけたという。その良い投資先とはグリーン技術だ。Joy氏は・・・グリーン技術を調査している理由について講演した。・・・運輸業界や太陽エネルギー分野での大きな変化についても予測した。・・・Joy氏は、インターネット分野を「現在とんでもなくおかしなことになっている」と表現し、そういった分野への投資はいくつかの半導体企業を別にして避けているという。対照的に、地球温暖化という問題は差し迫っているため、エネルギー技術やグリーン技術への投資によって、イノベーションを生み出すための素晴らしいチャンスが与えられることになると、同氏は述べる。Joy氏は講演において・・・パニックを起こすことが適切となる時もあると述べたことがある。そして私は、問題の規模だけではなく、エネルギー利用がより効率的になっていくことでわれわれに与えられる経済的なチャンスのことも考えると、われわれはパニック状態になるべきだと考えている」と語った。 Joy氏は講演後のインタビューにおいて、エネルギー技術やグリーン技術には大きな可能性を秘めた技術的要素が存在しており、市場も巨大であるため、ベンチャー投資先として魅力的なものとなっていると述べている。 同氏は、グリーン技術がもたらす金銭的な見返りは大きいと確信している。なお、グリーン技術への投資は大幅に増えている。過去数年の間に、クリーンな技術を用いる複数の電力会社がマネジメントを必要とするまでに成長し、複数の太陽光発電会社が株式公開を果たしている。これに対して、バイオ燃料といった他の分野の成果はまちまちである。・・・バイオ燃料(植物から作られるエタノールのような燃料)には多額の投資資金が寄せられているが、Joy氏は「電気自動車がバイオ燃料を打ち負かす」と考えている。つまり、輸送会社と電力会社がより連携するようになるということだ。プラグインハイブリッド車における大きな悩みの種はバッテリである。しかし、Joy氏はこの点に関しても楽観的である。・・・「ガレージで充電するだけでよく、ガソリンスタンドで燃料補給する必要のない自動車が十分現実的なものとなるだろう」(Joy氏) Joy氏によれば、長距離走行には液体燃料用のタンクを備えることが可能になるだろうという。また同氏は、効率が40~50%の太陽電池パネルがバッテリ充電用として自動車に備えられるだろうとも予想している。同氏は「屋外駐車場がより価値あるものとなるかもしれない」と述べている。・・・KPCBは太陽熱と光電池の双方に投資している。しかし、Joy氏は最終的に光電池が勝つと考えている。・・・太陽電池パネルに最も広く使用されている、シリコンを原料としたセルの効率は約20%である。Joy氏の予測によると、素材技術の進歩によって、コストを抑えつつこの効率を向上させることができるという。・・・ 同氏は「長期的にみれば、光電池でより高い効率を達成する方がずっと簡単だ。現在は、高効率の光電池を製造するために、価格の高い高純度シリコン結晶を使用しているため、コストは非常に高くなっている」と述べている。

絶望的な将来予測の中にあってこれをチャンスと位置づけるその非凡さに、凡夫たる私は、ただただ頭が下がる思いだ。そういえば、22日の産経新聞に、

・・・世界銀行・国際通貨基金(IMF)の合同開発委員会が21日午後(日本時間22日未明)米ワシントンで開かれ、日本政府が途上国の森林破壊を防ぎ地球温暖化防止のために途上国を支援する「森林炭素パートナーシップ基金(森林ファンド)」に、3年間で最大1千万ドル(約11億4000万円)拠出する意向を表明した。 基金による資金援助や技術支援で森林保全を推進し、削減される二酸化炭素を「排出権」として購入し先進国に配分する仕組みだ。・・・基金には、オーストラリアが資金拠出を表明したほか、欧州各国も前向きな姿勢を示している。記者会見した遠藤乙彦財務副大臣は「気候変動対策をするうえで、森林保全は重要な分野だ」と資金拠出の理由を述べた

という記事があった。そう、森林保全はとても大切だ。10,000,000ドルはけして多すぎる金額ではない。YONHAPNEWSによれば、今冬も、激しい気候変動が続きそうだ

・・・気象庁がこのほど、第8回韓日中長期予報専門家合同会議を開き、2007年から2008年にかけてのエルニーニョ現象やラニーニャ現象の現況、今冬の見通しについて話し合った結果、東アジア地域の今冬の気温は全般的に平年と同じか高く・・・冬場には弱めのラニーニャに発達し、来年初めまで続くと予想した。
ラニーニャは東太平洋からエルニーニョとは逆に、平年より0.5度低い低水温現象が5か月以上続く異常海流現象を指し、世界各地で地域により長雨や日照り、寒さなどの影響を与える。専門家らは、ラニーニャの影響で今年の冬は天気の変動幅が大きくなり、異常気象現象が現れる可能性がとても高いと指摘・・・

だからこそ、あきらめず、できることをしていくしかない。その方法の一つは、やはり風力発電だろう。22日のフジサンケイビジネスアイによれば、

風力発電は最も優れた解決法 温暖化対策を各国にアピール 再生可能エネルギーとして世界的に注目を集める風力発電。欧州や北米に加え、アジアでも着実に導入が進んでいる。来日した世界風力エネルギー会議のアルソーロス・ゼルボス議長に、風力発電の将来展望などを聞いた。(今井裕治) --地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)をほとんど排出しない風力発電は、温暖対策の切り札となりますか 「地球温暖化問題を考えたとき、CO2の排出削減は避けては通れない課題です。世界に課せられたこの重い課題を克服するには、再生可能エネルギーの活用とエネルギー効率の向上が欠かせません。特に再生可能エネルギー分野では、小規模分散型電源であり、需要地に近い地域での展開が可能な風力発電が有効です」 --将来的な市場見通しは  「市場は2010年までに2倍になるとみています。06年時点で74ギガワットだった設備容量は10年に約150ギガワットに膨らむと予想しています。アジアのほか、北米で積極的な採用が続くためです。さらに長期的観点から言えば50年ごろには、世界のエネルギー需要のうち、20~30%を風力が担うとわれわれはみています --原子力発電を国家施策として推進する日本では普及が今ひとつ進んでいません  「政治的問題によるものです。政府が風力発電の採用に積極的なドイツやスペインなどでは、非常に盛んに取り入れられていますが、日本は風力発電への支援が積極的とはいえません。日本には特有の事情があるかもしれません。だが、現在、普及が進んでいないということは、今後伸びる可能性があるということです」 --風力発電は風の強弱で出力変動が大きいというデメリットを抱えています 「出力に変動があるのは事実です。大事なのは安定供給に向けシステムとしての運用が行えるかということに尽きます。仮にAという地域で風が止まっても、別のBやCで補うというシステム作りが大切になるわけです。こうした取り組みを進めれば安定供給が図れ、結果的に変動性という課題は克服できます」 --風力発電に過度に依存した場合、エネルギー政策上のリスクが大きいのでは 「われわれとしては、仮に世界のエネルギー需要の50%が風力発電となっても賄うことが可能とみています。システムとして管理すれば、何ら問題ありません」 --世界風力エネルギー会議として風力発電のいっそうの普及に向け、今後どのような取り組みを予定していますか 「まず気候変動に関する国際会議に参加し、各国政府に『風力発電が環境対応に最も優れた解決法』とアピールすることが大切です。・・・         ◇

【プロフィル】アルソーロス・ゼルボス 仏パリ大卒。1982年アテネ国立工科大学教授、00年ヨーロッパ再生可能エネルギー会議議長、05年から現職。55歳。ギリシア出身。

賢者は、あきらめない。子どもたちの未来のためにも・・・。

2007.10.21

飽食の時代の終焉

10月21日のJ-CASTニュースによれば、東京モーターショーもエコカーが主役だそうだ。その波に乗れずに過去にブレイクしたB-1のような奇抜さや巨大な入れ歯のようなフロントグリルや光物で豪華さを売る目先の商売では、自動車会社は生き残れないだろう。高級車を乗り回すことのできる人間も増えているが、大多数は、贅沢とは無縁の暮らしを強いられる時代が始まったのだから。

・・・フランクフルトモーターショーでは、低公害型ディーゼルエンジン車やハイブリッドカー、燃料電池車で環境技術を競ったが、「東京」もそれを踏襲しているようだ。・・・若者向けコンセプトカーやエコカーは、自動車メーカーを救うのだろうか。■「環境」と「若者」がキーワード・・・部品輸送をとっても、トラック輸送を控えて専用貨物列車「TOYOTA LONG PASS EXPRESS」を増便するなど、環境への配慮を徹底する。ある個人投資家は「トヨタのうまさというか、強さは徹底的にやること」と感心する。・・・炭素繊維強化プラスティックを採用した軽量カー「1/X」(エックス分の1)や、健康をテーマにした「RiN」を出展する。・・・「CR-Z」は小型のハイブリッド・スポーツカーと、これもエコ仕様。・・・マツダのコンセプトカーは「大気」。「空気の流れが目に見えるデザイン」がセールスポイント。ミニバンの「プレマシー」は水素でもガソリンでも走れるハイブリッドカーだ。三菱自動車はコンパクト電気自動車「アイミーブ スポーツ」。・・・
■原油高に輸送コストの高騰 「逆風」要因ちらほら・・・比較的好調だったはずの自動車業界に陰りが出てきたという。・・・サブプライム・ショックに伴う米国景気の減速懸念から、対米事業に不透明感が漂っていることが理由だという。・・・鋼材などの輸入コストや完成車の輸出コストが上昇している。これで円高が進行すれば、為替リスクの影響も見逃せない。なにより、いくら燃費のよい日本車といえども、「原油高がこれ以上進めば逆風に抗しきれない」・・・

数の少なくなった若者がどれだけ新車販売に貢献できるかわからない。しかし、前にも、触れたが、トヨタの1/Xの目の付けどころが凄い。すでに飽食の時代は自動車生産においても過去のものとなることを見抜いての提案だからだ。10月19日のレスポンスによれば、

トヨタ『1/X』は、劇的な省エネルギー・省資源を達成するためのクルマ作りのあり方を提案する、遠未来型のコンセプトカー。・・・メインコンセプトは車名に採用されている「X分の1」。現行『プリウス』をベンチマークとして、車両重量を3分の1、エンジンの排気量を3分の1、燃料消費量を2分の1、ロードノイズを2分の1…と、今のクルマのネガティブな要素を一気に半分以下にするという大胆な試みだ。最大のキーポイントは車両重量をプリウス比で3分の1、すなわち400kg台にすること。ボディが軽量化されれば、パワーユニットも小型ですみ、タイヤも細いもので事足りるため走行抵抗や騒音も減るという発想だ。・・・ボディフレームは有効な軽量化技術として注目されているCFRP(カーボンコンポジット材)製。パワーユニットはFFV(様々な混合比率のバイオエタノール入りガソリンに対応するクルマ、100%バイオエタノールも可)エンジンに2モーター式の次世代THSを組み合わせ、さらに外部電源による充電も可能としたプラグインハイブリッド。・・・「BRICsなど新興国でクルマの需要が激増していることを考えると、旧来のクルマの価値観、技術を発展拡大させるクルマ作りでは、モータリゼーションは早晩破綻してしまう。劇的な省エネルギー、省資源を果たすため、20年かけてでも『1/X』のコンセプトを継続して追求していきたい」・・・

とある。このような虚飾を捨てた取り組みは、早晩、日本を覆うことになる食糧危機とダブらせて考えることで、より明確なものとなるだろう。食料自給率が3割しかない日本が、遠くない将来に世界の食料取引に負け、食べるものも食べられるものも限定されてくることは、明らかだ。10月20日の日刊ゲンダイによれば、

こりゃ、ヒドイ時代になってきた。・・・第一生命経済研究所の永浜利広氏の試算によると、食料品の家計負担増は6791円で、エンゲル係数は23.5%に迫る勢いだ。家計は食料品の数量を減らしたり、レジャーを切り詰めていて、名目GDPは9515億円も下がるとしている。 しかし、こんなもんは序の口だ。食料品の本格値上げラッシュはこれからだからだ。「食料品値上げの要因には、(1)バイオ燃料の需要拡大による穀物価格の上昇(2)新興大国の食料需要の増大(3)円安による輸入金額の上昇(4)原油高による輸送コスト拡大(5)異常気象による農作物の不作――などがあげられます。企業はリストラやコストカットで耐えてきたが、ついに価格転嫁に踏み切らざるを得なくなり、一部企業が値上げに動いた。多くの企業はまだですから、値上げラッシュはこれからです。今後、食料品が下がることはないだろうし、これに公的年金などの社会保障負担増がのしかかる。1、2年後には消費税アップも考えられる。・・・」(永浜利広氏) 永浜氏の試算は、食料品の値上げを0.8%増ではじいているが、すでにカップヌードルは155→170円(10%高)、森永スキムミルクは310→350円(13%高)というレベルでの値上げが始まっている。「小麦粉が上がれば、カップラーメンが上がる。穀物が上がれば、エサ代がかさむ畜産業も打撃を受け、肉や乳製品が上がる。中国人が刺し身を食べだしたことで、魚や缶詰も上がる。コーヒー豆やオレンジジュースも上がっていく。すでにマヨネーズは11.9%も上がっているし、小麦粉や牛肉、油を使うコロッケは9.7%アップです。それでも企業はコストの一部しか価格に転嫁していません」(永浜利広氏)
 今後、食料品は20%、30%と上がっていくかもしれないのだ。これに、ガソリン、タクシーや首都高の値上げが重なる。こうなると、サイフの口をぎゅっと締めざるをえないから、景気はどんどん悪化し、サラリーマンの給料はさらに下がる。ついでに言うと、土地バブルもはじける寸前。こりゃダメだ。

飽食の時代の終焉は近いのだろう。これに異常気象による災害の勃発。橋や道路、防波堤などの老朽化が追い打ちをかける。レクサスに乗れる一部の人間は例外だが、ほとんどの人間が「1/X」を余儀なくされる時代が始まった。eagledownさんは、2007年が地球の気象の上で特筆すべき年として記憶されるとしたが、生活や経済からも贅沢が過去のものとなる特筆すべき年になるのではないか。バイオエタノールは、地球を救おうとして、人類の不幸を早めるという皮肉な結果をもたらした。地球温暖化は人にも国家にも大きな格差を生み出し、紛争を招くだろう。バイオエタノールは、人類を取り巻く火に注がれた油となっている。そういう意味でもアルゴア氏やIPCCがノーベル平和賞を受けたのは、まさに正解であった。このごろ、「地球温暖化阻止」とか「「地球温暖化をストップ」といった言葉が、専門家の話から消えているのが気になる。彼らの多くは、「地球温暖化を緩和・・・」といった表現をとることが多くなっているのだ。もう止めることができない「地球温暖化」とそれがもたらす人類史上最大の悲劇。ノーベル平和賞は、もしかしたら遅すぎたのかもしれない。

2007.10.13

IPCC・アルゴア氏ノーベル平和賞受賞

10月13日の読売新聞によれば、

地球温暖化に警告を発する科学者集団と、その警告を真正面から受け止めた政治家――。前米国副大統領のアル・ゴア氏と、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がノーベル平和賞を受賞・・・頻発する異常気象や災害によって、人々が温暖化を身近な脅威と意識するようになったためだ。 IPCC設立時から参加していた国立環境研究所の西岡秀三参与は「科学的事実に基づいて気候変動について警告し、これを政策に結びつけてきた大きな仕事が認められた」と喜ぶ。ただし、干ばつや熱波などがしばしば発生し、地球温暖化が現実のものになりつつあることについては、「もっと早くから強力に警告を発するべきだったとの反省はある。今回の受賞が、世界全体が低炭素社会に向けて行動するきっかけになればいい」と訴える

アルゴア氏には、様々な敵がいるらしく、私生活における批判や「不都合な真実」に対するバッシングなどが渦巻いていた。つい先日も、イギリスの裁判所による「不都合な真実」への批判的な裁定が下ったとの記事が踊っていた。12日の読売新聞によれば、

・・・11日付の英各紙によると、同国高等法院は10日、ゴア前米副大統領が出演した地球温暖化を警告する映画「不都合な真実」に科学的な誤りがあるとして、学校で上映する際には適切な説明を加えるよう求めた。 同法院は(1)映画で「近い将来、氷が解けて海抜は最大20フィート上昇する」とされているが、これは数千年ないしもっと後の話(2)「キリマンジャロの雪が解けたのは、地球温暖化による」とあるが、科学的に断定できない-など9つの誤りを指摘。学校での上映禁止要求は退けたものの、上映の際には生徒に対し「偏りがある」ことを注意喚起するよう促した。

とのことだ。確かに、不確定で因果関係が明瞭でないことは現在の自然現象には多い。だが、むしろ、この裁定のように海面上昇のことをずっと後のことと断定することこそ危険だということを心しておいた方が良い。実際、数十年先に起こるとされていた異常気象や北極海の氷の減少が前倒しで出現しているからだ。キリマンジャロの雪にしても、断定はできないものの、違うと断定することもできない。たとえば、12日の毎日新聞が、取り上げた富士山の永久凍土の現状も相関を疑いたくなる現象だからだ。

県は今夏から、6年ぶりに富士山頂の自然環境調査を始めた。99~01年の調査では高層にある永久凍土の範囲が縮小し、約25年前と比べて平均300メートルほど下限の標高が上がっていることが確認された。地球温暖化の影響とみられ、県は「温暖化が進んだ今回、どこまで下限が上がっているか注目したい。またコケ以外の高等植物が山頂に進出しているという情報もあり確認したい」と話している。【稲生陽】・・・前回の調査では山地などで見られるヤノウエノアカゴケが、窒素を供給する藻類と共存して生息していることが確認された。同コケと藻類の共存はそれまで南極でしか確認されておらず、富士山が世界的にも希少な環境であることが裏付けられた。・・・76年には標高3200メートルほどだった永久凍土の下限は、99年8月には3500メートルまで上昇。3776メートルの頂上まで残りわずかとなった。一方で今夏、標高2500メートルまでしか生息しなかったイネ科植物が山頂付近にまで進出しているという情報も寄せられた。 これらは地球温暖化が影響しているとみられる。極地研によると・・・厳冬期の1~2月は1度以上も上がっており、冬に凍土を固める力が弱まっているとみられる。さらにここ数年は夏期の気温も平年以上の値が続いている。・・・

とにもかくにも、地球温暖化阻止は、幾多の批判を跳ね返して多くの人々に認知され、世界的な問題となった。気候変動は、治安を含めて世界平和にも影響する。かの人類最大の建造物「万里の長城」は、気候変動(寒冷化)によって南下を余儀なくされた北方騎馬民族に対抗するために作られたとする説もある。地球温暖化による悪弊が認知された現在、一刻も早く具体的で効果的な施策が求められる。そういう意味で、この受賞が地球温暖化と人類との戦いが、始まった号砲と言うことになるのだろう。

2007.10.11

エコ技術もうひとつの回答

 環境改善のために新技術の開発が進んでいる。しかし、それとは別のもうひとつの回答もある。それは、効率化だ。既存の技術を磨いてより効率的な道具を作り、使うことで放出される二酸化炭素等々の環境負荷を減らせるということだ。昔、夢の超特急といわれた世界に冠たる日本の超特急・新幹線は、既存の技術を究極まで磨くことで超高速と安全を両立させたことは有名だ。

 太陽光発電を例にとれば、太陽電池で発電されたものを交流電流に変換する装置の効率化がある。10月8日のフジサンケイビジネスアイに載った記事は、このパワーコンディショナーの高効率化技術に関するものであった。とかく発電用の太陽電池に目が行きがちだが、実は、このパワコンは、非常に高価で減価償却を考えた時には、パワコンの容量と太陽電池のバランスを考えることが肝要となる。

三菱電機は、太陽電池が発電する直流電力を交流電力に変換する住宅用の太陽光発電システム向けパワーコンディショナーを来年1月9日から発売する。「階調制御インバーター方式」の採用により、業界最高の電力変換効率を達成したのが特徴。・・・(希望小売価格36万7500円)。来年4月4日には「同PV-PN55G」(同52万5000円)も発売予定。 太陽光発電システムは、二酸化炭素(CO2)排出削減の有効な対策として導入が進んでいる。同システムの利用効率向上のためには、パワーコンディショナーの電力変換効率を高める必用もある。こうした要請をうけて開発したパワーコンディショナーは、階調制御インバーター方式を採用することで、電力変換時の損失を従来比44%低減することに成功。これにより、97・5%という高い電力変換効を達成することができた。・・・電力変換時の損失により発生する熱が大幅に低減したことで、放熱用の空気流入口が不要となり、耐湿性能の向上によって従来設置できなかった脱衣室、洗面所への設置も可能という。

太陽電池のパネルが30年以上の耐久性をうたっているのに対してこのパワコンは、多くの場合10年しか保証がない。我が家の例でいうとメンテナンスフリーで実に簡便な環境施設の太陽光発電の中で、故障の出現が多い場所だといえる。実際、すでに2回の無償交換がなされたことからも、もっと注目すべき部品なのだ。そして、この部分の効率アップは、現在のシリコンを使用した発電用のパネル性能が限界に近づいているため、システム全体の効率を大きくジャンプアップさせることになるだろう。10月10日のNEWSWIREはホンダの次世代太陽電池を取り上げているが、シリコンのそれと価格出力共に大きなアドバンテージはない。ホンダは、より魅力的な製品にするためにもう少しこの新技術に磨きをかける必要があるだろう。

Tokyo, Japan, Oct 10, 2007 - (JCN Newswire) - Honda(TSE:7267)は、10月22日(月)より、年産能力27.5メガワット規模のホンダソルテックの工場で生産される次世代型薄膜太陽電池の全国販売を開始する。これに先立ち、10月10日(水)から12日(金)まで幕張メッセ(国際展示場、国際会議場)で開催される「第2回新エネルギー世界展示会」*に、昨年に続きHondaの太陽電池を出展する。Hondaが出展する独自開発した薄膜太陽電池は、銅-インジウム-ガリウム-セレン(CIGS)の化合物を素材とした薄膜で形成されており、製造時から環境に優しい太陽電池である。・・・Hondaは2006年に発表した、全世界での製品および生産活動における「2010年CO2低減目標」への取り組みに加え、コージェネレーションユニットや薄膜太陽電池など、エネルギー創出製品の展開にも力を入れ、地球温暖化防止に向けた取り組みをさらに加速させていく。* 再生可能エネルギー協議会が主催し、新エネルギー・再生可能エネルギー全分野を網羅する国際展示会・カンファレンスで、今回は「地球環境保全に貢献するエネルギーが新たな社会・新たな産業を広げる」をテーマとしている。
-   太陽電池モジュール諸元
セルの種類 : CIGS
最大出力(W) : 125 *
外形寸法(mm)幅×奥行×高さ : 1,417×791×37
質量(kg) : 14.3
希望小売価格 : 60,375円(税込み価格)
(税抜き価格:57,500円)
・・・

自動車も、効率化をないがしろにして新技術にのみ走るべきではないと考える。東京モーターショーは、フランクフルト以上に環境車の展示競争の場となっているが、ダイハツのCVTその他を使用した市販される最高燃費のガソリン車であるミラの延長上にあるような、次の車に私は、注目した。10月10日のレスポンスから配信されている、次の記事に出てくる車だ。

・・・『ソニカ』(市販車)にシルエットがよく似ているものの、ダイハツ『HSC』(Heart&Smile Concept)の狙いはソニカと異なり、もっとも注目すべきは、環境性能である。実現した燃費は、ガソリン1リットルあたり33km。いわゆる「3リッターカー(100kmを走る燃料が3リットル)」だ。燃費のための仕掛けは、フリクション低減と燃焼効率向上、そして圧縮比アップなどの改良を施したエンジンと、メカニカルロスを低減したCVT、アイドルストップシステムの採用など地道な努力。ハイブリッドなどの“飛び道具”なしに高燃費を実現しているのである。また、ボディはCd値0.28という優れた空力を実現しながらも、4人がしっかり座れる広い空間を確保しているパッケージングがポイントだ。・・・このHSCに使われている、軽量でありながら優れたエネルギー吸収効率を発揮するストレートフレームなどは、今後のダイハツの新型車に採用されると見ていいだろう。

マツダの新型デミオも、肥満した旧型を100kg以上も軽量化して高効率エンジンとCVTで良好な燃費を実現している。魅力的な外観とあいまって、セールスでもなかなか好調なようだ。車にとって、軽量化は地味だが実に効果的なのだ。10月11日のフジサンケイビジネスアイの記事には、この軽量化のメリットが多角的に紹介されている。

 ■トヨタ…重さ3分の1 日産…「超」豪華仕様
 ・・・各社とも、ハイブリッド車や燃料電池車、電気自動車などの環境対応車に力を入れており、2年前の前回開催よりさらに“環境モーターショー”の色合いがさらに強まりそうだ。 トヨタ自動車が10日発表した参考出展車の目玉は、ハイブリッド車「プリウス」の約3分の1となる420キログラムを実現した環境対応車「1/X(エックス分の1)」。「あらゆる環境負荷をX分の1に減らす」との意味が込められており、骨格に軽くて耐久性に優れた「炭素繊維強化プラスチック」を採用した。 開発担当者は「道路の劣化を防ぐ効果があるほか、高架道路や立体駐車場の強度も現在より低減できる」と、燃費向上だけにはとどまらないメリットを強調する。家庭用電源から充電できる「プラグインハイブリッド車」を想定し、代替燃料のバイオエタノールも使用できるようにする。・・・日産自動車も10日、座席や照明などを「超」豪華仕様にした「Intima(インティマ)」などの参考出展車を発表・・・

日産の「超豪華仕様」との記述には、日産の企業としての混迷の深さを禁じ得ないが、レクサスという狂気の傍らに1/Xをも作り出すトヨタの戦略とその将来を見る目の確かさには敬服するしかない。そういえば、工場見学用にトヨタが用意した子供用の冊子は、50数ページある中の30数ページを環境技術に割いている。トヨタの先見性とブレのない動きはますます凄味が増している。

既存技術のブラッシュアップによる高効率化。新技術の開発と両輪で地球を救ってほしいものだ。

2007.08.14

暑い!それにしても異常な夏

今夏は、猛暑か冷夏かという議論が続いていたが、答えは、「極端」で落ち着きそうだ。7月は記録的な日照不足による冷夏傾向。8月は、猛暑日の続く酷暑傾向。この暑さで電力事情は綱渡り状態。各所で火災報知器が誤作動と続いている。13日の産経新聞は、8月の暑さを次のように伝えている。

・・・気象庁によると、8月1~12日の平均気温は、北陸と東北南部で平年より1.9度、関東・甲信で1.5度も高く、いずれも過去3番目の暑さ。・・・20日以降も気温は平年並みかやや高めに推移する見通しで、記録的な「暑い夏」になる可能性も出てきた。 猛暑の原因の1つは、南米ペルー沖の海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」。ラニーニャが発生すると、フィリピン付近の海水温が上昇し、対流活動が活発化して太平洋高気圧が発達しやすくなる。今年は7月までラニーニャの日本への影響が変則的で、全国的に梅雨明けが遅れたが、関東・甲信以北で梅雨が明けた8月1日ごろからは高い潜在能力を発揮。平年より勢力が強まった太平洋高気圧が全国的な猛暑をもたらしている-というわけだ。 南の海上から高温の空気が日本列島に運ばれ、好天で地表も強い日差しで熱せられる。都市部では道路やビルが高温になるヒートアイランド現象で気温上昇に拍車がかかり、熱がたまっている状況になっている。 気象庁によると、少なくとも盆休みの間は東日本、西日本とも晴天が続き、猛暑がおさまることはなさそうだ。 猛暑の日本列島だけでなく、地球規模でみても今年は異常高温や豪雨などの極端な気候が多発している。国連の世界気候機関(WMO)がまとめた今年1~7月の異常気象報告によると、1月の平均気温は平年より1.83度、4月は1.37度も高く1880年の記録開始以来、最も高温となった。 ブルガリアでは7月23日に史上最高の45度を記録。オランダでは1月の平均気温が平年より7.1度も高い暖冬となった。一方、南アフリカでは26年ぶりにまとまった雪を観測、南米のアルゼンチン、チリでは氷点下20度前後まで気温が下がるなど、南半球では記録的な寒い冬になった。 アジアでは6、7月にインド、パキスタン、中国などで豪雨災害が発生した。WMOでは、地球温暖化に伴い、豪雨や熱波など異常気象の多発傾向が加速する可能性が高い、としている。

そのためか、投資家たちも環境関連株に殺到しているようだ。10日のロイター電によると

環境関連テーマの投信に注目が集まっている。今年6月から設定が相次ぎ、2007年1月─8月末だけで計14本の投信が設定される予定だ。当初の設定額が上位に食い込む人気ファンドも登場、ブームの兆しが出ている。背景には、猛暑が示すような異常気象の増加で、投資家の中に地球環境への関心が高まっていることがありそうだ。投信業界の中からも「地球温暖化は21世紀最大のテーマであり、そこには大きなビジネスチャンスがある」(UBSグローバル・アセット・マネジメント)との声が出ている。・・・大和証券投資信託委託の「地球環境株・外債バランス・ファンド(愛称:地球くん)」と「地球環境株ファンド」、国際投信投資顧問の「地球温暖化対策株式オープン(愛称:地球愛)」と「温暖化対策株式オープン(愛称:グリーン・プラネット)」と続く。 いずれも投資対象は海外株式で、新興国が投資対象に含まれているファンドもある。代替エネルギー関連でブラジルのバイオ燃料や技術が注目されるように、環境関連で革新的な技術を持つ企業が、新興国にも数多く存在するからだ。・・・ 環境関連投信といっても投資テーマは様々。ファンド名にあるとおり、「水」や「資源・エネルギー」「食糧」「アグリビジネス」「温暖化防止」など範囲は広い。運用側からも「投資先として今後成長性の高い分野に焦点をあてると、エネルギーや資源関連といった環境絡みや、新興諸国の経済成長絡みのものが多くなる」(国内投信)という。 最近の新規設定ファンドの傾向として、海外資産への投資が多くならざるを得ない理由がここにあるが、個人投資家の間では、水や資源、エネルギーから連想するものに公益株のイメージがあり、一部には「環境関連は永遠のテーマ。投資していて安心感がある」(主婦、52歳)との声も聞かれた。

沖縄では、ここのところの豪雨で大変な被害を受けている。しかし、沖縄だけではない。猛暑で燃えるような日本列島の上で北朝鮮は、首都平壌中心に大変なことになっている。13日の毎日新聞によると、

北朝鮮の西海岸地域を中心に8月6日から豪雨が続き、平壌を含む全国各地で洪水などの被害が拡大している。「朝鮮新報」が13日、報じた。北朝鮮の気象関係者は「1967年の洪水に匹敵する降水量」と指摘。朝鮮中央通信は黄海北道や平安南道、江原道などでの農地の水没や道路、住宅の破壊などを伝えている。

北朝鮮は、アジアでも最も地球温暖化が原因の被害が顕著な地域として報道されたことがあるが、依然としてその傾向があるようだ。

夏についての予報で、「冷夏か猛暑」かといった報道がなされたとき、漠然と抱いていたそれらが混在する「極端」な夏という思いがあったが、口には出せなかった。当たると嫌だなという思いがあったからだ。この秋はどうだろうか。今、アメリカも平年に比べてハリケーンの発生数が少ないという日本と同じ状態にある。今、フィリピンをはじめ南海の水温は非常に高い状態にある。ダイビングを経験した者ならわかるが、海水温は一シーズン遅れてくる。夏の今の海水温は「春」である。秋になると海は「夏」になる。つまり、一年で一番海水の温度が高いのが秋なのだ。その海水温が平年になく高いということは、秋になった時に大気と海水温の差が非常に大きくなることを意味している。アメリカの気象学者の中には、今秋、巨大化したハリケーンがアメリカを襲うと予想している者もいる。日本では、そこまでの予想は現時点ではだれからも出していない。ここが、彼我の違いか・・・。日本でも、海水温と大気温の差が大きく広がっている現実があり、これは、7月最大台風の4号と似た状況である。秋になって大気が冷め、海水温が高いという温度差が広がった状況は、最大級の台風が発生するお膳立てといえよう。それが、秋雨前線に乗って日本列島を襲うとその被害は、4号を上回ることも考えられる。関東直撃をしなかった4号と同じく、日本の心臓を避けるという奇跡は、今後何回あるのだろうか。2人の子供を東京におく父親としては、非常に気がかりである。こんな最悪予想は、当たってほしくないものだが・・・・。おっと、4号の進路被害を言い当ててしまった時もこんなことをつぶやいていたなぁF(^_^;

2007.07.16

地球温暖化による巨大台風誕生のメカニズム

Imgp02367月としては、史上最強の台風だったとされる4号は、多くの災害を残した。静岡の木製橋としては、世界最長といわれる蓬莱橋も流された。 15日の産経新聞によれば、台風4号は、これまでの台風とはずいぶん違っているらしい。

台風4号は7月としては過去に例のない強さで九州に上陸した。気象庁は、日本の南の海面水温が平年より高く、台風が発達しやすい状況だったことが要因と指摘。世界的な異常気象を引き起こすとされる南米ペルー沖の「ラニーニャ現象」の影響もあるとしている。・・・風速15メートル以上の強風域が直径1000キロ以上に広がり、大型化した。それが太平洋高気圧の縁を回るように北上していった。 一般に台風は海面水温28度以上の海域で発達する。今回はフィリピン沖から沖縄本島近くの北緯25度辺りまで30度以上の海域が広がっていた。これは平年よりも1~2度高い。4号は上昇気流が発達しやすいこうした暖かい海域を通りながら、大量に供給されてくる高温の水蒸気をエネルギー源として、急速に発達した。 ラニーニャは4月ごろ発生。同現象が起きると、太平洋赤道海域を吹く東風の貿易風が強まり、暖かい海水が西に吹き寄せられるため、同海域東側のペルー沖では海面水温が下がるが、西側のフィリピン近海などは逆に上がるという。 台風は一般に中心気圧が低いほど強い。4号は、鹿児島県の大隅半島に上陸した時点で945ヘクトパスカル。これまで7月に上陸した台風で最強だった昭和45年7月、紀伊半島南部に上陸した台風2号の955ヘクトパスカルを塗り替えた。昭和26年に同庁が記録を取り始めて以後、台風全体でも10位タイの強さだった。

台風の巨大化に地球温暖化が影響していることは、これまでにも述べてきたが、16日の産経新聞は次のようにまとめている。

7月の台風としては最強の勢力で日本列島を縦断し、各地に大雨をもたらした台風4号。この時期に日本を直撃する台風は珍しく、太平洋高気圧の勢力が弱いことが背景にあったようだ。今年は台風の上陸が多くなるのか。気象庁は「予想がつかない」としているが、専門家は「大きな被害をもたらす台風は近年、増加傾向にある」と指摘・・・ 梅雨前線は、北から冷たく湿った空気を運び込むオホーツク海高気圧と、太平洋高気圧が押し合うことで生まれる。太平洋高気圧は徐々に勢力を強め、オホーツク海高気圧を押し上げて梅雨明けに向かうが、今年は太平洋高気圧の相対的な勢力が平年より弱い。このため、台風4号は7月の平均コースよりも低緯度の経路を進んだらしい。 今年の台風発生数は4個(15日現在)。平年は7月までに8・6個、年間で26・7個発生しており、今年はやや少ないペース。本格的な台風シーズンはこれからで、民間の気象情報会社「ウェザーニューズ」は「今年は平年並みか少なめ」と予想している。・・・高橋日出男教授(気候学)は「最近、大きな被害をもたらす台風が増加傾向にある。地球温暖化で海面からの水の蒸発が増え、上空に蓄えられる水蒸気が増えており、台風はそのエネルギーを使って発達しているのではないか」と話している。

台風の発生数は減り、その規模は巨大化する。それに対して、予報はあまりに遅く、不正確だ。海水温の高さや梅雨前線の位置、天気図などから、4号発生直後の10日に私は、4号の動きを予想した。関東直撃こそなかったが、ほぼ想定どおりの展開にわれながら驚いたが、優秀なプロ集団の行った気象庁の予報は、素人の私の予想に比べて遅く、不正確であった。静岡中部南では、15日の昼近くに相次いで暴風や大雨に関する警報が出されたが、明け方までに豪雨は通り過ぎていたため、まばゆい陽光に包まれた青空とほぼ無風 下での警報となってしまった。その日のブログの話題は、台風予報への不満で埋まっていた。レーダーを見れば、雨は通り過ぎているのは一目瞭然であったのに、警報が出され、解除されないというのはまったく不可解であった。何より外に出れば、空は青く、無風であったから近所の多くの人が狐につままれたような顔をしていた。ここに、「パソコンに頼り、空を見ない」といわれる、予報システムに頼ったりその影響力の大きさからミスを恐れ、責任を回避しようとする意識が働いていたりするとしたら、今後予想される異常気象の頻発に対処できなくなるのではないか。その結果が、3月の静岡気象台入力ミスによる桜の開花宣言・6月の梅雨前線なき入梅宣言・本州を縦断する史上まれな巨大台風を1週間前に予見できない・快晴下の大雨・暴風警報発令といった問題につながっているのではないか。もっと正確な予報をする有料の機関があり、気象庁は、無料だから精度が低くても問題ないと豪語する人もいる。しかし、これからの大災害時代に私たちが頼りにできるのは、気象庁しかない。気象庁は、社保庁と同じだという声も聞こえる。ぜひ汚名を晴らし、一人でも多くの人々を災害から守ってほしいと切に願うばかりだ。このあたりの経緯は、7月10日の本ブログ「梅雨前線活発化・・・災害の予感」周辺のコメントを見ていただく方がいいかもしれない。F(^_^;

なにはともあれ、がんばれ気象庁!国民の生命財産の保全は気象庁の予報精度の向上に直結している。温暖化が進む未来にこそ気象庁の役割は計り知れない!

2007.07.10

梅雨前線活発化に台風4号接近・・・災害の予感

今日は、我が家のある静岡県中部南に集中的な豪雨があった。長時間ではないものの前が見えなくなるほどの大粒の雨が滝のように降り注いだ。九州では、ずっと梅雨前線が居座って雨を降らせ、ただでさえ被害が出ているというのに台風4号が接近している。お隣の中国の北部の旱魃と南部の洪水もひどいらしい。7月10日のRecoad Chinaによると

2007年7月9日、中国南部では激しい雨と洪水が続いている。民政部が発表した9日午後4時時点での統計によると、被災者数は7省市の2783万人と前日から1000万人もの大幅な増加を記録した。101人が死亡、26人が行方不明となった。78万人が避難している。農地も213万haが被害を受けた。前日と比べ、被災面積は80万ha以上も急増している。収穫が絶望視される面積は35万haと前日の倍以上にまで急増した。直接的な損失額は69億元(約1100億円)と推定されている。今次の災害は6月28日以来、中国南方で降り続く豪雨によるもの。・・・

ということだから、その規模は大変なものだ。日本でも九州に長雨をもたらしている梅雨前線が活発化している。7月9日の西日本新聞は、今回の豪雨についてこう語っている。

空梅雨が一転、7月に入って記録的豪雨になった九州。この気象の急転について専門家は、南米ペルー沖で海面水温が下がり、世界各地に異常気象をもたらすとされる「ラニーニャ現象」が引き金と分析している。九州上空は8日も、梅雨前線に沿ってだんごのように幾つもの積乱雲が並ぶ「メソβ(ベータ)降水系」と呼ばれる気象状態になっており、49人の死者・行方不明者を出した1993年の「8、6鹿児島豪雨災害」時と酷似しているという。 今回の九州豪雨とラニーニャ現象の関係を指摘するのは、九州大大学院理学研究院の守田治・准教授(気象力学)。気象庁によると、ラニーニャ現象は遅くとも5月から発生。ペルー沖の太平洋東部赤道域で海面水温が下がる一方、インドネシア近海など太平洋赤道海域西側で海面水温が上がるため、平年に比べて太平洋高気圧の勢力が強くなる。 その結果「高気圧周辺を吹く風も強くなり、湿った南西の風が九州に吹き込んで、梅雨前線の動きが活発化している」と守田准教授。 7月に入っての九州上空の気象状態について、守田准教授は「東西に延びる梅雨前線に沿って、円形などさまざまな形の真っ白な積乱雲が並ぶ『メソβ降水系』が形成され、そこを中心に豪雨になっている。鹿児島豪雨のときはラニーニャではなく別の要因によるものだったが、上空の状態は当時と今年とはそっくりだ」と分析する。・・・ 統計でも、ラニーニャが発生すると梅雨前線は活発になる。守田准教授は「今後も梅雨明けまでは短時間に80‐100ミリの豪雨が発生しやすい。いつもの梅雨よりも怖い」と話す。・・・

そこに現れた台風4号だが、フィリピン周辺の30度近いという海水からエネルギーを得て、瞬く間に大きく強い台風になってきている。本ブログは、天気予報を行うものではないため、正確な情報は、気象庁に頼るしかないが、最悪のシナリオについて考えることはできる。

その最悪のシナリオとは、現時点では、まだ中心気圧もさほど低くはない台風4号が、この後、940ヘクトパスカルを下回り、900ヘクトパスカルに近づくような大きく強い台風になる可能性は、海水温からみて低くない。しかも、これまでも大雨で地盤の緩んでいる九州地方だけでなく、梅雨前線に沿って進路を北から東に向けることも考えられる。すると最悪、本州縦断コースとなる。湿った風をいっぱいに含んだ台風は、梅雨前線を刺激して各地に集中豪雨をもたらす。もしかすると中部や関東までも今週末にかけて大雨となる。特に、風の向きが太平洋側に変わりつつあることから、太平洋の湿度の高い風が本州の山々にぶつかって豪雨をもたらす。台風の進路や周辺では、竜巻の発生も考えられる。そういえば、昔の七夕豪雨と同じような状況ができあがりつつあるような・・・。

この予想(予報ではない)が外れてくれることを願うしかないが、地球温暖化によって、気象は予報の枠を超えて変化が激しくなってきている。船舶はもとより、気象の急変に十分注意してほしいものだ。この春先のように、週末の山での遭難が心配である。ニューヨークでは、9日に35度の猛暑。南欧では、イタリアが2世紀ぶりの猛暑でギリシャでは、46度という殺人的な気温が観測され、40人を超える死者に山火事も頻発しているという。何があってもおかしくない、そんな優しくない気象に驚かないようになってきている自分が恐ろしくもある。


2007.07.09

続く温暖化の脅威

世界各地でライブアースコンサートが開かれ、盛況だったそうだ。地球温暖化についての関心は十分に高まってきているので、ぜひその収益でなんらかのアクションを期待したいものだ。さて、そうこうしている内にも温暖化による脅威が我々を脅かしているようだ。6月29日のフリーマガジンR25は、ICPPのレポートの内容を次のように伝えている。

・・・IPCCとは、intergovernmental Panel on Climate Changeの略で、訳せば「気候変動に関する政府間パネル」のこと。地球温暖化についての科学的なデータや知見の収集・分析のために設立された国連の組織だ。・・・6年ぶりとなる第4次報告書の中身が、ほぼ確定した。では、今回の報告書には何が書かれているのだろうか。IPCC国内連絡会の座長代理の石谷久・慶應義塾大学大学院教授に聞いた。「これまで“温暖化は起きていない”とか、“人間の行為が原因ではない”と温暖化を否定する研究者もいました。前回の報告書では、温暖化の原因は人為による温室効果ガスの可能性が高い、とされていましたが、今回の報告書ではほぼ断定。“2080年代までに海面上昇で、毎年の洪水被害人口が追加的に数百万人増える”といった今後の影響も予測しており、対策としては、排出権、炭素税導入などによるCO2排出抑制をすれば、GDPが1~5%ほど低くなったとしても、温暖化による被害よりもはるかにコストは低いと推測しています」・・・「個人にできることは、温暖化を意識し、エネルギー消費の意味を理解して省エネを心掛けることでしょうね」(同)・・・少しでも省エネを意識する。企業もエコ商品の開発などの取り組みを始めている。一人ひとりができることは小さいけど、その積み重ねが環境問題には大事なのだ。・・・

また、7月1日の毎日新聞は、NPO法人くまもと温暖化対策センター(宮原美智子理事長)の総会の内容を次のように伝えている。

・・・県立大で大気中の粒子や気象を研究している張代洲・准教授による基調講演「黄砂と気候変動」・・・によると、九州では5月下旬まで観測された黄砂は中国・北京の西北約100キロの干上がった湖から飛来している。北京市内では視界が200メートル程度まで落ちることもあり、黄砂飛来後にぜんそくなど呼吸器系の問題を訴える人の増加も報告されているという。 一方で、砂漠周辺の植林活動については「木は限界まで根を伸ばして地表近くの地下水を吸い尽くし、その後枯れる。長期的には意味がない」と疑問を呈した。また「黄砂に鳥インフルエンザウイルスなどの微生物が付着して日本に飛来している可能性もある」と指摘、観察法の開発を進める考えを明らかにした・・・

温暖化に砂漠化、ひいては鳥インフルエンザまでもが気候変動に関係があることになる。7月2日の毎日新聞は、夜光雲の発生を次のように伝えている。

・・・米航空宇宙局(NASA)は28日、北極上空の中間圏内(高度約80~90キロ)に浮かび、日の出前や日没後に光って見える「夜光雲」の写真を公表した。夜光雲は近年、観測頻度の増加やハンガリーなど観測地点の低緯度域への進出が目立っており、地球温暖化との関連を指摘する研究者もいる。 NASAは今年4月、夜光雲の組成や形成条件などを精密に調査するため「AIM衛星」を打ち上げ観測を行っている。 19世紀後半ごろから観測され始めた夜光雲は、主に高緯度地方の夏に発生。非常に高層にあるため、太陽が地平線下にあっても太陽光を受け輝いて見える。中間圏の温度は地上の温度と反比例するとされ、地球温暖化で低温化が進んだ。この低温化と夜光雲に因果関係があるとの説がある。

まさに様々な異常気象が続いていることになる。7月2日の毎日新聞は、このまま温暖化が進むと起こるであろうことを次のようにまとめている。

このまま地球温暖化が進むと、最低気温が東京で27度を上回る極めて暑い夜が、2030年には20世紀末に比べ3倍に増えるとの予測を、国立環境研究所がまとめた。最高気温が35度以上の猛暑日も1.5倍になるという。夏が一層過ごしにくくなり、熱中症患者などの増加を招くことになりそうだ。米地球物理学会誌6月号に発表した。 日本を含む東アジア地域などを対象に、1981~00年の20年間に毎年4~5日しかなかった極めて暑い昼や夜、寒い朝が2011~30年にどれだけ増減するかを、スーパーコンピューター「地球シミュレータ」で予測した。・・・気象庁の観測(1996年からの10年間)によると、東京での極めて暑い夜は最低気温27度以上、同じく暑い昼は最高気温35度以上に相当する。一方、極めて寒い朝(最低気温0度以下)と寒い昼(最高気温6度以下)は、いずれも3分の1になるとの結果だった。 同研究所の江守正多・温暖化リスク評価研究室長(気象学)は「極端な暑さは、日本だけではなく、世界の大半の地域で増える。温暖化は遠い将来の問題ではなく、我々の世代も影響を受けることが示せた」と話している。・・・

また、7月3日のロイター電は、アラスカの海岸が浸食され、生物に影響が出ていることを次のように伝えている。

・・・多くの野生動物が生息し、石油開発をめぐる議論の的でもあるアラスカ北極圏の湿地帯で、海岸浸食が急速に進んでいるとの研究結果が2日明らかになった。同地帯を海洋波から保護する役割を担っていた海氷が消失したことが原因とみられるという。地質調査所(USGS)の研究者らは、衛星データや航空写真から収集した地図を分析した結果、アラスカ北極圏最大の湖のテシェクプク湖の北側で1985―2005年の浸食スピードが、その前の30年間に比べ2倍に加速したと指摘。中には、過去数十年で海岸線が0.9キロメートル入り込んだ場所もあったという。 さらに、もともと淡水だった湖に海水が入って渡り鳥などの野生動物の生息地が失われたり、沿岸の人工インフラにも損傷が出ているとしている。北極気候影響評価によると、アラスカなどの北極圏では過去60年間に冬季の平均気温が摂氏3―4度上昇しており、地球温暖化の影響が顕著となっている。

新疆ウイグル自治区の旱魃も依然として深刻なようだ。北極の海氷だけに止まらないこの影響は海水面の上昇に直結する南極でも観測されている。7月6日の時事通信によれば、

南極大陸東部にある欧州隊の「ドームC」基地で、氷床を深さ3260メートルまで掘削し、採取した過去80万年分の氷を分析したところ、地表の平均気温(100年単位)は、現在に比べ、マイナス10.3度からプラス4.5度の範囲で変動したことが分かった。欧州南極氷床掘削計画(EPICA)の分析チームが6日、米科学誌サイエンスの電子版に発表した。 ドームCでは2004年11月ごろに最終掘削が行われた。岩盤の手前15メートルに相当する深さ3260メートルで採取した80万年前の氷は、人類が手にした最古の氷。氷に含まれる重水素(水素の同位体)などの分析から判明した過去の気温の変動は、今後の地球温暖化を予測する重要な手掛かりとなる。

次は、異常な梅雨による九州の惨状と新しく発生した台風について触れてみたいと思う。ぜひ、これ以上の影響がないことを祈りたいが・・・。 

2007.06.19

大干ばつ・大洪水 中国の惨状

相変わらず、梅雨前線が本州上にないという「空梅雨」が続いている。気象庁は、昨日天気によって一喜一憂しないようにとのコメントを出し、今日の朝日新聞には、梅雨入り宣言の撤回もありうるとの報道があがった。豪雨に巨大台風というシナリオこそ見えてこないものの、十分に異常な気象状態である。梅雨入り宣言後、ほとんど梅雨前線が本州にかかることはないのである。沖縄や九州・四国の方々にとっては、まるで梅雨末期のような大雨が続いているようだが、静岡では、今日も晴れ渡った夏空が広がっていた。

一方、隣国の中国に目を移すと、大きく報道こそされないが、大洪水と大干ばつという惨状がある。オリンピック景気に急速な経済成長を遂げている中国だが、その根幹は危機的ともいえる状況にあるようだ。17日のRecord Chinaによれば、洪水と大干ばつで天文学的な被害が出ているという。

2007年6月16日、新華社は、民政部が中国南部の豪雨・洪水による被災者に1億元(約15億円)の生活補助を提供すると報道した。5月下旬以来、中国南部・西南地区の7省にわたり、豪雨・洪水・土砂崩れなどの災害が相継いでいる。・・・今年の洪水による被災者は15日現在で2272万人に達したという。死亡者は128人、行方不明24人。住宅の倒壊は約9万戸。農地の被災面積も122万ヘクタールを超えている。洪水の被害は特に6月以降に集中している。・・・洪水とは逆に、北方および西南地区の一部では干ばつ被害が深刻だ。・・・

2007年6月19日、遼寧省防ジン抗旱対策指揮部は高温少雨の天候が続いている影響で、同省の干ばつ状況は急速に悪化したと発表。・・・遼寧省内の面積2116万ムー(約141万ヘクタール)の農作物が干ばつの被害を受け、127万3100人の省民と47万3800頭の家畜の飲み水が足りないと説明。同省過去30年でもっとも深刻な干ばつ被害だという。・・・なかでも西北地区と中南部地区がもっとも深刻で、現在全省88か所のダムが枯渇している状況。水不足のため完全に枯死した作物面積は6.5万ムー(約4300ヘクタール)におよぶ・・・

2007年5月15日、国家防ジン抗旱総指揮部弁公室の最新統計によると、今年5月14日までに中国全土で干ばつ被害にある耕作地面積は2.11億ムー(約1400万ヘクタール)、そのなかで深刻な状況にある耕作地は2173万ムー(約144万ヘクタール)、867万人と688万頭の家畜の飲料水確保が困難な状況にあるという。・・・中国全土では、5月に入ってからも降雨量が少なく、特に北方地域では高温と強風が続いており、干ばつ状況は悪化するばかり。春の種まき時期や成長期に雨がなく、作物の生育に深刻な影響が出ており、この秋の収穫量は激減すると予想される。・・・

深刻な大干ばつに国土の実に2割近い地域が砂漠化しているという。18日Record Chinaによれば、

中国国家林業局の賈治邦局長はこのほど、中国の砂漠化面積が国土全体の18.1%を占める174万平方キロに達しており、砂漠化と干ばつによる危害が依然として深刻な問題だと述べた。17日付で中国新聞社が伝えた。・・・黄河上流、石羊河下流、タクラマカン砂漠周辺での砂漠化が依然として進行中で、局部的に深刻な被害がでている。同地は自然条件が悪い上に、水資源の乱開発や、無秩序な放牧、開墾が行われており、整備作業が順調に進んでいない。また地球温暖化も砂漠化防止の足かせとなって・・・

これは、他国のことではない。すでに日本の多くの地域でダムの水が枯渇しているという。このままでは、飲料水にも大きな影響が出てくるのは必至であろう。

2007.06.16

気象庁も翻弄する梅雨異変

関東・東海地方で梅雨入り宣言があって、3日たった。雨は梅雨入り宣言の日のみで、翌日から晴れまたは快晴の日が続き、来週も「梅雨入り」とは考えられない雨の降らない天候予想が出されている。

梅雨入りには、明確な基準がないそうだが、梅雨前線がその地域まで北上して停滞する。雨または、曇りの日が連続するなどの要件を見て決定するらしい。しかし、私のような素人を含め、現在の天気図を見れば、だれもがその基準に達していない「梅雨入り宣言」であることがわかるらしく、ブログやラジオ・テレビの投稿でも「梅雨入りしたのに・・・」というコメントが流れてきている。もっとも、沖縄や九州の方々には、続く雨で閉口されているはずだが・・・・。梅雨前線は、東海関東からずっと南にある。週間天気予報も晴れ気味・・・これでは、今年の小学校5年生で「天気の変化」を学ぶ子たちは、常識と気象庁の発表のズレに困惑するに違いない。

気象庁が、「関東・東海地区の梅雨入り宣言」をなぜしなければならなかったのか。理解に苦しむが、どこからか気象異常を悟らせないようにとの圧力があったり、例年の判断から大きくズレることへの恐怖感があったとすれば、気象庁が硬直した機関になってしまって天候異変に対応できなくなっているのかもしれない。まさか、3月に入力ミスで「サクラ開花宣言」をして、頭を下げた静岡のように、「入力ミス」で「梅雨入り」宣言をしてしまったとしたら、その時の「現実を見ずに、パソコンのデータ画面で判断する気象庁・・・」との批判をまた甘んじなければならないだろう。

影響力の強い気象庁が、突飛な発表をできない。つまり、「梅雨入りが、過去30年になく遅れている。または、6月下旬になる。または、梅雨入りしない。」という発表をできないのはわからないでもないが、気象庁が天気の実態を、どこかの人々への配慮から「できなくなっている」としたら、頼りにならない。それが原因なのかしらないが、気象庁は、特別な会を結成したという。6月12日の時事通信によれば・・・。

気象庁は12日、異常気象分析検討会の初会合を非公開で開き、2004年の猛暑や06年の豪雪、昨冬の記録的な暖冬など、大気の大循環の変動が主要因で、2週間程度続く現象を分析対象にすることを決めた。会長に就任した木本昌秀東大気候システム研究センター教授は会合後の記者会見で、「国民の皆さんが一体どうなってしまうのかと思うような現象について、地球温暖化の影響があるのかなど、見解を出せるようにしたい」と話した

 まさに今、「国民のみなさんが一体どうなってしまったのか・・・」という現象が起きている。検討会が招集されたという報道はまだないが、この検討会が敏感に対応できないとしたら、我々は、何を信じたらよいのだろうか。

2007.06.09

雌雄を分かつもの トヨタとホンダ戦略

各地で、不安定な大気による局所的・豪雨や雷が続いている。梅雨前線は、下がったまま上がる気配が乏しい。ここのところ、渇水に見舞われている西日本だが、雨が降る時は雹・雷・集中豪雨である。中国の猛暑・干ばつが北の高気圧の勢力を上げているのだろう。

G8では、各国が自分の国の主張が反映されたと外交上の勝利を謳っている。激しく対立したアメリカ合衆国とドイツを中心とするヨーロッパ側の主張の落とし所が決裂か、玉虫色の日本案かということで、決裂は避けられたとみるのが妥当だろう。もし、日本が、両国の間に入り、2人の決裂も辞さない態度を諫めてとしたならば洞爺湖サミットにも期待が持てよう。しかし、そう言っているのは、日本側だけで、みんなはそう見ていない。ドイツ紙の首相写真取り違え事件にしても、ドイツ新聞には一つも苦情が来ていないそうだ。そんなドイツでは、これまた勝利宣言を上げているそうだ。6月8日の時事通信によれば、

 ・・・議長を務めたメルケル・ドイツ首相が、最重要テーマの1つの地球温暖化対策をめぐり、得意の粘り腰で大きな成果を手にした。日米欧の思惑が交錯する中で、サミット開幕前には合意が危ぶまれる事態に発展していたが、最終的な妥協内容は「メルケル首相の大きな勝利」(独紙ウェルト)との評価も出ている。温室効果ガスの削減目標をめぐって、ドイツは「2050年までに1990年比で半減する」との数値目標の明記に固執。これに反対する米国と真っ向から対立していた。首相はサミット前に、「いいかげんな妥協はしない」と明言し、決裂すら選択肢として浮かんでいた。・・・「半減」の言葉が盛り込まれた文書を米国がのんだことなどに、ウェルト紙は「首相自身の予想よりも大きなことを達成した」と指摘した。もう1つの成果は、京都議定書と同様に、次期枠組みも「国連が交渉に適切な場である」とうたわれたことだ。メルケル首相は特に最近、次期枠組みを拘束力、強制力あるものとするため、国連の下での合意にこだわっていた経緯があり、「わたしにとって最も大きな意味がある」と笑顔を見せた 

この記事は、日本の成果は微塵もないことを表している。ただ、私の予想通り、中国をはじめとする各国は、不満を表明している。もし、G8が率先垂範していたならば・・・と思うと、今回の花火を打ち上げたものの実行が不透明な「温室効果ガスの排出量を2050年までに世界で半減することを真剣に検討するとした議長総括」が今後どのような結果を生むのか心配になってくる。温暖化は、待ったなしだ。各国の利害の絡み合った先には、未来への禍根しか残るまい。

本題に入ろう。ハイブリッド車をめぐって、3つの気になる記事が最近あった。ひとつは、トヨタのハイブリッド車に関連してだ。6月8日の日刊工業新聞によれば、トヨタのハイブリッド車の生産量が100万台を突破したという。

トヨタ自動車は7日、5月末までにハイブリッド車(HV)の世界販売が約104万7000台となり、100万台の大台を突破したと発表した。トヨタは97年に初めてHV「プリウスは現行モデル」を発売。以来、00年から北米、欧州など海外販売も始め、現在は世界40カ国以上で販売をしている。累計販売100万台の内訳は、プリウスが約75万台と断トツで1位。以下は、スポーツ多目的車(SUV)「ハリアーハイブリッド」が約8万台、同「クルーガーハイブリッド」が約6万台、セダン「カムリハイブリッド」が約5万台と続く。ガソリン価格の高騰でHV人気はさらに高まっており、06年のHV販売も前年比約33%増の31万台と急増。トヨタは、4月末までに同社が世界各国で販売したHVについて、動力性能が同等クラスのガソリンエンジン車と比べて「約350万トンの二酸化炭素(CO2)総排出量抑制効果があった」と試算している。

まさに金脈を掘り当てたトヨタの独り勝ちである。なぜ、普通車よりも高価で、ガソリン代ではほとんど元をとれないトヨタのハイブリッド車が、世界を席巻しようとしているのか。そこには、トヨタの巧妙な戦略がある。プリウスは、生産発売が発表された時点では、まだ実動車ではなかったらしい。そのプリウスを21世紀を象徴する手塚治虫の「鉄腕アトム」とだぶらせることによって、「明るい未来」の象徴とすることに成功した。プリウス=未来の車として日本人にインプットされてしまった。トップの英断とトヨタ技術陣の力が生み出したプリウスは、販売当初は、完全な車とは言えなかったようだ。バッテリーにしても、初期のモデルは、すべて積み替えを余儀なくされたらしい。しかし、この「チャレンジ精神」は、日本の優秀な「オタク?」たちに、支持され、一般の人たちが立ち上げた「プリウスマニア」・「自由空間」他のネット上のサイトで膨大なデータ解析収集をすることに成功する。そして、トヨタは、顧客の声を次々とモデルチェンジで応えるという離れ業を演じた。優秀なテストドライバーでは、考えられないような「バックで段差は越えられない」などという苦情や「充電地獄」と称されるカタログにはけして載らないハイブリッド車のデメリットについても対策を講じていった。そして、世界展開においても有名な男優にアカデミー賞授賞式にハイブリッド車で乗り付けさせるというパフォーマンスをさせ、一気に「環境=ハイブリッド車」というイメージを定着させたのだ。トップの英断・実現不可能にみえる課題に応える技術者・未来の夢を見させるプロバガンダによって、消費者は、価格差以上のステイタスをハイブリッド車を買うことで手にするようになったのだ。この経緯はみごとというしかない。これをもって、長い間猿まねと揶揄されてきた日本の車作りが、アメリカ・ヨーロッパの伝統あるメーカーを超えることに成功したのだ。今や、トヨタは世界一の製造企業である。

一方のホンダ。映画「ザデイアフタートゥモロー」の主役にインサイトを乗らせる。2足歩行ロボット「アシモ」。F1へのアースカラーなどで、その技術力を証明したものの販売では、大きくトヨタに水をあけられた。寂しいニュースが下だ。6月6日のロイターはこう伝えている。

・・・ホンダ は5日、中型セダン「アコード」のハイブリッド車について、販売不振を理由に北米での販売を打ち切る方針を示した。同社の広報担当者が明らかにした。「シビック」のハイブリッド車は生産を継続する。・・・アコードのハイブリッド車の昨年の販売台数は6152台。販売目標は2万台だった。ライバルのトヨタ自動車 のハイブリッド車「プリウス」の昨年の米販売台数は10万6971台で、大きな差をつけられていた。

ホンダのハイブリッドが、燃費で大きくトヨタに負けているわけではない。ただ、内燃機関から始まった車作りのプライドを持つ「車屋」のホンダは、その車の主体はエンジンという呪縛から逃れられなかったのだ。ホンダのガソリンエンジンは素晴らしい。その燃費のよさは、突出している。しかし、そこには、旧来の自動車以上の明るい未来が見えてこないのだ。ホンダは素晴らしい。私は、大好きだ。しかし、大枚をはたいて買うほどの「夢」がホンダ車にはないのだ。「ホンダミュージック」と称された素晴らしいF1エンジン。長らくコンストラクターズチャンピオンとして世界中に名をはせたエンジン屋は、その優秀な技術があるがために市場の動向を見失い、車に「夢」を見る人々の心を掴めなかった。

おまけに・・・こんなハイブリッドに関するニュース。6月6日のフジサンケイビジネスアイより

三菱ふそうトラック・バスは5日、エンジンと電気モーターで走るハイブリッド小型トラック「キャンター エコ ハイブリッド」を改良し、最大積載量2トン車でガソリン1リットル当たり10キロメートル超と世界トップクラスの燃費性能を実現したと発表した。

なぜ、これがトヨタのようなベストセラーにならないか。それは、実用車に「夢」を投資する人がいないからだ。ガソリン代で元を取れるようならば、各企業はこぞって導入するだろう。ところが、トヨタのほとんどのハイブリッド車は、購入価格の差額をガソリン価格で相殺することは、特殊な場合を除いて不可能だ。「夢」や「環境宣伝」を価値ととらえ購入する一般市民や官公庁ならば、元は取れないとしてもプリウスを購入するに違いない。

雌雄を分かつモノ。それは、トップの意図と不可能を可能にする優秀な「技術者」とが、共感できる「夢」を追い、周りの者と共感することだろう。トヨタとホンダ・ドイツと日本。その将来を暗示していないだろうか。

2007.06.07

G8の使命とは・・・。

いよいよハイリゲンダムサミットが始まった。今年になって、私の予想が良く当たる。今回のサミットも私の予想通り「温暖化サミット」になっていることを各紙が伝えている。

ところで、今朝のニュースで、ドイツの新聞が、各国首脳の顔写真と関連する記事を載せたが、日本の首相の顔写真だけを間違えたという報道があった。理由は、記者が日本の首相だけ顔を知らなかったということだ。むべなるかなである。「各国に(主にアメリカ合衆国だが)配慮して、様子を見ながら・・・」という日本は、所詮ヨーロッパにとって遠い国であり、アメリカの属国あつかいなのだ。アメリカ合衆国に比べて、ヨーロッパの各国がGNPでも国土でも遙かに小さいのにタメ口をきいているのを疑問に思う日本人がどれだけいるだろうか。G8とは、名ばかりで本当はG7.2ぐらいの意識しかヨーロッパ人にはないことを日本人は認識すべきであろう。残念なことだが・・・。

そのサミットでは、これまた予想通り温暖化対策についてドイツとアメリカは真っ向から対立している。アメリカや日本の主張している、「G8だけで決めずに中国やインドまで巻き込んで世界中が温暖化防止にあたらねば・・・」という考え方は、一見正論に見える。しかし、当のインドや中国からすれば、「まず、G8が、他のどこの国よりも温暖化について責任があるのだから、我々よりも自分に厳しい目標を課すべきだ」となろう。公平に見れば、それが正論である。まず、受益者負担で、G8各国は、世界のどの国にも責任を果たしているように見える実際の行動をし、その後に中国やインドを巻き込むのでなければ、だれもついてこないと私は考える。そうでなければ、G8以外の国の共感は得られないからだ。ましてや、G8のうちのカナダもアメリカ合衆国も日本も二酸化炭素排出量を増やし続けているのだから、絶望的である。部屋中にゴミを散らかした本人が、あとから入ってきた友人に「いっしょにゴミをひろって、部屋をきれいにしよう」と言ってもだめだろう。6月7日の時事通信がフランスのサルコジ大統領の主張を載せている。日本の美しい主張と比べてなんとサルコジ的で強引な主張だろう。そして、どちらが地球にとって必要かは、自明だ。

【ハイリゲンダム6日時事】フランスのサルコジ大統領は6日、当地でメルケル独首相と会談し、主要国首脳会議(サミット)で討議される地球温暖化対策について、拘束力を持つ具体的な合意が不可欠との認識を示した。・・・同報道官は「大統領は結果を求めている。つまり数字だ」と語った。サミットの最終宣言に、温室効果ガスの排出量を2050年までに1990年比で半減させることが明記されるべきだ、というのが大統領の意向という。

日本との大きな違いは、「拘束力を持つ具体的」「半減を明記」である。そうすることで、環境は、経済を活性化させることもできるに違いない。環境は、商売になる。聞こえは悪いが、多くの人間が、胸を張って環境ビジネスに取り組むようになれば、未来は明るい。 

2007.06.05

ハイリゲンダムサミット始まる

ドイツハイリゲンダムでのサミットがいよいよ始まる。懸案は地球温暖化防止に向けた取り組みのほか、北朝鮮・イランの核問題、中東和平、テロ対策、アフリカ支援、アフガニスタンやセルビア南部コソボ自治州の情勢などなどと多いが、その中でも地球温暖化阻止が、主要課題の様相を呈している。折から、読売新聞のアンケートでは、地球温暖化に対する不安がトップに躍り出ている。6月4日の読売新聞によると、

・・・環境の変化で特に不安を感じているもの(複数回答)を挙げてもらったところ、「石油や石炭の消費による二酸化炭素の増加がもたらす地球の温暖化」が71%に上った。同様の質問を始めた1989年には地球温暖化は34%だったが、以降の調査では増え続け、前回の2004年には62%となり、今回は7割台に達した。世界各地で異常気象が起きているほか、日本でも猛暑や暖冬など気候の変化が目立っており、温暖化を心配する人が増えているようだ。温暖化以外の不安では、「フロンガスによる大気中のオゾン層の破壊」47%、「ダイオキシンなどの化学物質による環境汚染」43%、「家庭の排水や工場廃液、タンカーなどによる河川・湖沼・海洋の汚染」41%・・・

サミットというのは、山の頂上という意味だが、アメリカ・ドイツ・フランス・イギリス・日本・ロシア・カナダ・イタリアの8カ国が山の頂であるというのは、インドや中国とすれば鼻もちならないだろう。実際、中国は温暖化阻止より経済発展優先の姿勢を貫いており、温暖化の責任は、自分にはないとしている。とはいうものの、現在、自国で広がる大干ばつの被害を受け、環境に対する意識を上げてきている。馬凱・国家発展改革委員会主任が、これまで公表していなかった二酸化炭素排出量の削減目標を発表したのは、そのあらわれだろう。なんでも2010年までに二酸化炭素換算で計9億5000万トン分の温室効果ガスの排出を削減するために、石炭を利用した火力発電から水力発電への移行、火力発電の技術改革、天然系ガスを活用しようということらしい。今や、13億を超える国民が生活水準を猛スピードで上げてきているのだ。それに伴って、二酸化炭素排出量は、世界トップクラスなのだから、中国が動かなければ温暖化阻止は難しい。日本だって同様である。権威ある日本の気象庁も、遠慮気味だった「地球温暖化」についての表現が、現実に即したものになってきている。6月3日の読売新聞によれば、

気象庁は、社会経済に打撃を与える猛暑や豪雪などが頻発していることから、異常気象の原因を分析する専門組織「異常気象分析検討会」を月内に発足させる。・・・招集した国内トップクラスの専門家とともに予測が難しい異常気象の中長期見通しを分析、迅速な発表をめざす。・・・

猛暑日を新設したり、「異常気象が頻発している」などという表現を用いることなどは、その権威と影響力からこれまでされてこなかった。それが嘘のような変貌ぶりだ。こういった、現状からみるとこのサミットは「温暖化(阻止)サミット」として歴史に残るのではないか。できうるならば、覇権の争奪ではなく、共同して人類の危機に立ち向かう話し合いになってほしいものだ。それでこそ世界のサミットだろう。地球人類の将来に対する日本への期待は大きい。日本には、世界中に提供できる技術がある。

2007.05.30

首相の決意に期待

トップの考え、信念が大事だというのは、洋の東西を問わないようだ。今や四面楚歌の日本の首相(個人的にはいかにも誠実そうなお方だがそれだけでは、日本の将来を救えるかどうか分からない)が、温暖化阻止に向けて具体策を掲げたと各紙が伝えた。どの新聞の見出しにも「首相の決意」という文言が躍った。5月29日の毎日新聞の内容はこうだ。

政府の「地球温暖化対策推進本部」(本部長・安倍晋三首相)が29日、開かれ、05年度の国内の温室効果ガス排出量(確定値)は京都議定書の基準年の90年比で7.8%増の約13億6000万トンだったことが報告された。日本に課された同6%減の達成は「現状の対策のままでは極めて厳しい」として、温暖化対策をまとめた「京都議定書目標達成計画」を今年度中に見直すことを決めた。安倍首相は、政府の率先取り組みのモデルとして、議定書の削減義務期間である12年までの6年間に、国の庁舎のグリーン化を集中的に進める考えを表明、対応可能な庁舎はすべて太陽光発電や屋上緑化を導入するよう関係閣僚に指示した。また「1人1日1キロの温室効果ガス削減」を掲げ、アイデアを公募しながら国民運動を展開することを改めて表明した。・・・

すべての庁舎の屋根に太陽光発電の施設を設置することは悪くはない。いくつあるかわからないが、かなりな費用が必要だろう。全国学力テストでも、ひと声で数十億円の予算を動かせるのが首相だ。その意思が正しい方向で実現されれば、日本はきっと大きく変わるに違いない。ところで、過去に、首相官邸にも太陽光発電施設が設置されたことが報じられたことがあった。しかし、それは、南向き30度の理想とはかけ離れたところへの設置だった。もし、樹木の影になるような所にお金をかけて設置するならば、砂漠に理想的な方角・角度で設置した方がはるかに環境によい。昔、つくばという所で「環境によい風車」をたくさん建てたことがあった。誰もが、それが、環境に良いと考えていた節がある。しかし、設置場所はほとんど風の吹かないところだった。悲しいかな風のない所に建てた風車は役に立たない。風車が悪いのではない。今回の号令は、素晴らしい具体的な施策だ。しかし、えてして、「屋根に太陽光発電」というだけでは、首相官邸のように「景観」を重視して、その機能を十分に発揮できる場所に設置しない可能性がある。つくばの二の舞になって、十分日の当たらない所に理想に反して太陽光モジュールを設置したとしたら首相の決意は無になってしまう。

一方で、補助金を失った個人用太陽光発電の設置は、下降線をたどっている。5月25日の日刊工業新聞が伝えるところでは、

住宅用太陽光発電の導入実績が06年度は6万2544件となり、初めて前年度を下回った。94年度に始まった国の補助金制度により、05年度までは一貫して伸びが続いたが、補助事業終了と同時に1万件ほど減少した。国は今後、フィールド事業や面的普及などで市場を伸長していく方針だが、これまで太陽光発電を先導してきた住宅用は、電池のコストが大きく下がらないと回復は難しいとの声もある。・・・
 04年度は補助対象だけで5万4475件だったように、94年度から12年間の補助事業中は太陽光発電は一貫して伸びてきていた。

このブログでも一貫して補助金の大事さを訴えてきた。それは、人間が弱いからだ。どうも「環境」を標榜する人間は、仙人のように欲もなく、清廉潔白で清貧でなければならない。身を捨てても環境に・・・というのは、理想としてもよいが、人間は、所詮世俗の欲からは逃げられない。あれほど廃止が濃厚だったTOTOも6億円のキャリーオーバーというニュースが人々を動かした。太陽光発電は、はっきり言って、我が家のケースは例外的で、一般にもとを取るのは難しいように思える。それこそ適地に設置しなければ効果は薄いのだ。そんな太陽光発電の導入に踏み切らせるのは「今だったら…補助金が・・・」の決め台詞だった。そこで、日本中の庁舎の緑化と補助金とを比べた時に、どちらの方が費用対効果が大きいのだろうか。答えは、明らかだろう。

一方、二酸化炭素を吸収するはずの森林や山の荒廃は続いている。日本の山野が十分な二酸化炭素を吸収できていないと報じたのは、5月30日の読売新聞だ。

・・・政府が地球温暖化対策の柱と位置づける二酸化炭素(CO2)の2005年の森林吸収分が目標の8割弱にしか達していないことが29日、環境省などの試算で明らかになった。・・・管理作業が必要だが、実際には荒れたままになっている森林も多いのが実情。議定書の目標達成に向け、早急な森林管理が求められている。・・・今回の試算では、「管理された森林」としてカウントできたのはわずか3750万トンで、予定値を大きく下回った。

そうこうしているうちに温暖化は、待ったなしの状況を呈してきている。なんでもかのチョモランマ・・・エベレストに大災害の危機が迫っているという。5月29日の毎日新聞は、その危機的状況を次のように伝えている。

【カトマンズ、ビナヤ・グルアチャリャ】世界最高峰のエベレスト(チョモランマ)へのチベット側からの登頂に成功したアルピニストの野口健さんが28日、ネパールのカトマンズで記者会見し、エベレスト南部の標高5050メートル付近にある氷河湖イムジャ湖が温暖化の影響で決壊し、大量の湖水が低地の村々を襲う危険性があると指摘。「来年に保護キャンペーンを展開したい」と述べた。ネパールでは地球温暖化の影響でエベレストの氷河が大量に融解し、イムジャ湖に流れ込む水量が急増している。・・・

対岸の火事ではない。極端に自給率の低い穀物をはじめとする食料の事情はますます逼迫してきている。エネルギーもしかり。コンビニに灯が点らぬ、品物がなくなる時代が思ったよりも早くに来そうな日本である。政治の力でぜひ日本を救ってほしいものだ。

2007.05.27

温暖化阻止に大切なのはトップの政治的意志!

5月22日の京都新聞にレスター・ブラウン氏の講演内容が掲載された。クローズアップ現代でも取り上げられたことで、多くの人が考えさせられたことと思う。骨子は記事によると

「地球白書」の刊行など地球環境問題についての研究や活動で知られるレスター・ブラウン米アースポリシー研究所長の講演会(京大エネルギー科学研究科主催)が22日、京都市左京区の京都大時計台記念館で開かれた。21世紀が現代文明崩壊の瀬戸際であることを強調、持続可能な社会に向けた行動を呼びかけた。ブラウン氏は、人類が破滅しないためには、20世紀の延長「プランA」ではなく、持続可能な経済に再構築するための「プランB」の道を歩むことが必要であるとし、著書「プランB2・0-エコ・エコノミーをめざして」で、使い捨てでない経済や国際的な財政支援、自然エネルギーへの転換を提案している。・・・当時は将来のこととして議論されていた気候変動が、異常気象などで現実になっている」と強調。穀物がバイオ燃料としての消費を拡大している状況に、「穀物では、すべての化石燃料の代わりになることはできない。マイカーを持つ8億人と飢餓状態の20億人を市場まかせに競争させていいのか」と問題提起した。・・・「1人1人が何ができるかを考え、政治参加することが必要だ」と訴えた。

「政治は、温暖化を阻止できない」とした私の意見とは異なる(^^ゞが、考えさせられる内容だ。プランB・・・。アメリカやロシア・中国・日本の首長では、無理かもしれない。特に数値目標を入れた宣言案を出した日本が、「まず私がお手本を・・・」と大胆で効果的かつ具体的な政策を出すことなく、みんなが参加できるレベルにまで内容を落としてもいいですよ!と優等生ぶってしまったことは、予想通りとはいえ、寂しさを禁じ得ない。

では、ドイツはどうなのだろうか。5月26日のRecordchinaによると元ドイツ首相のシュレーダー氏が中国で温暖化阻止のための講演を行ったことを次のように伝えている。

・・・ドイツの前首相シュレーダー氏は、上海復旦大学で開かれた「復旦大学大使フォーラム」に招かれ、「グローバリゼーションの進む世界での和平展望」というテーマで英語の演説をおこなった。・・・前首相は、地球温暖化対策は国際社会にとってもっとも早急に取り組まなければならない課題であると主張。「ここ12年間のうち11年も、過去の最高気温記録を更新しており、北極の氷も毎年8%ずつ溶けてなくなっている。現在世界で13億人が清潔な水を飲んでいないというこれらの事実を、地球からのS O S だと受けとめるべきだ。」と語った。地球温暖化と世界各地で頻発する異常気象は、国際社会にとって政治的脅威のみならず経済的脅威となると力説した同氏は、環境保護につながるエネルギー資源の開発やリサイクル活動に熱心なドイツの成功例を上げ、・・・

5月25日の毎日新聞によれば、ドイツの現首相も

メルケル独首相は24日、来月開かれる主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)で事前交渉が難航する地球温暖化問題について「先進国が前進しなければ、我々は気候変動と戦うことはできない」などと、参加国の一致を改めて呼び掛けた・・・サミットの重要課題にグローバル化推進やアフリカ支援など7項目を挙げた。5番目の温暖化対策では「どんな一致ができるか正直分からないが、我々が先に進むことでのみ、(中国やインドなどの)先進国に続く国々を説得できる」と意欲を示した。・・・2度上昇までに抑える必要性を主張。米国など参加国の一部が最終宣言案にこの主張を盛り込むことに強く反対し、宣言案での数値目標設定は困難・・・

これらのことからドイツの前・現首相が温暖化についての深い造詣と強い信念を持っていることが分かる。そして、メルケル首相の言うとおり、日本やアメリカ、ドイツ、イギリス等の西欧諸国がまず、自ら温暖化阻止に乗り出さないでは中国やインドその外の国々は同調しないだろう。中国などは、あからさまに「温暖化を招いたのは、先進国だ!」として、不満を声に出しているのだから、「アメリカや日本は、温暖化阻止に本気にならなくてもよい」という安全弁を設けた宣言に乗るはずもない。むしろ、環境政策に前々から取り組んでいるメルケル首相のように、「温暖化は先進国の責任が大きい、まず先進国の自分が前に進もう」とした論理は正しく潔いもののように見える。

30%削減を提案した欧州委員会のバローゾ委員長は、「(低炭素社会へは)引っ張られて行くのではなく、先頭に立って行こう」と語った

と5月11日のASAHI.COMが伝えている。フランスのサルコジ氏も「全人類の運命がかかっている」と言い、EUの交渉担当者は「大事なのはトップの政治的な意志だ」と、強調しているという。政治に失望せず、トップの政治的意志に期待したくなってきた。 

2007.05.22

政治による地球温暖化阻止は不可能か

22日の時事通信によれば、二酸化炭素の発生量は、うなぎ上りらしい。

【ワシントン22日時事】今世紀初頭、地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)排出量の年間伸び率は、1990年代のほぼ3倍になっているとの調査報告が21日、全米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。・・・2000年から04年までの5年間では3.1%に加速した。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が想定した最悪のシナリオを上回る急激な伸びとなっており、同部長は「先進国でも開発途上国でも、CO2排出規制が進展している形跡は見当たらない」と批判している。 

アルゴア氏が、大統領にならないかと持ちかけられた時に、大統領として地球温暖化を阻止するのは、難しい旨の発言をしていた。昨日も、温暖化が急激に加速する可能性が高いことを指摘し、優柔不断な日本の対応を懸念した。首相が、温暖化対策を進めるにあたって、意見を表明するというのだが、官房長官も麻生太郎外相も米国、インド、中国などと協力して二酸化炭素の削減を進めるとしている。利害が拮抗しているこれらの国々のご機嫌を伺いながら提案をしたら、その実効力はほとんどなくなるのではないかというのが、昨日の私の意見だった。そして、一夜明けて今日。多くの報道機関が、その懸念が現実のものとなっていることを報道している。21日のロイターは、アメリカの圧力で地球温暖化が緊急課題であるという宣言がサミットから削られるとして、次のように報道している。

・・・米国は、主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)の地球温暖化に関する最終宣言案の事前交渉で、温暖化の緊急性を訴える部分の削除を求めるなどの動きを強めている。・・・宣言の草案によると、米政府は、地球温暖化という危機の緊急性に関する部分と、12月にバリで開く国連会合で新たな枠組みに関する協議を開始する必要性を訴える部分について、宣言からの削除を求めているという・・・米国は、これらの文言に代わって「気候変動への対応は長期的な問題であり、世界的な参加と多様なアプローチにより、変化する状況を考慮することが必要」という内容を最終宣言に盛り込むことを求めている。・・・草案には、温暖化ガスの排出を削減する数値目標やタイムテーブルが盛り込まれているが、米国は反対の姿勢を示している、という。・・・一方、議長国のドイツは、2020年までにエネルギー消費量を20%削減するほか、同じ期間に運輸と発電の分野でエネルギー効率を同幅高めることについて、主要国の合意をとりつけることを目指している

たぶん、日本の首相の考えもアメリカに沿ったもので、「明確にする」ことを避け、「考慮」する「国際協調で」と・・・・・というような形に落ち着くのではないだろうか。そうはならないことを信じたいが、難しいかもしれない。地球温暖化に対する政治決着は不可能なのであろう。

一方、デカプリオ氏は、映画の影響力を以て、マドンナ氏は、歌の力を以て、温暖化阻止に立ち向かおうとしている。民間企業で世界的な電気機器メーカーのオランダフィリップスも「ライブアース」に協賛して立ち上がった。民間からの働きかけ以外に地球を救う手だてはないのかもしれないというのが結論だったら、悲しい限りだ。

果たして、日本のサミットでの提案はどうなるか・・・期待は持てなくなってきたが、一私案として次のような提案はいかがだろうか。

1 イギリスやヨーロッパに匹敵する大胆な温暖化阻止、二酸化炭素削減の目標を日本の自己課題として取り組むと宣言。大胆な改革に乗り出す。

2 今でも世界トップレベルの環境技術に磨きをかけながら、省エネ、低二酸化炭素排出国家としての実績を積み上げ、環境問題のリーダーとなる。

2 日本の進んだ、省エネ・高効率社会を世界展開すべく売り込む。トヨタを中心としたハイブリッド技術。スズキやダイハツを中心とした軽自動車技術。三菱や富士重工の世界レベルにある風力発電技術。シャープをはじめ、ホンダまで参入している高度な太陽光発電技術。各企業が持つ、高効率・省エネ技術などなど、モノでなくても世界展開して売れるものが日本にはたくさんある。省エネを推進しながら日本経済は、モノを売るだけ(いずれ中国に席捲される)ではない、ノウハウを売って栄える国家とする。

なんてのは、どうだろうか。(^◇^)風車ひとつとっても巨大なものだけでなく小中型風車のゼファーなど、魅力的な企業がいっぱいあるのが日本だから。V(=∩_∩=)

写真は、風車の設備に対して「風力発電では風の影響などで、電力供給の安定供給という意味では十分ではない。私が本当にいいと考えられるのは原子力発電だ」などと?0000369mで否定的な発言をしている知事のいる長野にある小型風車。例によってgochaさんの提供です。どなたか、他にも「環境の世紀」にかかわりのありそうな写真をくださる方が増えるとよいのですが(^^ゞ

ところで、鳥などが風車に衝突する「バードストライク」などにも触れるのはよいが、それをもって「県内で造れる場所はない」としたなら、知事の考える「環境」とは何なのだろうと訝しく思ってしまう。気軽に原子力発電を取り上げるのでなく、同じ反対をするにしても伊那市長のような風車推進論者がタジタジとしていまうようなよく学習した発言を期待できないものだろうか。

2007.05.21

地球温暖化加速して進行中

 小笠原方面を台風2号が進んでいる。非常に強い台風とのことだ。温暖化で台風の頻発と強大化が懸念されているが、今までに2個という発生数は、さほど多くはないらしい。台風の発生件数については、気象庁の気象統計情報ページの台風の発生件数(リンクフリー)に詳しい表があるので、参考になるかもしれない。

 ところで、温暖化は、50年100年先の地球に被害を及ぼすといった感覚があったのだが、どうも前倒しで加速しながら温暖化の被害が来そうな気配である。5月18日の毎日新聞が伝えるところによると、海水が二酸化炭素を吸収しなくなっているどころか、逆に2酸化炭素を排出しそうだというのだ。2酸化炭素は、非常に水に溶けやすい気体だ。伏せたコップの中で火を燃やすと、酸素が消費された分だけコップに水が入る実験をしたことがある人もいるだろう。私も、2酸化炭素が増えていても大洋があらかた吸収するのではないかと思っていた。ところが・・・。

二酸化炭素(CO2)の吸収源と考えられてきた南大洋(南緯45度以南)が、最近はほとんど吸収していないとみられることが日本など8カ国の国際研究チームの分析で分かった。人間活動により強まった風が、地球規模で大気や海洋の循環を変化させ大気から海洋へのCO2吸収を妨げているという。大気中のCO2濃度は予想より高まる恐れがあり、地球温暖化対策としてCO2排出削減策の強化が求められそうだ。・・・南大洋は海洋全体の約30%に当たる年間約6億トンのCO2を吸収しているとされた。・・・国際研究チームは、81~04年に南極・昭和基地など南大洋に囲まれた11地点を含む世界40地点で精密に測定された大気中のCO2濃度を解析。その結果、南大洋のCO2吸収力は、平均して年間約800万トンずつ弱まり、現在ではほとんど吸収していないという。・・・ この現象は、▽温暖化やオゾン層破壊による気温変化で南大洋での風が強まった▽それによって海の循環が変化し、CO2濃度が高く吸収する余力が乏しい深海の海水が上昇、海表面付近に広がった――と想定すると、説明できるという。
 研究チームの中澤高清・東北大教授(気象学)は「南大洋が吸収から放出に転じる可能性がある。海がCO2を吸収する前提で進められている温暖化対策を見直す必要が出てくるのではないか」と話して・・・

とんでもない話である。地球温暖化の被害は、間近に迫っているのだ。デカプリオもプロデュースしたドキュメンタリー映画「The 11th Hour(原題)」をカンヌで上映したという。同作品は、地球温暖化が手遅れにならないうちに何ができるかというテーマを扱っているそうだ。マドンナも地球温暖化への関心を高めることを目的に、7月7日に世界8都市で開催されるコンサート「ライブ・アース」に参加するそうだ。折も折、安倍首相も、温暖化阻止のための意見を表明するそうだ。このところ、首相の口から「地球温暖化」という言葉が多く発せられるようになり、頼もしい限りだ。21日の時事通信は、そのことを下のように伝えている。

塩崎恭久官房長官は・・・地球温暖化対策について「ハイリゲンダム・サミット(主要国首脳会議)に向けて安倍晋三首相が自らの考え方を明らかにする」と述べた。2013年以降のポスト京都議定書の枠組みに関する政府方針について、近く首相が表明する見通しだ。 また、塩崎長官は・・・「世界の主要な(温室効果ガス)排出国が必ず参加して実効ある地球温暖化対策の枠組みができるか、細部を詰めている・・・

楽しみに待ちたいものだが、中国・インド・アメリカ・ロシア・日本などは非常に消極的で、経済活動優先の姿勢を示している。そこに急進的ともいえるヨーロッパや発展途上国がいる現状で「必ず参加」することを優先すると、温暖化阻止のための方策が後退に次ぐ後退を余儀なくされ、ほとんど実のないものになる恐れがある。京都議定書しかり、IPCCの勧告もアメリカなどの抵抗で後退を余儀なくされていることを思えば、日本の、「各国との妥協点を探り、全地球的な規模で地球温暖化阻止に向かう枠組みを作る」という美しい言葉が、絵空事になる・・・F(^_^; などというのは、田舎に閑居する小人の杞憂であってほしいものだ。

2007.05.17

そこ ここに温暖化の影響

17日の産経新聞は、とかく北極海の海氷に目がゆきがちだった私たちの目を、南極の氷に向けさせた。なんと南極の陸氷の溶解という事態を報道しているのだ。北極海の海氷と違い、南極の陸氷の溶解は、即海面上昇につながる重大な問題だ。

米航空宇宙局(NASA)は15日、これまで解けることがないとされてきた南極大陸内陸部の積雪が、米カリフォルニア州(約41万平方キロメートル)の広さに匹敵する大規模な範囲で解けていたとの観測結果を発表した。・・・衛星写真の分析から判明し、雪解けの発生は2005年1月。海岸から約900キロの内陸部や、標高2000メートルの高地でも観測された。・・・研究チームは「南極で観測された初の地球温暖化の兆候だ」と指摘。また、解けた後に再び凍った表層部分が滑りやすい状態のまま残り、今後、海水面の急激な上昇につながる大規模な氷の層の移動が起きる可能性もある・・・

一方で、日本近海では、水揚げの魚に異変が起きている。2007/05/17付 西日本新聞夕刊によれば、

日本近海の魚類の水揚げに異変が相次いでいる。春ブリが2週間早かったり、3月後半から取れるカマスが5月半ばになって水揚げされ始めたり。・・・ 「千葉辺りが北限のアジが三陸沖でも取れた。逆に九州は量が薄い」。東京・築地市場。鮮魚をさばく荷受業者の男性(53)が首をひねる。「暖かい海を好むサワラが日本海側で取れ、逆にカレイみたいな寒いところの魚が少ない。緯度が一度くらい北にずれた感じだ」・・・例年はゴールデンウイークごろピークになるカツオが、今年は2月中旬から取れた。「暖海性のサメが日本海で取れた」といった珍現象もめじろ押しという。別の業者(53)は「全般的に魚のサイクルが狂っている」とこぼした。・・・気象庁によると、日本近海の海面水温は昨年11月ごろから平年より1、2度高い状態が続き、福島県沖の太平洋では3度も上回ったことも。・・・長崎県・対馬では3‐4月で終わるはずの大もののスルメイカが、いまだに網にかかる。かと思えば、5月に取れるはずのヤリイカは、まだ水揚げ量が少ない・・・何も対策が取られなければ現在より2、3度温暖化が進むとされる今世紀末は、魚にとっても受難の時代になりそうという。「温暖化で暖かい海を好む魚は一時的に増えるが、食料のプランクトンがなくなると減る。冷たい海の魚は温度変化とプランクトン減少のダブルパンチで、もっと減る。水温1、二度の変化は魚にとっても重大です

異変は海だけではない。海面上昇に海水温上昇に伴う多雨、生態系への深刻な影響。全地球的に異変は加速度を増しているようだ。前々から伝えてきた中国の干ばつは、オーストラリアをしのぐかもしれない。Record Chinaは5月15日に、その悲惨な実態を伝えている。

年5月15日、国家防ジン抗旱総指揮部弁公室の最新統計によると、今年5月14日までに中国全土で干ばつ被害にある耕作地面積は2.11億ムー(約1400万ヘクタール)、そのなかで深刻な状況にある耕作地は2173万ムー(約144万ヘクタール)、867万人と688万頭の家畜の飲料水確保が困難な状況にあるという。・・・もっとも重大な干ばつ被害地帯は、中国華北・西北・東北および黄淮地域。 中国全土では、・・・干ばつ状況は悪化するばかり。春の種まき時期や成長期に雨がなく、作物の生育に深刻な影響が出ており、この秋の収穫量は激減すると予想される。・・・同時に、飲料水の確保が危機的状況にある地域も増えており、河南省や寧夏回族自治区では全省をあげて、給水活動を展開。・・・5月下旬も依然として高温・乾燥の天候が続くため、干ばつ被害は今後ますます広がり、さらに深刻な状況に・・・

ただでさえ、バイオエタノールの増産によるバランスを崩した穀物市場にとって 最大の消費地中国の収穫量激減は、容赦のない奪い合いの時代を迎えることを示している。燃料も食料も自給率の低い日本が、食料需要の伸びるアジアに頼る部分は大きい。マグロでさえ、今や購入が難しくなっているという。日本の将来は、四面楚歌の状態に陥りつつあるといえる。これまで危機を何度となく乗り越えてきた日本の地力を信じたいが・・・。

2007.05.15

巨大台風の前兆か。海水温急上昇・エベレストの氷河も消失

海水温が上昇すれば、台風の勢力は強くなり、寿命は延びる。東北や北海道まで勢力を維持した巨大な台風が北上することになる。そんな恐ろしい結果をもたらしかねない事実が判明した。5月12日時事通信によれば、台風が増えていることは、間違いない事実のようだ。

沖縄や奄美など南西諸島北部が台風に巻き込まれた年間合計時間は、1999年から2004年までの6年間、非常に長い水準で推移したことが、気象庁気候情報課の礒部英彦調査官らの研究で分かった。・・・東日本の太平洋側で大雨日数が増える傾向にある一因の可能性もあり・・・ 

5月15日毎日新聞では、その理由を海水温の急上昇という形で裏付けている。

気象庁は15日、日本周辺海域での過去約100年の水温変化傾向について発表した。・・・約100年前と比べ水温が0.7~1.6度上昇、世界平均(0.5度上昇)と比べ最大3.2倍の上昇となった。・・・最も上昇したのは日本海中部で1.6度、次いで▽四国東海沖北部1.3度▽東シナ海北部1.2度――など。・・・同庁は「地球温暖化の影響もあり、気温の上昇率が高いユーラシア大陸の影響を大きく受けた」と分析している。・・・ 水産庁研究指導課は「水温が上がれば魚の分布域は北上し、魚の旬も変わってくる可能性はある」と生態系への影響を指摘・・・

「初ガツオを早い時期から食べられる」と喜ぶムキには、ピンとこないかもしれないが、上の二つの記事は、日本周辺での気候の変動を裏付けている。もちろん、地球の最高峰エベレストも同様だ。5月11日RECORDCHINAによれば、

・・・世界一の標高を誇るチョモランマだが、近年、地球温暖化の影響でその氷河が急速に縮小しつつある。中国科学院青藏高原研究所・姚檀棟(ヤオ・タンドン)所長によると、青藏高原の環境は地球全体の変化に敏感だという。そのため地球温暖化の影響を受け、チョモランマを含む青藏高原の氷河は現在急速に縮小しているという。・・・チョモランマ付近には600以上もの氷河があり、その面積は合計で1600平方kmに達する。朝日を受けたときに、雪に飾られた山々が光り輝く景色はあまりにも美しく、国内外の多くの観光客を魅了してきた。この美しい自然を守るために、1989年3月にチョモランマ国家自然保護区が成立したが、地球温暖化という地球規模の事態に、保護区では何の対策を取ることも出来ない。この地球全体の宝を守るために、人類すべての協力が必要だ・・・

ところが、この緊急事態に際して見識を持たないのか危機感を感じていない国がある。中国はもちろんだが、日本とアメリカである。5月15日産経新聞によると

ブッシュ米大統領は14日、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)など車両から排出される温室効果ガスを削減するための連邦規制を策定するよう関連省庁に指示する大統領行政命令を発令した。温室効果ガスの規制権限は環境保護局(EPA)など連邦政府にあるとした4月の連邦最高裁判決を受けた措置。・・・大統領命令は、この一般教書の計画達成を温室効果ガス排出削減の「新規制に向けた第一歩」と位置づけたに過ぎず、国全体の削減目標値の設置など具体的な新基準には触れておらず、現時点で内容には不明確な点が多い。このため、「強制的削減」に反対して京都議定書から離脱した政権の姿勢はまだ変えていないとみられている。・・・環境団体からも「地球温暖化に取り組むには程遠い内容」との声が上っている

というのに、日本の政府は、アメリカが変わったのは、日本の働きかけが効を奏したと考えているらしいのだ。半月前の4月28日産経新聞では、

「京都」の生みの親である日本が、離脱した米国との間で、次の枠組みを視野に入れた協力を宣言した。その意味は少なくない。ある政府筋も「日本の持ちかけに、米国が急速に関心を示してきた」と、米側の姿勢変化を指摘する。・・・背景には、水面下で激化する「ポスト京都」の主導権争いがある。EUは20年までに域内の排出量を最低20%削減させる目標を打ち出すなど先行。日本は、米国、中国、インドという排出量の多い国を次の枠組みに巻き込んで、「京都」に続く中心的な役割を狙っている・・・

環境保護の先駆者・リーダーになろうという気概はうれしい。ぜひ、世界のために日本がオピニョンリーダーとなってほしい。しかし、日本は、アメリカのいいなりで、自分では何も決められず、何もしないということは残念ながらますます明確になってきている。しかも、京都議定書のおひざ元ですら、こうなのだ。5月12日京都新聞は、京都で行われる外相会談が、環境を話し合う場から、ただのお祭りに変わったことを次のように伝えている。

来年夏の主要国首脳会議(サミット)の外相会合を京都で開催・・・京都府の山田啓二知事は同日の定例記者会見で、京都市や地元経済界、市民団体などとつくる「関西サミット京都誘致推進協議会」(堀場雅夫会長)を、外相会合の支援組織に衣替えする方針を明らかにした。・・・「外相会合も大きな意義のある会議であり、京都のみんなでしっかり支える」と述べた。具体的な支援の内容については「外務省と詰めながら、京都ならではのおもてなしをしたい。(各国外相の)夫人歓迎プログラムや、式典、パーティー、伝統文化を見てもらうことなども考えている」とした。・・・首脳会合が開催されれば、地球温暖化対策をアピールするため期間中に行う予定だった市内の交通量を抑制する交通社会実験については「会合で訪れる人は首脳会合の4分の一くらいで、交通規制の形も違う」と述べ、見直す方針を示した

記者の嘆きが聞こえてこないだろうか。温暖化阻止の先駆のはずの京都が、温暖化阻止のための具体的な取り組みを捨てて、パーティーや歓迎プログラムに走ってしまうのだ。京都にとって、観光客は大事だろう。しかし、モノにはバランスがある。地球規模の対策が求められている今、何が必要なのかをこの国の人は分かっていないのではないか。すくなくとも、為政者は、地球温暖化阻止を意中にしていないのでは・・・・。寂しい限りだ。

2007.05.10

バイオエタノール等による食糧恐慌の恐れ

日本政府の「本気」「やる気」を待ち望んでいたのか、やっとそれを感じ取れる方針が出たと受け取ったのか、各紙が一斉に報じた「ドイツ・ハイリゲンダムで開催される主要国首脳会議(サミット)で、地球温暖化問題に関し、2050年までに世界の温室効果ガスの排出量を07年レベルから半減させる数値目標を提案する方針を固めた」という報道は、温暖化阻止に向けて各国が具体的で意気込みを感じさせる政策を展開している中で、日本が世界の未来を担うリーダーとして注目を浴びるための、まさに光明であった。サミットでは、地球温暖化対策が主要議題の一つとなることは間違いない。そこでは、2012年までの温室効果ガス排出削減目標を国別に設定した「京都議定書」に続く新たな枠組みづくりに向けた議論が行われるだろう。中国・インド・アメリカ合衆国・ロシアといった温暖化ガスを大量に排出する国家の中で、日本政府が、具体的な数値目標を提示すればサミットやその後の温暖化対策に関する議論を主導できるはずだった。ところが、その直後に官房長官の正式な発言として、日本政府の姿勢が曖昧模糊で消極的なことを露呈してしまった。9日のローター電によると

・・・塩崎恭久官房長官は9日午前の会見で、日本政府が・・・2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を現状から半減させる目標を提案するとの報道について「・・・日本としても積極的な貢献を行うべく鋭意検討を進めているが、特にああいう(報道の)ようなことで固まった事実はない」と述べた。その上で「地球規模の問題なので、他の国々とも意見交換をしながら、日本としてユニークな貢献をどうできるのかを考えていきたい」と語った。

美辞麗句と模範解答なのであろう。「積極的な・・・鋭意検討を・・・意見交換しながら・・・どうできるか考えていきたい。」というのは、言葉だけでは鋭意検討するが、結局は現時点で何も決められず、他のみんなのいうことを聞いて、何ができるか考えるよ!ということではないか。つまり、国としての意見がないということになる。サミットで日本がどんなにか肩身の狭い思いをしているかということを考えると辛くなる。自国の意見を持たないから、発言力も影響力も育たない。戦後半世紀が経ったというのにまだまだ国家として自立していないのだ。軍隊がないからではなく、国が国としての確固たる未来への責任感が乏しいから、独立国家としての威厳がないのだ。

確かに各国が協調するということは必要だ。しかし、官房長官の発言によって日本をリーダーとしてついてくる国が、世界にもアジアにも生まれることはないに違いない。バイオエタノールはアメリカに追随して推進していくそうだが、世界的な食糧恐慌を生みかねない。本ブログでは半年近く前からバイオエタノールの食料生産に対する影響を懸念してきた。実際、世界中が食糧危機を意識しだしている。こういった予測は当たってほしくないが、食料を外国にほとんど依存する日本にとって、将来は非常に厳しいものと覚悟しなければならないだろう。ここにきてエネルギー確保に向けてロシアや中東を駆け巡ったわけだが、日本の危機はエネルギーだけでないことは、衣食住を考える庶民ならだれでもわかるに違いない。5月4日の毎日新聞も食糧危機について、今進んでいる破局的な将来を予測している。

世界の食料事情が大きく悪化するのではないかとの懸念が広がっている。中国などの経済成長や発展途上国の人口増で食料需要がどんどん増えているうえ、・・・穀物をバイオ燃料に振り向ける動きが強まっているためだ。地球温暖化が食料生産に与える影響も心配で、食料自給率が低い日本は将来に向け安定供給のための戦略を迫られている。・・・■相次ぐ値上げ 先月、果汁飲料の値上げ発表が相次いだ。・・・オレンジの産地・米フロリダ州がハリケーン被害に遭ったり、ブラジルでバイオエタノール用サトウキビを生産するためオレンジ畑が次々につぶされたりしているためだ。製粉各社は近く小麦粉価格を24年ぶりに引き上げる。昨年の豪州の干ばつなどで小麦の政府売り渡し価格が平均1.3%上がったためで、うどん、パンなども値上がりしそうだ。世界の穀物取引の中心、米シカゴ商品取引所では昨年後半からトウモロコシ、小麦、大豆の価格が急騰している。水産物も、マグロの漁獲制限をはじめ・・・値上がり傾向にある。・・・柴田明夫・丸紅経済研究所所長は「世界の食料在庫率は減少しており、(食料危機と言われた)1970年代と似てきた」と・・・ブッシュ米大統領は・・・トウモロコシを原料にしたバイオエタノールなどの代替燃料を年約1300億リットル供給する目標を掲げた。・・・「原油の中東依存からの脱却」を目指す安全保障戦略でもある。これを受け、シカゴ商品取引所のトウモロコシ価格は2月に前年のほぼ2倍に達し・・・あおりは他国にも及んでいる。トウモロコシを主食とするメキシコでは、抗議デモが起きるなど社会問題に発展。飼料の価格も上がり、日本の畜産農家に影響が出ている。・・・豪州は・・・大干ばつに見舞われた。その結果、小麦の生産量は前年比57%減の不作となり、国際価格を引き上げた。地球温暖化は、干ばつ、洪水、海面上昇などを招き、食料生産にも大きな打撃を与える。・・・農産物・水産物の適地が移動したり、農地の水没、病害虫の発生などの影響が懸念されている。◇日本の食料自給率、先進国では突出して低く…世界の食料事情が悪化すれば必要量を確保できなくなる心配がある。・・・その兆しは既にあり、食料不足に備えた国家戦略が必要になっている。

これでも日本をはじめ世界中の弱者を見捨ててバイオエタノールを推進するのだろうか。いらないとは言わないが、食糧恐慌がおきれば、世界中が思いもよらない方向へ暴走するに違いない。地球温暖化を阻止する前に、世界的な安全保障が危機を迎えるかもしれないのだ。もっともっと危機感を持つ必要がある。さもなくば、思いもよらぬ近い将来にコンビニにならぶ品物が無くなるような・・・。こんな悲惨な予想はやめようF(^_^;

2007.05.07

日本の環境政策は絵にかいたモチ?

6月のサミットでは、地球温暖化対策が主要議題となるようだ。また、参議院選でも地球温暖化阻止に対する具体的な公約が避けて通れなくなっている。安倍首相は、夏の参院選では、地球温暖化や環境問題を争点として訴えていき、党の公約に盛り込む意向のようだ。結構な話である。しかし、現状では、サミットでも参議院選挙でも、政策に具体性が伴わず、絵にかいたモチ状態になる恐れがある。では、具体的な・・・とはどのようなことを言うのだろうか。例えば、イギリスをはじめ、ヨーロッパの数カ国は、温暖化ガス対策として、マイナス6パーセントを超える、とんでもない達成目標をかかげ、風力発電や太陽光発電に、優遇買取制度をもうけたりしている。オーストラリアの呼びかけも具体的で、一斉に電気を消したり、森林の大規模な保全計画に予算をつけている。お隣の韓国では、世界最大の太陽光発電の施設を建設した。中国では、二酸化炭素を吸い取る森林の育成のために100万本!の植林計画を立てているという。各国の力のこもったデモとして、環境先進国のリーダーを狙う意図が見え隠れするが、実際に行われていることは強いインパクトを持って迎え入れられよう。言葉だけで「地球温暖化阻止に最善を尽くす。」とか、世界中に食料不安をまき散らしている「バイオエタノールの・・・。」などでは、だれも納得すまい。サミットやアジアでの発言力は低下こそすれ上がることはあるまい。

5月5に時事通信

  中国の電気自動車メーカー、山東金大路は、地球温暖化対策の一環として、中国の同社工場(山東省徳州市)付近で1000本の植樹を行ったと発表した。・・・電気自動車の設計・製造・販売による戦略的提携契約を結び、同年10月から植樹プロジェクトを開始した。・・・2010年までに合計100万本の植樹を計画しており、個人・事業所・会社や政府機関などに「100万本植樹チャレンジ」への参加を呼び掛・・・

5月3日YONHPNEWS

・・・新安郡に世界最大規模の太陽光発電団地が建設される。・・・来年までに840億ウォンを投じ、智島邑台川里の2万6000坪の敷地に、約4000世帯の電力供給が可能な電力生産施設を建設する。・・・10日から建設に入る東洋建設産業も1500億ウォンを投じ、台川里一帯の20万坪に2万キロワット級の超大型太陽光発電団地を建設・・・

日本では、5月3日の毎日新聞・・・

由良町門前の臨済宗の古刹(こさつ)・興国寺周辺で、10基の風力発電施設の建設計画があり、寺や地元の檀家(だんか)が中心となって2日、町や町議会に建設中止を求める嘆願書と反対署名(639人分)を提出した。山川宗玄住職は「寺は修行の地。見えないものが見え、聞こえないものが聞こえるのが座禅。環境の変化で、心が乱されるようなことがあれば取り返しがつかない」と、騒音や振動、景観などの影響を不安視している。・・・寺の裏山を中心に、北から北西にかけ、数百メートル離れた地点に弧を描くように造る計画。・・・日本風力開発(本社・東京都)が町に正式に建設を申し入れた。・・・ 寺関係者は他の風力発電施設について、近くの民家での騒音や振動などを独自に聞き取り。「ふすまなどがびりびりする振動があった。戦後の開発でも、鉄塔を見えにくくするなど景観に配慮されてきた経緯もある。・・・」と訴えている。・・・ 反対の動きなどを受け、業者側は建設場所を見直すなどしてきた。中井勤町長は「調査の中で適地と判断したと聞いている。自然エネルギーの活用は良いことだが、地元の理解と協力が必要と企業にも伝えており、説明が不十分なのは問題と考える」・・・

日本人の心のふる里出雲では、話し合いによって景観と環境の落とし所を見事に見つけることができた。由良にしてもしかり。建てない方が良い所には建てるべきではないというのが私の持論だ。歴史的な文化財は大切にしたい。しかし、しかし、ふすまのことまで取り上げて反対するという日本と世界のこの温度差は、どうなのだろうか。自分の庭は汚さない。ゴミも核廃棄物も二酸化炭素さえも他人の庭に捨てて平気だ!としてアジア各国に捨てているという日本の現状は、美しい日本人の心ではないと信じたい。私の知る美しい日本人は、家の前の路地を掃除するときは、自分の所を超えて隣まで掃き清めた。私も田の草刈りをする時は、自分の田+隣の一部まで刈る。みんながそうして「のりしろ」を大切にしてきた。そういった「思いやる心」こそ今の日本人が失ってしまったもののような気がする。自分の庭だけ守ろうとする日本人のエゴは醜くさえ見える。ところで、由良町の皆さんが坐禅を組んで瞑想するのなら、スイスのツェルマットのようにいっそ車の乗り入れも禁止し、静寂をもって「まちづくり」の目玉としたらどうだろうか。夕闇のツェルマットの路地を歩いてその静寂に心を打たれたことがある。

ところで、私は、風車の風切り音のバサー、バサーという音がまるで寄せる海岸で聴く波の音のようで結構癒されるのだが・・・。私の感覚が鈍いだけかなF(^_^;

2007.05.03

気候変動は、前倒しでやってくる

日本の安倍首相の話でも気候変動について前向きな姿勢が出てきている。ただ、残念なことは、抽象的で美辞麗句を並べているが、具体が見えないこと。各分野の取り組みを評価していること。確かに各分野では、一生懸命な取り組みが続いているだろう。しかし、現実はマイナス6パーセントはおろか、温暖化ガスの排出量は、増え続けているという事実に危機感を持たないといけないのではないか。イギリスなどのヨーロッパ各国やオーストラリアのような多少過激とも受け取れるような政府の主導がなければ、前線で働く者は、武器も与えられず連合国にバンザイ突撃していった旧日本兵のように、悲惨な結末を迎えるのではないか。彼らに必要なのは、温暖化に立ち向かうための武器となる財政的な援助であり、法制の整備であろう。今後、日本がサミット等で発言力を増すためには、「具体」と首長の「やるき」をもっともっとアピールし、前線で孤立無援の奮闘を続ける担当者たちに誇りと自信と実効力を持たせるべきであろう。

しかし、現在の状況では、後進国(失礼)から温暖化ガスの排出権をカネで買い取り、温暖化ガスをまき散らしても良いのだという偽善的なすり替えを促進したり、たくさんの温暖化ガスを排出する国々は、特別枠でその特権を守るようなポスト京都議定書を世界に押し付けようと企むといった姿勢が見え隠れしている。一方、石油を戦略的な道具としているロシアや経済発展の著しい中国は、温暖化は先進国の産業革命後の排出した温暖化ガスの責任だとして、自分の立場を守ろうとしている。アメリカを中心とする各国は、先進国や途上国それぞれの「国の事情に応じた行動の必要性」を前面にして、自国のエゴを通そうとする傾向がみられるなど、先行きはけして明るくない。そんな中で、温暖化が予想を上回るスピードで進行しているのではないかという研究記事が掲載された。5月1日のロイター電は、

[ワシントン 1日 ロイター] 米国雪氷データセンター(NSIDC)の氷河学者テッド・スカンボス氏は1日、北極の氷冠が当初の予想よりはるかに速いペースで溶けているとの見方を示した。夏に北極海の氷が溶けて全く無くなってしまう、あるいはほぼない状態となる時期について、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2050年と予想しているが、それが30年ほど早い2020年となる可能性があると指摘している。・・・夏の間に北極海の氷がなくなれば、地球温暖化が大きく進展することになるとしたうえで「現時点では北極が地球を冷やすことに一役買っているが、北極の氷が無くなったり非常に少なくなったりすれば、地球温暖化は加速することになるだろう」と述べた。また「IPCCの報告は非常に慎重かつ綿密で注意深く、それ故に、起こり得る可能性よりも確実に起きることに偏り過ぎた」としている

と伝えている。影響力の強いIPCCは、その影響力が故に、確実に起ることを報告しなければならず、どうしても過小評価せざるをえない。そう、IPCCの報告は、最低レベルでの可能性をしめしていることを念頭に入れなければならないのだ。つまり、彼らの報告よりも実際には、急激に広範囲で激しい気候変動が起こると考えるべきなのだ。しかも、気候変動だけでなく地殻の急激な隆起も発生していることが分かってきた。氷河の重みがマントルの海に浮かんでいる?!地殻を押し沈め、氷河が解けると地殻が浮かび上がって隆起するというのは、有名なアイソスタシー理論の裏付けだが、これが、スカンジナビア半島だけでなくアラスカでも起きているという。5月1日の毎日新聞は、研究チームの報告を次のように伝えている。

米アラスカ州南東部で地殻の急激な隆起が起きていることが、東京大、東北大、アラスカ大など日米研究チームの観測で判明した。重し役の氷河が地球温暖化で後退し、地殻が膨張したためだ。変動率は年間約3センチで、約2万年前の氷河期終了後に地殻が隆起した北欧やカナダ北部の3倍近いという。温室効果ガスを排出する人間活動が、間接的に大地を動かしたと言えそうだ。アラスカ州南東部は厚さ約1.5キロの巨大氷河に覆われていたが、18世紀半ばの産業革命以降後退が進んだ。これまでに約3000立方キロ(東京ドーム約250万個分)の氷が消え、氷河はほとんどなくなった。・・・(全地球測位システム)の測定データを組み合わせて解析したところ、地殻が約54センチ隆起したことが分かった。・・・孫文科・東京大准教授(測地学)は「氷河の大規模な後退は、地球全体の形を微妙に変える。地球の自転速度にも影響を及ぼす恐れがあり・・・・

温暖化のリスクを実際に体験している朝鮮半島にある韓国は、スウェーデンと同様な温暖化阻止に対する民意を示している。つまり、もっと温暖化阻止に努力しなければならないと考えているのだ。YONHAP NEWSによれば、

【ソウル2日聯合】国民の10人に9人が地球温暖化などの気候変化の深刻性を強く認識していることがわかった。・・・回答者のうち97%が気候変化について知っており、92.6%が気候変化の程度が深刻な水準だとの認識を示した。経済的な負担があっても、韓国は温室効果ガス排出の制限国に指定されるべきとの意見には83.7%が賛成した。気候変化の影響を問う質問に、「海水面の上昇」が92.6%、「台風・集中豪雨」が94.6%と国民の多くがよく認識していたが、気候変化の原因については「化石燃料の使用」が85.7%、「山林の荒廃」が90.6%と認識率よりは多少低かった。・・・2005年に実際の排出原を調べたところ、「発電部門」が34.0%、「産業部門」が31.4%、「輸送部門」が21.0%と・・・

だという。昨年末からこれまで、低気圧が幾度となく台風並みに発達して北陸東北北海道を襲っている。突風や雷による被害も枚挙にいとまがない。確かに、「春雷」という言葉があるように季節の変わり目の春に大気の乱れが生じやすいのはこれまでも同じだった。しかし、これほどの頻度で強大化する低気圧には、戸惑いを感じざるをえない。

日本がこれまで排出した温暖化ガスの責任をとり、「先進国」としてその技術力や世界に対する責任を果たすためにも、現状の取り組みでは足りないだろう。首相が次のサミットの主要課題になるに違いない「気候変動」に対して日本がどれほどの努力をしているかという実績がないままに参加すれば、日本の国際的な地位は下がりこそすれ上がることはあるまい。つまり、発言力はますます後退するだろう。首相には、ぜひ各国が驚き、尊敬するような「隠し玉」を携えて所要国サミットに参加してもらいたいものだ。

2007.04.28

温暖化阻止は、人類の存亡がかかっている

かっては、人類の危機といえば、隕石衝突か宇宙人の襲来だった。そしてそれらは、日本人ではなく、ウルトラマンが助けてくれた。今は、違う。どこかの俳優が、コマーシャルで「氷河期が来る。・・・でも、温暖化なんでしょ」なんて恥ずかしくて赤面しそうな発言をしているうちに、世界はどんどん進んでいる。24日のAFP=時事によれば、スウェーデンでは、生活水準を落としても温暖化を阻止しなければいけないという意見が多くなっていると伝えている。

スウェーデンで行われた世論調査で、10人のうち7人が現在の気候変動を懸念しており、同じく4人が地球温暖化を阻止する一助となるなら、生活水準を下げても良いと考えていることが分かった。・・・同国紙ダーゲンス・ニュヘテルに、地球温暖化に関する人々の懸念が高まっていることは予想できたが、生活水準を下げてもいいという人が予想を上回って広がっていると指摘し、「以前、人々は(温暖化の)現象にそんなに影響されていなかったが、現在では、温暖化の問題が人々に個人的な衝撃を与えています。車などに関して環境に優しい製品を購入することは、いまや社会的なステータスになっています」と語って・・・調査では、89%の人が個人個人が事態を良くするために責任を果たすことが重要だと答え、72%が既にリサイクル運動に協力していると回答した。また多くの回答者が、環境に優しい商品や地元の製品を購入する、もしくは今後そうしたいと・・・

ロンドンの時事通信によれば、

欧州各国は地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出削減に本腰を入れる。ノルウェーが今月、2050年までに排出を「ゼロ」にする目標を掲げたほか、英国も同年までに1990年比で6割削減することを柱とした「気候変動法案」を公表。京都議定書に規定のない2013年以降の「ポスト京都」に向けて・・・各国の議論はさらに活発化しそうだ

マイナス6パーセントを達成できない日本。1990年!!比で6割減らすというイギリス。排出を0!!にするというノルウェー。世界一の二酸化炭素排出国となった中国やアメリカ・日本と比べて、なぜこんなにみんなが真剣になっているのか。4月25日のフリーマガジン25によれば、

ベネチア、モルディブ、マヤ遺跡…いずれも言わずと知れた、世界の観光名所である。「生きてるうちに一度は行ってみたい」と密かに思っている人も多いだろう。だが、その望みが一生叶わない可能性があることを、あなたはご存じだろうか? 多くの観光名所が今、崩壊の危機にさらされているのだ。「水の都」として名高いベネチアは、プレート活動によるアドリア海の海面上昇のため、1世紀に10cmのペースで沈下している。さらに工業用地下水の汲み上げや地球温暖化が拍車をかけ、21世紀末には街の大部分が水没するともいわれている。・・・南太平洋に浮かぶ島国・ツバルはもっと深刻だ。海抜の低さから地球温暖化による海面上昇の影響をもろに受け、国全体が海に沈もうとしている。インド洋の楽園・モルディブも同じく水没の危機に瀕し、エベレストの氷河は今も溶け続けている。名だたる世界の観光名所が、地球温暖化によって悲鳴を上げているのだ。・・・環境負荷に配慮したツーリズムが当たり前の時代になっていくでしょう。ツアー料金にも、環境税の負担が常識になるかもしれません」・・・(同)

こういった、破局は、じわじわと音もなく忍び寄る・・・というばかりではないことをイギリスの海底遺跡が示しているという。26日の産経新聞によれば、

英国の東にある北海沖の海底に8000年以上前に水没した狩猟採集社会の遺跡があることを英バーミンガム大学の調査団が突き止め、さらなる調査に乗り出した。氷河期の終わりに海面が上昇して海中に没したとみられ・・・英国の東海岸から北東沖のシェトランド諸島を通ってスカンディナビア半島に及ぶ海底に狩猟採集社会の遺跡が見つかったという。これまでに2万3000平方キロメートルの範囲にわたって川や丘、砂地、湿地といったかつての地形を突き止め、地図にした。・・・景観考古学と地理情報の専門家である調査団のビンス・ギャフニー博士は「新たな国家を発見したかのようだ。海面が上昇して人々は生活の場を失った。変化はゆっくりと忍び寄るかと思えば、突如、速度を増し、人々を恐怖に陥れただろう」と語った。・・・ギャフニー博士は当時の社会でも川や丘には名前が付けられ、洗練された文明社会だったとも指摘した。・・・気候変動に伴う海面の上昇による人類社会への衝撃を示す一例と警告を発する・・・

後悔は後に立たず、覆水も盆に返らない。日本人のエゴによって風車の建設もままならない日本に見切りをつけて?住友商事、九州電力 の子会社であるキューデン・インターナショナル、中国大唐集団は、内モンゴル自治区おける風力発電プロジェクトの合弁契約を締結したそうだ。3社は同自治区赤峰(オラーン・ハダー)市松山区での風力発電で事業会社を設立、2008年末の運転開始を目指すが、CDMによる炭素クレジットの獲得も目指しているという。そういえば、日本の出した産業廃棄物もやり場がなく、東南アジアに輸出?されるのだそうだ。自分の出したごみを自分で片付けないなんて、「恥」と思わないのかな、日本人は。

 

2007.04.09

ipcc報告 温暖化による被害はすでに現実のものに

4月7日の産経新聞ほかで、ブリュッセルで開かれていた国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第2作業部会の報告についての報道がなされた。拙ブログでも、各地の現状や状況証拠から地球温暖化が本当のことであることを述べたが、この報告によって、理論づけられたといえよう。しかし、問題なのは、「地球温暖化」が事実であり、大きな破滅に向かっていることを知りつつ、温暖化阻止に対する一本化された行動を人類がとれないことである。

人間の活動が原因で地球温暖化が進んでいることを明確にし、水不足により被害を被る人口が今後、数億人増加すると予測した第4次報告書を採択した。平均気温が1・5~2・5度上昇すると、最大3割の生物種が絶滅の危機にさらされることも指摘した。・・・同部会には110カ国の政府関係者や科学者ら約400人が参加。気候変動が自然と社会に与える影響を審議したが、温暖化の影響を受ける人数などの予測数値をめぐり各国の意見が対立。・・・徹夜の議論を経て6日朝、合意した。報告書は平均気温の上昇について、ロシアやヨーロッパなどの高緯度地域で農作物の生産性が上がるなどの恩恵があることを指摘。その反面、低緯度の地域では・・・食糧生産量はマイナスに転じるとした。水不足が進み、中緯度地域や乾燥熱帯地域の多くで、今世紀半ばまでに飲用水や生活用水の1~3割が減少すると指摘した。 また平均気温が4度以上上昇すると40%以上の生物が絶滅する恐れがあることにも言及。サンゴ礁は1度の上昇でほとんど白化し、2・5度でほぼ死滅する。熱波による死者も増え、感染症が蔓延するとも指摘した。アジアやアフリカのデルタ地帯では、2080年代に海面の上昇により洪水のリスクが高まると予測。将来、沿岸にある湿地の約3割が消失する恐れがある・・・

これらのことは、予測の段階だと考えてはいけない。オーストラリアの大干ばつをはじめ、世界各地で水不足による干ばつ被害が頻発しているのだ。 IPCCのパチャウリ議長は「特に貧しい人々が被害を受ける」と説明、対策の必要性を訴えているという。下の3月19日のricord chinaの記事は、まさにリアルタイムで地球温暖化の被害が進んでいることをしめしている。

2007年3月18日、遼寧省の干ばつ水害指揮部によると、西北地区の干ばつ面積が約1500平方キロメートルに拡大し、住民69万1700人、20万7000頭の家畜に水不足が発生している。同地区は昨年来、干ばつに見舞われており・・・今年1、2月には降雨量が1mmにも満たなかった上、1951年以降もっとも強い暖冬になるなど異常気象の影響で、土地は完全に干上がっている。・・・土壌の含水率がわずか5~11%で、作付けをしていない土地の干ばつが約1480平方キロメートルに及んでいる。・・・この先、気温上昇と春の強風により土壌の水分がさらに減少すれば、春の種まきに重大な影響を及ぼすと懸念されている。

そんな状況下で産油国のサウジアラビアエネルギー大国のロシアの代表団は議論の停滞を狙って注文を付け、世界最大の温室効果ガス排出国である米国の代表団は「経済的打撃を受ける」との文言の削除を主張、米国に次ぐ排出大国の中国の代表団も細かい注文を出したそうだ。将来に禍根を残し、子孫に付けを強いる今の世界情勢には暗澹たる気持ちにさせられる。

2007.04.06

「不都合な真実」が静岡ほか地方都市へも

前回見ることができないと嘆いた「不都合な真実」が静岡にもやってくる。4月5日の毎日新聞によれば、アルゴア氏の「不都合な真実」は、全国配信が決まったようだ。これによって、再び温暖化への意識が高まることを期待している(^◇^)

◇米アカデミー賞最優秀作品・・・地球温暖化による人類存亡の危機を訴え、今年の米アカデミー賞で最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞した米国映画「不都合な真実」(デイビス・グッゲンハイム監督)・・・クリントン政権下で副大統領を務め、00年の大統領選でブッシュ現大統領に敗れたアル・ゴア氏が、大統領選での敗北後、世界各地で1000回以上開いている温暖化問題を訴えるスライド講演が中心。温暖化を引き起こすメカニズムや、海面上昇や異常気象、感染症のまん延など温暖化によって既に起こりつつある衝撃的な事実が、豊富なデータや映像で、時にはユーモアも交えて語られる。同時に、水や電気を使い過ぎないなど、日常の小さな努力を重ねることで地球を変えていけると訴えている。・・・ゴア氏は大学時代からこの問題を研究し、上院・下院議員と副大統領時代を通じて国際的なネットワークをつくるなど活動していた。・・・観客動員数は既に全国で26万人を超え、興行収入は3億5200万円に達するヒットとなっている。【岡田悟】

上映館は、右をクリックhttp://futsugou.jp/theaters/index.html

公式サイトはhttp://futsugou.jp/main.html

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2007.04.04

東京で霙(みぞれ)鳥取で竜巻

わずか数日前に30度を超える真夏日を記録した静岡は、今日は、暖房なしではいられない。とにかく寒いF(^_^;東京では、桜も満開を過ぎたというのに、狂ったような気温の変動があった静岡県のソメイヨシノはその咲き時を誤ってしまい、5分咲き程度の所も多い。初雪なしの東京も、4月になって冷蔵庫状態。東京に住む娘は、冬物を洗濯に出したばかりだというのに・・・。鳥取では竜巻の報も、他の県では突風の報もあった。気象があまりにもおかしい。4月4日の毎日新聞によれば、

4日午後4時40分ごろ、東京都心でみぞれが観測された。寒気を伴う低気圧が関東上空を通過した影響で、雷を伴う雨となり、さらに一気に気温が低下してみぞれに変わった。都心で4月に雪やみぞれが観測されたのは88年以来19年ぶり。気象庁によると、同日午後1時40分ごろ、この日の最高気温12.6度を観測した。だが、その後は急激に冷え込み、みぞれを観測した午後5時前には4度まで下がった。・・・

この気温の急変こそ温暖化の証だというのに、日本では政治家が票をとれるネタだと考えていない。困ったものだ。アメリカも同様で、4月4日の産経新聞は、ブッシュ大統領の迷言を伝えている。司法の側からのアプローチも効がないようだ。

【ワシントン=渡辺浩生】地球温暖化の原因となる温室効果ガスを規制する権限が連邦政府にあるとした米最高裁判決をめぐり、ブッシュ米大統領は3日の記者会見で、「判決を大変真剣に受け止めている」と述べる一方、今後の温室効果ガス削減策について、経済成長を阻害しない、中国、インドの二大新興国の参加が不可欠-という2つの条件を示した。大統領は「判決内容を完全に理解するには時間が必要」としながらも、温暖化進行について「深刻な問題で、人間(の経済活動)が温室効果ガスの一因であることは認識している」と強調した。そのうえで、温室効果ガス削減に対する姿勢について、自国の雇用の維持のために「経済成長が阻害されてはならない」と主張。・・・

しょせんは、人ごと・・・か。なにか、幼い子供が「~ちゃんもやらなきゃ、私もやんない!」とだだをこねているのに似ている。日本も同じだけれどね(^^ゞ。

2007.04.03

温暖化対策・・・これでよいのか日本

4月2日のYONHAP NEWSによれば、ソウル市の新エネルギー政策の方向が分かる。

【ソウル2日聯合】ソウル市は市内各地に太陽光発電所を建設し2020年までに新・再生エネルギー利用率を10%まで高めるとともに、温室ガス排出量を大幅削減を図る。呉世勲(オ・セフン)市長が2日、・・・「ソウル親環境エネルギー宣言」を発表した。・・・呉市長は祝辞を通じ、太陽光などの新・再生エネルギーを積極的に普及するとともに、下水熱などの未活用エネルギーも利用する考えを示した。・・・、ソウルのエネルギー量を2000年基準で・・・2020年までに15%削減し、温室ガス排出量も1990年基準でそれぞれ20%と25%まで削減する。・・各部門別のエネルギー利用現況調査を実施し、共同住宅やオフィスなどのエネルギー効率化、ハイブリッドカーや燃料電池自動車などエコカーの普及拡大を図る方針だ。ワールドカップ公園とその周辺に「ソウル市新・再生エネルギーランドマーク」を造成・・・エネルギー情報センターや太陽光発電施設を建設する。ソウル市新庁舎の建設には、雨水・重水の再利用、エアカーテン、高効率変圧器、屋上緑化など環境に配慮した設計を適用し、太陽光や地熱などの導入でエネルギー自立を最大限に高める計画だ。・・・太陽光と地熱を利用した新・再生エネルギーテスト団地を造成するほか、炭川など4か所の水再生センターは下水熱を活用した集団エネルギー供給熱源として使用する。また、水再生センター、浄水場、地下鉄車両基地などを活用した太陽光発電所を建設する計画で・・・建築工事費の1%または建築物総エネルギー使用量の1%以上が新・再生エネルギーとなるよう投資する場合、容積率インセンティブを与えることにする。このほか、ソウル市が出資したガス工事、地域暖房工事の配当金や一般会計転入金で年間100億ウォン規模の「ソウル市エネルギー基金」を設け、研究や技術開発、エネルギー事業投資などに使用する計画だ。・・・「ソウル市明るいソウル推進本部」には新・再生エネルギー政策を総括する「明るいソウルエネルギー担当官」を置き、2020年目標の「ソウル市親環境エネルギー基本計画」を年内に策定する。市は、地球温暖化など環境問題が深刻化する中、環境にやさしい都市として可能な限りの政策と支援を行う・・・

韓国のこの積極的な政策を見ると、日本以上に韓国の環境意識が高く、住民の合意が得やすいことが想像できる。また、4月1日の産経新聞が伝えるところでは、オーストラリアの本気がますます明確になっている。これも、国民の意識の高さゆえだ。

・・・オーストラリアが地球温暖化対策に力を入れている。シドニー市内では31日夜、民間団体の呼びかけで1時間にわたって家屋やビルの電灯が一斉に消された。環境政策を推進するハワード首相は同日、9月に同国で行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の最重要議題として、温暖化対策を取り上げる・・・消灯イベントには、約5万5000軒の家屋や企業、商業施設などが参加。観光名所のハーバーブリッジとオペラハウスの照明も消え、中心部は“暗闇”に包まれた。・・・豪州は国内電力の9割を石炭火力に依存し、国民1人当たりの温室効果ガス排出量が世界最大規模といわれる。・・・「京都議定書」への参加を見送ったハワード政権が最近、環境政策を積極的に打ち出している。・・・2010年までに家庭や企業の白熱電球を医療用などを除き廃止し、電力消費量の少ない蛍光灯タイプに切り替える方針を世界で初めて表明。3月には、温室効果ガスの削減につながる植林事業などを対象とした基金(2億豪ドル=約190億円)創設を発表した。・・・政策転換の背景には、昨年から記録的な干魃(かんばつ)が続くなど国内が異常気象に見舞われているという事情がある。また、環境政策への国民の関心も高まっており、今年後半に予定される総選挙で大きな争点に浮上するのは確実・・・クリーンなエネルギーとして原子力発電が世界的に注目される中、その燃料となるウランの輸出拡大(ウラン埋蔵量は世界一)を図ろうとする戦略も指摘されている。ハワード政権は国際社会の環境政策をリードするためにも、9月のAPECの場を利用する考えだ。

両国の政策には、学ぶべきところが多々ある。原子力の推進については、「?」がつくものの、国民の意識という後押しが効いているのだろう。みんなで電気を消すなんて、素晴らしいと思う。不便よりも「実効」を取っているのだ。本質を突いている。そこへいくと日本の環境意識は前に述べたとおり貧しいものだ。意識が低いから、ケバケバしいイベントやコンサートなどで華々しくエネルギーを消費した取り組みが目白押しになる。どうせコンサートなら、アコースティック&生バンドといかないものか。それだけではない。例えば、せっかくある風力発電施設を、安い売電価格からくる赤字のために取り壊そうとしているのだ。3月29日の毎日新聞は、日本の貧しい環境政策の犠牲になろうとしている風車についてこう語っている。

串間市は同市の第二高畑山(標高382メートル)山頂の風力発電設備を4月から休止する。赤字が続いているため。羽根の直径約30メートルの巨大風車は市街地のどこからでも見えるシンボルタワーだったが、わずか7年で動きを止める。・・・設備はドイツ製で、高さ41メートル、定格出力250キロワット。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究事業で、00年に設置された。耐用年数は約20年。九州電力に売電し、年間400万円前後の粗利益を生む予定だった。・・・市の単独事業となった04年ごろから設備の不具合や故障が目立ち始め、休止期間が年間60日を超えることも。このため発電量が減る一方、修理費用がかさんで年間100万円を超す赤字に転落した。・・・市は「利益は期待していなかったが、赤字の補てんに税金をつぎ込むとなると市民の理解は得られない。休止しても九電とラインがつながっている以上、年間11万円の基本使用料がかかる。将来は廃止も含めて検討したい」と話している。休止案は議会最終日の23日に承認・・・

風車は、そのメンテナンスをきちんと行うことでその寿命を延ばすことが可能だとさる町0000347の風車関係者がコメントしている。そして何より大切なのは、「風車に対する愛」なのだとも語っていた。NEDOが手を引いたとたんに故障が頻発し出したというのは、意識の低い担当者や市に管理を移されて、愛されなくなった風車が反乱を犯したのかもF(^_^;しれないなぁ。地球に対する愛などと大きなことは言わなくとも、自分の子供たちが安心して住める環境を取り戻してあげたいと思う。 写真は、おなじみのgochaさんから頂いたカタクリの群生。美しい自然をいつまでも残してあげたいものだ。

2007.04.01

異常高温と地球温暖化・これは異常気象!?

3月の25度で驚いていたら、4月1日に沖縄ならぬ本州中央の静岡で真夏日だという。ずっと地球温暖化から予想される異常気象について触れてきたため、異常な状態が常態化してしまい、何が正常で何が異常かわからなくなってきた。しかし、4月1日の真夏日というのは想定の範囲を大きく超えている。4月1日の時事通信によれば、

静岡市で1日、最高気温が30度を超え、全国で初めて、今年の真夏日となった。
 気象庁によると、同市清水区にある地域気象観測システム(アメダス)が同日午後零時半・・・4月としては最高の31.8度を観測した。 静岡地方気象台(同市駿河区)でも同零時49分に30.7度を観測した。 また、静岡県三島市の三島特別地域気象観測所では同零時33分に28.7度を観測。統計を取り始めた31年以来の4月の最高気温だった。

という。しかも、明日は、何と14度も気温が急降下するというのだ。その後は寒気が・・・・。季節が完全に崩壊し、気温の乱高下がその度合いを増している。ここまでくると、春を飛び越えて「今夏にどんな想定を超えた異常事態が起こるのか」と私のような小人は不安を抱いてしまう。しかし、異常に慣れて何もしなければ、それは禍根を残すことにならないとも限らない。静岡は、桜の開花宣言で大失敗をしているから、今回も・・・などと思ったり、きっとエイプリルフールなんだよな、などと思ったりする。だれかに嘘だといってほしい。

さて、こうした事態に、日本は、常識的で理性的な対応をしていると思っているかもしれない。何も具体的な動きが見えないからだ。そこへいくと、中国は動き出している。度重なる異常気象に真剣に対峙し、対策を実行しているのだ。3月30日のrecord chinaでは、次のように、中国の本気を伝えている。

2007年3月29日、湖南省長沙市の最高気温は29℃に達した。2日前と比べ、なんと14℃もの上昇だ。関係者はこの異常気象を大洪水の前兆だと見て、警戒を強めている。ここ2日間のあいだに、長沙市民はその装いを冬用のコートから夏用のTシャツへと変えた。27日の最高気温が15℃だったのに対し、29日は29℃にまで跳ね上がった。30日の最高気温も32℃と予想され、気温はさらに上がる見込みだという。・・・専門家はこの異常気象が夏以降の大洪水の前兆だと見て、警戒を強めている。湖南省では10年近くも全省規模の大洪水は発生していないが今年はその危険性が極めて高い模様だ。そのため、湖南省政府は着工中の水利工事の完成を前倒しさせるなど対策を取り始めている。(翻訳/編集・高口康太)

何もしないで破滅を待つのは嫌なものだ。アメリカでは、アルゴア氏の温暖化防止ライブがワシントンで反対にあって開催できないでいる。日本もアメリカも「本気」が試されている。今日は、東京に娘の引っ越しを手伝ってきた。都知事には、オリンピックよりも大切なものがあることの分かる人になってもらい、娘をはじめ多くの都民を守ってほしいのだが・・・。

2007.03.30

悪魔のバイオエタノールVS森林破壊の抑制・植林

3月だというのに25度を超える夏日が記録された所がある。3月としては最高記録に並ぶ昨日今日の気温だ。母は、外出しようと外に出て、あわててセーターを脱いでいた。日本周辺での気温が高いということは、今後、高温・多雨・台風の強大化などが懸念される。都知事選で東京はにぎやかだが、高潮から東京を守る対策を最優先で行ってほしいものだ。私の子供や親戚が東京で恐ろしい体験をしなくてすむように・・・。

23日の産経新聞によれば、バイオエタノールの効果が限定的であり、逆効果として食料の高騰などを招くことが改めて説明されている。朝日新聞などでも同様な記事があり、貧しい人々の食物まで奪ってのエタノールバブルの是非が問われている。

 ・・・ブッシュ米大統領は26日、ビッグスリー(米3大自動車メーカー)首脳と会談し、代替燃料バイオ・エタノールの普及拡大に努める考えで一致した。しかし、原料となるトウモロコシの価格が高騰。エタノールが普及しても温室効果ガスの削減効果は限定的という見方も出るなど、石油依存体質からの脱却と地球温暖化対策の“切り札”に早くも疑問が噴出している。「ガソリン消費を減らす技術的突破口だ」。・・・ホワイトハウスの庭に並んだ代替燃料車を前に、ブッシュ大統領はこうアピールした。・・・年350億ガロンの供給が必要となる。ビッグスリーは2012年までに生産台数の半数を代替燃料車にする考えだ。・・・しかし、米再生可能燃料協会によると、トウモロコシ原料のエタノール生産は現在建設中のプラントが完成しても年114億ガロン程度が限界。トウモロコシ全生産を投入しても、ガソリン消費を12%減らすだけだ。「農家が小麦など他の作物からトウモロコシ生産に次々と切り替えている」と米農務省エネルギー政策局のハリー・バウマス副局長。「エタノール・インフレ」とも呼ぶべき物価上昇を招いている。・・・卵や牛乳、肉の価格上昇が著しいのは、飼料価格高騰によるものだ。・・・トウモロコシ生産が集中する中西部のアイオワ州では昨年、農地価格が10%、イリノイ州北西部では17%も上昇した。・・・25日付のワシントン・ポスト紙は「トウモロコシはわれわれの問題を解決しない」という論文を掲載した。・・・トウモロコシを原料にしたエタノールは、生産過程で大量の化石燃料を使用するため、新エネルギー創出は1ガロン当たり20%にとどまる。温室効果ガスの排出量も同量のガソリンを消費した場合より15%少ないだけだ。トウモロコシ原料よりも効率性が優れたブラジル産のサトウキビ原料エタノールも、増産で熱帯雨林が伐採されれば、結果として二酸化炭素排出量の増大を招くという。・・・

物価及び農地の上昇で、アメリカのトウモロコシ農家は、空前の利益を呈している。当然、小麦から高く売れるトウモロコシへ作付け変更をするであろう。小麦を海外からの輸入に頼っている日本の場合は、価格の高騰の影響をもろに受けることになる。新エネルギーやバイオエタノールによって減少させることのできる二酸化炭素は限りがある。ゴア氏には、申し訳ないが、、(1)二酸化炭素税の導入(2)石炭火力発電所新設の凍結(3)二酸化炭素の地中貯留技術の開発(4)企業の二酸化炭素排出に関する情報開示の制度化よりも、緑の植物を増やす働きかけがもっとも重要であろう。そこに着目したオーストラリア政府の対策が、NNAから3月30日に配信されている。

ハワード首相は29日、違法な伐採を阻止するとともに植林を進めることで、森林破壊に歯止めを掛けるための国際基金を設立する計画を発表。初期投資として2億豪ドルを投じる方針を示した。地球温暖化対策の同基金はインドネシアなどを対象にしているもよう。同首相は豪州が批准していない京都議定書と比べ、10倍の温室効果ガス削減効果が見込まれると主張している。・・・ 同首相はダウナー外相、ターンブル環境相との共同声明の中で、森林伐採が原因の温室効果ガス排出は全体の20%を占めていると指摘。発生源別では化石燃料の発電に次いで2番目に大きく、すべての輸送用機器が排出する量を上回る・・・1日当たり440万本以上、年間では16億本の木が現在も伐採されており、このうちほぼ10億本の分が植え替えられていないことが明らかにされた。森林破壊を今の半分に抑えれば、30億トンの温室効果ガス排出がなくなると提唱。これは豪州の年間排出量の5倍以上に当たり、京都議定書で定められた削減量の約10倍に相当する。・・・ドイツや英国、米国も同基金に投資する見通しという。対象としては国連の報告で世界で最も森林破壊が行われているインドネシアなどが想定されているもよう。・・・同首相は、それよりも森林破壊と闘うほうが実質的な違いが生じるだけでなく、経済を損なうこともないとコメント。「京都議定書と比較して、短い期間でより大きな成果がある」と主張した。・・・インフラ相は今回の基金設立について、京都議定書に批准すれば、より効果が上がると指摘。・・・

京都議定書の弱点は単に二酸化炭素排出量のマイナスをその主務とすることかもしれない。だから、排出権とかいう大国のご都合主義的な理屈がまかり通り、莫大な「金」が動き、そこに利権を求める醜い動きが出てくる。ここでは、もちろん京都議定書に反対するわけではないが、減らす方法に、ゴミと同様な3Rの考えが大切なのだとしたい。京都議定書で「減らす」。植林によって二酸化炭素を酸素に「リサイクルする」。二酸化炭素を植物によって食料(炭水化物)に「リユースする」。この3身一体の推進が大切だと思うのである。

2007.03.27

地球温暖化に対する意識の低さ

地球温暖化についての意識調査で、日本は高いレベルを示しており、小学生でもその関心度は高い・・・とされていたのだが、残念な記事を見つけてしまった。というよりも、しょせん地球温暖化についての意識は単なる流行語のレベルなのだということを痛感させられた。3月26日の日刊スポーツで、プロレスの選手が下のように語ったという。

全日本の武**司(44)が25日、地球温暖化を味方に付けて3年ぶり3度目のチャンピオン・カーニバル(CC)優勝を誓った。・・・古傷の両ひざは、医師から筋力トレーニングを禁止されるほどだが「地球温暖化の影響で、例年より痛まない。絶好調」と上機嫌で話した。

このプロレス選手の言葉とそれを平気で掲載したスポーツ紙の意識は、日本人の環境意識におけるレベルの低さを露呈してしまった。暖冬・異常気象で高まったかに見えた危機意識は、穏やかな春?の訪れとともに彼方に飛んでいってしまったようだ。周囲でも「温暖化で暖かくなれば、いいじゃん。」ということを言う者がいる。「温暖化で、日本がハワイみたいになるんだって・・・」と喜ぶ!者もいるらしい。

そこへいくと偽善者とののしられながらも副大統領の時から、地球温暖化のもたらす未来を憂いながら、全世界的に訴え続けているアルゴア氏は、たいしたものだ。先の演説の対策の中には、私と考えを異にする部分もあるが、その先鋒としての役割は、驚異に値する。

3月21日の韓国紙YONHAP NEWSでは、このままでは、韓国が亜熱帯になってしまうとして、次のように語っている。

【ソウル21日聯合】サムスン経済研究所は21日、地球温暖化で韓国の気候が亜熱帯気候に変わりつつあり、長期的には生態系を大きく脅かすとの懸念を示すとともに、国としての対策を呼びかけた。
 同研究所は「気候変化にいかに対応すべきか」と題した報告書で、1960年以降、地球の平均気温が急激に上昇したことで気候が大きく変わり、地球全体が気象異変に悩まされているとした。韓国の場合、台風や集中豪雨など気象異変による経済的な被害額が1960年代の年平均1000億ウォン台から、1990年代に6000億ウォン台、2000年以降は2兆7000億ウォン台まで拡大したと指摘した。台風などが増加したのは1980年代後半からの気温上昇が原因で、夏場の豪雨発生頻度をみると、1940年から1970年代は年平均5.3回だったのが1980~1999年には8.8回以上を記録しているという。黄砂の年間発生日数も、1980年代の平均3.9日から2000年以降は平均12.4日と3倍以上に増え、被害規模は年間5兆5000億ウォンに達すると推計した。 ・・・ こうした気候変化に対し、欧州連合(EU)や米国など主要先進国は素早く対応し総合的な対策を進めている。韓国も1999年から3年単位で気候変化総合対策を立て運用しているが、これは気候変化現象に関する対策にとどまり、経済社会全般にわたる取り組むとするには不十分だと指摘した。・・・環境関連産業が韓国経済の新たな原動力になるよう投資を誘導し市場を作るなど積極的な対策を推進するよう促した。

0000344m気候が亜熱帯化することで、マラリアなども日本に入り込むことが懸念されている。温暖化のおかげで得をするという意識は、前途に対する不明を露呈するしかない。せめて、あたたかな冬だったお陰で、膝の調子がいい・・・ぐらいにとどめてほしかった。しかし、これが日本の熱しやすく冷めやすい現実なのかもしれない。 写真は、gochaさんから頂いた沈丁花科の三叉。春の訪れが、日本人の心から地球温暖化への危機意識を奪ってしまったらしい。

2007.03.23

アルゴア氏は偽善者?か

アルゴア氏が、アメリカの議会で温暖化防止のために熱弁をふるったという記事が出ている。どうやら、アメリカも本腰を入れ、ポストブッシュの流れが強まるのかもしれない。3月23日の産経新聞によれば、
【ワシントン=渡辺浩生】地球温暖化の危機を警告したドキュメンタリー映画「不都合な真実」でアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したアル・ゴア前米副大統領が21日、上下両院の公聴会に出席、ブッシュ政権が離脱した京都議定書の温室効果ガス削減計画を実行し、「ポスト京都」の国際的な枠組み作りにも主導的に取り組むよう提言した。同映画は全米の600館で上映され、ゴア氏は今年のノーベル平和賞の候補にも名前が挙がっている。自らは否定してはいるものの、2008年の次期大統領選への立候補を求める声もある。・・・海面上昇やハリケーンの強大化、干魃(かんばつ)の長期化などを食い止めるため、50年までに米国内の温室効果ガス排出量を90%削減するとの目標を掲げた。・・・京都議定書について、次期大統領が就任する09年1月に、「一時的な標準として順守することを超党派で公約」するよう求め、13年以降の計画作りでは排出量が多い中国やインドの参加を促すべきだ、と訴えた。米国内での温暖化防止策としては、(1)二酸化炭素税の導入(2)石炭火力発電所新設の凍結(3)二酸化炭素の地中貯留技術の開発(4)企業の二酸化炭素排出に関する情報開示の制度化-などを提言した。・・・
ということだ。大統領候補の一番手との呼び声も高いヒラリークリントンさんが、一番恐ろしいのは、アルゴア氏が出馬することだと言ったとか言わないとかという話が実しやかに囁かれるようになったということは、アカデミー賞の受賞と相まって、アメリカが変わろうとしている表れであろう。この変化を「市場経済の金儲けの種」とし、「環境は金儲け」になるからだという声も聞かれるが、良いことをやった人が経済的にも豊かになるというのは悪い話ではない。どうも、日本だと良いことをする人は「清廉潔白」で仙人のようでないといけないといったイメージがある。都知事選でも、そのあたりが政策論議のひとつとなっているようだが、政治家は、貧しくなければいけないとなれば、人材が集まるまい。
そんななかで、「アルゴア氏は、贅沢をして二酸化炭素をいっぱい出しているのに、人には節約を訴えるのは偽善的だ」との話が2月26日の毎日新聞に掲載されたことがあった。なんでも、米民間団体がゴア氏宅で電気・ガス浪費しているのを暴露して攻撃しているのだそうだ。何をかいわんやである。 

・・・アル・ゴア氏を地元テネシー州の民間調査団体が26日、「自宅では電気やガスを浪費している。偽善者だ」と批判、ホームページでゴア氏宅の電力消費量などを暴露した。・・・民間団体は同州の「テネシー政策調査センター」。同州ナッシュビルのゴア氏宅の電力消費量(公開データ)などをホームページに掲載し、「一般市民の20倍は使っている」と指摘した。昨年1年間の電気、ガス代は計約3万ドル(約350万円)という。同センターのドリュー・ジョンソンズ代表は毎日新聞の取材に「市民に資源の節約を訴えるのであれば自分が率先すべきだ」と批判した。・・・同センターは保守系で、「不都合な真実」を「誇張」と批判している。ゴア氏宅は約900平方メートル。米国で昨年新築された家屋(平均)の約4倍の広さで、温水プールもある。ゴア氏の広報官は「ゴア氏宅では太陽エネルギーの活用などで資源節約にも務めて・・・・

超多忙なアルゴア氏が、この自宅でどれだけ光熱費を浪費しているかは分からない。他にも、「講演のために二酸化炭素を多く排出するジェット機で世界中を飛び回るのはおかしい」といったものもあった。ちょっと読むとそうかなあと思ってしまうが、どうだろう。

仮にアルゴア氏が偽善者だとしたらどうだろうか。この世に生きている人間でそのレベルは違えど偽善者でないと言える人がいるのかという問題に行き当たる。完全な悪人というのもいないだろう。こういったことは、もの思う思春期を通ってきた来た人なら誰でも自問自答した経験があるだろう。人は、生きている限り偽善者なのだ。アルゴア氏に限ったことではない。地球に何もしない人間よりもずっと「良い」偽善者なのだ。少なくとも新エネルギーに反対し、化石燃料を燃やし続けたり、その恩恵を受け続けようとするモノよりも遙かに良いのだ。

人は、生まれながらに罪人であるというのはキリスト教の発想だが、衣食住において、たくさんの命を奪い、多くのエネルギーを使っているのが現代人である。つまり、人間は、生きているだけで、環境を破壊しているのだ。存在しない人間を仮に環境貢献度「0」環境破壊度「0」としよう。霞を食って生きている仙人または、完全自給自足の原始人であっても環境貢献度「0」環境破壊度「1」はあるだろう。私は、テレビやパソコンを見て、通勤は徒歩にしたものの、車も所有している。でもソーラーパネルを屋根にのっけているからから「環境貢献度1」環境破壊度「5」とする。自動車会社や電力会社は、それぞれキャンペーンをしているから環境貢献度「10」環境破壊度「1000」くらいかな。この数字には何の根拠もないが、アルゴア氏は、どうだろう。彼の働きによって削減された二酸化炭素や温暖化ガスは計り知れないから、環境貢献度は「1000」くらい。環境破壊度は、「20」とする。すると、私のような何もしない凡人や原始人や仙人よりもアルゴア氏の環境貢献度は遙かに高いことになる。つまり、原始人よりアルゴア氏の方が、地球のためになっているといえるのだ。

偽善者論争は意味のないことだ。ただ、つまらない輩にケチをつけられないよう、アルゴア氏には、もっともっとがんばってほしいものだ。私は、彼を応援している。(^◇^)

自宅と言ってもアメリカの有名人は、客を招いて話をしたり、その客を泊めたりするということもあるようなので、自宅兼会議場兼宿泊施設といった趣なのかもしれないね。

2007.03.13

日本と酷似・アメリカの異常気象

寒い毎日の上に、強風が吹き荒れている静岡県。とはいえ、半袖で体育ができるのも静岡ならではかな。それにしても異常な暖冬の直後の急冷却。その上嵐ときては、だれでも参ってしまう。いったん終息に向かうかとも思われたインフルエンザはまた、警報を発令した地区が増えてきている。国立感染症研究所感染症情報センターホームページ(リンクフリー)によれば、3月13日現在。

警報レベルを超えている保健所地域は148箇所(35都道府県)と前週と比べて大きな増加がみられている。

という。主役は、A型で約6割強を占めている。四国と中国・東北の一部以外は、ほとんどすべての都道府県で警報中なのだ。暴風雪での事故や怪我も報道されている。北海道を襲った低気圧は、予想通り台風並みに発達していたのだから、被害も少なくない。昨日の天気予報のニュースの中で「寒いけれど、これが本当の冬の気候だから、ホッとする・・・。」といったコメントをしていた方がいたが、とんでもない。これば、地球温暖化で想定される異常な気象現象なのだ。寒くなったから地球温暖化が進んでいないとはけして言えない。年末に異常な暖冬を記録したアメリカのこんなニュースがあった。

[シカゴ 8日 ロイター] 米小売各社が発表した2月小売売上高は、・・・不調だった。悪天候が背景としている。・・・気象調査会社によると今年2月の気温は1979年以来の低さだったため、アナリストは2月の小売売上高はさえない内容と予想していた。1月は、気温の低さが小売売上高を押し上げる結果となったが、2月は低気温に加えて、嵐など天気が悪かったため、客足が鈍ったという。

アメリカも、日本も記録的な暖冬の直後の気温の急低下+嵐というのは、できすぎではないか。しかも、異常暖冬はエルニーニョ原因説をとっていたのに、やっぱり、エルニーニョにしては、ちょっとおかしいということで、今日になって「エルニーニョ」と明記するのをやめたようだ。9日の毎日新聞は、下のように伝えているのに・・・。

気象庁は9日、今シーズンの暖冬をもたらしたエルニーニョ現象が、2月で終息したと発表した。今後は同現象と逆に、太平洋中東部の海面水温が低下するラニーニャ現象が発生する見込みで、今夏は東・西日本の太平洋側を中心に高温と多雨も予想されるという。・・・ラニーニャ現象は、太平洋の赤道付近を吹く東風「貿易風」により、太平洋中東部の海面付近にあった暖かい水が西側に寄せられ、冷たい水が海面付近に上がることで発生する。・・・夏にラニーニャ現象が起きた場合、太平洋高気圧の勢力が強まることから、日本では高温や多雨になりやすい。ただ同庁は「夏の天候は、低温をもたらすオホーツク海高気圧や、梅雨前線の発達具合も影響する。ラニーニャ現象の発生だけで猛暑になるとは言えない」としている。

気象庁は、責任ある機関なので、人心を煽るようなことは言えない。警報も出してから撤回をすることはできないので、コメントは実に慎重だ。しかし、今までの様子からすれば、今夏は、高温で多雨。太平洋高気圧の勢力が強まるから台風は巨大化して頻発するかもしれない。東京都をはじめとして海抜の低い土地を多くかかえる自治体は、早急に堤防の点検と補修・補強をして高潮に備えるべきだろう。新都知事にもそのことを即実行してもらいたいものだ。台風のシーズンまでそれほど時間があるわけではないのだから・・・。これは、あくまでも私的で慎重さに欠けた発言かもしれないが、備えあれば憂いなし。予想(予報ではない・まあ良く当たる占いのようなもの)にすぎない意見で、実際に外れたとしても何の責任もとれないが、これからは、経験則は通じない「環境の世紀」なのだから。予想が外れますようにF(^_^;

2007.03.08

気温の急変・温暖化の象徴

今年に入ってから、地球温暖化が進むと起るだろうと言われてきた異常気象が頻発している。先に触れたアメリカの異常な暖冬直後の急激な寒波による被害。ヨーロッパの季節はずれの嵐。八重山の竜巻。ジャカルタの豪雨。などなど・・日本でも異常な暖冬で草花の開花が早まっている中での春0000342の2度目の嵐とその直後の大寒波だ。今回の低気圧の足の速さにも驚かされ、その台風並みに発達した勢力には恐怖した。すべて、私の予想通りだった・・・・温暖化から予想されるシナリオ通り・・・・ことも恐怖に拍車をかけた。gochaさんから春のような陽気の直後の鉛色の空を映した吹雪の写真を頂いた。

一方、我が家の太陽光発電(5.4kW)は、一昨日、33kWhの今年最高発電量を記録しDvc00039たと思ったら、昨日・本日と3月としては最高タイの35kWh(過去3年間の我が家の太陽光発電による記録内での最高記録)を記録した。太陽光パネルは、気温が上がるとその効率が下がる。我が家の太陽光発電が、他の太陽光発電所よりも効率が良いのは、陸屋根に架台を組んで設置したために、風による冷却が進むからだと思う。昨日・今日の極低温により発電効率が上がったことが、その高記録の理由である。しかも、空気は乾燥して澄み切っているため、朝の7時には、すでに発電量が1000Wを超えている。Dvc00038ひとえに低温でパネルが冷却されていることに尽きる。

ただ、こんな形での記録更新は、望んではいない。今日の会合では、農協の関係者から、雪不足による水不足と十分な冷却がなされないための病虫害の増加の懸念が話された。野菜は、できすぎによる価格の暴落・米は、凶作の可能性があるのだという。これまたうれしくない話だ。

   

2007.03.05

急転・寒波に備えろ!

予想通り吹き荒れた強風がものすごいスピードで東北・北海道に向かっている。各地で被害が出ている。こんな予想は当たってほしくなかったが・・・。

次は、気温の急低下が日本を襲う。前日比マイナス10度近くの気温の急低下が発生する。日本海側では雪に備えなければ。中国では、すでに強風の後で大寒波が国を揺さぶっている。こんどこそ予想が(予報ではない)が外れてほしいものだ。

recordchinaによれば、

2007年3月5日朝、一晩の間暴風雪に見舞われた、遼寧省鞍山市の天候に回復の兆しが見えてきた。だが、その雪の影響で鞍山市の交通機関はすべて運行を停止。100万人の市民は普段よりも早めに家を出発し、会社や学校に向かうことになった。・・・遼寧省は、3月3日にも大寒波に見舞われたばかりだ。この日は記録的な降雪と寒波に襲われ、1951年以来の最大規模の寒波となった。遼寧気象センターは、寒波と豪雪の他にも海から吹く強風により、風被害や視界の悪化、また道路の凍結や高潮などが予想されると発表している。そのため、遼寧省全域の陸・海・空すべての交通機関に大きな影響が出ている。現在、遼寧省内11の高速道路はほぼ閉鎖中で、長距離バスの運行は停止状態だ。気象センターは、厳重な警戒を市民に向かって呼びかけている。(編集・饒波貴子)

歴史的な異常暖冬。夏日すら迎えた日本を今度は、寒波が襲って気温が急降下する。収ま0000338m りかけていたインフルエンザも心配だが、こんなに激しい寒暖の差は、すべての生き物にとって命にかかわるに違いない。静岡では、早くもバッタや蝶が飛び始めている。そんな虫達は、いったいどうなるのか。判断の甘さをそれらに問うことができるのか。すべての早々と動き出した生物を冬並の寒波が襲うのだ。私も寒波に備えて今日は、半袖でいられたけれど、明日は、防寒着を着ようと思う。明日から数日間は寒波に備えなければ。写真は、gochaさんから送って頂いた春の使者・ふきのとう

2007.03.04

嵐の予報・八重山では竜巻・・・

気象庁によると、4日に急速に発達しながら低気圧が日本海を進むため、6日にかけて全国的に大荒れの天気になり、5日は西日本から北日本の広い範囲で非常に風が強くなるとして警戒を呼び掛けたそうだ。寒冷前線の通過前後は落雷、突風、降ひょうの恐れもあるらしい。 4日の琉球新報によれば、3日に4本の竜巻が観測されたという。

・・・ 竜巻はそれぞれ約1000メートル間隔で、海面から約350メートルの高さで雲まで達しており、発見から約25分間で消滅した。同基地では過去2年間に竜巻の確認事例が2件あるが、複数の竜巻がほぼ同位置で確認されたのは初めて。・・・向平機長は「次々と竜巻が見つかり、すごいことだと思った。現場はそれほど漁業では使われない。いつ発生するか分からず、注意喚起は難しい」としている。・・・同気象台は「天候の影響もあるだろうが、それほど発達した積乱雲はなく、原因は詳しく調査しないと分からない」としている。

原因が、わからないというのは何とも不気味だが、3月4日の毎日新聞に気になる記事があった。

◇オホーツク海側の大雪、台風並みの低気圧
 ・・・札幌管区気象台は暖冬以外にも異常気象が目立つ冬だったと指摘する。・・・ ■主要因・・・「北極振動」「エルニーニョ現象」だ。・・・同気象台は「地球温暖化による気温上昇も関係していると考えられる」と話し、今回の暖冬はここ数年の異常気象の流れの中で起こった可能性を指摘する。
 北海道で起きた異常気象は暖冬だけではなく、発達した低気圧が北海道付近を通過して荒天になるケースも例年以上に多かった。12月27~29日には、本来、雪が少ないはずのオホーツク海側で1メートル前後の大雪が降った。1月6~9日には低気圧が台風並みに発達し、住宅半壊などの被害が出るなど、この季節としては異常な天候になった。・・・
オホーツク海を埋め尽くす“冬の使者”流氷の全体の面積は平年より小さめで、南下する速度も遅い。・・・■各地に影響 道民がかつて経験したことがない高温・少雪の冬。各地でさまざまな影響が出た。・・・◇「冷夏来ないとは言えず」--長谷川昌樹予報官に聞く・・・ここまで極端な暖冬になるとは想定していなかった。予報が当たったとは喜べない。
 高温・少雪の記録も異例だったが気温が高いため低気圧が発達しやすく、年末年始に暴風や大雪の災害が起きたことは特筆すべきだ。被害の大きな悪天候が相次ぐこと自体、道内では珍しいことだ。地球温暖化の影響で暖冬になる可能性が高くなっているとも考えられる。冬の気候災害に対する備え方を変えなければいけない。・・・記録的な冷夏でコメの生育に壊滅的被害が出た93年は、直前の冬が暖冬だった。また、エルニーニョ現象が終わった後の夏は今まですべて冷夏になっており、93年夏もエルニーニョ終了後の夏だった。・・・

 先の八甲田でのスキー遭難があった時も、急速に発達した低気圧が予想だにしなかった被害をもたらした。多くのまじめなスキーガイドが、それでも自省を惜しまない感想を述べているのを目にした。しかし、上記のように異常な冬だったのだ。そして、このような異常気象はこれからもレベルを上げて起こりうるのだ。

 この八甲田の事故では、たまたま近くで山スキーを楽しんでいた海外のレスキューの資格のあるスキーヤーが、遭難者の救出にあたったことが報じられている。雪の中を横に並んでラッセルをしながら遭難者を探し、応急処置を施したとも聞いている。事故を起こさないような対応と同時に、不測の事態を冷静な対応で最小限の被害に留めることの大切さがこの美談からわかる。極論を言えば雪のあるところでは雪崩が起こらないとはいえないそうだが、温暖化の進んだ地球では、温暖化故に八重山の竜巻のように通常では考えられない異常な現象が起こりうるのだ。船舶をはじめ、多くの人たちが、明日の低気圧の発達に備え、被害を最小限にとどめるための準備を怠らないでいてほしいと願う。明日・・・被害が少ないように。それにしても今日は暑かった。静岡では、半袖も不思議でない暑さだった。これが、3月のはじめなのかといぶかるほどだった。

2007.03.01

記録的暖冬の暗示する将来

3月1日の毎日新聞は、今年の冬が記録的な暖冬だったとする気象庁の発表を掲載した。まぁ、気象庁に言われる前にみんな分かっていたこと(それほど異常だった)だったが・・・。それによると、

 今冬(昨年12月~今年2月)の全国の平均気温は、平年(4.4度)を1.52度上回り、1899年以降の統計史上1位タイの高さだったことが、気象庁のまとめで分かった。また、北陸地方で降雪量が平年の9%にとどまるなど、全国的に降雪量が少なく、記録的な暖冬・少雪となった。 同庁によると、暖冬の原因は、地球温暖化のほか、太平洋中東部の海面水温が上昇するエルニーニョ現象などの影響で、冬型の気圧配置が長続きしなかったためとみられる。平均気温は、全国の観測地点153カ所のうち・・・計63カ所で最高値を更新した。また、降雪の観測地点123カ所のうち、青森、秋田、新潟など計21カ所で降雪量の最小値を塗り替えた。・・・ 東京都心では、初めて降雪が観測されないまま「冬」を終えた。・・・
今後、3月中旬に寒の戻りがあるそうだが、すでに異常に早い桜の開花が報告されているだけに、雪見桜となるのだろうか。そういった異常気象は、東京だけではない。有名な御神渡りで知られる長野県の諏訪湖も張り詰めた氷がひび割れ、せり上がる御神渡りどころか、全面結氷もなかったそうだ。宮坂宮司は「異常気象は、自然が人間に対し謙虚であるよう語っていると思える。昨年は豪雨もあったが、穏やかな年を願う」とあいさつしたと毎日新聞は、伝えている。
28日のYONHAPNEWSによれば、ソウルも記録的な暖冬で
・・・14年ぶりに漢江の結氷が観測されなかった。気象庁によると、昨年12月から1月までのソウルの平均気温は0.9度で、過去100年間では1978年の1.3度、1991年の1.0度に続き3番目に高かった。・・・

そうだ。それでは、今後どのような将来が予想されるのだろうか。2月23日付の 西日本新聞は、福岡管区、長崎海洋両気象台のレポートを掲載し、こう警告している。

・・・九州・山口の気候変動の実態をまとめた「異常気象レポート九州・山口県版2006」を発表した。・・・100年後に真夏日が年間20‐30日増えるとする予測なども盛り込んだ。地方の気象台がこの種の研究を公表するのは初めて。報告書は異常気象、温暖化、海洋環境の3章で構成。それによると、年平均気温は100年当たり約1、9度の割合で上昇しており、1980年代末以降は極端な高温や熱帯夜の日数が増えた。30年前(66‐75年)と最近(96‐2005年)を比較すると、最低気温が25度以上の熱帯夜の平均日数が福岡市で15、9日、熊本市で16、3日増えた。気温の変化に伴い、カエデの紅葉が過去50年で25、7日遅くなる一方、サクラの開花日は4、5日早くなった。海面も約20年間で10センチ前後上昇したという。100年後の九州・山口では、最高気温が30度以上の真夏日が沿岸部で年間20日以上、九州南部や奄美地方で30日以上増えると予測している。100ページを超える報告書は福岡管区気象台のホームページで見られる・・・

また、こんな恐ろしいレポートも出ている。いや、レポートよりも先にオーストラリアでは、恐れが現実となっているのだ。CNETJapanによると。

 地球温暖化で最初に影響を受けるのは、水かもしれない。

 Lawrence Berkeley National Laboratoryのディレクターであり、代替エネルギーの研究費増額に奮闘する世界有数の科学者、Steven Chu氏をはじめ、多くの識者が、地球の温度上昇によって氷河や湖などの水源が急速に枯渇すると予測している。・・・その影響は甚大かつ深刻なものになると述べ、一部ではそうした影響がすでに見られていると話す。同氏は、1997年にノーベル物理学賞を共同受賞した人物だ。
・・・「Cleantech Forum」の講演で、Chu氏は「夏期には黄河が干上がるようになった」と語った。・・・
 ヒマラヤ山脈の氷河や融雪を水源とする黄河は今、水量を減らしつつある。・・・ 米国では、カリフォルニア州およびネバダ州にかけて広がるシエラネバダ山脈の積雪量が、2100年までに30~70%減少する見込みだという。・・・減少率が20%にとどまった場合でも、芝生に水をやったり、トイレを頻繁に流したりすることを止めねばならないだろう。50%以上の減少率なら、カリフォルニア州の人口までもが減る可能性がある。積雪量が大幅に減少すれば農業も大打撃を受け、州外への移出はさらに加速すると、Chu氏は述べている。・・・降雪および降雨量が増えても、温暖化のせいで山脈は水を確保できず、ほとんどが使用される前に流出してしまうのだという。・・・「温暖化の影響を家庭で最初に受けるのは、おそらく水だ。貯水に関する問題は、日に日に深刻化している」(Chu氏)・・・複数の新興企業やGeneral Electricなどの一部大手企業は、海水や廃水を浄化し、人間が利用できるようにするシステムへの投資を増強し始めている。
今年、日本の積雪は、極端に少なかった。上に挙げられているような農業への大打撃が起こらないことを祈らずにはいられない。農家は、水不足に対する対応を洪水に対する対応と同時に行わなければならない。果たして零細で資本のない日本の農家がこれに耐えられるだろうか。穀物を含め、食料の高騰に庶民は苦しむかもしれない。そんな温暖化した地球のシミュレーションが今秋の日本で顕在化することになる。この私の予想も外れてほしいな。

2007.02.12

気候変動から「Climate Security(気候安保)」へ

Mmimgp1114 まだまだ、温暖化?のためか暖かな日が続いている。寒がりの妻が、湯たんぽも電気毛布も使う必要がないと喜んでいる。蓮華の花の写真は、家の近くの田んぼでなんと12月12日に撮影した物だ。通常よりも3ヶ月は開花が早い。(^^ゞ多くの識者たちの予想から、気候の異常・変動の恐れをこのブログで表明していたのだが、そのほとんどが、最悪のシナリオで現実のものとなっている。しかし、起こりうる最悪に近いシナリオがことごとく現実となるといった事態は、まさに想定外だ。今後も、識者たちによる最悪に近い予想のいくつかに気を配る必要があろう。2月9日の時事通信は、

地球温暖化が世界に与える影響を評価した国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の最終草案・・・現在のペースで温暖化が進んだ場合、ヒマラヤ山脈の氷河が2035年までに1995年時の5分の1に縮小するとの分析を例示。氷河の融解で洪水が増え、水源の崩壊が進むのは「ほぼ確実」との見解を示した。・・・草案は、他地域での氷河や積雪の融解も含め、世界人口の6分の1以上が、氷河などとして蓄えられている水量の減少で影響を受ける可能性が高いと指摘した。アジアでは2050年代には1億8500万~9億8100万人が水不足の状況下に置かれると予測している。

と予想している。洪水・豪雨の上に水不足とは、まるで船火事のような悲惨さだ。逃げ場が無い。そんなことが起こらねばよいと願ってはいるが、気象異常はまだまだその全貌を現さず、次々とその魔手を伸ばしている。東京の初雪無しの記録は、依然として更新中だが、2月6日の毎日新聞はその理由と別の詳しい予想・・・予測かなを次のように掲載した。ここでは、まさに水にかかわる、洪水・干ばつといった現象がすでに現れ始めていることがわかる。

日本列島は、全国的に高温と記録的な少雪の暖冬が続いている。気象庁も「ここまでの暖冬は予想以上」と驚く状況で、・・・「春の前倒し」も起きている。世界的にも高温・少雪による異常現象が目立つ。エルニーニョ現象が原因とみられる・・・■少雪は記録的 「数十年に一度の少雪。気温の高さも予想を超える」。気象庁気候情報課幹部はこう話す。・・・本州の日本海側を中心に、1月の降雪量は統計史上(61年以降)最少を記録。・・・名古屋市では平年より1カ月以上早い1月24日にタンポポの花が開き、神戸市では平年より22日早い1月31日にウメの開花が確認された。・・・ こうした暖冬の背景として、同庁は(1)寒気の南下が弱い(2)エルニーニョ現象――を挙げる。・・・ 日本の寒暖は、北極圏で寒気の蓄積と放出を繰り返す「北極振動」と呼ばれる現象が影響する。一般的に、寒波は北極振動によって放出された寒気が南下して来ることを指すが、昨年12月以降は、蓄積の状態が続いている。このため、日本だけでなく、世界的に高い気温をもたらした。・・・ ■北極寒気放出なく、欧米高温の主因に 日本だけでなく、・・・特に北米や欧州では高温となり・・・ ニューヨークで1月6日に22.2度の最高気温を記録。1月の気温としては50年の記録に並び、ハワイとさほど変わらぬ「暑さ」となった。モスクワでは10月末並みの気温で、動物園のクマが1月まで冬眠せず、サハリンでは沿岸の氷上で釣りをしていた400人以上が氷が割れて漂流した。・・・欧州でも、雪不足のためフリースタイルスキーの世界選手権が1月から3月に延期されたほか、南仏では、1月に海水浴を楽しむ姿が報じられている。 東南アジアでは集中豪雨による被害が顕著。インドネシアの首都ジャカルタでは、1月末からの断続的な豪雨による大洪水で、多数の死者が出た。南半球では干ばつの被害が目立つ。豪州では100年ぶりの激しい干ばつで、羊や牛などの家畜が衰弱。各地で山火事が起きている。 ■雪不足、農業打撃も・・・灯油の店頭価格(消費税込み、全国平均)は・・・下落が続き、・・・「これ以上、在庫は抱えられない」とジェット燃料に加工して輸出するなど対策に追われている。 百貨店などの衣料品売り場では・・春物を本格展開し「前年比15%の伸び」と好調だ。観光地では、スキー場が雪不足に悩み、ワカサギの氷上穴釣りで知られる群馬県の榛名湖(標高1084メートル)は全面氷結に至らず、地元漁業協同組合は1月29日、今年の穴釣り中止を決定。解禁なしは初の事態・・ 北陸地方などでは、雪解け水を農業用水に使うため、少雪による水不足を心配する声も出ている。・・・ ▽東京学芸大の高橋日出男助教授(気候学)の話・・・ただし、海水温を見る限り、エルニーニョ現象そのものはそれほど強くないので、他の要因もあるのかもしれない。

2007年2月5日、南郊気象台のデータによると、北京市ではこの日、前日より2℃高い16℃を記録した。・・・2月の気温としては167年間で最も高い。・・・北京市では、2月3日に最高気温12.8℃を記録し、半世紀ぶりの最高記録を作ったばかり。そのわずか2日後に記録を更新するとは誰も予想していなかったろう

同じく2月8日には、

杭州・・・600mもの長い漁網を仕掛けた。だが、異常気象とも言える高温が数日間にわたって続いた影響で魚群は少なく・・・今年の水揚げははるかに少ない。

という、漁獲高の激減を伝えている。一方、韓国のYONHAP NEWSは、2月11日の記事の中で今年見られる可能性の高い異常気象現象の実例を挙げている。 

ソウル8日聯合】気象庁の李万基(イ・マンギ)庁長は8日の政策会見で、今年の平均気温は平年の12.4度に比べより0.5度以上高くなるとの見通しを示した。英国の気象庁が今年は世界的に最も暖かい1年になると予測しているが、韓国も例外ではないという。 ・・・今年は異常気象現象が見られる可能性が高いと述べ、その根拠として冬の寒波の減少、春の黄砂頻発と水不足の可能性、夏の集中豪雨の規模拡大と熱帯夜発生日の増加、秋の大型台風被害の可能性などを挙げている。

農業や漁業への深刻な打撃。集中豪雨・洪水・水不足・巨大台風おまけに渇水など、どれも来てほしくないものだ。特に、東京に巨大台風が今年1月のヨーロッパのように勢力を弱めずに直接上陸した時の惨事は、目を覆うものとなるだろう。東京の広い範囲が水没し、多くの人命が失われるに違いない。オリンピックに心血注ぐ前に、あと半年で堤防をかさ上げし、洪水対策を行うことが急務であろう。実際、やっていると思うのだけれど・・・・。まぁ、こんな予想が当たらないことを祈るが・・・。F(^_^;

 さて、そんな中で、地球温暖化・環境変動などに関連して新しい言葉が生まれたようだ。2月9日の産経新聞によれば、

・・・ 主要国の中でも近年、急速に気候変動対策を最大級の政策課題にすえてきたのが英国だ。ブレア首相は「子飼い」のミリバンド環境相を中心に二酸化炭素排出規制に厳しく臨み、「脱炭素社会」の構築で指導力を発揮しようとしている。・・・ その要因には二酸化炭素の排出がエネルギー政策とからみ、ひいては国家の安全保障にも影響するという意識がある。英政府は「気候変動」に代わって「Climate Security」(気候安保)という新語を盛んに口にするようになった。・・・異常気象が増えれば、自然災害によって国家の安全が脅かされる。だが、それだけではない。省エネでエネルギー効率を上げれば、気候変動の抑制につながると同時にエネルギー危機にも対応できるとの思いも込めた言葉といえよう。

「安保」という訳が適切かどうかわからないが、脱炭素社会を構築すれば、化石燃料に依存する率を下げられ、過去のオイルショックのような事態にも対応できるということだ。これは、同じく島国の持てぬ国、日本にもあてはまるのではないか。

2007.02.06

バイオエタノールは悪魔か

前回は、温暖化の真偽をめぐっての話だったが、今回は、07年のデトロイトショーに関する投稿で、バイオエタノールが貧しい人々の食を奪い飢餓を産むのではないかと表明した懸念が早くも現実となったことを話さねばならない。私は、預言者(^^ゞではないが、当たり前の事は、予想できる。そして、その予想が、怖いほど当たっているので嫌になってしまうのだ。

 さて、車をはじめとした内燃機関の燃料としてサトウキビやトウモロコシから生成されたバイオエタノールが脚光を浴びているが、それは、貧しい人々を飢餓に追いやる悪魔のような方法だと前回、述べた。私の母は、対戦中に戦闘機の燃料にするということで松脂を集めたそうだが、今回は、光合成の効率の高いトウモロコシがその原材料に使われている。もちろん、それを食べる人のことなど思わぬ大国のエゴだ。危惧していた事態は、メキシコから始まった。

メキシコで主食のトルティージャの値段が急騰していることに国民の怒りが高まっている。先月31日には数万人の市民がメキシコ市中心部でデモ行進した。値上がり幅はこの3カ月で40%以上。材料のトウモロコシが米国でバイオ燃料の原料として需要が高まり、値上がりしたのが一因とみられている。台所を直撃された庶民の間で、カルデロン新政権に対する反発が強まっている。 ・・・トルティージャはトウモロコシの生地を焼いた薄いパンのようなもの。貧しい庶民にとっては唯一の主食だ。その値段が1キロあたり6ペソ(約70円)から場所によっては30ペソ(約330円)前後と急騰。中央銀行もインフレの引き金になりかねないと警戒している。・・・ トウモロコシは地球温暖化対策の代替燃料エタノールの原料となることから注目され、収穫減もあって米国などで価格が上昇。メキシコは北米の貿易自由化の流れで、米国から安価なトウモロコシを輸入している。

貧しい国を搾取することで、一部の国の人間が贅沢をしているというのが現実である。日本は、貧しい国々の犠牲の上に繁栄を続けている。けして豊かとはいえない(もちろん、貧しいとも言えないが・・・)ブラジルでは、2010年までにバイオエタノールの生産を倍増させると言っている。2月5日のロイターは、

[ロンドン 5日 ロイター] ブラジルのマンテガ財務相は、日本とスウェーデンを中心とする代替燃料需要の増加に対応するため、2010年までにエタノール輸出を倍増させる方針を明らかにした。・・・ マンテガ財務相はまた、英国に地球温暖化対策としてより多くのエタノールを使用するよう求めた。・・・財務相は「われわれは、代替エネルギー源を採用する国が多数派になればと考えている。英国には、エタノールをより重要視することが可能だ」とも指摘した。

と伝えている。

日本が、貧しい人々の主食を奪うようなことの無いように願いたいものだが、人々を飢餓に追い込む先鋒が我が、愛する日本なのだ。未来の子どもたちのことを思えば、化石燃料の消費だけでなく、バイオエタノールのような空気中の二酸化炭素を取り込んだ燃料も内燃機関や火力発電といったものに使い難い時代になってきた・・・それが環境の世紀なのだと思う。しかし、日本の国策は、その環境政策に疎い。今日の朝日新聞には、日本の風力発電や太陽光発電が世界の中でどんどん遅れをとっていること、そして、その復権は険しいことが掲載されていた。そしてその理由が「貧弱な国策」にあると結んでいる。これで、良い訳がないだろう。世界や未来を見通せない懐古趣味的な「美しい国」っていったい何なんだろう。おっと口が滑ったF(^_^;

2007.02.05

地球温暖化は本当か?!

明日は、静岡は20度近くに最高気温が上がるのだそうだ。節分を過ぎたばかりなのに、子ども達は半袖で外を走り回っている。Imgp1227_1 つい数日前は、裏の田が全面結氷した。めったに氷のはらない我家の気候からすれば、その極端な寒暖の差は、異常に思える。しかし、これは、単なる気候の揺らぎなのかもしれない。F(^_^;って思いたくもなる。なぜなら、今年になって急にメディアが「温暖化」連呼し出した。温暖化は本当に地球の危機なのか、様々な意見がある。こういう時には、冷静になってその真贋を見抜く必要がある。アルゴア氏の働きは、大きく、ノーベル平和賞の候補にあがっているそうだが、日本人やマスコミは、視聴率をとれるセンセーショナルな話題として扱っているだけのような気もする。

 アメリカは、未だに温暖化に対して鈍感で的外れなことを言ったりやったりしている。二酸化炭素を地中に追いやり、その圧力によって出て来た石油を売る・・・なんてトンでもないことをしているだけではない。ITmesianewsの1月31日の記事によれば、今もってアメリカが一番温暖化に対する意識が低いのだ。

世界の約9割の人々が地球温暖化問題を認識しているものの、「非常に深刻な問題」ととらえている人は57%にすぎない・・・認識が最も高いのはチェコの消費者で、99%が「認識している」と回答。・・・チェコの首都プラハでは、2002年8月に鉄砲水に襲われ、4万人が被害に遭っている。また、翌2003年には欧州を猛暑が襲い、フランスをはじめ欧州全体で約3万5000人の死者が出たとされているが、フランスはブラジルに次いで「温暖化は深刻な問題」との回答が多かった。・・・。一方、二酸化炭素排出量が最も多い北米では、温暖化を「非常に深刻」ととらえる人が43%にとどまる上、12%が「地球温暖化について読んだり、聞いたりしたことがない」と回答している。温暖化の原因についての認識でも同様の傾向が見られ・・・温暖化の原因を「気候の自然な変化による」とする回答は北米で最も高く、12%なっている。

この結果は、某TV番組の「アメリカでも巨大台風の被害によって、温暖化に対する意識が高い」という統計と違うが、痛みを伴うことがなければ、本来人間は、無関心なのであろう。それだけなら、人間の悲しい性と言えるのだが、アメリカは、意図的に温暖化を打ち消そうとしているらしい。1月31日の毎日新聞によれば、

 ブッシュ米政権下で連邦政府機関に勤務する気象学者のうち150人が、過去5年間で延べ435回にわたって「気候変動」という言葉を報告書から削除したり研究結果を政権の方針に合わせるよう求められるなどの「政治的介入」を経験していた。・・・ 23日の一般教書演説で温暖化は「深刻な問題」との認識を示したものの、連邦レベルでの温室効果ガス規制には依然難色を示している。・・・約300人の政府関係機関の気象学者のうち、46%が「気候変動」「地球温暖化」という言葉を削除するよう圧力を受けたことがあると回答。43%が、研究結果の科学的意味づけが変わってしまうような内容の変更を強いられていた。25%が、介入の結果、科学者が辞任したり研究への参加を辞退した例を知ったり経験したりしていた。

そうだ。これほどやっきになって否定するのだから裏はありそうである。つまり、温暖化が危機であることは確からしい。もっとも、日本でも、二酸化炭素を悪役に据えない研究に圧力をかけようとしているとの話も以前、このブログであつかったのでアメリカも日本も同レベルかもしれない。かのアルゴア氏は、「二酸化炭素やメタンガスなどの温室効果ガス」と表現し、二酸化炭素だけを悪者にしていない。このあたりは、さすがだと思う。二酸化炭素ひとつを悪役にすれば、その排出権の売買というまちがった動きを産むのだから二酸化炭素を悪者とする人の口上には注意が必要だ。

 では、実際にはどうなのだろう。暖冬から急転直下の寒波や嵐を体験したアメリカとヨーロッパである。地球温暖化によって、災害や気候変動がその規模を上げるらしいという予測は、この1月だけをとっても当たっていた。それどころか2月に入っても

2月3日時事通信(アメリカ・フロリダ) 

米南部フロリダ州の中部一帯が2日未明(日本時間同日夕)、竜巻と雷雨に見舞われ、ロイター通信などによると、オーランド近郊の町ペイズリーとレディーレークで同日夜(同3日午前)までに19人の死亡が確認された。・・・クリスト知事は4郡に非常事態宣言を出した。

2月3日毎日新聞(日本・山形)

 県内各地で1月の平均気温が観測開始以来、最高記録を更新したことが2日わかった。・・・一方、1日から2日にかけ、県内の上空に強い寒気が流れ込み、各地で大雪に見舞われた。

2月2日サンケイスポーツ(オーストラリア)

【ジーロング(豪ビクトリア州)1日】・・・想像もしない渇水地獄(!?)だった。・・・地球温暖化の影響か、豪州各地で日照りによる渇水が深刻。ここでも昨年12月から市の水道局が一般家庭の庭の水やりすら禁止する最大レベルの節水条例を発動中。条例に違反した場合の罰金は、2000豪ドル(約18万7000円)以上という厳しさだ。

2月4日時事通信(インドネシア)

【ジャカルタ4日時事】今月1日からインドネシアの首都ジャカルタを襲っている洪水で、警察当局者は4日、これまでに20人が死亡、1人が行方不明になっていることを明らかにした。洪水で家を離れている避難民も約34万人に達している。・・・市内では冠水が4メートルに及んでいる地域もあり、作業は難航しているもようだ。

という有様だ。これらのことを予想していたかのように・・・予想していたんだよねF(^_^;・・・国際赤十字のこんな活動が1月31日の毎日新聞でひっそりと報道された。

国際赤十字・赤新月社連盟は30日、地球温暖化の進展に伴って洪水が世界中で増えていることに懸念を表明し、洪水多発地帯での住民教育など温暖化関連の災害に備えることを今年の重点活動目標にすることを明らかにした。洪水被害を最小限にとどめる住民教育や警報システムの整備を進めていかねばならないと強調した。

つまり、温暖化で災害が起こるか起こらないか、その理由は何かなどという論議をする前に実際に現場にいる赤十字は、現実に即して動き始めたということだ。また、毎日新聞2月1日号では、太平洋に浮かぶ小国キリバスのアノテ・トン大統領は、来日して

「キリバスは、地球温暖化による海面上昇によって国土が海に浸食される危機に直面している」と、地球環境問題に取り組むよう訴えた。キリバスの平均の海抜高度は2メートルで、最も高いところでも高度5メートルしかない。

としている。しかし、このブログでも先に触れたように、東京には、キリバスより低い土地がたくさんあるのだ。それらは、すべて温暖化で沈む運命にある。遠い南の島のはなしではないのだ。折も折、2月2日のロイター通信では、このブログでも再三述べていた、訴訟の話が出ている。

[サンフランシスコ 1日 ロイター] 米カリフォルニア州が、地球温暖化の原因となる排気ガスが同州に数十億ドルの損害を発生させたとして昨年9月に自動車メーカー大手6社を訴えていた問題で、同州のブラウン司法長官は1日、6社の最高経営責任者(CEO)に書簡を送ったことを明らかにした。前任のロッキヤー司法長官が訴えていたのは米ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーター、トヨタ自動車>、独ダイムラークライスラーのクライスラー・グループ、ホンダの北米部門、日産自動車の6社。ブラウン長官は昨年11月に現職に選出された。・・・カリフォルニア州は6社に対する訴えを引き続き進めていくとする一方で、この訴訟は「温室効果ガスの排出という大きな問題」について同州が米議会や自動車業界と協力して取り組む動きの一環だと強調した。

訴訟は、もう待ったなしで各企業を襲い、多くの企業は、その利益を損害の補償に当てざるを得なくなるだろう。それだけではない。2月2日の読売新聞は、これかららどうなるのだろうかという疑問に答えて

環境省は同日、これまでの国内での調査研究結果をまとめた資料集を公表した。・・・熱中症患者が増え、コメの収穫量は減少、砂浜の90%が消失――。・・・ 国立環境研究所などの予測によると、今世紀末、日本では最高気温30度以上の真夏日の日数(2006年は東京で38日)が2~3倍に増える。エルニーニョ現象がより顕著になり、6~8月には豪雨になる頻度が増し、異常気象がますます深刻化する。・・・その結果、コシヒカリの栽培では、苗をこれまでと同時期に植えた場合、気温の高まりで50年後に東北地方南部から南の多くの地域で、約10%収穫量が減る。生育も不十分となり、米粒が乳白色化して、品質が下がる。九州北部から中部の水田では、太陽熱で蒸発する水分量が増加、慢性的な水不足が予測される。

日刊ゲンダイでは1月9日付で

NHK出版刊「NHKスペシャル 気候大異変」(NHK「気候大異変」取材班+江守正多編著 1300円)は、進行する地球温暖化が人類の未来にどういう影響を与えるのかを、スーパーコンピューター「地球シミュレータ」で予測したサイエンスビジュアルブック。昨春、話題を呼んだテレビ番組の書籍化だ。・・・東京では紅葉の見ごろが1月になってしまうという。その予兆ともいえるヨーロッパを襲った04年の熱波や、05年のハリケーン・カトリーナなどを例に、異常気象による災害の恐怖を説く。さらに、「地球シミュレータ」の計算結果が警告するアマゾンの熱帯雨林さえも砂漠化してしまう乾燥や、干ばつによる食糧危機、そして熱帯病の流行など、・・・ 地球温暖化の本当の怖さを教えてくれる教科書だ。

どうやら、極々冷静に、マスコミに踊らされないようにしてみても、温暖化の是非や危機論は、もう不要かもしれない。論の段階を超えているからだ。それを多くの人は感じている。そしてそれは、実際に私たちが一番良くわかっているのだから。

2007.01.30

温暖化予想変更の恐怖

 今日もまたポカポカ陽気。半袖になって外に出ても苦にならなかったほど。雪が積もらなければ、太陽から来たエネルギーは、反射される事も無く温暖化に拍車をかける。温暖化の加速が始まることは、想像も容易だ。私のような一般人は、研究者ではないので、慎重な物言いは必要ないが、冷静で沈着なはずの新聞や科学者たちも、今や発言が過激だ。30日の産経新聞によれば、温暖化予想に思わず恐怖しなければならないような論が出て来たようだ。

地球温暖化の研究や予測を集約する国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の第4次報告書の気候変動予測が来月2日、パリで発表されるが、専門家の間からは、報告書案は温暖化による南極やグリーンランドの氷床が急激に溶けていることを考慮しておらず、海水面上昇の予測が甘いとの批判が上がっている。・・・報告書案は今世紀末の海水面上昇を最大58センチと予測している。 これは、最大88センチとした前回の5分の3にすぎず、トンプソン米オハイオ州立大学教授は同通信に対し、「報告書はグリーンランドや南極大陸(の氷床融解)について考慮しておらず(予測は)もっと驚くべきものになると思う」と話した。02年には南極で約3200平方kmの氷床が1カ月余りで消失、グリーンランドでは1996年の倍の速さで氷床が解けているという。(杉浦美香)

とのことである。『予想はもっと驚くべき・・・』という件には、恐怖を覚える。いったいどうなるというのか。科学者が、このような論をあげるということは、信用問題であろう。しかし、氷床の驚くべきスピードでの消失が事実であれば、前述の光を反射する白い雪氷がなくなり、熱を吸収する黒い表土が広がることになる。雪達磨式に負の連鎖がおこることは、私のような一般人にも予想できる。大量に二酸化炭素を排出する我々のエゴで、貧しい国の人たちまで恐怖の大過の犠牲になるとしたらどうだろうか・・・。

2007.01.29

これも温暖化か・・・25年目の異常事態

庭のMimgp1218梅と並んで我家の畑の梅も満開。F(^_^;これも温暖化の影響かな。一年や二年のブレではなく、29日の毎日新聞に25年間で初めての異常事態とうたったこんな記事が・・・。

◇例年、ワカサギの氷上穴釣りでにぎわう群馬県高崎市の榛名湖。今年は暖冬の影響で湖面が結氷せず、地元の漁業協同組合は29日、解禁を断念した。同湖で本格的に穴釣りが始まって という。 ・・・・◇湖は釣り客のキャンセル続出でひっそり。繁忙を期待していた湖畔の商店は「死活問題。これも温暖化の影響なのか」と嘆いている。【深谷徹夫】

こういった、被害も訴訟の対象となる時代が近づいている。温暖化と二酸化炭素の因果関係が明確になれば、一気にそうなるだろう。それなのに、日本では、「不都合な真実」の上映をしない県もある。我が静岡県もそのひとつだ。また、アメリカも同様に不明な状況下にある。29日の産経新聞によれば、「不都合な真実」の上映を止めたというのだ。

 【ロサンゼルス=松尾理也】米国のアル・ゴア前副大統領が出演し地球温暖化の危機を訴えるドキュメンタリー映画「不都合な真実」(日本でも公開中)を、ワシントン州シアトル郊外の公立学校が理科の教材として上映しようとしたところ、親から抗議が寄せられ、中止に追い込まれた。・・・地元紙シアトル・ポスト・インテリジェンサーなどによると、コンピューター・コンサルタント業の男性(43)が7年生(日本の中学1年に相当)になる自分の娘が同作品を鑑賞する予定を知り、「地球温暖化の議論は米国を否定する悪質な宣伝だ」と地域の教育委員会に抗議。同教委は「議論が分かれる問題であり、事前の承認が必要」として事実上、上映を禁止する通達を学区内の各校に流した。・・・ この決定が報じられると、同教委には「科学への無知をさらけ出した」「言論の自由の弾圧だ」などの抗議が殺到。委員は「真意は上映禁止ではなく、バランスをとって教える必要を強調する点にあった」と弁明に追われる羽目になった。・・・ただし、同教委には決定を支持する声も少なからず寄せられている。

そんな中で、温暖化は確実に進行しているらしい。27日の読売新聞によれば、

地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)濃度が海水中で上昇を続けていることが気象庁気象研究所の観測でわかった。・・・大気中の濃度上昇による影響とみられる。海中濃度が上がり続ければ、海水が大気中のCO2をあまり吸収できなくなり、温暖化が早まる可能性もあることが知られており、同研究所は温度上昇とCO2吸収との関連などの解明を進める。

破局は、意外と近い将来にあるのかもしれない。いつまで人はエゴを通していられるのだろうか。今から、温暖化に対するアクションをしていく必要が迫られている。

2007.01.28

暖かな春・・・温暖化の影響?

Mimgp1182 我家の庭の梅は、満開となりました。畑の桃も今を盛りと咲いています。暖かな日が続いています。

しかし、温かくてよいことばかりはないようだ。1月27日の京都新聞によれば、暖冬の影響で、京都府福知山市では交通事故が減少し、除雪費用が削減できたり、野外施設への入場者が大幅に増えるなどのよいことがあったという。しかし、豊作のダイコンやキャベツの価格が例年の半値ほどに下がったために、出荷を断念する生産者も出ているということだ。 

舞鶴海洋気象台によると、同市の1月平均気温は4・4度(24日時点)と例年より約1・5度高い。積雪を観測した日は3日間で、昨年の20日間を大きく下回る。積雪や道路の凍結が少ないため、交通事故は減っている。福知山署によると・・・スリップが原因の事故はまだない。また、・・・先月の業者への作業委託費(除雪)は前年同月の約10分の1の180万円にとどまった。・・・市動物園の1月の入園者数は、・・・3・3倍増の1907人を記録した。・・・福知山合同青果によると、「ダイコンやネギ、キャベツは豊作で、値段は例年の半額から3分の2程度。しばらく安値は続く」と予想する。・・・市中の農業塩見貞夫さん(69)は、「今年の出荷はあきらめた。ダイコンは市場でも10キロ200円。1人で6時間かけて100キロ収穫しても2000円にしかならない・・・

1月25日の毎日新聞でも

24日の最高気温が11・8度と平年の8・5度を大きく上回った神戸市内では、百貨店が冬物衣料などに暖冬の影響を受け、早めのバーゲンセールで乗り切ろうとしている。・・・神戸海洋気象台によると、神戸市内では今冬、雪が降ったのは先月29日と今月7日の2回だけで、1月の気温もおおむね平年より1~2度高く推移している。・・・暖冬による雪不足で但馬地方の一部のスキー場は、休業状態が続き、関係者が悲鳴をあげている。イベント中止も相次いでおり、観光協会は「2月の連休までに降ってくれれば」と1日も早い恵みの雪を願っている。・・・

Mimgp3867ということで、競技を中止したり、営業できないスキー場がいっぱいあるようだ。 写真は、山梨県富士天神山スキー場の昨日の様子だが、雪不足のスキー場が多いためか、非常に混雑していた。これからは、比較的標高が高く、人口降雪機があるスキー場でしか営業が難しくなるかもしれない。これは、中部や関西だけの話ではない。1月24日の毎日新聞では、なんと北国である秋田の異常な高温が記事となっている。暖冬を通り越して、「暖冬異変」だという。しかし、冷静なはずの新聞が、「異常」や「温暖化の影響」「異変」といった形容詞をなんの躊躇も無く?使うようになったという現実は、無視できない。

◇暖冬異変・・・秋田市のスキー場は雪不足の直撃でいまだ営業を開始できず、暖房器具は売れ残り、自然界でも異変が見られる。・・・◇列島全体が…秋田地方気象台によると、ペルー沖の海水温度が上がるエルニーニョ現象が起こる一方、北極が寒気を放出する「北極振動」の働きが不十分なことから、日本列島全体が暖冬傾向となっている。・・・秋田市仁別蛇馬目沢の太平山スキー場オーパスの積雪量は、23日現在、約5センチ。・・・人工降雪機も気温が高すぎて十分に機能しない。・・・経営する太平山観光開発株式会社の高橋裕美取締役は、「雪不足は天災と同じ」と嘆く。・・・◇出番5回だけ・・・秋田市の除雪車両。今年は、・・・従来と合わせ計105台体制で備えたが、出動は23日現在で計5回。◇暖房器具も売れず・・・・秋田市内のある家電量販店では、FFヒーターやファンヒーターなど、灯油を使った暖房器具の売れ行きが昨年度の7~8割にとどまる・・・ ◇異変 自然にも異変が現れている。秋田県庁の中庭の駐車場に植えられているキンキマメザクラは、昨年11月ごろから部分的につぼみが花を咲かせており、「雪が降る中でサクラが咲くなんて」と職員らを驚かせている。例年の咲き始めは4月上旬だという。 また、秋田市雄和種沢では今月12日、1頭の子グマが県道を横切るのを目撃され、暖冬のあまり冬眠から覚めたのかと騒ぎに。

温暖化によって、生育する植物や動物に変化が生ずる。それによって、主食の米をはじめ、転作を余儀なくされる作物が多く出てくる。また、衣料品や暖房器具などの需要動向も変ってくるだろう。気象が異常に振幅を大きくしている今、これまでの災害の想定をはるかに超えたスーパー災害とでもいうような災害が頻発することになるだろう。河川の改修をはじめ、それに対応する予算は、計り知れない。「これらの復旧作業費や被害は、すべて温暖化ガスを無制限に出す企業によって補填補償されるべきだ!」という意見がごくごく普通のものになる日が近づいている。自動車企業をはじめ、日本の企業はその時、どのような裁きをうけるのだろうか。F(^_^;また、内燃機関を持つ乗り物を使ったり、暖房や冷房を節約しない一般庶民も同じだとなると、揮発油税などの税金がこれから跳ね上がるのかな。

2007.01.23

温暖化阻止へアメリカ重い腰を上げる

 京都議定書にも調印しないということで今や四面楚歌のアメリカだが、ようやくその重い腰を上げたようだ。ホッキョクグマを絶滅危惧種に認定したのも1年余遅れたが、温暖化ガスと温暖化の関連をやっと認めたようだ。折りも折、国連の地球温暖化についての科学的予測では、次のように語っていると23日付の読売新聞は、伝えている。

石油や石炭などの化石燃料に依存する社会構造をこのまま続けると、日本を含む東アジア地域では、今世紀末の冬の平均気温が現在より最大6・95度、夏は5・48度上昇すると予測。国内では北海道以外のスキー場の大半が雪不足になるほか、中部以南の多くの県で米の収穫高が最大40%減収花粉症患者も増加するなど、日常生活にも様々な被害が生じると警告している。・・・地域ごとの詳細な被害予測を具体的な数値をあげて初めて明記した。さらに、「気温上昇や雪氷の融解は現実に起きており、温暖化は明白」として、根強い温暖化懐疑論も明確に否定している。

遅きに失した感もあるが、ブッシュ大統領が今月23日に行う一般教書演説で地球温暖化対策の強化を打ち出す方針を明らかにしたそうだから、己の非をついに認めざるを得なくなったということか。今まで「温暖化の原因が人間の活動かどうかは不明」としてきたブッシュ政権も、現実の前には、後退転進を余儀なくされたのだろう。それに呼応するようにアメリカの大企業10社は、一斉に地球温暖化を防止するため、今後10年間で二酸化炭素(CO 2)などの温室効果ガスを最大で10%削減することなどを盛り込んだ勧告を発表したという。これは、本気かもしれない。もっとも、大統領は技術革新とエネルギー源多様化を進めることが最善として強制的な削減目標の設定には改めて反対の意向を示しているらしい。だだっこの言い訳にもとれて、ブッシュ大統領らしいとも言える。次のヒラリーさんに期待する方がよいのかもしれない。 もっとも、やっと地球温暖化対策や資源循環型社会の構築などを統合した「21世紀環境立国戦略」を今年度中に打ち出す方針を表明した日本の遅れもアメリカ並かもしれない。温室効果ガスの削減義務付けが始まる08年を前に、あたふたとした取り組みを勧める日本には、子孫を守るとか未来の環境を考えるというような骨太な精神があるのだろうか。F(^_^;

2007.01.19

今度は、ヨーロッパで暴風雨

今度は、ヨーロッパだ。「このような地方の災害を上げれば、地球は広いのだからいつでもどこかで何かがあるさ。」という話をする人がいる。「一部の天災をまるで関連付けるような論調は、科学的ではない。」というのもよくわかる。「今年がそうだからといって、来年以降もそうなるとは限らない。特異な年なのかもしれない。「気象統計は、30年以上を平均して見なければ、短視眼的で、愚かな結論を導き出すだけだ。」ということも全くそのとおりだと思う。ただし、これが、今でなければだ。19日の読売新聞によれば、

欧州各地で18日、暴風雨による被害が広がり、AP通信などによると、少なくとも27人が死亡した。・・・英気象庁の発表によると、強風の影響は広範囲におよんだ。・・・ 

という。北海道よりもずっと北に位置するヨーロッパは、台風は、そこに到達する前に衰弱してしまう。この時期には、北から寒気を伴った嵐が来る事はあるが、私が生活した10年前のオランダの3年間では、この時期のこのような暴風雨は記憶に定かでない。たしかに、街路樹の枝が折れるようなことはあったが・・・。同じく、産経新聞では、その様子を詳しく報道している。

 BBCテレビによると、欧州北部から東部の広範囲にかけて18日に吹き荒れた強風は、英国で最大瞬間風速44メートル、ドイツで47メートルを観測するなど記録的なものとなった。・・・この影響で英国では倒れた木や壁の下敷きになるなどして12人が死亡。フランスでは、英仏海峡近くの北部で、車を運転中の女性が倒れてきた大木の下敷きになって死亡。強風で視野をさえぎられたとみられる乗用車と大型トラックが衝突し、乗用車を運転していた男性が死亡した。・・・このほかドイツで7人・・・・・欧州全体で少なくとも計29人の死者が出た。・・・英ヒースロー空港では計130便が欠航・・・特急ユーロスターも運行を見合わせ、フェリーなどの遅延や運休が相次いだ。オランダなどでは多くの学校が18日午前から休校になったほか、自宅待機の勧告が出された。・・・また、フランスの多くの地方では、強風で屋根が吹き上げられるなどの被害が出たほか、10万所帯で停電し、うち5万所帯は夜半でも停電が続いた

 これまでのヨーロッパは、異常な暖冬。ロシアでは、「観測史上初めて」という歴史的な暖冬となり、クマが冬眠に入れないそうだ。ロシアは昨年は「100年に1度の大寒波」に襲われたが、今年は厳寒(マロース)期にもかかわらず、モスクワは異例のプラスの気温の日が続いているそうだ。そのため河川は、増水で氾濫し、ハリネズミなども冬眠に入れず、狐の餌食になっていると産経新聞が伝えている。

 こういったことは、アメリカやヨーロッパなどの先進国だけに起こっているのだろうか。答えは、ノーだろう。キリマンジャロの雪が消えているのは事実だ。後進地帯での異常は、報道されていないだけで、実際には起こっていると考えるのが普通だろう。そんな折、地球温暖化に対する最新の分析や予測を集約した国連の「気候変動に関する政府間パネル」では、人間活動による温室効果ガスの排出で温暖化が確実に起きていることがと強調され、化石燃料に依存した大量消費型の社会が続くと、今世紀末の地球の平均気温は最大で6.3度上昇すると予測が出たと毎日新聞が伝えていた。平均気温が1度上がるだけでも大変なことが起こるのに、6度も上がったらどうなるのだろうか。少なくとも水際に多い先進国の都市はすべて壊滅するに違いない。しかも、それは、数十年単位という極々短時間で起こるのだ。山裾に家を移すべきかF(^_^;

2007.01.17

予想通り!米・気象異常暖冬→大寒波

 今、アメリカは、大寒波だそうだ。死者も出ている。友人のアメリカ人は、クリスマスに帰国した時にアメリカは、春のように暖かだったと言っていた。それが、AP通信によると米南部から中西部、東部にかけて、この先週末からみぞれや暴風雨を伴った寒波が到来しているのだそうだ。その影響で16日朝までに6州で計41人が死亡、数十万世帯が停電となっている。ついこの間、このブログでも、今年の気象は、普通でなく極端な気象が連続するのでは、という話をしたばかりだが、こんなに端的に現れるとは予想だにしなかった。ワシントンでは、桜の花が冬なのに満開となったと報じられているし、過酷で極端な気象が、当たり前となってきている。AP電によれば、

 ・・・オクラホマでは少なくとも17人、ミズーリとアイオワで8人、テキサスで3人が死亡した。・・・送電線が切れ、ミズーリで30万世帯以上、ミシガンで10万6000世帯、オクラホマで10万世帯、ニューヨークとニューハンプシャーにかけて14万5000世帯が停電した。・・・ホワイトハウスは15日、オクラホマに緊急事態を宣言、連邦政府による支援を始めた。・・・ 米東部のニューヨーク市では今月6日に22度を記録するなど暖冬傾向が続いていたが、一転して氷雨や雪を伴う寒波に見舞われた。・・・ カリフォルニア州でも冷え込みが続き、・・・総額7億ドル(約810億円)の被害を出した1998年の寒波を上回る被害が出る可能性があるとしている。・・・ 米メディアは「エル・ニーニョの影響で大気圏の上層部に大量の水蒸気が流れ込み、カナダ上空の寒気上に広がって発達した低気圧となったのが原因」と分析している。

「アメリカでは、政府がすでに機能しなくなっているから、政治を離れて温暖化阻止に取り組んでいる。だから、大統領をめざすつもりはない」というようなことをアルゴア氏は語っていたが、それは、正解かも知れない。こういった事態を招いた政府や火力発電所・車産業等に対して、被害者が巨大訴訟を起こすというシナリオも具体性を帯びてきたといえよう。かの経済発展を謳歌している中国でさえ、環境中心に国策を転化してしているとレコードチャイナが下のように報じている。

2007年1月17日、中国国務院新聞弁公室の紹介によると、現在中国ではコストより環境を重視するクリーンなエネルギーの利用を推進しようと、内モンゴル自治区などの風力資源の豊かな地域で、風力発電の建設が進んでいるという。・・・・・・内モンゴル自治区では風力発電が盛んに行われており、これまでにすでに朱日和、商都、錫林、達裏、ホイトンシロ(輝騰錫勒)に計5つの風力発電所が完成し、・・・調査の結果、内モンゴル地区における風力エネルギーの開発と利用は、自然環境の状態を改善することが分かっており、・・・ 内モンゴル自治区と新疆という2つの地域は草原や砂漠大地が広がり遮るものが少ないため、中国で最も風力発電に適した地域だそうだ。

それなのに、日本では、まだまだ政策が弱い。国をあてにしないアルゴア氏のような活動が求められているのかもしれないが、寂しい限りだ。しかし、希望が無いわけではない、太陽光発電各社は、その増産体制を整えていると、フジサンケイビジネスアイは次のように報じている。

太陽電池メーカー各社は今年、大幅な増産に乗り出す。・・・増産は環境意識の高まりや、太陽光発電の売電制度が普及する欧州を中心に世界で需要が伸びていることが背景にある。 シャープは3月、・・・同社はセルの製造過程で出るシリコンの切れ端やくずを回収して再利用できる技術を業界で初めて開発・・・ 

しかも、毎日新聞によれば、温暖化についての意識は、格段に高まっている。小学生はもちろん、大人でも地球温暖化が最も重要な環境問題と考えている人の割合が約10年前に比べほぼ7倍に増えて1位になったことが国立環境研究所の調査で分かったそうだ。これらは、一縷の望みといえよう。

2007.01.16

「不都合な真実」上映迫る

http://wPhoto_3ww.futsugou.jp/  ハルさんからも紹介のあった、アルゴア氏の「不都合な真実」が上映されます。ぜひ、劇場に足を運び、温暖化のこと、これからの地球のこと、身近な環境のことなど考えてみたいと思ったのに、上映館が静岡にない!!!残念でならない。

2007.01.07

07年の地球温暖化予想

強風が吹き荒れる日本列島。しばらく暖冬の穏やかな日が続いていたと思ったら、突然の嵐だ。本当に地球の気象は優しさを失いつつあるようだ。

さて、1月3日のロイター電によれば、オーストラリアの干ばつは相当深刻なようだ。

・・・国土の半分が水不足に苦しむ一方で、もう半分の地域には全土の年間降水量に匹敵する降雨があったとしている。 ロイターの取材に対し、気象局の担当者は「これらが地球温暖化加速による影響だということは、ほとんどの専門家の一致した見解」だと語った。 その上で「オーストラリアは気温も世界平均と比べて速いペースで上昇しており、最も暑い年の記録上位20のうち15は1980年以降の年で占められている」と話した。

ということだ。これは、南半球のオーストラリアだけではない。サーチナ中国情報局12月31日のレポートによれば、06年の中国は、1951年以降で2006年が最も暖かな1年であり、気象災害による死者は2704人、経済損失は2120億元に達したとして07年を次のように占っている。

中国気象局の秦大河局長は12月28日、「中国では2007年は悪天候の日が増えるだろう」と述べた。29日付で英字紙チャイナデイリーが伝えた。・・・ 同局の関係者によると、地球規模での大気や海洋などの観測から07年には中国北部で干ばつ、南部で洪水が多発する・・・・

また、ロイター電でも、中国と同一見解を示すイギリスの記事がある。それによれば、

[ロンドン 4日 ロイター] 英気象庁は4日、地球温暖化やエルニーニョ現象により、2007年は世界的に観測史上最も気温が高くなるとの見通しを示した。同庁はさまざまな要因が重なり、今年の平均気温は観測史上最高だった1998年を上回る公算が大きいとしている。 同庁の科学者ケイティー・ホプキンス氏は「この新たな情報は世界規模で気候変動が起きていることをあらためて警告している」と指摘した。・・・2007年の平均気温は1961─90年の平均気温である14.0度を0.54度上回る見通し。

こういった予測は、まったくうれしくない。巨大台風や大雨・干ばつ・突風・竜巻などなどの災厄が頻発しかねないということを暗に提示しているからだ。この予測が、外れることを祈らないではいられない。キーボードを打つ私の耳にも外の突風の音が聞こえている。

2006.12.31

06年を振り返って・・・温暖化・異常気象

昨年から続く異常気象の数々。巨大台風・爆弾低気圧・竜巻・集中豪雨・豪雪・・・・・・なんとも恐ろしい一年だった。いや、これは、ほんの序章かもしれない。

[キッズgoo]で検索された子どもたちの関心事の1位は、「ゲーム」だそうだが、前年3位の「リサイクル」が4位に後退し、「地球温暖化」が7位に、「酸性雨」が36位に入ったそうだ。今や、「地球温暖化」を知らない小学生が少なくなった。何より、身近な気象さえも異常なのだから、数年前の「地球のどこか遠くの話」といったことは無くなったのではないだろうか。すでに数年前からアメリカの子ども達は「熱帯雨林」の消失を関心事にしていたことから言えば、遅きに失するということかもしれないが・・・。

24日の毎日新聞では、ヨーロッパアルプスのスキー場の雪不足を次のように伝えている。写真は、1993年にスイスモンブランの氷河バリーブランシュに行った時のもの。

Image28世紀以降、最も暖かいという冬が原因・・・・約200のスキー場があるスイスでは23日現在、全面滑走可能な所は皆無で、今シーズンはまだ雪が降っていないスキー場もある。・・・ 英科学誌「ニュー・サイエンティスト」(電子版)によると、オーストリアの科学者が樹木の年輪などから過去の天候を推測したところ、今冬のアルプス地方は「西暦755年以降で最も暖かい」。世界気象機関(WMO)は「1シーズンだけで地球温暖化の影響と断言することはできないが、アルプス地方の気温上昇は世界の他地域より速く進んでいる」と懸念を示している

もちろん、これは、ヨーロッパだけではない、京都議定書に調印しないアメリカでさえ、ホッキョクグマを絶滅危惧種に認定しようとしている。地球温暖化で北極海の氷が解け、生息域が急速に減少していることをその理由にあげている。しかし、国際自然保護連合(IUCN)が06年版「レッドリスト」でホッキョクグマを絶滅危惧種に指定したのは、5月だからアメリカは、まだまだズレている。ブッシュ大統領だけの問題ではないかもしれない。とはいえ、来年1月15日に開催される映画「不都合な真実」のジャパン・プレミアに、アメリカ合衆国元副大統領アル・ゴアが出席し、舞台挨拶を行う予定だそうだから、アメリカ善意はまだ生きていると捉えるべきか。この温暖化をあつかった映画「不都合な真実」は、ぜひ見に行きたいものだ。

日本も例外ではない。長野地方気象台の1961年以降の記録では、長野市での積雪は3番目に遅いという。しかも、一旦降りだすと、大雪注意報が出される。気象に、優しさが消え、激しさや荒々しさが目立つのが、普通になってしまった。30日の毎日新聞が伝える福井地方気象台の発表によれば、

◇冬は記録的な大雪 平均気温1.5度低く
 ◇雨の日多かった春 日照時間、平年の76%
 ◇真夏日が32日続く 夏の雨、平年比136%
 ・・・・・豪雪や豪雨など、1年を通して異常気象に見舞われたことを改めて印象づける結果となった。
 冬(昨年12月~2月)は強い寒気が日本付近に南下して記録的な大雪となり、「平成18年豪雪」と命名された。平均気温は平年より1.5度低く、1度以上低くなったのは86年以来20年ぶり。春(3~5月)は雨の日が多く、日照時間は平年比の76%と1899年の統計開始以来、ワースト2を記録した。
 福井市でがけ崩れによる死者を出した7月豪雨があったように、夏(6~8月)は降水量が平年比136%と多かった。また、真夏日が32日続く暑い夏となった。・・・・

という具合である。しかもこれらは、福井に限った事ではなかった。私の毎日とっている太陽光発電のデータでも今年の異常さは際立っていた 。風車や太陽光発電で温暖化を食い止めることはできないかもしれないが、少しでもその被害を少なくできる可能性がある。ぜひ、温暖化の被害を最小限に済ませるために計画を進めて欲しいものだ。もう、始まっているのだから・・・・。

2006.11.17

温暖化で鳥類絶滅・・・

温暖化を阻止するために効果があるとする風車。しかし、バードストライク(鳥が羽にぶつかる)の危険があるためという理由で、野鳥の会は、概ね建設反対の主張を展開している。中には、まるで親の敵のような感情的な反対論者すらいるのだが、温暖化による鳥類への影響が、ますます現実味を帯びてきている。11月15日の毎日新聞によれば、ナイロビで開催中の京都議定書第2回締約国会議で「地球温暖化によって、世界の鳥類の多くが絶滅する」との調査報告書が提出されたという。

気温が現在より1.5~4.2度上昇するとされる2080年には、豪州で最大7割、欧州や南アフリカで4割の鳥類が絶滅する恐れがある。WWFは「鳥類は環境変化の指標で、温暖化問題では、炭鉱で有毒ガスを察知するカナリアのようなものだ」と指摘、各国に温室効果ガスの排出削減を訴えた。
 報告書は、鳥類に関する200本以上の世界の研究論文を分析してまとめられた。温暖化の影響を受けやすいのは、海面上昇や湿地の減少ですみかを奪われる渡り鳥や海鳥だと分かったという。
 例えば、シベリアの湿地は温暖化の進展で7割が消失すると予想されるが、その結果、シベリアで繁殖するソデグロヅルは絶滅する可能性が高い。70年代以降、50%も生息数が減ったエクアドルのガラパゴスペンギンも絶滅の危機にある。 また、欧州では、餌になる虫の出現のピークが温暖化で早まったが、アフリカなどからの渡り鳥がそれに対応できず、生息数を減らすケースも出ている。

海岸部に多く建てられる風車ではあり、バードストライクの被害は皆無にはならないだろう。レーダーで野鳥を補足して回転を制御したり、音で脅すなどの案が出されているが有効かどうかは、まだわからない。しかし、野鳥の会が指摘している渡り鳥の渡りの道や野鳥の棲息地すら、地球温暖化によって渡る鳥も生息する鳥もいなくなるとなると冷静に今何が必要か考えてもいいかもしれない。もっとも、風車を建てたからといって温暖化が必ず阻止できるとは、私も思っていないが(^^ゞ

2006.11.05

大気中の二酸化炭素、過去最高濃度に

11月3日の時事通信によれば、 世界気象機関が温室効果ガスに関する報告書を先ごろ発表し、2005年の世界の大気中の二酸化炭素(CO2)平均濃度が、過去最高を更新したという。ことだ。たぶん今年度もこの値は更新していることだろう。一度触れ出した針はそんなに簡単に止められるものではない。きっとお左右に大きく揺れながら収束するのだろう。

・・・・・・・・・WMOはCO2濃度上昇の要因として、経済活動に伴う化石燃料の消費拡大などを挙げた。
 また、強い温室効果を示す一酸化二窒素(N2O)濃度も同0.19%上昇の319.2ppb(ppbは10億分の1、体積比)で、最高水準を更新。メタン濃度は1783ppbで、過去最高だった03、04年と同水準に高止まり・・・ 

2006.09.29

巨大訴訟の時代は来るか

28日の毎日新聞によれば、国土交通省は、国が管理する河川堤防の強度を調べ、中間結果として発表した。それによれば、日本の河川堤防の4割近くが危険だとしている。これは、大変な数である。別の記事によれば、九州の20河川で決壊の危険があるというのだ。これは、点検した河川だけであり、未検査の河川を含めたら、その数は膨大であろう。

点検済み区間の約36%で、水が浸透しやすく、最悪の場合決壊するおそれがあるとして強度不足と判定された。同省は「すぐに決壊するわけではなく、順次強化対策を取る」としている。

同じく、毎日新聞では、河川堤防の強化に乗り出す自治体の存在を伝えている。今や、激甚災害がめずらしくなくなり、その対応が迫られている事を意味している。

【三重県】県は、・・・15年間で国の補助を合わせて700億円の投資規模を想定している。・・・ 計画では、時間雨量60ミリ(東紀州は70ミリ)に対応できる河川整備を目指す。

国土地理院が作成した1:25,000デジタル標高地形図」(東京都区部)から見える地形の特徴 を見る01_3 と、荒川という人口見密集地が、河川堤防の決壊により、壊滅的な被害を受 ける可能性を持っていることがわかる。荒川の下流域のほとんどが、ブルーで示される低地であり、河川堤防決壊により水没してしまうかもしれないからだ。 あくまでも仮説であるが、先の台風14号のような猛烈な台風が関東を直撃し、荒川を豪雨が襲い、河川の堤防が決壊したらどうなるだろうか。 荒川の区民の多くが被災し、それを地球温暖化とからめて温暖化ガスを排出する電力会社や大企業相手に訴訟を起こしたらどうなるだろうか。その金額は、天文学的なものとなるに違いない。企業は、訴訟に備えてなんらかの手だてをとるか、貯金をするか(^^ゞ、風車や太陽光発電などで二酸化炭素を排出しない努力をしたことをアピールする必要があろう。今後は、火力で発電した電気を割高に設定し、被害者への弁済基金とするかもしれない。そんな巨大訴訟の時代が来るのだろうか。杞憂であってほしいものだ。

・・・川下流域は、ほとんどが0m以下の低地であり、高潮や洪水等の水害への備えが重要な地域であることが良く分かります。  ・・・近年の埋立地は、防災面への配慮から伊勢湾台風級の高潮に耐えられるよう計画高潮位(4m)よりも高く地盤が造成されていることが分かります。

著作権については、「Webサイト等□Webサイト等全体の中で、内容補足のため地図等の一部を挿絵的に3枚程度利用」の場合には、出典の明記をすることで、書面での申請手続が不要になります。」ということで、地図を掲載させていただき、内容を引用しました。

2006.09.27

混迷のアメリカ

9月23日の読売新聞によると、温暖化により海水温が下がっていると言う。これは、デイアフタートゥモローのシナリオと同じで、溶け出した冷水が、海に流れ込むため。

ワシントン=増満浩志】地球温暖化に伴って上昇し続けてきた海洋上層部の水温が、2003年から05年にかけて低下していたことが、米海洋大気局(NOAA)と米航空宇宙局(NASA)の調査で分かった。・・・研究者は「南極やグリーンランドの氷が解けて海へ流入した影響が考えられる」と指摘している。・・・観測データを解析。その結果、深さ750メートルまでの海水温は、03年までの10年間に0・09度上がったが、その後の2年で0・03度も下がったことが判明した。・・・・

26日には、こんな記事も出ている。

【ワシントン=増満浩志】米航空宇宙局(NASA)は25日、地球表面の温度はこの30年間、10年当たり0・2度の割合で急上昇しており、約1万2000年前に氷河期(氷期)が終わって以降、最も暑くなっていると発表した。

 地球温暖化問題の火付け役となったNASAゴダード宇宙科学研究所(ニューヨーク)のJ・ハンセン博士らが、20世紀に世界各地で観測されたデータを分析した。温度上昇が最も激しかったのは北半球の高緯度地域で、研究グループは「雪や氷が解けて地表が露出すると、太陽光の吸収量が増えるため」と考えている。・・・ あと2~3度上昇すると、海面が今より25メートルも高かった300万年前と同程度になるという。「私たちが知っている地球とは違う、別の惑星になってしまう」と、研究者らは生態系の激変を心配している。

地球が地球でなくなるとどうなるか・・・・砂漠化、気象の凶暴化が上げられているわけだが、ここにきてとんでもないことをアメリカが言い出したという。もともと産業優先のアメリカは、京都議定書にも距離を置いている。二酸化炭素が温暖化を招くというシナリオは大嫌いだ。ここへ来て、そのアメリカが温暖化は、ハリケーンの強大化に関係ないというのだ。27日の記事によるとブッシュ政権は、言論弾圧に踏み切っているというのだ。F(^_^;

【ワシントン=増満浩志】英科学誌ネイチャー電子版は26日、「地球温暖化でハリケーンが活発化しうる」とした米海洋大気局(NOAA)の研究報告書が、米政府の圧力によって公表されなくなったと伝えた。・・・ ブッシュ政権は、「温暖化の科学的根拠は乏しい」などとして、温暖化ガスを国際的に規制する「京都議定書」に参加していない。

日本では、逆に二酸化炭素が温暖化の原因でないという理論を葬るつもり・・・という記事が先にあったが、これと同じく暴挙である。地球の気象は、二酸化炭素のみで語れるわけではないが、確実にいえるのは、地球が温暖化していて、その原因が人間の活動にあるらしいということと、台風やハリケーンが凶暴化しているということ。日本でも東京をはじめ海面下の都市はある。近い将来台風による堤防破壊が原因で多くの人間が住居や命を奪われることは、東海地震よりも信憑性が高いかもしれない。都合のよい理論だけを流し、都合の悪い物は葬るのでなく、真剣にあらゆる可能性を考えるべきだろう。まぁ、二酸化炭素は、限りなく温暖化を促す悪役に近いような気はするが。(^^ゞ

2006.09.23

巨大台風の時代と訴訟

台風13号は、沖縄にあってまだ発達し、925ヘクトパスカルという最低気圧を記録した。通過した地域に甚大な被害をもたらして、日本海を経、北海道を襲った。50トンはあろうかという機関車を脱線転覆させた竜巻をも誘引し、「最強台風」の名を与えられた。台風14号は、それをはるかに上回る、915ヘクトパスカルの「猛烈な」台風となって北上している。9月23日の読売新聞はその猛威を次のように伝えている。

気象庁によると、父島では22日午後11時56分、観測史上2番目となる最大瞬間風速58・8メートルを記録。

小笠原諸島では、今現在も暴風、高波に厳重な警戒が必要とされており、台風は次第に東よりに向きを変え、24日には関東南東の海上を北東に進むと予想されている。もし、大陸から、高気圧が張り出さなかったら、初期の予報通り名古屋から東京までのどこかを襲っていたかもしれない。こういった、巨大台風の頻発は、地球温暖化によって予想されている現象である。今年の異常な豪雨。巨大台風は、まさに予想通りにおきているので、この分野の研究の成果といえる・・・・が。こんなことはあって欲しくない。実際、台風14号が関東を直撃したら、首都圏の広大な地域が(海抜0m以下なのだ)河川堤防の決壊で水没してしまうというシミュレーション結果を証明してしまいかねなかった。偶然により、今後どれだけ我々の生活は守られ、被災した場合にその保障を受けられるのだろうか。興味深い訴訟が次である。9月21日の時事通信が伝えるところによれば、

*【ニューヨーク20日時事】米カリフォルニア州のロッキャー司法長官は20日、自動車の排ガスは地球温暖化の主因であり、環境や経済、住民に大きな負担を強いているとして、トヨタ自動車やゼネラル・モーターズ(GM)<GM>など日米の自動車大手6社を相手取り、損害賠償を求める訴訟を同州オークランドの連邦地裁に起こした。排ガス被害の法的責任を自動車メーカーに問うのは初めてのケースとしている。

ついに来たなという訴訟で、驚きはしないかもしれないが、今後今回のような異常気象が頻発すれば、温室効果ガスを大量に出している、火力発電所や石油関連企業、大企業へ被害者が訴訟を起こすことは目に見えている。今回の訴訟は、今後どうなるかを占うもので興味深い。今後太陽光や風力によらない電気料金は、価格を倍化させ、その差額で温暖化災害救援基金としてストックされるようになるかもしれない。そういう時代が来ようとしていることを2つの巨大台風は教えてくれているような気がする。どうか被害が最小限に済まされますように・・・・・。

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2006.09.01

天候が優しくなくなっている

温暖化を二酸化炭素のみのせいにする考えは、NGだが、温暖化によって天候が荒々しくなっている事は、確かなような気がする。統計的には、まだまだそれを決定付けるには時間が必要だろうが、早めに対策をして損は無い。二酸化炭素も主因のひとつと考えれば、排出を抑えるのは賢明な策であろう。そんなことを思っていたら、9月1日の時事通信でこんな記事があった。

気象庁は1日、今夏(6~8月)の天候まとめを発表し、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降った回数が19回と、1976年の統計開始以来最多だったことを明らかにした。・・・ これまでの最高は、・・・88年と99年の17回だった。・・・ また、今夏を通じ、41地点で24時間降水量の史上最多記録が更新され、72時間降水量では88地点で更新された。 

このことは、我々がなにかのアクションを起こす必要があるということだろう。マイナス6パーセントといわず、どんどん減らしてほしいものだ。私は、自動車通勤をやめた。転勤で家が職場から近くなったからね。(^^ゞ

2006.08.28

温暖化否定論に環境省反論に反対F(^_^;

環境省が「二酸化炭素(CO2)が地球温暖化の引き金になっている」ということを否定する声に対して国内の研究者の知恵を結集して反論していくのだそうだ。これは、温暖化を疑問視する主張は誤解に基づくものが多いと判断したからだそうだが、少々心配である。よもや環境省が温暖化の原因が二酸化炭素の単一要因だと思っているのではないと信じたいが、温暖化は複合要因によるもので、その主要な理由のひとつが二酸化炭素であるという立場から離れる事になったら心配を通り越して環境省の不明を露呈しそうで怖い(^^ゞ26日付の読売新聞によれば、

20世紀の気温上昇は都市化に伴うヒートアイランド現象のためで、CO2は無関係」など、CO2による温暖化自体を否定する声も一部の研究者の間で根強い。

の声に危惧感を抱いての事だろう。実際、温暖化ガスは二酸化炭素だけでないことは、自明の理だ。それを二酸化炭素だけを悪者にすることは、真理から離れる事になりかねない。確かに私は、風車などを通して二酸化炭素の排出を防ぐことを提唱しているが、このブログを通していろいろ調べるうちに温暖化の原因が二酸化炭素だけではないと信じるようになってきた。逆に、二酸化炭素のみを悪者にすることで、その排出権を売買したり、風車と太陽光発電だけで温暖化が抑えられるなどといって無用な努力をするのは好ましくないと考えている。環境を食い物にする悪者を助長し、真理の追究に対する目を曇らせてはいけない。温暖化すら、長い気候変動の中で、考える真面目な科学者にとっては、まだ結論とするには早いと考えられるだろう。私は、真面目な科学者ではないから、様々な状況証拠から、温暖化は着実に進行していると考えているが、環境省という公権力が一部の考えに圧力をかけるのには反対だ。それよりも確固たる証拠・理由を見つけるべきであろう。

最後に、私は、二酸化炭素単一要因という温暖化の考えには反対だ。しかし、二酸化炭素は温暖化に大きな影響をもたらしているから、排出量を少しでも減らす事は肝要だと考える。また、化石燃料離れを促進し、持続可能な社会を創るためにも風力発電や太陽光発電といった自然エネルギーを活用する道を勧めるべきだと考えている。

2006.07.31

グリズリーよお前もか

26日の共同通信によれば、地上最強の灰色熊のグリズリーも絶滅の危機に瀕しているという。アメリカワイオミング州のイエローストン国立公園に生息するこの最強にして巨大な熊も地球の温暖化による気候の変化についていけないのだろう。環境団体もアメリカ政府に温暖化防止を訴えるそうだが、対策が間に合ってほしいものだ。

地球温暖化による影響で、米西部にある計12カ所の国立公園で、クマの絶滅や氷河の消滅など大きな生態系変化が起きる可能性があることが25日、米国の「自然資源保護協会(NRDC)」など環境団体の調査で分かった。

2006.07.23

この気象、異常だね。何もかも??{{{{(+_+)}}}}

記録的な・・・豪雨・洪水・長雨・集中豪雨などがニュースで並んでいる。中央道がなければ全滅に近い被害が出たのではという岡谷などのある長野といい鹿児島といい熊本、岐阜、飛騨、舞鶴、松江、雨雨雨の祇園祭の京都、野球もできない佐賀や香川や群馬、風車反対の人がいる島根の出雲、福井、北朝鮮数百人の死者、韓国の冷夏、日照不足が深刻な東北などなどどうしてこうなるのだろうという異常な天候が牙をむいて人々に襲いかかっている。これらを全部温暖化が原因と決めつけるのは乱暴で科学的ではないだろうが、21日のasahi.comの記事が空恐ろしい。なぜならこの現実を予測しているからだ。

梅雨が明けない。猛暑あり豪雨ありで、いつもとは違う今年の梅雨だが、実は地球温暖化が進んだ場合に予想される今世紀末の梅雨空に似ている。  「中国の揚子江流域、東シナ海、西日本と列島の南海上で降水量と雨の強度が増加する。梅雨明けが8月まで遅れる傾向がある」  気象研究所気候研究部の楠昌司室長(地球温暖化予測)らは、地球温暖化が進んだ約100年後の梅雨時をこう予測する。 ・・・・・・・・・・・楠室長によると、温暖化が進むと、太平洋高気圧が日本の南で強まり、居座る。このため、梅雨前線が北上せず、列島にかかったまま梅雨明けが遅れるという。 ・・・・集中豪雨の回数が増え、西日本では梅雨時の降水量は5割近く増えるという。 ・・・・・気象庁気象大学校の谷貝(やがい)勇教授(気候学)は、・・・・・・温暖化が進むと夏は北日本が寒く、西日本が暑い「北冷西暑」が顕著になるとみている。  この100年の観測結果を見ると、地球全体が暑くなると、オホーツク海高気圧が強まる関係があり、北の高気圧からの冷たい空気と、南からの暖かい空気が列島付近でぶつかり、前線の活動を強めるという見方だ。 谷貝教授は、・・・・・今年の前線の活動は異常で、注目している」と話す。

できれば、全文を掲載したいのだが、著作権の関係で、一部を抜き出しているので、正確に知りたければ、asahi.comの21日付を捜して欲しい。リンクを張れば簡単だが、個別の記事にリンクを張ることも難しい問題があるようだ(^^ゞ

聞けば、アメリカでは、2006年1─6月の平均気温が1895年の観測開始以来最も高かったという。これは、温暖化でなく気候変動?一時的なブレであるいう人もいる。でも、これほど気候が荒々しく、過去に無い記録的な数値を示し、最悪のシミュレーションに酷似していると恐ろしくなる。風車を立てればこの異常気象が解消するなんてこれぽっちも思わないが、1本でも多くの風車で化石燃料の消費を抑えることができれば、ほんの少し環境は人に優しくなるかもしれない。景観は大切だが、それを愛でる人や動物が死滅してしまっては何の役にもたたないだろう。1本でも多くの風車がほしい。少しでも太陽光発電が広がって欲しい。そんな気持ちにさせられてきた。大雨に家財を奪われた島根や出雲の人たちは、私以上にそう思うのではないだろうか。

2006.07.17

アイガー東壁崩落

14日の共同通信によれば、その北壁がグリンデルワルドからその登頂の様子を望遠鏡で見られることもあり、多くの登山家の憧れの的となっている。数々の映画の舞台ともなった事で有名である。その頂は、3、970メートルと、富士山よりも高い。崩落の規模は、高層ビルに匹敵するという。

 地元報道によると、岩塊の大きさは40万-60万立方メートル。高さ147メートルの霞が関ビル(容積約50万立方メートル)が丸ごと落ちた形だ。 地質学の専門家によると、崩落には地球温暖化が影響している。氷河が後退し、高山の地盤が緩んでいるためだ。スイスのアルプスでは1985年から2000年までの間に氷河が約22%減少、今後も温暖化に歯止めがかからなければ同地域の氷河は世紀末には消滅するとの研究結果もある。

アイガーは、数々のキャンプ場やホテルがあり、登山客で賑わうところである。被災したり遭難したりした方がいないといいのだが・・・。このほかにもグロスグロッグナーなどの氷河が、大規模な後退を続けているヨーロッパアルプス。岩盤を支えている氷河の溶解は、登山者や観光客の安全を脅かすレベルになっている。恐ろしい事だ。

写真は、15年ほど前に家族でキャンプをした時のアイガー北壁

Swis4

2006.06.23

アジアは欧州よりも・・・・

6月21日の共同通信によると

地球温暖化がきっかけになって起こることが懸念されている欧州北部などの急激な寒冷化について、日本など東アジア地域は、欧米ほど深刻な影響を受けないとの研究結果を発表した。・・・・・ 同講師は温暖化が進んでいる現在の気候状況が、温暖化の後に急激な寒冷化に見舞われた1万2000年前ごろと似ていることに着目。その間のアジアの気温変動を調べるため、福井県の水月湖で採取した花粉の化石などを分析した。その結果、気温変動は最大で5度程度の低下にすぎなかったことが分かった。

のだという。5度低下すれば、大変な事だと思うし、アジアが無事ならヨーロッパはどうでもいいということにもならない。温暖化によって、デイアフタートゥモローのような急激な寒冷化が、全地球的に起こり、それは、程度の差こそあれ、アジアもまぬかれないということが実証されたということなのだ。気候は、大きく乱れ、思っても見ないような突風・雷雨・長雨・日照不足・雹などの被害がすでに日本をはじめ多くのアジアの国々で起きている。

今冬の海氷面積は平年の4割減

温暖化の影響なのかはわからないが、海氷は減っているらしい。6月23日の共同通信によれば、北海道に押し寄せる氷の面積が極小であったという。海流の異変か、温暖化の影響かわからないが、すでに北極では氷が減少し、ホッキョクグマが絶滅危惧種として名前が挙がっていることは事実だ。人はなす術を知らず、自然の動物は環境の激変についていけず滅ぼうとしている。人がなすべきことは多いが、環境を理由にして環境を保全しようとする試みに反対する人もいる。うーん、人とは本当に罪深い生き物だこと・・・(^^ゞ

北海道に流氷となって押し寄せるオホーツク海の海氷の積算面積が今冬、平年の64%の約1651万平方キロと気象庁が観測を始めた1971年以降、最小だった・・・・ 同庁海洋気象情報室は「地球温暖化の影響かどうかは分からない。観測では、ほぼ10年周期で増減を繰り返しているようにみえる」としている。・・・・・今冬は、海氷面積の最大値(3月10日時点)も約90万3000平方キロと、観測史上2番目に小さかった。

2006.05.25

キリマンジャロの雪も消えるとか

[CNET Japan]の5月24日(水)づけのニュースによれば、カリフォルニア大学バークレー校校の資源エネルギー学教授のJohn Harte氏の講演内容として次のような記事が出ていた。

2100年までに海水位が少なくとも0.5m上昇・・・複数の小さな島国が消滅し、香港にも深刻な影響が及ぶ。欧州ではここ数年、夏の猛暑による死者が多数出ているが、今後、夏の猛暑がさらに深刻化し、長期化すれば、死者数はさらに増大・・・北極グマも生活環境の減少に伴い、徐々に死滅・・・2020年までに、キリマンジャロの雪が消滅する可能性・・・気温の上昇に伴い、マラリアなどの熱帯地域に見られる病気の被害が先進国にも広がる可能性・・・有史以前に起こった種の絶滅と同規模の大量絶滅が発生する可能性・・・氷河が解けると地球の表面が暗くなり、その結果、地球がより多くの日光を吸収し、氷河の融解を加速・・・温暖化が進むと一部地域の降雨量が減少し、その結果、森林火災の多発や温暖化ガスの増加

まさに負の連鎖。こういったことが起こるのではないかと言われて久しいが、昨夜の突然の雷雨と豪雨など、気象が本当に尋常でないと思わされるできごとが続いている。確かに温暖化によって寒冷地が温暖になって住環境が良くなるところはあるに違いない。しかし、少なくとも大都市と文化、多くの人口が密集している現在の主要な地域は、人の住めない場所になり、大破壊が起こることが予想される。こういった負の連鎖を食い止めることはできないかもしれないが、鈍化は可能だろう。採算性を度外視しても人はまず何かをしなくてはならない時が来ているといえようF(^_^;。

2006.05.21

次は食糧危機か・・・

5/20の共同通信によれば、

世界の穀物需要は一貫して増加傾向にあり、06年から07年にかけて需要が生産を上回る可能性が高い。・・・・FAOは「穀物の備蓄分が市場に出るので世界的な穀物不足が起こる可能性はない」としているが「北朝鮮やイラク、アフリカの発展途上国など39カ国が、海外からの食糧援助に頼らなければならなくなる」と警告している。

そうだ。この事態の主因は、異常気象だということだから、今後もこういった状況が続く可能性があるということになる。こうなってくると、食料自給率の低い日本は辛い。大豆や穀類の先物取引などの話も聞かれるが、価格の高騰は、貧困国を直撃する。国際間の紛争の種にもなる。警告が外れる事を願うしかない。

2006.05.07

温暖化で渡り鳥が9割減!

読売新聞 5月7日1時36分更新によれば、温暖化によって渡り鳥のマダラヒタキがPhoto 場所によっては9割減なのだそうだ。それも温暖化が原因。温暖化による大量絶滅か、風車に当たって死ぬ(数は限られているだろうな)か、鳥にとっては厳しい世界が待っているようだ。しかし、冷静に考えてみれば、絶滅危惧種の近くには風車を立てない(生息域は野鳥の会などの専門家に教えを請えばいい)などの配慮をしつつ、温暖化ガス減少のための発電用風車建設を推進する方が理にかなっているとわかるはず。ぜひ、風車はダメでなく、協調して鳥を守る活動に取り組んでほしいものだ。

地球温暖化の影響で、エサが豊富な時期と渡りの時期にずれが生じていることが原因とみられる

必死の思いで、長い渡りを終えた鳥たちが、辿り着いたところで餌がなく飢え死に・・・・哀れでならない。温暖化で草木は早く芽生え、餌の虫もそれにつれて発生する。鳥が辿り着いて子供を産み育てる時期には、もう餌が成虫になってしまうため、子供に食べさせる餌がない・・・・・。渡りの出発をもっと早くすればいいようなものだが、何千年、何万年に渡って続けてきた習慣を、そんなにたやすく変えることはできない。生き物の生態が、温暖化のスピードに追いついていけない悲劇なんだ。すこしでもスピードを遅らせる取り組みを応援しないと、守るべき野鳥がいなくなってしまうかもしれない。F(^_^;

マダラヒタキの写真の著作権は、takanoさんにあります。ここでは、(c) 2001-2006, nobuhisa & seiko takanoさんの個人的博物館より許可を得て掲載しております。

2006.05.02

ホッキョクグマ・カバ絶滅危惧種に

時事通信 5月2日11時1分更新によれば、ホッキョクグマ・カバが絶滅危惧種としてノミネートされたという。こういう形で名前が挙がるのはホッキョクグマもカバも不本意であろう。その理由が人為的なものであるところが悲しい。

ホッキョクグマは、地球温暖化の影響で北極海の氷が解け、餌となるアザラシの捕獲が困難となっており、今後45年間で30%以上も減少すると懸念されている。カバは1994年に世界2位の3万頭が生息していたコンゴ(旧ザイール)で、密猟により95%も減少した

別のニュースでは、哺乳類の4分の1が今や絶滅に瀕しているのだと言う。先カンブリア紀並かそれ以上の大絶滅が数百年レベルの短い間で起こるというのだから、将来の地球上の知的生命は、きっと巨大な隕石が落ちてきたような破局がおこったと分析するのだろうなぁ。F(^_^;

2006.04.30

異常気象は温暖化の影響

共同通信 - 4月30日20時22分更新によれば、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が報告書原案に

近年の熱波などの異常気象や北極の氷の減少が、人間活動による地球温暖化が原因で起こっている可能性があることを初めて指摘した

という報告を盛り込んだということだ。温暖化によって各地の気象が優しくなくなっていることは、だれしも感じているはず。先日の突風を伴う局地的な雨も、今まで見たことも無いような雲とその動きに気味悪さを感じたのは、私だけではなかった。温暖化の原因イコール二酸化炭素というのは、短絡的過ぎるが、二酸化炭素がその原因のひとつであることは確かなのだから、少しでも早く手を打っていかないと大変なコトになるんだよなぁF(^_^;

2006.04.16

温暖化による種大量絶滅

温暖化で固有種大量絶滅へ 国際チーム対策強化求める
 【ワシントン14日共同】地球温暖化が現在のペースで進むと今世紀中に、希少動植物が集中して生息する地域で、そこにしかいない固有種の大量絶滅が起こる恐れが大きいとの研究を、カナダ・トロント大などの国際チームが14日までにまとめた。 温暖化による影響だけで、約6万の固有種が絶滅する恐れがあるという。アジア太平洋地区ではタイやミャンマー、南西オーストラリアなどで特に影響が顕著だと分かり、チームは温暖化対策の強化を求めている。 世界中には限られた範囲の土地に、多くの固有種がすむ「ホットスポット」と呼ばれる地域が存在する。 チームは、ホットスポット25カ所について、現在のペースで温暖化が続いた場合、生物が依存する植生がどれだけ変化するかをコンピューターモデルで推定。結果を基に各地域の固有種の絶滅を予測したところ、平均12%、最大で43%の固有種が絶滅するとの結果になった。
(共同通信) - 4月15日9時25分更新 より引用 下線太字管理者

恐ろしい事です。みんなが何とかしようとしないと・・・・。

2006.04.08

温暖化等によるウミガメ危機

ウミガメ危機、アカウミガメは25年で1割以下に

 国際自然保護連合(IUCN)の専門委員会は6日、危機的な生息状況にあるウミガメのリスト(産卵上02陸地別)を公表した。 最も絶滅が危惧(きぐ)されているのは太平洋産のオサガメ。中南米や東南アジアでは、20年足らずのうちに個体数が1割以下に減った。 日本関連では、本州以南が主産卵地であ る太平洋産アカウミガメが、リストの4番目に入った。産卵のために上陸する数が日本とオーストラリアで激減、個体数は過去25年間で1割以下に減少したという。 専門委は、減少の理由として、漁業の影響や乱獲、海洋汚染を挙げたほか、地球温暖化も「異常気象などで産卵地や生息域を狭めている恐れがある」と指摘している。ウミガメは世界で7種が生息、6種がIUCNのレッドリストに「絶滅危惧種」として記載されている。 
(読売新聞) - 4月8日1時42分更新 写真はTBS生物図鑑より引用

ファインディングニモの中で、「ウミガメは、100年も生きるんだよ」という下りがありますが、この愛すべき海生動物が危機に瀕していることが、辛いのです。ぜひ、温暖化防止のための方策を急がねば・・・。

2006.04.03

温暖化で世界遺跡が消滅の危機

7遺産が「消滅の危機」 開発や温暖化原因と米誌 【ニューヨーク2日共同】3日発売の米誌ニューズウィーク最新号は「最も危機にひんしている世界の7つの驚異」と題した記事で、エジプト南部ルクTemple ソールの神殿や墳墓群をはじめ、7つの文化・自然遺産などが開発や地球温暖化などで損なわれ「消滅」の恐れに直面していると警告した。 リストアップされたのはほかに、バビロン(イラク)、東南アジアとオセアニアにまたがるコーラルトライアングル、マチュピチュ(ペルー)、モルディブ、ベネチア(イタリア)、万里の長城(中国)。 同誌によると、ルクソールではアスワン・ハイダムの完成で、かつてナイル川のはんらんで洗い流されていた塩が蓄積され神殿の土台を浸食。バビロン遺跡は米軍のイラク進攻・駐留で損傷した。 (共同通信) - 4月3日10時55分更新

写真は、夜のカルナック神殿を行く、カミサンと子ども達。(^○^)

ルクソールの神殿には行ったことがあります。末の娘が猫の鳴きまねをしたら上手だと言って、入場料をタダにしてくれました(^◇^)。そんな人情味のある土地で、すれっからしのカイロっ子たちとは・・・失礼・・・ちょっと違っていい人が多くいました。V(=∩_∩=)

2006.03.30

桜前線記録的早さで北上

東京で桜が満開 過去3番目の早さ
Sakura  気象庁は28日、東京都心で桜(ソメイヨシノ)が満開になったと発表した。平年より8日、昨年より9日早く、1953年の統計開始以来、2001年と並んで過去3番目の早い記録となった。最も早かったのは、02年の3月21日。 また28日は、横浜でも平年より8日、昨年より10日早く満開を迎えたほか、前橋、大阪、松江では平年より2-6日早く開花した。 気象庁によると、桜の開花は、全国的に地球温暖化の影響などで早まっており、特に大都市はヒートアイランドも重なって早まる傾向が強く、東京の開花は、過去50年の長期変化をみると、3・8日早くなっているという。
(共同通信) - 3月28日19時39分更新 桜前線図は、tenki.jpより。下線太字は管理者

桜の開花時期が温暖化によって早まっている。地区にもよるけれど、入学式には桜はもう散ってしまうところも増えてくるのかもしれないなぁ

2006.03.25

加速する気候変動(2)

加速する気候変動:『ウェザー・メーカーズ』著者に聞く(下)
 
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20060322302.html (3/22から続く)

WN:あなたは著書の中で、気候変動をめぐる訴訟が起きる可能性に触れていますね。1990年代のタバコ訴訟に似たところもあるとのことですが。フラナリー:法的手段が用いられる可能性は極めて高いと思う。欧州連合(EU)がこのまま温室効果ガスの削減を続け、コストのかかる代替技術を採用したとしよう。温室効果ガスを大量に排出する技術で作られた製品が外部から入ってくれば、不当な競争を強いられていると感じるはずだ。彼らは(排出量の多い)国に対して貿易制裁や貿易障壁、関税を課そうとするだろうか? そうしたことが新たな訴訟合戦の引き金になる可能性は? もう1つは石綿やタバコの現状とよく似た問題だ。たとえば、タバコ業界では受動喫煙が問題化している。誰が出した煙でガンになったかは特定できないが、タバコの煙がガンの原因になりやすいことは統計的に示されている。気候変動で廃墟と化した都市が住民に補助金も支給せず、保険会社による不履行の補償もしなければ、同じことが起こるのではないか? また、企業や業界が排出者、汚染者を相手取り訴訟を起こすことはないだろうか? 農業などは気候変動によって深刻な損害を被る可能性があるのだから。
 この問題は今後の展開が見物だ。科学は確実に進歩しており、その一方で排出者の一部は巧妙に責任逃れを図っている。こうした状況で人々が何もせず損害を受け入れるとは思えない。WN:最近、これは市場が解決すべき問題だという趣旨の理屈をよく耳にします。フラナリー:市場に考えてもらう必要があるとは思う。ただし、その前に市場はあらゆるコストを認識しなければならない。まず炭素税のようなものを導入する必要がある。現在の市場では二酸化炭素による汚染のコストが認識されておらず、それがこうした問題の原因になっている。保険業界が毎年どれだけ損失を出しているかはよくわかっている。将来どれくらいのコストがかかるか、ある程度は予測できる。そうしたコストを受け入れなければならない。しかも、すべての技術に平等な競争条件を与えなければならない。つまり、二酸化炭素による汚染の結末を実感できる炭素税の導入が必要なのだ。世界の大部分はこの見解で一致しており、それを形にしたのが『京都議定書』だ……。(しかし)米国も私が住むオーストラリアもこれを認めていない。いずれも、現実から目を背け、問題に対処しないという決断を下した奇妙な国だ。
WN:石油生産量が頂点に達する時期(「
http://en.wikipedia.org/wiki/Peak_oil 石油ピーク」)は近づいていると思いますか? そうなってから先は、燃料消費の削減が避けられませんが、これは気候変動との戦いに有利に働くのではないですか?フラナリー:あらゆる予測が石油ピークの到来を示唆している。しかしすでに述べたように、この問題はもともと緊急に対処すべきもので、石油ピークはその緊急性をさらに高めたに過ぎない。今年のうちに講じる1つの対策は、来年の5回の対策、あるいは5年先の50回の対策に相当する。今のうちに必要な対応をすれば、費用もそれだけ安く済むからだ。われわれは10年後の世界にいる――2016年だ。海面は上昇のペースを速めている。各国政府は今よりはるかに多い資金を投じ、海抜が低い地域の防護に追われているはずだ。現時点で米国は、ニューオーリンズにどれだけ資金をつぎ込まねばならなくなっているだろう? 南部と東部の海岸全域、西海岸の一部にも、同様の費用がかかるようになることを想像してみてほしい。 原油価格が現在の2、3倍まで高騰していると想像してみよう。またハリケーンの問題が増加し、それに伴い保険会社の損失も膨れ上がっているだろう。さらに気象の異常がたびたび起こり、水を自由に使えなくなるだろう。この結果、社会はものすごいストレスにさらされる。そうした社会に、新たなエネルギーのインフラを構築する余裕があるだろうか? 問題の軽減を図るには、いずれにしてもインフラを構築しなければならない。しかし、それで今後半世紀の海面上昇を食い止められるわけではないし、差し迫った海面上昇から街を守れるわけでもない。 だからこそ、比較的安い費用で対策を講じられる今のうちに動くことが極めて重要なのだ。10年後には、こうした問題について考える資金的な余裕も時間もなくなっている可能性がある。そうなればもちろん行動など起こせない